ふしだらな聖女と追放されて殺されたけどあたしのかわいい王子の為にもう一度やり直します

10

　　　サミュエル視点

　サラが正式に妹になった。
　幼い頃からずっと僕の病気を治療し続けてくれている。
　僕はきっとサラがいないと生きていけない。
　クリーム色の髪に印象の強い大きな金茶の瞳。
　ちょっと生意気な鼻に、小さくぷるんとした唇。くるくる変わる表情。全てがかわいらしい。
　サラの治療は少し変わっている。
　通常の治癒師ならば患者に痛い所を聞き、その場所に神聖魔法を使い治癒する。
　僕の場合、痛みもなく病気が進行するので誰にも治療出来なかった。
　サラは母親から習ったという治療法で、患部を感じ取って治癒する。患部は黒いもやのように感じるらしい。
　手でお腹を触り患部を探す。
　横になった僕の身体を小さな手で撫でまわす。
　…こんなの無理！
　膝を立てて、アレがあんなんなってるのは誤魔化しているけど、下腹部はギリギリまで触られるし、わき腹はさわさわと焦らすように撫でられるし、胸を触る時には乳首にすっと擦れると思わず声が漏れそうになる。
　ごめんねサラ。お兄ちゃんすっごくエッチでごめんね！
「終わりました。今日は無かったですよ。良かった。」
　ああ…天使のような笑顔。
「本当？」
　もうちょっと探してもいいんだよ？
「はい、だんだん出来にくくなっているみたい！良かったですね。」
「…うん。」
　元気になってしまったらもうサラには触ってもらえなくなるのだろうか。
　サラが出ていくと同時に父上が部屋に来た。
「どうだ？」
「今日は無かったそうです。」
「同席出来なかったが…変な事はしなかっただろうな？」
「そんなオスの臭いぷんぷんさせて、今さっきまで発情ってた人には言われたくないですね。」
「なっ！なんて事をっ？」
　照れないで下さいよ。見ているほうが恥ずかしい。
「特に用が無いならさっさと出て行って下さい。僕は急いでいるんです。」
「何をするというのだ。」
「ナニをするに決まっているじゃないですか。
　サラの手の感触を忘れないうちに早くしないと。」
「やめて！あのかわいいサミュエルはどこに行ったんだ！」
「僕は父上と違って直接危害は加えてませんから。
　EDの治療をしてもらって治るとすぐ側にいた女を犯すなんて、どんな獣ですか？」
「失礼な事を言うな！私達は愛し合っているし、合意の上だ。」
「レイプ犯は皆そう言うんですよ。」
　ごめんね、サラ。
　僕達父子は見た目ほど誠実でも爽やかでもないんだ。