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会場全体が僕達四人に注目する。
レナードがイラつく態度で、
「ああそうか、ならば好都合だ!
アンジェリカ、君との婚約は破棄する!」
アンジェリカは軽くお辞儀をして、
「謹んで承ります。」
言葉では謹んでいるが態度は高飛車に胸をはり堂々としている。
それを見ていた国王は、
「か…考え直すのだ、レナード。アンジェリカ。」
小説とは違う展開。
僕は僕が知り得た情報を持って事前にストラディア国王に謁見を求めていた。
それは王家に関するもので外に知られたくはない事柄だった。
そして国王がレナードに継承してもらいたい理由でもあった。
「父上!」
ミシェルが意気揚々と進み出る。
「兄上の愚行は目に余ります。
王太子にもアンジェリカにも相応しくありません!
そしてアンジェリカはこの国になくてはならない女性です。決してジュリアス殿下との結婚など許されません。」
ミシェルは継承権第二位だ。
今のところは。
「ミシェル…お前を王太子には出来ないのだよ。」
項垂れる国王陛下。
それを見ていたレナードは、
「父上、私はこの通り王太子には不適切です。
どうかミシェルとアンジェリカを…。」
「嫌ですわ!」
怒りに満ちたアンジェリカの声。
「レナード殿下はどれだけ私を蔑ろになさるおつもりですか?
私は確かに自分の意思での結婚は許されない身です。
ですが、それでもあなたの事は認めておりましたし、婚約者として出来る限り尽くしてまいりました。
その私に対する仕打ちがこれですか?
婚約破棄は構いません。私だとてあなたに恋愛感情はございませんでしたから。
ですが、あなたに次の男を宛がわれるほど落ちぶれてはおりませんわ!
しかもミシェル殿下ですって?
あなたにとってはかわいい弟かもしれませんが、客観的にみた事はございますか?」
これまでは慎ましやかだったのに、豹変し、まくし立てるアンジェリカにたじたじのレナードは、
「い、いや。だが、ミシェルだとてこの国の王子だし、多くの貴族がミシェルを王太子にと望んでいる。
それにミシェルは君の事を愛している。」
「そうだ、僕は君を愛している。
そして兄上より僕のほうが君に相応しいし、王太子にも相応しい!」
ミシェルはもう自分がレナードにとって代われるものと信じている。
「黙りなさい!」
国王が声をあげる。
「公式の場でこのような騒ぎになるなど、私がいたらないばかりに…情けない。」
レナードがイラつく態度で、
「ああそうか、ならば好都合だ!
アンジェリカ、君との婚約は破棄する!」
アンジェリカは軽くお辞儀をして、
「謹んで承ります。」
言葉では謹んでいるが態度は高飛車に胸をはり堂々としている。
それを見ていた国王は、
「か…考え直すのだ、レナード。アンジェリカ。」
小説とは違う展開。
僕は僕が知り得た情報を持って事前にストラディア国王に謁見を求めていた。
それは王家に関するもので外に知られたくはない事柄だった。
そして国王がレナードに継承してもらいたい理由でもあった。
「父上!」
ミシェルが意気揚々と進み出る。
「兄上の愚行は目に余ります。
王太子にもアンジェリカにも相応しくありません!
そしてアンジェリカはこの国になくてはならない女性です。決してジュリアス殿下との結婚など許されません。」
ミシェルは継承権第二位だ。
今のところは。
「ミシェル…お前を王太子には出来ないのだよ。」
項垂れる国王陛下。
それを見ていたレナードは、
「父上、私はこの通り王太子には不適切です。
どうかミシェルとアンジェリカを…。」
「嫌ですわ!」
怒りに満ちたアンジェリカの声。
「レナード殿下はどれだけ私を蔑ろになさるおつもりですか?
私は確かに自分の意思での結婚は許されない身です。
ですが、それでもあなたの事は認めておりましたし、婚約者として出来る限り尽くしてまいりました。
その私に対する仕打ちがこれですか?
婚約破棄は構いません。私だとてあなたに恋愛感情はございませんでしたから。
ですが、あなたに次の男を宛がわれるほど落ちぶれてはおりませんわ!
しかもミシェル殿下ですって?
あなたにとってはかわいい弟かもしれませんが、客観的にみた事はございますか?」
これまでは慎ましやかだったのに、豹変し、まくし立てるアンジェリカにたじたじのレナードは、
「い、いや。だが、ミシェルだとてこの国の王子だし、多くの貴族がミシェルを王太子にと望んでいる。
それにミシェルは君の事を愛している。」
「そうだ、僕は君を愛している。
そして兄上より僕のほうが君に相応しいし、王太子にも相応しい!」
ミシェルはもう自分がレナードにとって代われるものと信じている。
「黙りなさい!」
国王が声をあげる。
「公式の場でこのような騒ぎになるなど、私がいたらないばかりに…情けない。」
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