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第九章 墨坂の決戦
第44話 蕨手刀
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『日本書紀』によれば、この先磐余彦は八咫烏の案内を受けることになる。
一行が熊野の山中で道に迷い、進むことも退くこともならず迷っている時、磐余彦の夢枕に天照大神が顕れた。
「八咫烏を遣わして案内させる」というお告げだった。
翌朝になるとその通り八咫烏がやって来たので、磐余彦は「まさしく瑞夢(縁起の良い夢)だ。天照大神が我々を助けようとして下さる」と喜んだとされる。
八咫烏の導きのままに山を越え路を踏み分けて行くと、宇陀の下県に到着した。
「穿邑」と呼ばれる場所である。
磐余彦は行軍を支えた日臣の功績を称え、「今後は道臣と名乗るがよい」と告げた。
日臣改め道臣は、古代豪族大伴氏の祖である。
一方八咫烏は、その功により葛野主殿県主となった。
主殿とは、天皇の乗り物や王宮(皇居)の照明や暖房などを司る官職のことである。
また平安時代に編纂された『古語拾遺』には、八咫烏は山城(京都府)の賀茂県主の祖である建津之身が、大烏に化身して磐余彦の道案内をしたとある。
賀茂氏は伊賀忍者の祖ともいわれる。
磐余彦たちが通ったルートには諸説あるが、有力なのが大台ケ原を通過したというものである。
大台ケ原は日本有数の多雨地帯で、年間降水量は五千ミリにも達する。
熊野灘の海岸から直線で四里(十六キロ)しか離れていないため、黒潮の湿気をたっぷり吸った雲が山にぶつかって大量の雨を降らせる。
一方、冬には積雪が一メートル近くにもなる。
大台ケ原から北に延びる台高山脈は、大峰山脈とともに紀伊山地の脊梁を成す険阻な山塊である。
トウヒやモミの原生林が鬱蒼と茂る山岳地帯や、周囲を断崖絶壁に囲まれた高原台地などが点在し、変化に富んでいる。
殊に大杉谷と呼ばれる一帯には、樹高七十尺(二十一メートル)、幹回り二尺(六十センチ)を超えるトウヒの大木が聳えている。
トウヒはマツ科の針葉樹で、標高千五百~二千五百メートルの亜高山帯に分布する。大台ケ原はトウヒの南限である。
尾根も険しいが、谷はさらに危険である。
雨によって穿たれた岩が深い谷を刻み、峩々たる山容を際立たせている。
ひとたび雨が降れば小川がたちまち濁流となって牙をむき、滝壺に吸い込まれる。
岩は晴れた日でもびっしりと苔が生えて滑りやすく、水に落ちればあっという間に流れに運ばれる。
そこかしこに深い瀞や淵が口を開けて待っている。
装備が整った現代登山でも、大台ケ原の縦走は高難度のコースとして知られる。
山小屋がないため登山者は最低でも五日間のテント泊が求められる。
今から約千七百年も前、満足な装備も持たない磐余彦たちの苦労は想像を絶するものだったことが窺い知れる。
ちなみに大台ケ原の牛石ヶ原には、昭和三年に大台ケ原開山の祖、古川嵩が立てた神武天皇像が鎮座している。
苦しい山行を続けて二月余り、紀伊半島の尾根を縦断した磐余彦とその一行は、台高山脈の北端に聳える高見山に達した。
奈良県東吉野村と三重県松阪市を分ける分水嶺である。
尖った山頂に立つと、北には鎧岳、兜岳の鋭峰、南には大峰の連なりが見渡せる。
西に目を転じれば葛城山や金剛山の優美な山並みも見える。
ヤマトまではあとわずかの距離である。
「ここから先は敵の目も光っています。用心して進みましょう」
八咫烏が先導し、道臣が軍勢を率いて山間を縫うように踏み分け、ついに宇陀に至った。
宇陀は周囲を山に囲まれた盆地で、心なしか里の緑も穏やかに見える。
「なんだか気が和らいだのではないか」
磐余彦が言うと八咫烏がうなずいた。
「さよう。この地の神が磐余彦さまをお迎えしているように感じます」
磐余彦はあたりに漂う神霊の気を一身に浴びて、両手を広げて言った。
「間違いない。神が我らの大業を見届けんとして下さっている」
磐余彦の言葉に皆がうなずき、木々の間から漏れる神々しい光を眩しそうに眺めた。
宇陀の空を、成鳥となったイツセが翼を広げ悠々と飛んでいた。
宇陀では隼手と剣根が磐余彦の到着を待ちわびていた。
孔舎衛坂の戦いに敗れたのち、竈山に五瀬命の亡骸を葬ってから日向軍は二手に分かれた。
磐余彦をはじめ主力軍は海路を取り、剣根と隼手は紀ノ川を遡り、宇陀で密かに武器を製造していたのである。
二人とはほぼ三月ぶりの再会である。
「お待ちしておりました」
槌を打つ鋭い音と金属の焦げる臭いが交錯する鍛冶場の入り口で、剣根が一行をにこやかに迎えてくれた。
「遅くなってすまない」磐余彦が頭を下げた。
「日向に帰った、思った」
横から顔を出した隼手がにやりとして言った。むろん冗談である。
「約束は守る」
道臣が律儀に答えた。
「すべて整えてあります」
そう言って剣根は胸を張った。
武器庫には膨大な量の剣や戈、弓矢などが揃っていた。
剣根は磐余彦のために特別な矢を十本用意していた。
黒光りする一本の矢を受け取り、間近に見て磐余彦は目を輝かせた。
「みごとだ。天羽羽矢と寸分違わぬ」
「鏃は火の石で作りました」
剣根が胸を張った。
「火の石か。噂には聞いていたが、この目で見るのは初めてだ」
磐余彦が驚くのも無理はない。
火の石とは隕石のことである。
中でも主成分が鉄のものは隕鉄といい、イリジウムをはじめ多くの希少金属が含まれていて非常に硬い。
古代中国の王朝、商(紀元前約千四百年)の遺跡で出土した鉞の刃にも隕鉄が用いられていたことが知られている。
磐余彦が手にした隕鉄製の鏃は鋭く、黒光りしている。
ふつうの鉄よりもずっしりと重く、硬い。それだけに貫通力も並外れているだろう。
「そして道臣どのにはこの剣を」
そう言って剣根が差し出したのは、細身の直刀である。
「片刃ではないか」道臣が驚いた。
この時代の剣といえば諸刃である。
重いうえに斬れ味も鈍く、斬るというより鉈のように叩き割るか、槍のように突くことを主眼にした武器である。
「鉄を幾度も叩いて鍛えましたゆえ、簡単には折れません」
道臣は目を輝かせて鋭い刃先に見入った。細身ながら硬さも十分あるとみた。
よい剣を手にすれば試したくなるのは剣士の性である。
剣根が右手の木の枝を指して顎をしゃくった。
斬ってみろ、という合図だ。
道臣は剣を上段に構えた。
――軽い。片手でも振り回せるほどだ!
息を整えた道臣は、気合とともに振り下ろした。
閃光が疾るのと同時に、童の腕ほどの太さの木の枝が滑り落ちた。
切り口の年輪が鮮やかに見える。
よほど斬れ味がよくなければこうはならない。
「ほう、みごとだ」
道臣は曇りひとつない刃を見て驚嘆した。
「何百回も叩いて鍛えることで細身でも強い剣になりました」
剣根が誇らし気に言った。
この片刃剣なら鋭く突き刺すことも、素早く斬り裂くことも自在にできる。
まさに武器の革命である。
ただし湾曲した日本刀が出現するのはまだ先、平安時代末期まで待たねばならない。
「こりゃあすげえ!」
来目も一振りの小刀を授けられ、目を輝かせている。
柄の部分が湾曲し、柄頭が早蕨のように丸みを帯びている。
「蝦夷が使う蕨手刀を模して拵えました。来目どのにお使い頂きたく、魂を込めて打ちました」
蝦夷は東国に住む先住の民である。
呼び名は異なるが、熊襲や隼人、蝦夷はいずれも日本に古くから住む民である。
それを聞いて来目はさらに気に入ったようだ。
「これ持ってりゃ、きっと蝦夷の女にももてもてだな!」
周りにいる兵士たちがどっと笑った。
新たな武器を手にした兵たちは、疲れも吹き飛んだ様子で力が漲ってくるのが手に取るようにわかった。
一行が熊野の山中で道に迷い、進むことも退くこともならず迷っている時、磐余彦の夢枕に天照大神が顕れた。
「八咫烏を遣わして案内させる」というお告げだった。
翌朝になるとその通り八咫烏がやって来たので、磐余彦は「まさしく瑞夢(縁起の良い夢)だ。天照大神が我々を助けようとして下さる」と喜んだとされる。
八咫烏の導きのままに山を越え路を踏み分けて行くと、宇陀の下県に到着した。
「穿邑」と呼ばれる場所である。
磐余彦は行軍を支えた日臣の功績を称え、「今後は道臣と名乗るがよい」と告げた。
日臣改め道臣は、古代豪族大伴氏の祖である。
一方八咫烏は、その功により葛野主殿県主となった。
主殿とは、天皇の乗り物や王宮(皇居)の照明や暖房などを司る官職のことである。
また平安時代に編纂された『古語拾遺』には、八咫烏は山城(京都府)の賀茂県主の祖である建津之身が、大烏に化身して磐余彦の道案内をしたとある。
賀茂氏は伊賀忍者の祖ともいわれる。
磐余彦たちが通ったルートには諸説あるが、有力なのが大台ケ原を通過したというものである。
大台ケ原は日本有数の多雨地帯で、年間降水量は五千ミリにも達する。
熊野灘の海岸から直線で四里(十六キロ)しか離れていないため、黒潮の湿気をたっぷり吸った雲が山にぶつかって大量の雨を降らせる。
一方、冬には積雪が一メートル近くにもなる。
大台ケ原から北に延びる台高山脈は、大峰山脈とともに紀伊山地の脊梁を成す険阻な山塊である。
トウヒやモミの原生林が鬱蒼と茂る山岳地帯や、周囲を断崖絶壁に囲まれた高原台地などが点在し、変化に富んでいる。
殊に大杉谷と呼ばれる一帯には、樹高七十尺(二十一メートル)、幹回り二尺(六十センチ)を超えるトウヒの大木が聳えている。
トウヒはマツ科の針葉樹で、標高千五百~二千五百メートルの亜高山帯に分布する。大台ケ原はトウヒの南限である。
尾根も険しいが、谷はさらに危険である。
雨によって穿たれた岩が深い谷を刻み、峩々たる山容を際立たせている。
ひとたび雨が降れば小川がたちまち濁流となって牙をむき、滝壺に吸い込まれる。
岩は晴れた日でもびっしりと苔が生えて滑りやすく、水に落ちればあっという間に流れに運ばれる。
そこかしこに深い瀞や淵が口を開けて待っている。
装備が整った現代登山でも、大台ケ原の縦走は高難度のコースとして知られる。
山小屋がないため登山者は最低でも五日間のテント泊が求められる。
今から約千七百年も前、満足な装備も持たない磐余彦たちの苦労は想像を絶するものだったことが窺い知れる。
ちなみに大台ケ原の牛石ヶ原には、昭和三年に大台ケ原開山の祖、古川嵩が立てた神武天皇像が鎮座している。
苦しい山行を続けて二月余り、紀伊半島の尾根を縦断した磐余彦とその一行は、台高山脈の北端に聳える高見山に達した。
奈良県東吉野村と三重県松阪市を分ける分水嶺である。
尖った山頂に立つと、北には鎧岳、兜岳の鋭峰、南には大峰の連なりが見渡せる。
西に目を転じれば葛城山や金剛山の優美な山並みも見える。
ヤマトまではあとわずかの距離である。
「ここから先は敵の目も光っています。用心して進みましょう」
八咫烏が先導し、道臣が軍勢を率いて山間を縫うように踏み分け、ついに宇陀に至った。
宇陀は周囲を山に囲まれた盆地で、心なしか里の緑も穏やかに見える。
「なんだか気が和らいだのではないか」
磐余彦が言うと八咫烏がうなずいた。
「さよう。この地の神が磐余彦さまをお迎えしているように感じます」
磐余彦はあたりに漂う神霊の気を一身に浴びて、両手を広げて言った。
「間違いない。神が我らの大業を見届けんとして下さっている」
磐余彦の言葉に皆がうなずき、木々の間から漏れる神々しい光を眩しそうに眺めた。
宇陀の空を、成鳥となったイツセが翼を広げ悠々と飛んでいた。
宇陀では隼手と剣根が磐余彦の到着を待ちわびていた。
孔舎衛坂の戦いに敗れたのち、竈山に五瀬命の亡骸を葬ってから日向軍は二手に分かれた。
磐余彦をはじめ主力軍は海路を取り、剣根と隼手は紀ノ川を遡り、宇陀で密かに武器を製造していたのである。
二人とはほぼ三月ぶりの再会である。
「お待ちしておりました」
槌を打つ鋭い音と金属の焦げる臭いが交錯する鍛冶場の入り口で、剣根が一行をにこやかに迎えてくれた。
「遅くなってすまない」磐余彦が頭を下げた。
「日向に帰った、思った」
横から顔を出した隼手がにやりとして言った。むろん冗談である。
「約束は守る」
道臣が律儀に答えた。
「すべて整えてあります」
そう言って剣根は胸を張った。
武器庫には膨大な量の剣や戈、弓矢などが揃っていた。
剣根は磐余彦のために特別な矢を十本用意していた。
黒光りする一本の矢を受け取り、間近に見て磐余彦は目を輝かせた。
「みごとだ。天羽羽矢と寸分違わぬ」
「鏃は火の石で作りました」
剣根が胸を張った。
「火の石か。噂には聞いていたが、この目で見るのは初めてだ」
磐余彦が驚くのも無理はない。
火の石とは隕石のことである。
中でも主成分が鉄のものは隕鉄といい、イリジウムをはじめ多くの希少金属が含まれていて非常に硬い。
古代中国の王朝、商(紀元前約千四百年)の遺跡で出土した鉞の刃にも隕鉄が用いられていたことが知られている。
磐余彦が手にした隕鉄製の鏃は鋭く、黒光りしている。
ふつうの鉄よりもずっしりと重く、硬い。それだけに貫通力も並外れているだろう。
「そして道臣どのにはこの剣を」
そう言って剣根が差し出したのは、細身の直刀である。
「片刃ではないか」道臣が驚いた。
この時代の剣といえば諸刃である。
重いうえに斬れ味も鈍く、斬るというより鉈のように叩き割るか、槍のように突くことを主眼にした武器である。
「鉄を幾度も叩いて鍛えましたゆえ、簡単には折れません」
道臣は目を輝かせて鋭い刃先に見入った。細身ながら硬さも十分あるとみた。
よい剣を手にすれば試したくなるのは剣士の性である。
剣根が右手の木の枝を指して顎をしゃくった。
斬ってみろ、という合図だ。
道臣は剣を上段に構えた。
――軽い。片手でも振り回せるほどだ!
息を整えた道臣は、気合とともに振り下ろした。
閃光が疾るのと同時に、童の腕ほどの太さの木の枝が滑り落ちた。
切り口の年輪が鮮やかに見える。
よほど斬れ味がよくなければこうはならない。
「ほう、みごとだ」
道臣は曇りひとつない刃を見て驚嘆した。
「何百回も叩いて鍛えることで細身でも強い剣になりました」
剣根が誇らし気に言った。
この片刃剣なら鋭く突き刺すことも、素早く斬り裂くことも自在にできる。
まさに武器の革命である。
ただし湾曲した日本刀が出現するのはまだ先、平安時代末期まで待たねばならない。
「こりゃあすげえ!」
来目も一振りの小刀を授けられ、目を輝かせている。
柄の部分が湾曲し、柄頭が早蕨のように丸みを帯びている。
「蝦夷が使う蕨手刀を模して拵えました。来目どのにお使い頂きたく、魂を込めて打ちました」
蝦夷は東国に住む先住の民である。
呼び名は異なるが、熊襲や隼人、蝦夷はいずれも日本に古くから住む民である。
それを聞いて来目はさらに気に入ったようだ。
「これ持ってりゃ、きっと蝦夷の女にももてもてだな!」
周りにいる兵士たちがどっと笑った。
新たな武器を手にした兵たちは、疲れも吹き飛んだ様子で力が漲ってくるのが手に取るようにわかった。
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