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第七章 終わりという名の始まり
203 前途多難 ディオスside
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執務をそうそうに終わらせて、バルハルトとジェンに後を任せようと彼らの執務室に行くと、ジークハルトとロイスとトリスティもそこにそろっていた。
そろそろ、迎えに行こうと思う。
そう言ったディオスについていくと手を挙げたのは、ジークハルト、ロイス、トリスティであった。
「パートナーを迎えに行かないとな…全員。」
バルハルトは手をひらひらさせて一発二発くらい魔法弾を食らって来いと笑う。
トリスティとロイスは、自分たちは悪くないはずだと言ったが、バルハルトに、パートナーより主と捨てられたくせにと言われ撃沈していた。
「ジークハルトに至っては、まだ直接本人に話してもないのに逃げられたんだよ。相当嫌われていない?」
ジェンの心配そうな声にジークハルトも撃沈した。
ディオスは、巻き込んでかわいそうなことをしたなぁと思う。
「まぁ…アスにしたらジークハルトは完全に対象外だったんだろう。あの子はラスティの中で眠りながら外を見ていた存在だから、ジークハルトのディオスとラスティへの愛情を見ていたら、突然自分を指名されても何言ってんだこいつになるのは…まぁ、普通だよなぁ。」
バルハルトの言葉がジークハルトを更に落ち込ませていく。
「たぶん、今回のディオスのへまが無くてもアスとジークの時にも殆ど同じことが起こっていたかもね。」
ラスティはアス溺愛してるし、僕の息子をジークにやれるかぁーーーって感じでとジェンはため息をつきながら言った。
話があった時は目を見開いて一応聞いてきますと大人しくしていたが、あの子はじっくり考えてから思い出したら腹が立ってきたタイプなので、時間差でそうなっていただろうとジェンはため息をついた。
「ノルンとマールもそのノリだろう。どっちかはアスの従者になる話も二人の間では出ているらしいからなぁ…」
バルハルトはため息をつきながら、落ち込む息子を見る。
「今回のことは…ディオスだけではなくお前ら全員の試練だぞ…特に…ジーク。」
ジークハルトは、何?とうんざりとした表情でバルハルトをジークは見た。
「アスはきっとジークのことを不誠実な男認識したからな。本人に言わずにディオスとラスティ経由と言うのもどうかと思う。アスからしたら、自分のことは都合のいい立場だからパートナーにって言われててジークは、ディオスとラスティが好きだからアスのことはなんとも思っていないという認識だと思うな。」
ジェンがバルハルトの援護をする。
ジークハルトは、う…と唸る。
もちろん、ジークハルトは、本人に直接言うつもりだった。
だが、アスはあまりに子供だった。
見た目はともかく。
まずは、アスの保護者としての二人に自分の思いをきちんと言って、このまま、世話をしていいかどうかを確認をとったのだ。
時間はあることだし、お互いをもっと知ってからでないと本人には言えないとジークハルトきちんと言っていた。
ジークハルトとしてもディオスとラスティへの愛情が嘘ではない。
嫁になどと言っていたが、正直言えばジークハルトは二人には情欲は感じていなかった。
単純に、幸せな姿を見ていたいが、あえて言えば保護者目線だったのだ。
下世話に言えばディオスとラスティでは閨を共にしてもたたないだろうなと言う感情だった。
おそらく、未来のパートナーの面影を二人に見ていたのだろうとジークハルトは思っている。
動物的な感と言うか、この二人がいないと自分のパートナーに会えないから守らないという感覚が無意識にあったのだろうとアスについて相談したときに言われた。
そういうこともあって、一応ディオスとラスティの考えを先に聞いておこうと思い二人に言ったのだ。
まだ、先の話。
もっと落ち着いてお互いが理解してからの話。
だが、保護者の二人には言っておくことがけじめであろうとジークハルトは思っていた。
が、ラスティが本人にそのまま言ってしまった。
「…まぁ…ラスティが本人に黙っておくということが出来ないという事が分かっていたのに話した俺が悪い。」
ジークハルトは頭をかく。
ディオスは、トリスティとロイスを見る。
巻き込まれただけの二人には悪いと思うがと思っていたのだか微妙な表情の二人に首を傾げた。
「まぁ…俺たちにも不満はあったみたいですから…」
とトリスティは言いにくそうに言う。
ロイスが参ったなと顔をひきつらせた。
「トリスティと俺は…まぁ似たようなというか同じ理由です…」
トリスティも頷く。
「僕らも王宮から仕事を頂くようになってきたので…、収入もありますし…従者を辞めて自分たちの家族になってほしいと言ったのですが…」
バルハルトが、あーとため息をついた。
「覚えがありすぎるな…ジェンに同じことを言ってぶちのめされたことがあったけ…」
ジェンも頷く。
「ノルンもマールも従者としての仕事に誇りを持っているからな。それを認めないという事はまぁ…怒るというか…怒るで終わってないような気がするんだけど…」
ええとロイスは頷いた。
「激怒されました。」
激怒で済んだんだとジェンは呆れている。
「分かっているつもりでは居たのですが…やはり俺たちも後継者というものを意識する時期ですから…」
バルハルトはわかるけどもなぁとため息をつく。
「こりゃぁ…ディオスのとこの痴話喧嘩が大きくなったものだなぁ。」
ジェンがまあねぇと頷く。
「アスについてはジークがふられても、うちはまだジークの弟達がフリーだからね。ジークよりあの子達の方がアスには良いかもしれないし…上手くいかなくてもいいかなぁ…」
ジェンの言葉にジークハルトは青くなっている。
なんかすまないなぁとディオスはぼんやりと言いあう周りを眺めていた。
そんなディオスに気が付いたジェンがずんずんという足音を立てつつディオスの元へと来る。
「他人顔しているけど自分が一番の当事者なんだからね?わかっている??」
ジェンに後頭部を殴られてディオスは、力なく笑うしかなかった。
そろそろ、迎えに行こうと思う。
そう言ったディオスについていくと手を挙げたのは、ジークハルト、ロイス、トリスティであった。
「パートナーを迎えに行かないとな…全員。」
バルハルトは手をひらひらさせて一発二発くらい魔法弾を食らって来いと笑う。
トリスティとロイスは、自分たちは悪くないはずだと言ったが、バルハルトに、パートナーより主と捨てられたくせにと言われ撃沈していた。
「ジークハルトに至っては、まだ直接本人に話してもないのに逃げられたんだよ。相当嫌われていない?」
ジェンの心配そうな声にジークハルトも撃沈した。
ディオスは、巻き込んでかわいそうなことをしたなぁと思う。
「まぁ…アスにしたらジークハルトは完全に対象外だったんだろう。あの子はラスティの中で眠りながら外を見ていた存在だから、ジークハルトのディオスとラスティへの愛情を見ていたら、突然自分を指名されても何言ってんだこいつになるのは…まぁ、普通だよなぁ。」
バルハルトの言葉がジークハルトを更に落ち込ませていく。
「たぶん、今回のディオスのへまが無くてもアスとジークの時にも殆ど同じことが起こっていたかもね。」
ラスティはアス溺愛してるし、僕の息子をジークにやれるかぁーーーって感じでとジェンはため息をつきながら言った。
話があった時は目を見開いて一応聞いてきますと大人しくしていたが、あの子はじっくり考えてから思い出したら腹が立ってきたタイプなので、時間差でそうなっていただろうとジェンはため息をついた。
「ノルンとマールもそのノリだろう。どっちかはアスの従者になる話も二人の間では出ているらしいからなぁ…」
バルハルトはため息をつきながら、落ち込む息子を見る。
「今回のことは…ディオスだけではなくお前ら全員の試練だぞ…特に…ジーク。」
ジークハルトは、何?とうんざりとした表情でバルハルトをジークは見た。
「アスはきっとジークのことを不誠実な男認識したからな。本人に言わずにディオスとラスティ経由と言うのもどうかと思う。アスからしたら、自分のことは都合のいい立場だからパートナーにって言われててジークは、ディオスとラスティが好きだからアスのことはなんとも思っていないという認識だと思うな。」
ジェンがバルハルトの援護をする。
ジークハルトは、う…と唸る。
もちろん、ジークハルトは、本人に直接言うつもりだった。
だが、アスはあまりに子供だった。
見た目はともかく。
まずは、アスの保護者としての二人に自分の思いをきちんと言って、このまま、世話をしていいかどうかを確認をとったのだ。
時間はあることだし、お互いをもっと知ってからでないと本人には言えないとジークハルトきちんと言っていた。
ジークハルトとしてもディオスとラスティへの愛情が嘘ではない。
嫁になどと言っていたが、正直言えばジークハルトは二人には情欲は感じていなかった。
単純に、幸せな姿を見ていたいが、あえて言えば保護者目線だったのだ。
下世話に言えばディオスとラスティでは閨を共にしてもたたないだろうなと言う感情だった。
おそらく、未来のパートナーの面影を二人に見ていたのだろうとジークハルトは思っている。
動物的な感と言うか、この二人がいないと自分のパートナーに会えないから守らないという感覚が無意識にあったのだろうとアスについて相談したときに言われた。
そういうこともあって、一応ディオスとラスティの考えを先に聞いておこうと思い二人に言ったのだ。
まだ、先の話。
もっと落ち着いてお互いが理解してからの話。
だが、保護者の二人には言っておくことがけじめであろうとジークハルトは思っていた。
が、ラスティが本人にそのまま言ってしまった。
「…まぁ…ラスティが本人に黙っておくということが出来ないという事が分かっていたのに話した俺が悪い。」
ジークハルトは頭をかく。
ディオスは、トリスティとロイスを見る。
巻き込まれただけの二人には悪いと思うがと思っていたのだか微妙な表情の二人に首を傾げた。
「まぁ…俺たちにも不満はあったみたいですから…」
とトリスティは言いにくそうに言う。
ロイスが参ったなと顔をひきつらせた。
「トリスティと俺は…まぁ似たようなというか同じ理由です…」
トリスティも頷く。
「僕らも王宮から仕事を頂くようになってきたので…、収入もありますし…従者を辞めて自分たちの家族になってほしいと言ったのですが…」
バルハルトが、あーとため息をついた。
「覚えがありすぎるな…ジェンに同じことを言ってぶちのめされたことがあったけ…」
ジェンも頷く。
「ノルンもマールも従者としての仕事に誇りを持っているからな。それを認めないという事はまぁ…怒るというか…怒るで終わってないような気がするんだけど…」
ええとロイスは頷いた。
「激怒されました。」
激怒で済んだんだとジェンは呆れている。
「分かっているつもりでは居たのですが…やはり俺たちも後継者というものを意識する時期ですから…」
バルハルトはわかるけどもなぁとため息をつく。
「こりゃぁ…ディオスのとこの痴話喧嘩が大きくなったものだなぁ。」
ジェンがまあねぇと頷く。
「アスについてはジークがふられても、うちはまだジークの弟達がフリーだからね。ジークよりあの子達の方がアスには良いかもしれないし…上手くいかなくてもいいかなぁ…」
ジェンの言葉にジークハルトは青くなっている。
なんかすまないなぁとディオスはぼんやりと言いあう周りを眺めていた。
そんなディオスに気が付いたジェンがずんずんという足音を立てつつディオスの元へと来る。
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