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このまま何を考えているのかわからない相手を野放しにするのは良くない。
ちらりと隣に寝ていたはずの楓の姿を目だけを動かして確認する。
……って、布団ごといなくなってる……
隣にぴったりと隙間なくひっつけていたはずの布団がなくなって今は畳がずらりと並んでいるだけだ。
おーい、なんつー豪快な手口だよ。
そんなことしたら気付かれるだろ普通。
せめて楓だけ、連れていくとかしないとおかしいだろうが。なんで布団もないんだ。
楓は布団ごとどっかに連れて行かれたってことか?
男が色仕掛けしたら何にも考えずに腰振るやつばっかりだとでも思ってるのか……?
壱成は、相手に楓じゃないことに気付いたと悟らせないためににこーとよそ行きの元気な笑みを浮かべる。そうして楓もどきを組み敷いて、手首を押さえつける。
抵抗をしないのは、それが情事の作法だと思っているからか……
「もう体調大丈夫なのか……? ……じゃぁいつもみたいに縛ってやるよ」
一応心配してるような演技を加えながら、壱成は思いついた妙案を口にした。
夜の運動の一環だとうそぶけば、相手の動きを封じることができるし、我ながら一瞬で考えるついたとは思えない。めちゃくちゃ良案!
俺の言葉を聞いた楓もどきは、ぽかんとしてから、わかりやすく顔を青ざめさせた。
「し、縛る!?」
見るからに未知の世界に狼狽えている。
「ん? どうした? いつも縛ってるだろ? ほら、いつも通り、俺に全部任せてくれれば大丈夫だから」
楓もどきの顔色は戻らない。
「そ、そんな……」
見かけだけでは俺たちがまだヤったことがないなどと言うのはわからないだろうし、ましてそのプレイの内容なんてもっての他だ。
だから、【いつも】を強調する。
ぶるぶると震える楓もどきにほくそ笑む。
とはいえ都合よくロープがあるはずもない。
このはったりにどう収拾をつけようかと思っていたが、天は壱成の味方だったようだ。
部屋の入り口付近の緊急用の用具の中にロープらしきものが入っているのが見えた。
本来なら身体を傷つけないための痛くなくて身体を傷付けないロープを使うんだろうが、楓に化けてる気味の悪い存在に気を使う必要などない。
むしろ痛がってくれた方が、胸が空く。
壱成は相手に悟られないように、顔に微笑みを貼り付けたまま、まず足を縛る。
これで逃げることは出来ない。
こんな機会二度とないだろうし、亀甲縛りにでも挑戦してみるか。ものは試しと、一度だけ縛り方を調べたことのある縛り方を思い浮かべた。
「……」
なんか違うな?
まぁ、でも初めてにしては上手くできた方じゃないか。楓もどきも、ちょうど腕もガッチガチに動けなくなっている。
「俺ってほんと器用だよな~」
自画自賛しながら、畳の上に転がされて、身動きが取れない楓もどきの前にしゃがみ込む。
「で、オマエ誰? 楓をどこにやった?」
ちらりと隣に寝ていたはずの楓の姿を目だけを動かして確認する。
……って、布団ごといなくなってる……
隣にぴったりと隙間なくひっつけていたはずの布団がなくなって今は畳がずらりと並んでいるだけだ。
おーい、なんつー豪快な手口だよ。
そんなことしたら気付かれるだろ普通。
せめて楓だけ、連れていくとかしないとおかしいだろうが。なんで布団もないんだ。
楓は布団ごとどっかに連れて行かれたってことか?
男が色仕掛けしたら何にも考えずに腰振るやつばっかりだとでも思ってるのか……?
壱成は、相手に楓じゃないことに気付いたと悟らせないためににこーとよそ行きの元気な笑みを浮かべる。そうして楓もどきを組み敷いて、手首を押さえつける。
抵抗をしないのは、それが情事の作法だと思っているからか……
「もう体調大丈夫なのか……? ……じゃぁいつもみたいに縛ってやるよ」
一応心配してるような演技を加えながら、壱成は思いついた妙案を口にした。
夜の運動の一環だとうそぶけば、相手の動きを封じることができるし、我ながら一瞬で考えるついたとは思えない。めちゃくちゃ良案!
俺の言葉を聞いた楓もどきは、ぽかんとしてから、わかりやすく顔を青ざめさせた。
「し、縛る!?」
見るからに未知の世界に狼狽えている。
「ん? どうした? いつも縛ってるだろ? ほら、いつも通り、俺に全部任せてくれれば大丈夫だから」
楓もどきの顔色は戻らない。
「そ、そんな……」
見かけだけでは俺たちがまだヤったことがないなどと言うのはわからないだろうし、ましてそのプレイの内容なんてもっての他だ。
だから、【いつも】を強調する。
ぶるぶると震える楓もどきにほくそ笑む。
とはいえ都合よくロープがあるはずもない。
このはったりにどう収拾をつけようかと思っていたが、天は壱成の味方だったようだ。
部屋の入り口付近の緊急用の用具の中にロープらしきものが入っているのが見えた。
本来なら身体を傷つけないための痛くなくて身体を傷付けないロープを使うんだろうが、楓に化けてる気味の悪い存在に気を使う必要などない。
むしろ痛がってくれた方が、胸が空く。
壱成は相手に悟られないように、顔に微笑みを貼り付けたまま、まず足を縛る。
これで逃げることは出来ない。
こんな機会二度とないだろうし、亀甲縛りにでも挑戦してみるか。ものは試しと、一度だけ縛り方を調べたことのある縛り方を思い浮かべた。
「……」
なんか違うな?
まぁ、でも初めてにしては上手くできた方じゃないか。楓もどきも、ちょうど腕もガッチガチに動けなくなっている。
「俺ってほんと器用だよな~」
自画自賛しながら、畳の上に転がされて、身動きが取れない楓もどきの前にしゃがみ込む。
「で、オマエ誰? 楓をどこにやった?」
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