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サミュエル視点
サラに構いすぎるなというのは無理な話しだ。
王族との旅先で茶会に顔を出すよう、クローディア様に呼び出された。
「ヴァイオレットから聞いたのですけれど、この娘と婚約解消したのを引きずって未だに婚約者がいらっしゃらないのですって?」
なんの事だ?
「自意識過剰も甚だしい。」
ヴァイオレットを睨んだが扇子を開き視線を遮られた。
その様子を見たクローディア様は更に、
「ブランシェール侯爵令息は女性に対しての配慮に欠けるようですわね。
聞けば義理の妹を溺愛しているとか…そんな噂、妹君にとっても良くないのでは?
まさか兄妹で間違いを冒しているのではと下衆な勘繰りをする輩もいるでしょう。」
その下衆は正に今のあなたですよ。
「気を悪くしてはいけませんよ。
ヴァイオレットは優しい娘だから貴方を心配しているの。
それでどうかしら?
このルイスが貴方の事をとても気になっているらしいの。
変な噂を消す為にもしばらくお付き合いしてみてはどうかしら?」
それはつまり付き合わなければ噂を流すと言いたいのだろう。
仕方なく承諾した。
ルイスはミハイルの妹だ。邪険にも出来ない。
それに、そんな噂が流れてしまえばサラの名誉に傷がつく。
しばらくは距離を考えよう。
ルイスも悪い娘ではないのだろうが、自分の目的のためにヴァイオレットや王妃を使うなどなかなか強かだな。
ルイスの会話はその辺の令嬢とは違い世情や政策、それに僕が支援している芸術家達の可能性などウィットに富んでいる。僕の好みを熟知しているようだ。
だが、それはあくまでも表向きの僕の顔だ。
そんな知的な会話がしたければよっぽどそれに相応しい相手はいくらでもいる。
そんな事より僕は日々の他愛無いほっこりした会話が好きだ。はっきり言えばスイーツの話や季節の花が咲いたとかの話で癒されたい。それらは子供の頃、ベッドの上しか知らない僕にサラが話してくれた事だ。
「お前、いつまで俺の妹を弄ぶつもり?」
自宅に訪ねてきたミハイルが問う。
「すまないとは思っているが、クローディア様の手前付き合うしかなかったのだ。」
「まあ、俺は面白いから構わないし、ルイスにしたって騙し続けてくれたらいい思い出になるだろうからいいんじゃね?あいつもまあ、さすが俺の妹っていうか、気の多い奴だし。」
ミハイルは女ったらしで礼儀もなっていない。そんな素行の悪い奴と僕がなぜ親しくしているのか。
それはこいつが僕の唯一の幼なじみだからだ。
「しかしお前の外面は筋金入りだな。
一緒に住んでいるってのにサラの前でもずっと猫被ってんだろ?」
「当たり前だ、サラには常に最高最上の兄でいなくてはならないんだ。
僕の本性を知ってるのなんか父上と執事とお前くらいだ。」
「誰も思いもしないだろ?
美形の病弱キャラが実は変態だとは。」
「失礼だな。
少し愛が重いだけだ。」
ミハイルとは病気が少し良くなった頃からの知り合いだ。
遊び相手がいたほうが良いだろうと父上が連れてきたターナー伯爵家。
「子供の頃から遊びに来ても絶対サラに会わせてくれなかったもんな。」
「お前みたいな猥褻物をサラに見せられるか。」
ミハイルは見た目だけはいいからな。
貧弱だった僕はこいつと比べられるのが嫌だったのだ。
「何?俺見たら欲情しちゃう?」
「するか!」
だが未だに僕と比べてしまえば、確実に僕の負けだ。
アーサーのように筋骨隆々では無いが、しなやかな肉体に程よく筋肉が浮き上がりいかにも女が抱かれたがる身体をしている。
「何したらそんな身体つくれるんだ?」
「特には何も。」
くそ羨ましい。
僕は筋肉をつけたくても激しい運動をするとすぐに息が上がって疲れてしまうというのに。
細い手足に薄い胸板。
サラも知っているだろう。
撫でれば皮の下にすぐ肋骨があることを。
「一生兄妹のままでいいのか?俺なら同じ屋根の下に好みの女がいるだけで我慢できないけどな。」
「兄妹なら離れていても決して他人にはならない。
もし、この想いがばれて気持ち悪いなんて思われたら僕は死ねる。」
「ならこのままルイスをもらってくれてもいいんだが。」
「…無理。
お前ら似すぎ。
匂いまで同じじゃないか。
この前うっかりお前の名前で呼んでしまった…。」
「あー…まあな。
やるとしたら俺とやってる気になるって事か。」
「そういう事だ。」
「俺、お前とならぜんぜんやれるけど?」
「お前、どこまで節操無いんだよ。」
サラに構いすぎるなというのは無理な話しだ。
王族との旅先で茶会に顔を出すよう、クローディア様に呼び出された。
「ヴァイオレットから聞いたのですけれど、この娘と婚約解消したのを引きずって未だに婚約者がいらっしゃらないのですって?」
なんの事だ?
「自意識過剰も甚だしい。」
ヴァイオレットを睨んだが扇子を開き視線を遮られた。
その様子を見たクローディア様は更に、
「ブランシェール侯爵令息は女性に対しての配慮に欠けるようですわね。
聞けば義理の妹を溺愛しているとか…そんな噂、妹君にとっても良くないのでは?
まさか兄妹で間違いを冒しているのではと下衆な勘繰りをする輩もいるでしょう。」
その下衆は正に今のあなたですよ。
「気を悪くしてはいけませんよ。
ヴァイオレットは優しい娘だから貴方を心配しているの。
それでどうかしら?
このルイスが貴方の事をとても気になっているらしいの。
変な噂を消す為にもしばらくお付き合いしてみてはどうかしら?」
それはつまり付き合わなければ噂を流すと言いたいのだろう。
仕方なく承諾した。
ルイスはミハイルの妹だ。邪険にも出来ない。
それに、そんな噂が流れてしまえばサラの名誉に傷がつく。
しばらくは距離を考えよう。
ルイスも悪い娘ではないのだろうが、自分の目的のためにヴァイオレットや王妃を使うなどなかなか強かだな。
ルイスの会話はその辺の令嬢とは違い世情や政策、それに僕が支援している芸術家達の可能性などウィットに富んでいる。僕の好みを熟知しているようだ。
だが、それはあくまでも表向きの僕の顔だ。
そんな知的な会話がしたければよっぽどそれに相応しい相手はいくらでもいる。
そんな事より僕は日々の他愛無いほっこりした会話が好きだ。はっきり言えばスイーツの話や季節の花が咲いたとかの話で癒されたい。それらは子供の頃、ベッドの上しか知らない僕にサラが話してくれた事だ。
「お前、いつまで俺の妹を弄ぶつもり?」
自宅に訪ねてきたミハイルが問う。
「すまないとは思っているが、クローディア様の手前付き合うしかなかったのだ。」
「まあ、俺は面白いから構わないし、ルイスにしたって騙し続けてくれたらいい思い出になるだろうからいいんじゃね?あいつもまあ、さすが俺の妹っていうか、気の多い奴だし。」
ミハイルは女ったらしで礼儀もなっていない。そんな素行の悪い奴と僕がなぜ親しくしているのか。
それはこいつが僕の唯一の幼なじみだからだ。
「しかしお前の外面は筋金入りだな。
一緒に住んでいるってのにサラの前でもずっと猫被ってんだろ?」
「当たり前だ、サラには常に最高最上の兄でいなくてはならないんだ。
僕の本性を知ってるのなんか父上と執事とお前くらいだ。」
「誰も思いもしないだろ?
美形の病弱キャラが実は変態だとは。」
「失礼だな。
少し愛が重いだけだ。」
ミハイルとは病気が少し良くなった頃からの知り合いだ。
遊び相手がいたほうが良いだろうと父上が連れてきたターナー伯爵家。
「子供の頃から遊びに来ても絶対サラに会わせてくれなかったもんな。」
「お前みたいな猥褻物をサラに見せられるか。」
ミハイルは見た目だけはいいからな。
貧弱だった僕はこいつと比べられるのが嫌だったのだ。
「何?俺見たら欲情しちゃう?」
「するか!」
だが未だに僕と比べてしまえば、確実に僕の負けだ。
アーサーのように筋骨隆々では無いが、しなやかな肉体に程よく筋肉が浮き上がりいかにも女が抱かれたがる身体をしている。
「何したらそんな身体つくれるんだ?」
「特には何も。」
くそ羨ましい。
僕は筋肉をつけたくても激しい運動をするとすぐに息が上がって疲れてしまうというのに。
細い手足に薄い胸板。
サラも知っているだろう。
撫でれば皮の下にすぐ肋骨があることを。
「一生兄妹のままでいいのか?俺なら同じ屋根の下に好みの女がいるだけで我慢できないけどな。」
「兄妹なら離れていても決して他人にはならない。
もし、この想いがばれて気持ち悪いなんて思われたら僕は死ねる。」
「ならこのままルイスをもらってくれてもいいんだが。」
「…無理。
お前ら似すぎ。
匂いまで同じじゃないか。
この前うっかりお前の名前で呼んでしまった…。」
「あー…まあな。
やるとしたら俺とやってる気になるって事か。」
「そういう事だ。」
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