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サミュエル視点
サラは見ていないと言うが、もう何日も前からばれているよ。
サラはもっと自分のかわいらしさを自覚しないといけないな。
エドウィン王子をはじめ側近達が皆「かわいい娘が見ている。」と話題になっていた。
「僕の義理の妹なんだ。僕の事が心配で見にきたのだろうけど、周りに知らない人がいるから近寄れないんだ、恥ずかしがりやだから。」
僕が病弱だというのは皆知っている。
サラがこっそり見ていたいなら見せてあげようと思ってそんなふうに話した。
しかし、僕が入学したての頃は驚いた。
サラが憧れているエドウィン王子があんなポンコツだったなんて。
こんな事サラが知って失望したらかわいそうじゃないか!
正直、王子なんかどうでも良かった。
だけどサラの為になんとか体裁を守れる程度には成長させた思う。
それまでの側近達は皆、王子をちやほやするだけで、まったく進言をしない。
あのヴァイオレットもそうだ。
私と婚約破棄してまで皇太子妃になる事を選んだはずなのに、王子を立てる事も支えるでもなく、周りに自分の優秀さを見せつけて王子を蔑ろにしていた。
確かに現在は王権は弱い。
だからと言って王族を蔑ろにしてよいはずはない。我々は臣下なのだから。
あれが、アルテモーゼ家の方針なのだろうか?
それにしても、エドウィン王子をこっそり見ているサラはなんてかわいいんだ。
まるでウサギが隠れて見ているようだ。
ふわふわのクリーム色の髪が風に揺れて木の影からチラチラのぞいている。
少し興奮しているのだろう、小鼻が膨らんで目が爛々と輝いている。あれが恋する乙女というものなのだろうか。
そして僕は少し切なくなる。
サラは大切な妹だ。
僕が抱いている邪な感情は決して知られてはならない。
サラに「兄様気持ち悪い。」なんて言われた日には生きていけない。
なのに今日も僕は欲望と闘いながら治療を受けている。
一番薄いシャツを着て乳首をピンピンにさせて、ちょっとでいいから擦ってくれないだろうかなんて期待している。
ごめんね、お兄ちゃん変態でごめんね。
サラは見ていないと言うが、もう何日も前からばれているよ。
サラはもっと自分のかわいらしさを自覚しないといけないな。
エドウィン王子をはじめ側近達が皆「かわいい娘が見ている。」と話題になっていた。
「僕の義理の妹なんだ。僕の事が心配で見にきたのだろうけど、周りに知らない人がいるから近寄れないんだ、恥ずかしがりやだから。」
僕が病弱だというのは皆知っている。
サラがこっそり見ていたいなら見せてあげようと思ってそんなふうに話した。
しかし、僕が入学したての頃は驚いた。
サラが憧れているエドウィン王子があんなポンコツだったなんて。
こんな事サラが知って失望したらかわいそうじゃないか!
正直、王子なんかどうでも良かった。
だけどサラの為になんとか体裁を守れる程度には成長させた思う。
それまでの側近達は皆、王子をちやほやするだけで、まったく進言をしない。
あのヴァイオレットもそうだ。
私と婚約破棄してまで皇太子妃になる事を選んだはずなのに、王子を立てる事も支えるでもなく、周りに自分の優秀さを見せつけて王子を蔑ろにしていた。
確かに現在は王権は弱い。
だからと言って王族を蔑ろにしてよいはずはない。我々は臣下なのだから。
あれが、アルテモーゼ家の方針なのだろうか?
それにしても、エドウィン王子をこっそり見ているサラはなんてかわいいんだ。
まるでウサギが隠れて見ているようだ。
ふわふわのクリーム色の髪が風に揺れて木の影からチラチラのぞいている。
少し興奮しているのだろう、小鼻が膨らんで目が爛々と輝いている。あれが恋する乙女というものなのだろうか。
そして僕は少し切なくなる。
サラは大切な妹だ。
僕が抱いている邪な感情は決して知られてはならない。
サラに「兄様気持ち悪い。」なんて言われた日には生きていけない。
なのに今日も僕は欲望と闘いながら治療を受けている。
一番薄いシャツを着て乳首をピンピンにさせて、ちょっとでいいから擦ってくれないだろうかなんて期待している。
ごめんね、お兄ちゃん変態でごめんね。
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