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12-蛇足
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リアラと籍を入れたイザークは、入り婿という形で貴族の仲間入りをした。
平民がいきなり貴族の仲間入りなどすれば当然反発ややっかみがあるだろうと思っていたが、イザークの思うほどのことはない。
イザークが学園を主席卒業していることがいいように作用しているようだ。
学園では作法なども単位に関連していたため、イザークは一般的な貴族社会での立ち振る舞いについてはすでに取得済みだ。
それに加えてリアラは、人の弱みを握るのが上手なタイプの人間のようで、イザークに対して悪いうわさを流したものにはイザークには何も言わずに処理しているのだと思う。
とにもかくにも、イザークはまっとうに魔法を使用して仕事をすることが出来る部署に勤めることになった。
これまでは母親を養うためにと必死に仕事をしていたが、今度はリアラのために仕事をしよう。
心機一転、朝から元気にセックスしてきたおかげで心はすでに賢者モードに切り替わってしまっている。
自分のデスクがあるというのは新鮮だ。
「……うまくやりましたね」
ぼそ、と隣の席の陰気な男が呟いた。
独り言の多いタイプの人間か、もしくはイザークに対して何か思うところがあるのか。
俺は隣の席の男の顔を見て、見覚えはないなと席の右上に記載されている名前を確認する。
……やはり知らない名前だ。
「え、っと? 今日からよろしくお願いします」
とりあえずは挨拶だ。
イザークは何も事を荒立てたいわけではない。
「……もしかして俺のこと覚えてないとかいう?」
イザークは目を瞬かせた。
はっきりいってこんなもじゃもじゃ天パのことは全く知らない。
「どこかでお会いしました?」
もしかしてリアラと同じく配達先の人とかか、とイザークは考えた。基本的にイザークは配達先の人間の顔など一ミリも覚えていない。
「同じ学園に通っていたんだけど」
なんという薄いつながり。
「あー」
イザークは困って声を伸ばした。
知らんがな、お前のことなんか、知らねぇよ。
「ここは貴族の人間しか務められないんだからな、お前がどれほど優秀でも……いや、もう貴族になったからいいのか」
隣の陰険天パは、勝手に納得している。
自己と対話しておいてほしい。
「新婚生活は楽しいか?」
いやすごい話しかけてくるじゃん。
本当は俺と友達になりたいのか? 学園では勉学に励み、就職してからは仕事のみしか行ってこなかったため、俺は友達作りとかいうのが苦手だった。
「……まぁ……嫁さんめちゃくちゃ可愛いいし……(えっちだし)癒されるよ(精神的にも肉体的にも)」
「……」
隣の陰キャは自分で話を振ってきたくせに悔しそうに唇を噛んでいる。うわ、血が出るまで噛んでる。
もしかしてこの天パの陰キャはおもしろキャラか?
「毎日かわいい嫁とセックス三昧、か……」
俺は何も言っていないのに勝手に黄昏ている。
まぁ、そうだけど。
イザークの頭の中にはイザークに揺さぶられて恍惚とした表情のリアラの顔や、ぷるぷるで柔らかな胸やら具合の良すぎる膣の締め付けが思い起こされている。
あやうくゆる勃起するところを深呼吸で落ち着かせる。
家帰ったら絶対またリアラを抱く。
中毒性があるんだよな、幸せラブラブセックスってさ……
イザークは、リアラとお揃いで買った指輪を見つめて、与えられた仕事にとりかかった。
平民がいきなり貴族の仲間入りなどすれば当然反発ややっかみがあるだろうと思っていたが、イザークの思うほどのことはない。
イザークが学園を主席卒業していることがいいように作用しているようだ。
学園では作法なども単位に関連していたため、イザークは一般的な貴族社会での立ち振る舞いについてはすでに取得済みだ。
それに加えてリアラは、人の弱みを握るのが上手なタイプの人間のようで、イザークに対して悪いうわさを流したものにはイザークには何も言わずに処理しているのだと思う。
とにもかくにも、イザークはまっとうに魔法を使用して仕事をすることが出来る部署に勤めることになった。
これまでは母親を養うためにと必死に仕事をしていたが、今度はリアラのために仕事をしよう。
心機一転、朝から元気にセックスしてきたおかげで心はすでに賢者モードに切り替わってしまっている。
自分のデスクがあるというのは新鮮だ。
「……うまくやりましたね」
ぼそ、と隣の席の陰気な男が呟いた。
独り言の多いタイプの人間か、もしくはイザークに対して何か思うところがあるのか。
俺は隣の席の男の顔を見て、見覚えはないなと席の右上に記載されている名前を確認する。
……やはり知らない名前だ。
「え、っと? 今日からよろしくお願いします」
とりあえずは挨拶だ。
イザークは何も事を荒立てたいわけではない。
「……もしかして俺のこと覚えてないとかいう?」
イザークは目を瞬かせた。
はっきりいってこんなもじゃもじゃ天パのことは全く知らない。
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イザークは困って声を伸ばした。
知らんがな、お前のことなんか、知らねぇよ。
「ここは貴族の人間しか務められないんだからな、お前がどれほど優秀でも……いや、もう貴族になったからいいのか」
隣の陰険天パは、勝手に納得している。
自己と対話しておいてほしい。
「新婚生活は楽しいか?」
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