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第六章 運命の一年間
186 ラスティの嘆き
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僕が泣きだしたのは仕方ないことだと思いたい。
いろいろあって感情が爆発したのだ。
教会の地下に居る(おそらく魂的に兄弟というか家族)を水攻めしようと意気揚々と提案する(仮)息子に。
「どした?」
首をかしげてその(仮)息子はきょとんとしている。
良いですねと乗ってしまうマールに。
「ええ??どうしたんですか??」
こちらも泣き出した僕にきょとんとしている。
良い考えだと笑う幼馴染のジークハルトに。
「??ラスティ??」
本当に分かっていないらしい。
なんで皆こんなに破壊的なんだ!!!
教会には操られている人質状態の皆がいるのに。
ふわっといい笑顔の陛下が浮かんだ。
絶対そうだ!!アスがこの思考になったのは陛下の所為だ!!
とってもいい笑顔で意気揚々と…同じように超笑顔で陛下が同じようなことを言ったばかりだ。
教会崩落。
それは阻止した。
僕は阻止した。
だってエスターもいるだろう。
ノーマも、トリスティも…リオンだって確実にいる。
神官さん達も操られた人たちも。
たくさんの人が居るのにあっさり笑って陛下は言ったのだ。
教会崩落。
それを止めたら今度は(仮)息子か???
母親(?)に似たのか??
体を作った時に思考回路も同じにしたりしてないよね!!陛下!!
なんでこんなに過激になっているの!!
というか、魔法使えないって悩んでいたはずなのに何あっさりチート級の魔力持ってる子にしたの!!
もう陛下が最強すぎて思考放棄したいよ。
ではない…。
混乱してしまった。
いい年して泣き出すなんて。
でも…でもだ…。
感情の制御が壊れた。
普段は理性的だと思いたい陛下が、暴走気味なのに。
今は、アスだ。
僕は…僕は…僕は…うう…うわぁぁぁーーーん。
「うわぁぁーーん。陛下の所為だから!!!」
別に陛下の所為ではないだろう。
それは分かっている。
アスは、合理的に考えたのだ。
教会の地下ならば彼の領域。
妨害はされているが確実に陽の欠片の気配を感じているという。
地下に、欠片の姿で厳重に守られている。
彼の源は陽の力。
闇の中では力が落ちる。
そうしたら、操られている人たちへの影響力が下がる。
教会だって混乱するだろう。
だが、先ほどの教会つぶそうと同じ発想に泣いてもいいだろう。
というか泣いた。
「なんでこんな破壊的なこと…どうしてこういうとこだけ陛下と似てるの!!!」
アスは、首を傾げた。
分かってい居ないのだ。
「ほんたい…みずぜめでしなないとおもう。たぶん。」
確証ないのか!!!
兄弟!!家族だよ!!!
「くだかないだけ、かんがえている…。」
たぶんと自信なさそうにアスは言う。
くだいたほうがいいかとアスは言う。
いや…ダメだ…そんなこと…そんなこと…。
「おそらく…はいっているはこに仕掛けがあるから完全に力はそげないけど…いちがかくじつにわかるよ。」
それにとアスはにっこりと笑う。
「どろみずでうごけなくなる。わるいこにはおしおき…てんにゆずらない。」
僕は、いつの間にかジークハルトにぷらんとぶら下げられているアスを見る。
なんとか声を絞り出す。
「でも…教会の地下に水を満たしたら上の教会はどうなるの?」
アスは少し考えて首を傾げた。
「こわれないよ。たぶん。」
たぶんなのかーい!!!
僕の言いたいことが分かったのだろう。
くすくすと笑いながら成り行きを見守っていたライラックが安心してと笑った。
「地上は混乱するでしょうけど何ともないわ。それに…いいこと思いついちゃった。うふふ。私の回復の力を満たした泥水にするから、他の人には良い影響しかないわよ。」
微笑むライラックにアスが首を隠した。
アスが、不安そうな顔をしている。
何か企んでいるのだろう。
「ライラック…きけんでは?」
ライラックはそうねと笑う。
「まぁ…地上の人はいい気持ちな感覚には襲われるでしょうけど。いいでしょ?」
アスは少し考えて頷く。
少し諦めたような表情を浮かべて。
「ライラックは…おこってる?」
ええと妖艶に彼女は笑って頷く。
地上の生き物たちをおもちゃのように扱った陽の欠片に彼女なりに怒っていたのだろう。
まぁ、ずっとエレムルスと共に地上の惨劇を眺め続けてきたのだ。
「もちろんよ…教会の神官様には刺激が強いかもしれないけれど…」
僕は首をかしげる。
嫌な予感しかしない。
「…効果を聞いていいか?」
流石に不安を感じたのか、ジークハルトが自分たちの周りを飛ぶ妖精王に問う。
ライラックは、聞いてしまうの?と少し残念そうに眼を細める。
「大したことはないわ。精々えっちな気持ちになって、周りの人に抱いてほしくなるくらいかしら?」
たいしたことだからね!!!と僕の悲鳴にアスがため息をついた。
「ライラックは、ほんとうにやさしいけどこわい…」
彼のしみじみとした言葉に、僕は彼女を見る。
彼女は少し考えてから、僕に微笑んだ。
「昔話を聞く?」
僕は首をかしげる。
どこか意味深に微笑んで水の妖精は、昔話を始めた。
いろいろあって感情が爆発したのだ。
教会の地下に居る(おそらく魂的に兄弟というか家族)を水攻めしようと意気揚々と提案する(仮)息子に。
「どした?」
首をかしげてその(仮)息子はきょとんとしている。
良いですねと乗ってしまうマールに。
「ええ??どうしたんですか??」
こちらも泣き出した僕にきょとんとしている。
良い考えだと笑う幼馴染のジークハルトに。
「??ラスティ??」
本当に分かっていないらしい。
なんで皆こんなに破壊的なんだ!!!
教会には操られている人質状態の皆がいるのに。
ふわっといい笑顔の陛下が浮かんだ。
絶対そうだ!!アスがこの思考になったのは陛下の所為だ!!
とってもいい笑顔で意気揚々と…同じように超笑顔で陛下が同じようなことを言ったばかりだ。
教会崩落。
それは阻止した。
僕は阻止した。
だってエスターもいるだろう。
ノーマも、トリスティも…リオンだって確実にいる。
神官さん達も操られた人たちも。
たくさんの人が居るのにあっさり笑って陛下は言ったのだ。
教会崩落。
それを止めたら今度は(仮)息子か???
母親(?)に似たのか??
体を作った時に思考回路も同じにしたりしてないよね!!陛下!!
なんでこんなに過激になっているの!!
というか、魔法使えないって悩んでいたはずなのに何あっさりチート級の魔力持ってる子にしたの!!
もう陛下が最強すぎて思考放棄したいよ。
ではない…。
混乱してしまった。
いい年して泣き出すなんて。
でも…でもだ…。
感情の制御が壊れた。
普段は理性的だと思いたい陛下が、暴走気味なのに。
今は、アスだ。
僕は…僕は…僕は…うう…うわぁぁぁーーーん。
「うわぁぁーーん。陛下の所為だから!!!」
別に陛下の所為ではないだろう。
それは分かっている。
アスは、合理的に考えたのだ。
教会の地下ならば彼の領域。
妨害はされているが確実に陽の欠片の気配を感じているという。
地下に、欠片の姿で厳重に守られている。
彼の源は陽の力。
闇の中では力が落ちる。
そうしたら、操られている人たちへの影響力が下がる。
教会だって混乱するだろう。
だが、先ほどの教会つぶそうと同じ発想に泣いてもいいだろう。
というか泣いた。
「なんでこんな破壊的なこと…どうしてこういうとこだけ陛下と似てるの!!!」
アスは、首を傾げた。
分かってい居ないのだ。
「ほんたい…みずぜめでしなないとおもう。たぶん。」
確証ないのか!!!
兄弟!!家族だよ!!!
「くだかないだけ、かんがえている…。」
たぶんと自信なさそうにアスは言う。
くだいたほうがいいかとアスは言う。
いや…ダメだ…そんなこと…そんなこと…。
「おそらく…はいっているはこに仕掛けがあるから完全に力はそげないけど…いちがかくじつにわかるよ。」
それにとアスはにっこりと笑う。
「どろみずでうごけなくなる。わるいこにはおしおき…てんにゆずらない。」
僕は、いつの間にかジークハルトにぷらんとぶら下げられているアスを見る。
なんとか声を絞り出す。
「でも…教会の地下に水を満たしたら上の教会はどうなるの?」
アスは少し考えて首を傾げた。
「こわれないよ。たぶん。」
たぶんなのかーい!!!
僕の言いたいことが分かったのだろう。
くすくすと笑いながら成り行きを見守っていたライラックが安心してと笑った。
「地上は混乱するでしょうけど何ともないわ。それに…いいこと思いついちゃった。うふふ。私の回復の力を満たした泥水にするから、他の人には良い影響しかないわよ。」
微笑むライラックにアスが首を隠した。
アスが、不安そうな顔をしている。
何か企んでいるのだろう。
「ライラック…きけんでは?」
ライラックはそうねと笑う。
「まぁ…地上の人はいい気持ちな感覚には襲われるでしょうけど。いいでしょ?」
アスは少し考えて頷く。
少し諦めたような表情を浮かべて。
「ライラックは…おこってる?」
ええと妖艶に彼女は笑って頷く。
地上の生き物たちをおもちゃのように扱った陽の欠片に彼女なりに怒っていたのだろう。
まぁ、ずっとエレムルスと共に地上の惨劇を眺め続けてきたのだ。
「もちろんよ…教会の神官様には刺激が強いかもしれないけれど…」
僕は首をかしげる。
嫌な予感しかしない。
「…効果を聞いていいか?」
流石に不安を感じたのか、ジークハルトが自分たちの周りを飛ぶ妖精王に問う。
ライラックは、聞いてしまうの?と少し残念そうに眼を細める。
「大したことはないわ。精々えっちな気持ちになって、周りの人に抱いてほしくなるくらいかしら?」
たいしたことだからね!!!と僕の悲鳴にアスがため息をついた。
「ライラックは、ほんとうにやさしいけどこわい…」
彼のしみじみとした言葉に、僕は彼女を見る。
彼女は少し考えてから、僕に微笑んだ。
「昔話を聞く?」
僕は首をかしげる。
どこか意味深に微笑んで水の妖精は、昔話を始めた。
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