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第七章 終わりという名の始まり
202 親子喧嘩 ディオスside
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消えたラスティ達についてディオスは情報を集めていた。
とはいっても地下に居る確実だったが。
王国の地下に居るだろうという事も。
ただ、迎えに行くかどうかとディオスは悩んでいた。
いっそ…アスとラスティが一緒になっても…。
ただ、話を聞いたマールとノルンも姿を消した。
マールが市場などで目撃されているので彼は地上と地下を行き来しているのだろう。
マールとノルンが姿を消したことでトリステとロイスも少々不安定になってきている。
あとはジークハルトも何か言いたげにディオスを見てい居ることが多い。
おそらく、ジークハルトはアスを迎えに行きたいのだ。
ジークハルトとしては、ディオスとラスティは守るべき大切なもの。
恋心以外はすべてを捧げていると言っても良い存在だ。
残った恋心は、ずっと中途半端に浮かんでいた。
おそらく、それはジークハルトのけじめだったのだろう。
何があってもディオスとラスティは守る。
自分が二人を娶ってもいい、むしろ娶って囲って守りたいとある意味病的な思いを持っていた。
ただ、二人の幸せを守りたいという感情が不器用な発露をしているとも言うが。
ディオスは、ぼんやりと王家の人間は愛情がゆがむ呪いでもかかっているのだろうかとぼんやりと思う。
今回は一人できちんと考えるとあきれ返る幼馴染の顔が頭に浮かんだ。
今回のことには、バルハルトとジェンは参加しないときっぱりとディオスに宣言していた。
邪魔はしないが、助言もできぬと竜と妖精から書状が届いた。
自らきちんと考えろ!!!
竜からのキツイ言葉も届いている。
分かっているのだ。
けれど、わからない。
何が正しいのか。
ため息をつきつつ、執務を終わらせ、行くかどうか悩む。
とノックと同時に険しい表情のエスターが入って来た。
無言でエスターの後ろにリオンもついてきている。
2人は一応今回の暴動の被害者ではあるが、やったことが大きいという事でそれぞれ罰は受けているが行動制限なっどのことは解除されていた。
辺境に行くだの旅に出るだの色々計画している…いや、行ったのではないだろうか??
ディオスは首をかしげる。
あーもしかして、これから辺境に行くから挨拶とか??
まぁ行動範囲としては彼らも転移などの魔石は持っているので、一旦行ったけど挨拶忘れてたとかで帰ってきたり?
エスターは真面目で律儀だからなぁと思いながらディオスはエスターを見る。
「父上…いえ…ディオス陛下…お手合わせをお願いしたい…」
エスターの申し出にディオスは目を丸くする。
「えっと…いいけど…どういうことかな???」
エスターの言葉にディオスは頭の上に大量の疑問符を浮かべていた。
いいからと、怒ったようなエスターにディオスは珍しなぁと思う。
リオンは黙ってエスターを見ている。
どうやらケガした時の救護と言うつもりらしい。
今回の事には、何もいいませんとディオスを睨んだくらいなものだ。
ディオスは、エスターと共に中庭まで行くと練習用の剣を受け取った。
「行きます!!!」
エスターはまっすぐにディオスに向かってくる。
そうまっすぐに。
ディオス的にはもう少し、ひねらないと真正面から弾くだけなんだかと思うが。
とにかく、エスターはまっすぐに突き進んで来る。
ディオスはエスターの剣を真正面から受ける。
よけても良かったが、息子の剣の練習もまともにしなかったのだからと受ける。
少し感慨深くも思う。
エスターは、何度もディオスに打ちかかってくるが軽くディオスは、はじき返す。
そんなことを繰り返しているとエスターは荒い息を吐きながらディオスを睨んだ。
「ディオス陛下…同じ過ちをいつでもくりかえすのですか?」
エスターの言葉にディオスは彼を見る。
「…母を手放し…私を手放し…そして…ラスティも新たに迎えたというう王子も早々に手放すのですか?」
ディオスはエスターを見る。
「貴方は…それが最善だと思って…相手のことを思っての事でしょう。けれど…私たちの心も一緒に捨てたんだ。」
エスターは練習用の剣をディオスに突き付けたまま顔を伏せている。
髪に隠れて表情はうかがえない。
ただ、ディオスに突き付けられている剣は細かく震えていた。
僅かに見える頬は濡れているようにも見えた。
「…近づいたと思ったら遠ざけられる…繰り返していくうちに…私は諦めてしまった。」
私のことは…もういいのですとエスターはつぶやく。
元々ディオスが自分を育てる義理も無かったことは理解している。
それでも、傍には居なかったが、父として気にかけていてくれたことも知っている。
それでいいと、エスターは納得した。
これからの未来を進むのだと決めた。
だから、自分は良いとエスターは言う。
これから、別の関係を作ればいいからと晴れ晴れとエスターは笑う。
「だから…ここで足踏みしていないで…迎えに行ってください。」
ディオスは、そうだねとエスターに苦笑した。
とはいっても地下に居る確実だったが。
王国の地下に居るだろうという事も。
ただ、迎えに行くかどうかとディオスは悩んでいた。
いっそ…アスとラスティが一緒になっても…。
ただ、話を聞いたマールとノルンも姿を消した。
マールが市場などで目撃されているので彼は地上と地下を行き来しているのだろう。
マールとノルンが姿を消したことでトリステとロイスも少々不安定になってきている。
あとはジークハルトも何か言いたげにディオスを見てい居ることが多い。
おそらく、ジークハルトはアスを迎えに行きたいのだ。
ジークハルトとしては、ディオスとラスティは守るべき大切なもの。
恋心以外はすべてを捧げていると言っても良い存在だ。
残った恋心は、ずっと中途半端に浮かんでいた。
おそらく、それはジークハルトのけじめだったのだろう。
何があってもディオスとラスティは守る。
自分が二人を娶ってもいい、むしろ娶って囲って守りたいとある意味病的な思いを持っていた。
ただ、二人の幸せを守りたいという感情が不器用な発露をしているとも言うが。
ディオスは、ぼんやりと王家の人間は愛情がゆがむ呪いでもかかっているのだろうかとぼんやりと思う。
今回は一人できちんと考えるとあきれ返る幼馴染の顔が頭に浮かんだ。
今回のことには、バルハルトとジェンは参加しないときっぱりとディオスに宣言していた。
邪魔はしないが、助言もできぬと竜と妖精から書状が届いた。
自らきちんと考えろ!!!
竜からのキツイ言葉も届いている。
分かっているのだ。
けれど、わからない。
何が正しいのか。
ため息をつきつつ、執務を終わらせ、行くかどうか悩む。
とノックと同時に険しい表情のエスターが入って来た。
無言でエスターの後ろにリオンもついてきている。
2人は一応今回の暴動の被害者ではあるが、やったことが大きいという事でそれぞれ罰は受けているが行動制限なっどのことは解除されていた。
辺境に行くだの旅に出るだの色々計画している…いや、行ったのではないだろうか??
ディオスは首をかしげる。
あーもしかして、これから辺境に行くから挨拶とか??
まぁ行動範囲としては彼らも転移などの魔石は持っているので、一旦行ったけど挨拶忘れてたとかで帰ってきたり?
エスターは真面目で律儀だからなぁと思いながらディオスはエスターを見る。
「父上…いえ…ディオス陛下…お手合わせをお願いしたい…」
エスターの申し出にディオスは目を丸くする。
「えっと…いいけど…どういうことかな???」
エスターの言葉にディオスは頭の上に大量の疑問符を浮かべていた。
いいからと、怒ったようなエスターにディオスは珍しなぁと思う。
リオンは黙ってエスターを見ている。
どうやらケガした時の救護と言うつもりらしい。
今回の事には、何もいいませんとディオスを睨んだくらいなものだ。
ディオスは、エスターと共に中庭まで行くと練習用の剣を受け取った。
「行きます!!!」
エスターはまっすぐにディオスに向かってくる。
そうまっすぐに。
ディオス的にはもう少し、ひねらないと真正面から弾くだけなんだかと思うが。
とにかく、エスターはまっすぐに突き進んで来る。
ディオスはエスターの剣を真正面から受ける。
よけても良かったが、息子の剣の練習もまともにしなかったのだからと受ける。
少し感慨深くも思う。
エスターは、何度もディオスに打ちかかってくるが軽くディオスは、はじき返す。
そんなことを繰り返しているとエスターは荒い息を吐きながらディオスを睨んだ。
「ディオス陛下…同じ過ちをいつでもくりかえすのですか?」
エスターの言葉にディオスは彼を見る。
「…母を手放し…私を手放し…そして…ラスティも新たに迎えたというう王子も早々に手放すのですか?」
ディオスはエスターを見る。
「貴方は…それが最善だと思って…相手のことを思っての事でしょう。けれど…私たちの心も一緒に捨てたんだ。」
エスターは練習用の剣をディオスに突き付けたまま顔を伏せている。
髪に隠れて表情はうかがえない。
ただ、ディオスに突き付けられている剣は細かく震えていた。
僅かに見える頬は濡れているようにも見えた。
「…近づいたと思ったら遠ざけられる…繰り返していくうちに…私は諦めてしまった。」
私のことは…もういいのですとエスターはつぶやく。
元々ディオスが自分を育てる義理も無かったことは理解している。
それでも、傍には居なかったが、父として気にかけていてくれたことも知っている。
それでいいと、エスターは納得した。
これからの未来を進むのだと決めた。
だから、自分は良いとエスターは言う。
これから、別の関係を作ればいいからと晴れ晴れとエスターは笑う。
「だから…ここで足踏みしていないで…迎えに行ってください。」
ディオスは、そうだねとエスターに苦笑した。
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