226 / 233
第七章 終わりという名の始まり
203 前途多難 ディオスside
しおりを挟む
執務をそうそうに終わらせて、バルハルトとジェンに後を任せようと彼らの執務室に行くと、ジークハルトとロイスとトリスティもそこにそろっていた。
そろそろ、迎えに行こうと思う。
そう言ったディオスについていくと手を挙げたのは、ジークハルト、ロイス、トリスティであった。
「パートナーを迎えに行かないとな…全員。」
バルハルトは手をひらひらさせて一発二発くらい魔法弾を食らって来いと笑う。
トリスティとロイスは、自分たちは悪くないはずだと言ったが、バルハルトに、パートナーより主と捨てられたくせにと言われ撃沈していた。
「ジークハルトに至っては、まだ直接本人に話してもないのに逃げられたんだよ。相当嫌われていない?」
ジェンの心配そうな声にジークハルトも撃沈した。
ディオスは、巻き込んでかわいそうなことをしたなぁと思う。
「まぁ…アスにしたらジークハルトは完全に対象外だったんだろう。あの子はラスティの中で眠りながら外を見ていた存在だから、ジークハルトのディオスとラスティへの愛情を見ていたら、突然自分を指名されても何言ってんだこいつになるのは…まぁ、普通だよなぁ。」
バルハルトの言葉がジークハルトを更に落ち込ませていく。
「たぶん、今回のディオスのへまが無くてもアスとジークの時にも殆ど同じことが起こっていたかもね。」
ラスティはアス溺愛してるし、僕の息子をジークにやれるかぁーーーって感じでとジェンはため息をつきながら言った。
話があった時は目を見開いて一応聞いてきますと大人しくしていたが、あの子はじっくり考えてから思い出したら腹が立ってきたタイプなので、時間差でそうなっていただろうとジェンはため息をついた。
「ノルンとマールもそのノリだろう。どっちかはアスの従者になる話も二人の間では出ているらしいからなぁ…」
バルハルトはため息をつきながら、落ち込む息子を見る。
「今回のことは…ディオスだけではなくお前ら全員の試練だぞ…特に…ジーク。」
ジークハルトは、何?とうんざりとした表情でバルハルトをジークは見た。
「アスはきっとジークのことを不誠実な男認識したからな。本人に言わずにディオスとラスティ経由と言うのもどうかと思う。アスからしたら、自分のことは都合のいい立場だからパートナーにって言われててジークは、ディオスとラスティが好きだからアスのことはなんとも思っていないという認識だと思うな。」
ジェンがバルハルトの援護をする。
ジークハルトは、う…と唸る。
もちろん、ジークハルトは、本人に直接言うつもりだった。
だが、アスはあまりに子供だった。
見た目はともかく。
まずは、アスの保護者としての二人に自分の思いをきちんと言って、このまま、世話をしていいかどうかを確認をとったのだ。
時間はあることだし、お互いをもっと知ってからでないと本人には言えないとジークハルトきちんと言っていた。
ジークハルトとしてもディオスとラスティへの愛情が嘘ではない。
嫁になどと言っていたが、正直言えばジークハルトは二人には情欲は感じていなかった。
単純に、幸せな姿を見ていたいが、あえて言えば保護者目線だったのだ。
下世話に言えばディオスとラスティでは閨を共にしてもたたないだろうなと言う感情だった。
おそらく、未来のパートナーの面影を二人に見ていたのだろうとジークハルトは思っている。
動物的な感と言うか、この二人がいないと自分のパートナーに会えないから守らないという感覚が無意識にあったのだろうとアスについて相談したときに言われた。
そういうこともあって、一応ディオスとラスティの考えを先に聞いておこうと思い二人に言ったのだ。
まだ、先の話。
もっと落ち着いてお互いが理解してからの話。
だが、保護者の二人には言っておくことがけじめであろうとジークハルトは思っていた。
が、ラスティが本人にそのまま言ってしまった。
「…まぁ…ラスティが本人に黙っておくということが出来ないという事が分かっていたのに話した俺が悪い。」
ジークハルトは頭をかく。
ディオスは、トリスティとロイスを見る。
巻き込まれただけの二人には悪いと思うがと思っていたのだか微妙な表情の二人に首を傾げた。
「まぁ…俺たちにも不満はあったみたいですから…」
とトリスティは言いにくそうに言う。
ロイスが参ったなと顔をひきつらせた。
「トリスティと俺は…まぁ似たようなというか同じ理由です…」
トリスティも頷く。
「僕らも王宮から仕事を頂くようになってきたので…、収入もありますし…従者を辞めて自分たちの家族になってほしいと言ったのですが…」
バルハルトが、あーとため息をついた。
「覚えがありすぎるな…ジェンに同じことを言ってぶちのめされたことがあったけ…」
ジェンも頷く。
「ノルンもマールも従者としての仕事に誇りを持っているからな。それを認めないという事はまぁ…怒るというか…怒るで終わってないような気がするんだけど…」
ええとロイスは頷いた。
「激怒されました。」
激怒で済んだんだとジェンは呆れている。
「分かっているつもりでは居たのですが…やはり俺たちも後継者というものを意識する時期ですから…」
バルハルトはわかるけどもなぁとため息をつく。
「こりゃぁ…ディオスのとこの痴話喧嘩が大きくなったものだなぁ。」
ジェンがまあねぇと頷く。
「アスについてはジークがふられても、うちはまだジークの弟達がフリーだからね。ジークよりあの子達の方がアスには良いかもしれないし…上手くいかなくてもいいかなぁ…」
ジェンの言葉にジークハルトは青くなっている。
なんかすまないなぁとディオスはぼんやりと言いあう周りを眺めていた。
そんなディオスに気が付いたジェンがずんずんという足音を立てつつディオスの元へと来る。
「他人顔しているけど自分が一番の当事者なんだからね?わかっている??」
ジェンに後頭部を殴られてディオスは、力なく笑うしかなかった。
そろそろ、迎えに行こうと思う。
そう言ったディオスについていくと手を挙げたのは、ジークハルト、ロイス、トリスティであった。
「パートナーを迎えに行かないとな…全員。」
バルハルトは手をひらひらさせて一発二発くらい魔法弾を食らって来いと笑う。
トリスティとロイスは、自分たちは悪くないはずだと言ったが、バルハルトに、パートナーより主と捨てられたくせにと言われ撃沈していた。
「ジークハルトに至っては、まだ直接本人に話してもないのに逃げられたんだよ。相当嫌われていない?」
ジェンの心配そうな声にジークハルトも撃沈した。
ディオスは、巻き込んでかわいそうなことをしたなぁと思う。
「まぁ…アスにしたらジークハルトは完全に対象外だったんだろう。あの子はラスティの中で眠りながら外を見ていた存在だから、ジークハルトのディオスとラスティへの愛情を見ていたら、突然自分を指名されても何言ってんだこいつになるのは…まぁ、普通だよなぁ。」
バルハルトの言葉がジークハルトを更に落ち込ませていく。
「たぶん、今回のディオスのへまが無くてもアスとジークの時にも殆ど同じことが起こっていたかもね。」
ラスティはアス溺愛してるし、僕の息子をジークにやれるかぁーーーって感じでとジェンはため息をつきながら言った。
話があった時は目を見開いて一応聞いてきますと大人しくしていたが、あの子はじっくり考えてから思い出したら腹が立ってきたタイプなので、時間差でそうなっていただろうとジェンはため息をついた。
「ノルンとマールもそのノリだろう。どっちかはアスの従者になる話も二人の間では出ているらしいからなぁ…」
バルハルトはため息をつきながら、落ち込む息子を見る。
「今回のことは…ディオスだけではなくお前ら全員の試練だぞ…特に…ジーク。」
ジークハルトは、何?とうんざりとした表情でバルハルトをジークは見た。
「アスはきっとジークのことを不誠実な男認識したからな。本人に言わずにディオスとラスティ経由と言うのもどうかと思う。アスからしたら、自分のことは都合のいい立場だからパートナーにって言われててジークは、ディオスとラスティが好きだからアスのことはなんとも思っていないという認識だと思うな。」
ジェンがバルハルトの援護をする。
ジークハルトは、う…と唸る。
もちろん、ジークハルトは、本人に直接言うつもりだった。
だが、アスはあまりに子供だった。
見た目はともかく。
まずは、アスの保護者としての二人に自分の思いをきちんと言って、このまま、世話をしていいかどうかを確認をとったのだ。
時間はあることだし、お互いをもっと知ってからでないと本人には言えないとジークハルトきちんと言っていた。
ジークハルトとしてもディオスとラスティへの愛情が嘘ではない。
嫁になどと言っていたが、正直言えばジークハルトは二人には情欲は感じていなかった。
単純に、幸せな姿を見ていたいが、あえて言えば保護者目線だったのだ。
下世話に言えばディオスとラスティでは閨を共にしてもたたないだろうなと言う感情だった。
おそらく、未来のパートナーの面影を二人に見ていたのだろうとジークハルトは思っている。
動物的な感と言うか、この二人がいないと自分のパートナーに会えないから守らないという感覚が無意識にあったのだろうとアスについて相談したときに言われた。
そういうこともあって、一応ディオスとラスティの考えを先に聞いておこうと思い二人に言ったのだ。
まだ、先の話。
もっと落ち着いてお互いが理解してからの話。
だが、保護者の二人には言っておくことがけじめであろうとジークハルトは思っていた。
が、ラスティが本人にそのまま言ってしまった。
「…まぁ…ラスティが本人に黙っておくということが出来ないという事が分かっていたのに話した俺が悪い。」
ジークハルトは頭をかく。
ディオスは、トリスティとロイスを見る。
巻き込まれただけの二人には悪いと思うがと思っていたのだか微妙な表情の二人に首を傾げた。
「まぁ…俺たちにも不満はあったみたいですから…」
とトリスティは言いにくそうに言う。
ロイスが参ったなと顔をひきつらせた。
「トリスティと俺は…まぁ似たようなというか同じ理由です…」
トリスティも頷く。
「僕らも王宮から仕事を頂くようになってきたので…、収入もありますし…従者を辞めて自分たちの家族になってほしいと言ったのですが…」
バルハルトが、あーとため息をついた。
「覚えがありすぎるな…ジェンに同じことを言ってぶちのめされたことがあったけ…」
ジェンも頷く。
「ノルンもマールも従者としての仕事に誇りを持っているからな。それを認めないという事はまぁ…怒るというか…怒るで終わってないような気がするんだけど…」
ええとロイスは頷いた。
「激怒されました。」
激怒で済んだんだとジェンは呆れている。
「分かっているつもりでは居たのですが…やはり俺たちも後継者というものを意識する時期ですから…」
バルハルトはわかるけどもなぁとため息をつく。
「こりゃぁ…ディオスのとこの痴話喧嘩が大きくなったものだなぁ。」
ジェンがまあねぇと頷く。
「アスについてはジークがふられても、うちはまだジークの弟達がフリーだからね。ジークよりあの子達の方がアスには良いかもしれないし…上手くいかなくてもいいかなぁ…」
ジェンの言葉にジークハルトは青くなっている。
なんかすまないなぁとディオスはぼんやりと言いあう周りを眺めていた。
そんなディオスに気が付いたジェンがずんずんという足音を立てつつディオスの元へと来る。
「他人顔しているけど自分が一番の当事者なんだからね?わかっている??」
ジェンに後頭部を殴られてディオスは、力なく笑うしかなかった。
0
お気に入りに追加
505
あなたにおすすめの小説
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
リクエストの更新が終わったら、舞踏会編をはじめる予定ですー!

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる