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 エディに生徒会室にくるようにと、呼び出された。
 バネッサの事が好きだってわかっていても嬉しい。
 直接話をしたいだなんて、何だろう?何の話だろう?
 部屋に入ると人払いされた。
 二人きりだなんてちょっとドキドキする。
 もしかしたらバネッサの事はあたしの勘違いでただの友達だったんじゃないかしら?
 なんて都合のいい事まで考えてしまう。
 本当にバカだったわ。
「実はね。ここ数日、バネッサに避けられているのだ。
 僕には思い当たる節がまったく無くて、彼女の兄であるアーサーに聞いてみたのだが。
 彼が言うには、君の仕業らしいじゃないか。」
 え?
 あたしの仕業って?
「君の気持ちは薄々気づいていたよ。
 君はサミュエルの妹だから、なるべく傷付けないように知らないふりをしていたのだけど、バネッサに嫌がらせするのならば、僕も黙ってはいられない。」
 何を言っているの?
 あたしがバネッサに何かしたからエディが避けられているって事?
 そんな事知らない。
「私…旅行の後からはバネッサには会ってません。」
「嘘をつくな。
 思い出してみると、君の話をしてから避けられているし、アーサーの証言もある。
 ヴァイオレットからの話でも、君は素行が悪いと聞いているよ。」
「私…私は…。」
 どうしてそんな冷たい目であたしを見るの?
 息が出来ない。
 喉がつかえて言葉もでてこない。何を答えていいかもわからない。
「そうやって涙を流せばサミュエルや他の男は思い通りに出来たかもしらないが、僕には通用しないよ。」
 これは誰?
 そんな目も、そんな声も言葉も聞いた事無い。 あたしのエディはあたしにそんな事言わない。
 こんなのあたしのエディじゃない。
 そうだ、いないんだ。
 この世界にはもうあたしが愛して、あたしを愛してくれた王子様はいないんだ。
「なんとか言ったらどうなんだ?」
 もういない…もう会えない。
「うっ…うわあああああん!」
 他の誰が何を言ってもあたしを信じてくれたエディはもういない。
 優しい目で微笑んでくれる事もない。
 いない…もうどこにもいないんだ。
 目眩がする。足元の床がガラガラと崩れたかのように、立っていられない。
 ここは前と同じようでもう違う世界なんだ。
 あたしが変えてしまった。
 あたしの居場所はエディの隣だったのに、今のエドウィン殿下の隣にあたしの居場所なんて無い。
 じゃあ、あたしの居場所なんてこの世界のどこにも無い!
「うわぁぁぁぁん!」
 床にしゃがみこんで泣いた。
 エドウィン殿下の言葉が悲しかったわけじゃない。
 あたしのエディにはもう二度と会えない事が苦しい。
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