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子供時代
第1話 おぎゃってる場合じゃない
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ーーーー……ゃぁ
(うるせぇ……)
ーー……ぎゃあ
(うるせぇって…)
「おんぎゃぁぁぁぁぁぁ……!!」
(うるせぇぇぇぇぇぇ!!!!)
お気付きだろうか。
五月蝿いのは“俺”である。
「よく頑張ったね、2人とも……」
気付いたら目の前に横から俺の顔を覗き込んで涙ぐむ、銀髪碧眼の拝み倒したくなるような美形の男が居た。
恐らく20代だと思われる。
「まぁ、可愛いわねぇ~」
のほほんと、だが少し疲れた声で俺の真横で顔を覗き込むのはこれまた拝み倒して五体投地したくなるような亜麻色の髪の乙女…にしては少し歳が過ぎた同じく20代の美女。
汗をかいたのか顔に髪がところどころ張り付いている。
「ほら、クラウス見てごらん。お前の弟だよ」
男性がそう言って手招きして俺の前に連れてきたのは恐らく6歳前後と思われる男の子。
戸惑いながらも俺を覗き込んでいる。
「…………ちっちゃくて可愛い」
そう言ってへにゃっと笑う銀髪に緑の目の美少年にハートがノックアウトされた。
(可愛いのはお前じゃぁぁぁぁぁ!!!)
だがそう思っていても声には出せない。
なぜならーーー
「おぎゃぁぁぁぁ!!」
俺がまだおぎゃる事しか出来ないベビーだからだ。
「シルフィ、父様だよ~!と・う・さ・まって呼んで!」
ベビーベッドであぶあぶしてる俺にデレデレして声をかけてくるのは銀髪碧眼でイケメンな父、アーノルド。
ただし今はデレデレしすぎて顔面が崩壊している。
「アーノルド、まだシルフィが喋るのには早いわよ」
そう言ってクスクスと笑いながらたしなめているのは亜麻色の髪に緑目の可愛い系美女である母、ウェリシア。
「シル、シル。ぼくお兄ちゃんのクラウスだよ。クラウスお兄ちゃんて呼んでね」
銀髪に緑目のほんわか笑顔の美少年は俺の6歳上の兄、クラウス。
俺が寝かされているベビーベッドを囲む夫婦と子供の姿を傍に控えている使用人たちは微笑ましく見つめていた。
──────────────
(やっぱどう考えても異世界転生ってやつよな)
ワンチャン今までは夢なのではないかと思っていたのだが、さすがにおぎゃって産まれてからあぶあぶし始めた今になっても夢から覚めない時点で夢説は消えている。
さすがにそんな長い時間かけた夢なんて見ないし見たくない。
母親のおっぱい飲む時のあの悟りの境地よ……
「あぶぅ」
溜息もあぶあぶ語に変換されてつらい。
前世は普通の会社員だった気がするが何歳まで生きてどうやって死んだのかは実は曖昧だ。
なにせ気付いたらおぎゃってた。
せめて前世のあれやそれやは俺が少し成長してから気付きたかった。
変に大人だった意識が混じったせいで授乳やシモの世話は羞恥心が天元突破した。
もはやドリルで俺の羞恥心を貫いてほしかった。
……まぁ今はもうそれも突き抜けて悟りを開けましたが。
(そういやテンプレの「ステータスオープン!」とかやってみるか?)
前世のアニメや漫画などで嫌というほど見た主人公の初動を思い出し、意気揚々と唱えてみた(ただしあぶあぶ語)。
「あぶあぶあぶぁー!」
しーーーーん…………。
そ、そりゃそうだよな。
そんなテンプレ展開なんてある訳ーーー
ピコン!
━━━━━━━━━━━━━━━
【名前】シルフィリア・ワーマイア
【称号】辺境伯家次男・創造神の愛し子
【年齢】0歳
【魔法適性】火・水・風・土・光・闇・無
【備考】前世の世界においてクラフト系ゲームで色々なものを作り、それが評価され国内のみならずその世界の人々を楽しませたとして創造神から目をつけられ…目をかけられ愛されていた。
前世の世界で死亡後、創造神によって無理矢…目をかけた愛し子として称号を付与され比較的平和な世界へと導かれる。
創造神曰く、番(つがい)も最強なので安心して受け入れてあげて欲しいとの事。
━━━━━━━━━━━━━━━
………………出ちゃったよ。
(うるせぇ……)
ーー……ぎゃあ
(うるせぇって…)
「おんぎゃぁぁぁぁぁぁ……!!」
(うるせぇぇぇぇぇぇ!!!!)
お気付きだろうか。
五月蝿いのは“俺”である。
「よく頑張ったね、2人とも……」
気付いたら目の前に横から俺の顔を覗き込んで涙ぐむ、銀髪碧眼の拝み倒したくなるような美形の男が居た。
恐らく20代だと思われる。
「まぁ、可愛いわねぇ~」
のほほんと、だが少し疲れた声で俺の真横で顔を覗き込むのはこれまた拝み倒して五体投地したくなるような亜麻色の髪の乙女…にしては少し歳が過ぎた同じく20代の美女。
汗をかいたのか顔に髪がところどころ張り付いている。
「ほら、クラウス見てごらん。お前の弟だよ」
男性がそう言って手招きして俺の前に連れてきたのは恐らく6歳前後と思われる男の子。
戸惑いながらも俺を覗き込んでいる。
「…………ちっちゃくて可愛い」
そう言ってへにゃっと笑う銀髪に緑の目の美少年にハートがノックアウトされた。
(可愛いのはお前じゃぁぁぁぁぁ!!!)
だがそう思っていても声には出せない。
なぜならーーー
「おぎゃぁぁぁぁ!!」
俺がまだおぎゃる事しか出来ないベビーだからだ。
「シルフィ、父様だよ~!と・う・さ・まって呼んで!」
ベビーベッドであぶあぶしてる俺にデレデレして声をかけてくるのは銀髪碧眼でイケメンな父、アーノルド。
ただし今はデレデレしすぎて顔面が崩壊している。
「アーノルド、まだシルフィが喋るのには早いわよ」
そう言ってクスクスと笑いながらたしなめているのは亜麻色の髪に緑目の可愛い系美女である母、ウェリシア。
「シル、シル。ぼくお兄ちゃんのクラウスだよ。クラウスお兄ちゃんて呼んでね」
銀髪に緑目のほんわか笑顔の美少年は俺の6歳上の兄、クラウス。
俺が寝かされているベビーベッドを囲む夫婦と子供の姿を傍に控えている使用人たちは微笑ましく見つめていた。
──────────────
(やっぱどう考えても異世界転生ってやつよな)
ワンチャン今までは夢なのではないかと思っていたのだが、さすがにおぎゃって産まれてからあぶあぶし始めた今になっても夢から覚めない時点で夢説は消えている。
さすがにそんな長い時間かけた夢なんて見ないし見たくない。
母親のおっぱい飲む時のあの悟りの境地よ……
「あぶぅ」
溜息もあぶあぶ語に変換されてつらい。
前世は普通の会社員だった気がするが何歳まで生きてどうやって死んだのかは実は曖昧だ。
なにせ気付いたらおぎゃってた。
せめて前世のあれやそれやは俺が少し成長してから気付きたかった。
変に大人だった意識が混じったせいで授乳やシモの世話は羞恥心が天元突破した。
もはやドリルで俺の羞恥心を貫いてほしかった。
……まぁ今はもうそれも突き抜けて悟りを開けましたが。
(そういやテンプレの「ステータスオープン!」とかやってみるか?)
前世のアニメや漫画などで嫌というほど見た主人公の初動を思い出し、意気揚々と唱えてみた(ただしあぶあぶ語)。
「あぶあぶあぶぁー!」
しーーーーん…………。
そ、そりゃそうだよな。
そんなテンプレ展開なんてある訳ーーー
ピコン!
━━━━━━━━━━━━━━━
【名前】シルフィリア・ワーマイア
【称号】辺境伯家次男・創造神の愛し子
【年齢】0歳
【魔法適性】火・水・風・土・光・闇・無
【備考】前世の世界においてクラフト系ゲームで色々なものを作り、それが評価され国内のみならずその世界の人々を楽しませたとして創造神から目をつけられ…目をかけられ愛されていた。
前世の世界で死亡後、創造神によって無理矢…目をかけた愛し子として称号を付与され比較的平和な世界へと導かれる。
創造神曰く、番(つがい)も最強なので安心して受け入れてあげて欲しいとの事。
━━━━━━━━━━━━━━━
………………出ちゃったよ。
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