99 / 250
第7章 ゼバーシュの魔女
第94話 同調
しおりを挟む
マッキンゼ卿を含め、4人の乗り込んだ馬車がダライの街を砦に向けて進む。
速度は速くなく、徒歩と変わりない。
その前後を先ほどの兵士たちが警護していた。
「もうすぐ着きます」
「はい。上手くいくといいのですが」
マッキンゼ卿の言葉にアティアスが相槌を打つ。
ダライの砦はもう目の前だ。
そこには市長であるファモスがいる。
直接乗り込み、腹を割って話をする予定にしていた。
砦の前で馬車を降り、門の前で兵士に告げる。
「予定通りファモスに面会に来た。この者達は私の友人だ。……通してくれ」
「これはヴィゴール様! ……どうぞお通りくださいませ」
門兵はビシッと敬礼し、4人を砦の中に通した。
このダライの砦は2階建てでそれほど大きくないが、しっかりとした石造りで堅牢な構造をしていた。
街の規模もミニーブルに次ぐ大きさのためか、砦の周りには兵士たちが駐在するための建物がいくつも建てられていた。
マッキンゼ卿は、迷いなくファモスがいるであろう2階の執務室に向かう。
「……ほとんど人がいませんね。いつもこんなものなのですか?」
ふとエミリスが不思議そうにマッキンゼ卿に聞く。
彼女は、この砦の中に兵士がほとんどいないことを感知していた。
「いえ、普段そんなことはないはずです。……気になりますね。注意しておいたほうがいいかもしれません」
「わかりました」
アティアスも同意する。
執務室の前に着くと、兵士がひとり立っていた。
マッキンゼ卿が告げる。
「ファモスに会いに来た。通してくれ」
「ヴィゴール様。……現在ファモス様は不在でございます。中でお待ちくださいませ」
「それはどういうことだ?」
「申し訳ありません。そのようにお伝えするように……としか申しつけられておりません」
兵士の応答に首を傾げながらも、マッキンゼ卿は執務室に入る。
広い執務室は普段ファモスが市長としての仕事をするための部屋だ。
その部屋の中心におおきな机が置かれており、その脇には書類の束が積み上げられていた。
その机にはひとりの男が座っていた。
そして、その男の顔はアティアスも知っていた。
「……ラムナール」
マッキンゼ卿がその男の名を呟く。
40代ほどのその男は、以前アティアス達がルコルアで表彰されたときに出会っていたラムナールだった。
マッキンゼ卿が部屋に入ったのを確認したあと、ラムナールは椅子から立ち上がり礼をする。
「ヴィゴール様、お待ちしておりました」
「なぜお前がここに? ルコルアを任せていたはず。それにファモスはどこに行った?」
予想外のことだったのか、マッキンゼ卿はラムナールに問う。
「私はファモス様に言われてここに来ております。アティアス殿も、お久しぶりです」
「……あ、ああ。久しぶりだな」
アティアスが返事を返す。
そのとき、不意にエミリスがアティアスに小声で耳打ちした。
「……この砦の中の兵士、今は誰も残っておりません。絶対に何か仕掛けてきます」
「そうか、わかった」
彼女の言葉に頷く。
兵士を隔離したということは、被害を抑えるのが目的だろうか。
ラムナールが口を開く。
「アティアス殿が、あの至近距離での爆発を受けて生きていたとは思いませんでしたよ。……確実に仕留めたと思っていましたので」
彼の言葉にアティアスが驚く。
「なぜそれを……」
爆発というのは今まで2度あるが、恐らくこのダライで黒服の男達に襲われたときのことだろう。
しかし、そのときの相手がアティアスだったと知るものは、マッキンゼ卿とウィルセアを除いてはいないはずだった。
……当事者を除いては。
「爆弾を放ったのは私ですから、知っていて当然です」
不適な笑みを浮かべてラムナールが真相を告げると、アティアスは唇を噛む。
「まさかとは思ったが……」
「ええ、あの時は失敗して残念です。だが――」
そこまで言葉を発した瞬間――
ラムナールは背後の窓に向けて駆け出し、その窓を割って執務室から飛び出した。
「――ラムナール!」
マッキンゼ卿が叫ぶ。
エミリスがその背中に向けて魔法を撃とうとしたが、一瞬相手の方が早く空振りに終わった。
咄嗟にアティアスが叫ぶ。
「――ちっ! 追うぞ!」
「ま、待ってください!!」
走り出そうとする彼の腕をエミリスが掴んで制止した。
そのとき、耳をつんざく轟音が響き渡り。
――ダライの砦は崩壊した。
◆
「……大丈夫ですか⁉︎」
視界のない暗闇のなか、エミリスが声をかける。
「ああ、俺は大丈夫だ」
「私たちもです」
口々に無事を伝える声が聞こえる。
「――灯りを」
真っ暗なままでは何も見えないのでオースチンが魔法で周囲を照らす。
「ここは……?」
「……瓦礫に埋められてしまったようです」
魔法か爆弾かは分からなかったが、砦に取り残されたまま、その崩壊に巻き込まれて生き埋めになってしまったようだった。
兵士が退避したのは、これが目的だったのかと気付く。それにしても、まさか砦ごと破壊するとは、誰も予想していなかった。
「咄嗟に空間を作りましたけど……あまりに重くてこれが精一杯でした。ごめんなさい」
潰されないように、今も彼女が魔力で支えて続けてくれているらしい。
「すまない。魔力は大丈夫か?」
アティアスの問いに彼女は苦い顔をする。
「うう……大丈夫じゃないです……。これだけ重いと、そんなに長くもちません。早く脱出しないと、いずれぺちゃんこです……」
軽いものならいくらでも耐えられるのだろうが、重量のある石の瓦礫を魔力だけで持ち上げ続けるのは、彼女でも苦しいようだ。
「かと言って、これは厳しいな。魔法で吹き飛ばすくらいしか……」
「ただ、それをやると私たちも無事ではすまないですね」
マッキンゼ卿にも妙案はなさそうだ。
……考えろ。
このまま潰されるくらいならば、一か八かでなにか方法が無いものか。
……吹き飛ばす、か。
どうせ駄目なら試してみる価値がある方法が思い浮かぶ。
「エミー、俺にタイミングを合わせられるか?」
「……どうやるんです?」
「俺が魔法で上の瓦礫を吹き飛ばす。その瞬間にエミーが壁を作って魔法を防いで欲しい」
エミリスが瓦礫を支えているうちにアティアスがそれを吹き飛ばす。
しかし至近距離での爆裂魔法は自分たちにも影響が大きい。並の魔導士では防げず、彼女の作る壁がないと厳しいだろう。
なので爆発の寸前に瓦礫を支えている魔力を解き、魔法を防ぐ壁に切り替える、という案だ。
切り替えが早いと落ちてきた瓦礫に潰されるし、一瞬でも遅れると爆裂魔法で圧死してしまう。
「……わかりました。……もし失敗したら一緒に天国に行きましょうね」
「何言ってんだ。エミーが失敗するわけないだろ。……マッキンゼ卿、失敗したら申し訳ありません」
「いえ、他に手段はないでしょう。私たちも少しでも壁を張ります。……よろしくお願いします」
マッキンゼ卿も同意する。
「エミー、俺の詠唱に上手く合わせてくれよ」
「何度も聞いてますからね。……大丈夫です」
その言葉とは裏腹に、彼女は緊張感の漂う表情を見せる。
アティアスは腕輪を確認し、彼女の魔力を詰めた宝石をしっかりと握る。
そして、ゆっくりと詠唱を始める。
彼女がごくりと喉を鳴らしたのが聞こえる。
「――爆ぜろ!」
そして、発動の言葉と共に視界が真っ白に覆われた。
速度は速くなく、徒歩と変わりない。
その前後を先ほどの兵士たちが警護していた。
「もうすぐ着きます」
「はい。上手くいくといいのですが」
マッキンゼ卿の言葉にアティアスが相槌を打つ。
ダライの砦はもう目の前だ。
そこには市長であるファモスがいる。
直接乗り込み、腹を割って話をする予定にしていた。
砦の前で馬車を降り、門の前で兵士に告げる。
「予定通りファモスに面会に来た。この者達は私の友人だ。……通してくれ」
「これはヴィゴール様! ……どうぞお通りくださいませ」
門兵はビシッと敬礼し、4人を砦の中に通した。
このダライの砦は2階建てでそれほど大きくないが、しっかりとした石造りで堅牢な構造をしていた。
街の規模もミニーブルに次ぐ大きさのためか、砦の周りには兵士たちが駐在するための建物がいくつも建てられていた。
マッキンゼ卿は、迷いなくファモスがいるであろう2階の執務室に向かう。
「……ほとんど人がいませんね。いつもこんなものなのですか?」
ふとエミリスが不思議そうにマッキンゼ卿に聞く。
彼女は、この砦の中に兵士がほとんどいないことを感知していた。
「いえ、普段そんなことはないはずです。……気になりますね。注意しておいたほうがいいかもしれません」
「わかりました」
アティアスも同意する。
執務室の前に着くと、兵士がひとり立っていた。
マッキンゼ卿が告げる。
「ファモスに会いに来た。通してくれ」
「ヴィゴール様。……現在ファモス様は不在でございます。中でお待ちくださいませ」
「それはどういうことだ?」
「申し訳ありません。そのようにお伝えするように……としか申しつけられておりません」
兵士の応答に首を傾げながらも、マッキンゼ卿は執務室に入る。
広い執務室は普段ファモスが市長としての仕事をするための部屋だ。
その部屋の中心におおきな机が置かれており、その脇には書類の束が積み上げられていた。
その机にはひとりの男が座っていた。
そして、その男の顔はアティアスも知っていた。
「……ラムナール」
マッキンゼ卿がその男の名を呟く。
40代ほどのその男は、以前アティアス達がルコルアで表彰されたときに出会っていたラムナールだった。
マッキンゼ卿が部屋に入ったのを確認したあと、ラムナールは椅子から立ち上がり礼をする。
「ヴィゴール様、お待ちしておりました」
「なぜお前がここに? ルコルアを任せていたはず。それにファモスはどこに行った?」
予想外のことだったのか、マッキンゼ卿はラムナールに問う。
「私はファモス様に言われてここに来ております。アティアス殿も、お久しぶりです」
「……あ、ああ。久しぶりだな」
アティアスが返事を返す。
そのとき、不意にエミリスがアティアスに小声で耳打ちした。
「……この砦の中の兵士、今は誰も残っておりません。絶対に何か仕掛けてきます」
「そうか、わかった」
彼女の言葉に頷く。
兵士を隔離したということは、被害を抑えるのが目的だろうか。
ラムナールが口を開く。
「アティアス殿が、あの至近距離での爆発を受けて生きていたとは思いませんでしたよ。……確実に仕留めたと思っていましたので」
彼の言葉にアティアスが驚く。
「なぜそれを……」
爆発というのは今まで2度あるが、恐らくこのダライで黒服の男達に襲われたときのことだろう。
しかし、そのときの相手がアティアスだったと知るものは、マッキンゼ卿とウィルセアを除いてはいないはずだった。
……当事者を除いては。
「爆弾を放ったのは私ですから、知っていて当然です」
不適な笑みを浮かべてラムナールが真相を告げると、アティアスは唇を噛む。
「まさかとは思ったが……」
「ええ、あの時は失敗して残念です。だが――」
そこまで言葉を発した瞬間――
ラムナールは背後の窓に向けて駆け出し、その窓を割って執務室から飛び出した。
「――ラムナール!」
マッキンゼ卿が叫ぶ。
エミリスがその背中に向けて魔法を撃とうとしたが、一瞬相手の方が早く空振りに終わった。
咄嗟にアティアスが叫ぶ。
「――ちっ! 追うぞ!」
「ま、待ってください!!」
走り出そうとする彼の腕をエミリスが掴んで制止した。
そのとき、耳をつんざく轟音が響き渡り。
――ダライの砦は崩壊した。
◆
「……大丈夫ですか⁉︎」
視界のない暗闇のなか、エミリスが声をかける。
「ああ、俺は大丈夫だ」
「私たちもです」
口々に無事を伝える声が聞こえる。
「――灯りを」
真っ暗なままでは何も見えないのでオースチンが魔法で周囲を照らす。
「ここは……?」
「……瓦礫に埋められてしまったようです」
魔法か爆弾かは分からなかったが、砦に取り残されたまま、その崩壊に巻き込まれて生き埋めになってしまったようだった。
兵士が退避したのは、これが目的だったのかと気付く。それにしても、まさか砦ごと破壊するとは、誰も予想していなかった。
「咄嗟に空間を作りましたけど……あまりに重くてこれが精一杯でした。ごめんなさい」
潰されないように、今も彼女が魔力で支えて続けてくれているらしい。
「すまない。魔力は大丈夫か?」
アティアスの問いに彼女は苦い顔をする。
「うう……大丈夫じゃないです……。これだけ重いと、そんなに長くもちません。早く脱出しないと、いずれぺちゃんこです……」
軽いものならいくらでも耐えられるのだろうが、重量のある石の瓦礫を魔力だけで持ち上げ続けるのは、彼女でも苦しいようだ。
「かと言って、これは厳しいな。魔法で吹き飛ばすくらいしか……」
「ただ、それをやると私たちも無事ではすまないですね」
マッキンゼ卿にも妙案はなさそうだ。
……考えろ。
このまま潰されるくらいならば、一か八かでなにか方法が無いものか。
……吹き飛ばす、か。
どうせ駄目なら試してみる価値がある方法が思い浮かぶ。
「エミー、俺にタイミングを合わせられるか?」
「……どうやるんです?」
「俺が魔法で上の瓦礫を吹き飛ばす。その瞬間にエミーが壁を作って魔法を防いで欲しい」
エミリスが瓦礫を支えているうちにアティアスがそれを吹き飛ばす。
しかし至近距離での爆裂魔法は自分たちにも影響が大きい。並の魔導士では防げず、彼女の作る壁がないと厳しいだろう。
なので爆発の寸前に瓦礫を支えている魔力を解き、魔法を防ぐ壁に切り替える、という案だ。
切り替えが早いと落ちてきた瓦礫に潰されるし、一瞬でも遅れると爆裂魔法で圧死してしまう。
「……わかりました。……もし失敗したら一緒に天国に行きましょうね」
「何言ってんだ。エミーが失敗するわけないだろ。……マッキンゼ卿、失敗したら申し訳ありません」
「いえ、他に手段はないでしょう。私たちも少しでも壁を張ります。……よろしくお願いします」
マッキンゼ卿も同意する。
「エミー、俺の詠唱に上手く合わせてくれよ」
「何度も聞いてますからね。……大丈夫です」
その言葉とは裏腹に、彼女は緊張感の漂う表情を見せる。
アティアスは腕輪を確認し、彼女の魔力を詰めた宝石をしっかりと握る。
そして、ゆっくりと詠唱を始める。
彼女がごくりと喉を鳴らしたのが聞こえる。
「――爆ぜろ!」
そして、発動の言葉と共に視界が真っ白に覆われた。
2
お気に入りに追加
1,339
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる