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第六章 運命の一年間
126 陽と月
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目を覚ますと陛下が何か考え込んでいた。
「陛下?」
僕の声に陛下が顔を上げて少し考えていた。
何か言いたげな陛下に僕は首をかしげる。。
「ラスティは…昨日の夜のことは何か覚えているかな?」
僕は何があったかなと思い出そうとするが、何もなかったと思う。
「とくには…すぐに眠ったと思うのですが。」
そうっと陛下は少し悲し気に微笑む。
「あの子の判断なのか…君の無意識の感情なのか…どちらなのだろうね。」
僕が首をかしげていると、勝手に口が動いた。
『『俺』の判断ですよ。そのうちに全部渡します。』
僕は慌てるが陛下は、そうと頷く。
どこまで僕のことを陛下は知っているのかと少し怖くなる。
僅かに『俺』の声が聞こえた。
『だから、渡せない記憶があるんだよ。』
僕が首を傾げえると『俺』の声が頭に響いた。
陛下に聞こえないようにしていrのだろうか。
『顔に出すぎる。』
『俺』の言葉に僕は口を尖らせた。
陛下が首を傾げた。
「何か言われたのかい?」
僕は少し考えてから頷いた。
「顔に出すぎる…と…。」
陛下はああと頷く。
「それは……」
陛下がものすごく納得している。
少し悔しくなるが、陛下に表情を読まれたことからそうかと眉を寄せてしまう。
「ラスティの良いところだけど…まぁ…隠し事には向かないかな?」
頭の中でうんうんと『俺』が同意している。
少し悔しい。
「まぁ…どちらもラスティだから…そのうちもとに戻るとは思うけれど…」
陛下の言葉に僕も『俺』もあれっと思う。
「どういうことですか?」
陛下はうんと頷く。
「まぁ…私もはっきりと思い出したわけではないのだけれど…この繰り返しの世界を今回で終わらせるために以前の生で色々やっている子がいてね。だれとは…今は言わないけれど。」
陛下は、その子が仕掛けた魔術で少しずつ記憶を思い出しているみたいだと言う。
「ただ…邪魔をしている魔術も仕掛けられているみたいなんだ。」
僕が首をかしげると陛下が、貯め樹をついた。
「こっちは誰がやっているのかわからないんだが…もしかしたら複数いて、本人が気が付いていないということも考えられる。まぁともかく、王宮にいつの間にか書き込まれた魔法陣がいろんなところにある。ほとんどが、この王城を守るためにと、ラスティのための魔術だ。」
僕は首をかしげる。
そんなものが???と首をかしげる。
僕にはさっぱりわからない。
『俺』もわからないらしい。
「それとは別に…書き込まれている魔法陣がある。それの所為で君たちがそういう状況になったのだと思う。いくつか見つかった魔法陣が、ラスティの記憶を奪おうとするものだった。ラスティの人格がわかれているのはその魔法陣と守るための魔法陣との作用だと思うんだ。」
何か起こっていないか観察していた結果わかったのだからねと陛下は苦笑する。
「僕…結構悩んだのですが…何か原因なのかって…」
陛下は、ごめんねと笑う。
「…でも…なんで教えてくれたのですか?」
陛下は、うんと頷いた。
「まだ…黙っておくつもりだったんだけど…もう一人の君が思い詰めそうだったからね。違うのだよと話しておこうと思ったんだ。私にとってはどちらも大切なラスティだからね。」
僕は、陛下の言葉に首をかしげる。
「でも…魔法でこのようなことが出来るのですか?」
陛下は頷く。
「普段は考えられないのだけど…おそらく…この魔法陣を書いた者は…探しているのだと思う。王家の御伽噺の五番目の子どもを…ラスティの中にいると思っているから分離させて奪おうとしているのかとは思うけれど…元々、分離している者には効かないのだろうね。」
代わりに稀人としてのラスティが分離したのではないかと思う。と陛下は少し自信なさげに言った。
陛下の言葉に、僕と『俺』は困惑する。
色々推測していた僕らは一体何なのかと。
「けど…本当にそうかもまだ調査中なんだ…はっきりわかってから言おうと様子を見ていたのだけれどね。最近思い詰めていることが多くなってきているような気がしたから…もう一人の…いや…月の方のラスティが…かな?」
僕が首をかしげると陛下が頷く。
「昨日…使い魔を作っていたね?その使い魔がまるで月の光のようだった。いつものラスティは金の蝶だ。まるで陽光のような蝶だと思っていたから…」
陛下はそう笑って言う。
「とりあえず…魔法陣は解析は進めているから…そのうち戻れるようになるとおもうけど…うーん…」
陛下はそう言って僕を見る。
「少し…惜しいかな?」
陛下の言葉に僕は首を傾げた。
「だって、子供のラスティと少し大人びたラスティが同時にいるわけだし…どっちも可愛いからなぁ。」
子供…と僕は思う。
「えっと…僕が子供だと陛下は言いたいのですか?」
だろううなと思いながら言うと陛下は、ないしょと笑った。
いや…そうだろうよ!!!と僕は少しムカつきながら、魔法陣の所為なのかと納得する。
『いや…すぐに真に受けるな…まったく…』
頭の中で『俺』はいろいろな可能性を考えているようだった。
陛下も、眉を寄せている。
「まぁ…調査中だから本当にそうだって決定したわけではないということは覚えておいてね?」
陛下の言葉に僕は頷く。
頭の中で『俺』はため息をついた。
『どこまでも…怖い方だ…』
「陛下?」
僕の声に陛下が顔を上げて少し考えていた。
何か言いたげな陛下に僕は首をかしげる。。
「ラスティは…昨日の夜のことは何か覚えているかな?」
僕は何があったかなと思い出そうとするが、何もなかったと思う。
「とくには…すぐに眠ったと思うのですが。」
そうっと陛下は少し悲し気に微笑む。
「あの子の判断なのか…君の無意識の感情なのか…どちらなのだろうね。」
僕が首をかしげていると、勝手に口が動いた。
『『俺』の判断ですよ。そのうちに全部渡します。』
僕は慌てるが陛下は、そうと頷く。
どこまで僕のことを陛下は知っているのかと少し怖くなる。
僅かに『俺』の声が聞こえた。
『だから、渡せない記憶があるんだよ。』
僕が首を傾げえると『俺』の声が頭に響いた。
陛下に聞こえないようにしていrのだろうか。
『顔に出すぎる。』
『俺』の言葉に僕は口を尖らせた。
陛下が首を傾げた。
「何か言われたのかい?」
僕は少し考えてから頷いた。
「顔に出すぎる…と…。」
陛下はああと頷く。
「それは……」
陛下がものすごく納得している。
少し悔しくなるが、陛下に表情を読まれたことからそうかと眉を寄せてしまう。
「ラスティの良いところだけど…まぁ…隠し事には向かないかな?」
頭の中でうんうんと『俺』が同意している。
少し悔しい。
「まぁ…どちらもラスティだから…そのうちもとに戻るとは思うけれど…」
陛下の言葉に僕も『俺』もあれっと思う。
「どういうことですか?」
陛下はうんと頷く。
「まぁ…私もはっきりと思い出したわけではないのだけれど…この繰り返しの世界を今回で終わらせるために以前の生で色々やっている子がいてね。だれとは…今は言わないけれど。」
陛下は、その子が仕掛けた魔術で少しずつ記憶を思い出しているみたいだと言う。
「ただ…邪魔をしている魔術も仕掛けられているみたいなんだ。」
僕が首をかしげると陛下が、貯め樹をついた。
「こっちは誰がやっているのかわからないんだが…もしかしたら複数いて、本人が気が付いていないということも考えられる。まぁともかく、王宮にいつの間にか書き込まれた魔法陣がいろんなところにある。ほとんどが、この王城を守るためにと、ラスティのための魔術だ。」
僕は首をかしげる。
そんなものが???と首をかしげる。
僕にはさっぱりわからない。
『俺』もわからないらしい。
「それとは別に…書き込まれている魔法陣がある。それの所為で君たちがそういう状況になったのだと思う。いくつか見つかった魔法陣が、ラスティの記憶を奪おうとするものだった。ラスティの人格がわかれているのはその魔法陣と守るための魔法陣との作用だと思うんだ。」
何か起こっていないか観察していた結果わかったのだからねと陛下は苦笑する。
「僕…結構悩んだのですが…何か原因なのかって…」
陛下は、ごめんねと笑う。
「…でも…なんで教えてくれたのですか?」
陛下は、うんと頷いた。
「まだ…黙っておくつもりだったんだけど…もう一人の君が思い詰めそうだったからね。違うのだよと話しておこうと思ったんだ。私にとってはどちらも大切なラスティだからね。」
僕は、陛下の言葉に首をかしげる。
「でも…魔法でこのようなことが出来るのですか?」
陛下は頷く。
「普段は考えられないのだけど…おそらく…この魔法陣を書いた者は…探しているのだと思う。王家の御伽噺の五番目の子どもを…ラスティの中にいると思っているから分離させて奪おうとしているのかとは思うけれど…元々、分離している者には効かないのだろうね。」
代わりに稀人としてのラスティが分離したのではないかと思う。と陛下は少し自信なさげに言った。
陛下の言葉に、僕と『俺』は困惑する。
色々推測していた僕らは一体何なのかと。
「けど…本当にそうかもまだ調査中なんだ…はっきりわかってから言おうと様子を見ていたのだけれどね。最近思い詰めていることが多くなってきているような気がしたから…もう一人の…いや…月の方のラスティが…かな?」
僕が首をかしげると陛下が頷く。
「昨日…使い魔を作っていたね?その使い魔がまるで月の光のようだった。いつものラスティは金の蝶だ。まるで陽光のような蝶だと思っていたから…」
陛下はそう笑って言う。
「とりあえず…魔法陣は解析は進めているから…そのうち戻れるようになるとおもうけど…うーん…」
陛下はそう言って僕を見る。
「少し…惜しいかな?」
陛下の言葉に僕は首を傾げた。
「だって、子供のラスティと少し大人びたラスティが同時にいるわけだし…どっちも可愛いからなぁ。」
子供…と僕は思う。
「えっと…僕が子供だと陛下は言いたいのですか?」
だろううなと思いながら言うと陛下は、ないしょと笑った。
いや…そうだろうよ!!!と僕は少しムカつきながら、魔法陣の所為なのかと納得する。
『いや…すぐに真に受けるな…まったく…』
頭の中で『俺』はいろいろな可能性を考えているようだった。
陛下も、眉を寄せている。
「まぁ…調査中だから本当にそうだって決定したわけではないということは覚えておいてね?」
陛下の言葉に僕は頷く。
頭の中で『俺』はため息をついた。
『どこまでも…怖い方だ…』
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