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第五章 変わる関係
109 眠りの魔法と陛下
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ロイスの眼が正常に戻ったことを陛下と確認してから僕を陛下は寝室に連れてきた。
いや…運んでくれた。
というのも…子供の体力なのか…力を使ったせいか…かなり眠かった。
うとうととフラフラする僕を陛下が抱き上げて連れてきてくれたのだ。
「眠いだろうけど…もう少し頑張れる?」
話があるという陛下に頷く。
陛下は少しだけ待っていてと寝室を出た
眠くてフラフラしつつ陛下を待つ。
すぐに陛下は帰ってきた。
「ちょっとね…無理しそうだから三人は眠ってもらってきた。見回りをすると言って寝そうにないと思ったんだ。」
確かにそうだ。
僅かに陛下から魔力を感じる。
本の少し甘く感じる魔力の残り香。
だいぶん上達のか。
魔力の種類が少しだけ区別がつくようになってきた。
この甘い香りは…なんだろう。
花の香。
少し、いや…結構眠い。
どうやら、眠りの魔法を使ったようだ。
なんでもありだな…陛下。
三人に眠りの魔法をかけて朝までぐっすり眠らせてきたと陛下は笑った。
陛下の出来ないことって何だろう。
ちょっと苦手なこと探したくなるな…。
なんだか悔しい。
ちょっとした嫉妬だ。
何でもできる陛下。
ちょっとくらい甘えてもいいのに。
甘えてくれたらいいのに。
いや…一応『俺』も男だし…ちょっと悔しいわけで。
と心の奥底で前世のいい大人の『俺』がちょこっとくやしがっている。
僕の感覚は…ただひたすらに尊敬なのだけれど。
でも少しわかる。
大好きだから守られてばかりより守りたい。
出来れば、対等になりたい。
陛下にふさわしい人になりたい。
そう思う。
でも…弱みを探している時点で性格歪みが出てるかもしれない。
いや…もう少し前向きに考えれるようにならないとな。
「何を百面相してるの?可愛いけど。眠い??」
陛下が心配そうにのぞき込んでくる。
「その…バルハルト公が大変だなと。」
ロイスは、ジークハルトの部屋にバルハルト公が持ってきた騎士団の簡易のベットで眠らせるという。
バルハルト公が今夜は二人の様子を見るとのこと。
「まぁ…あいつ子供好きだから、意外に楽しんでいると思うよ。それよりごめんね。ラスティの離宮がこんな状態になって。」
確かにそうだろう。
いいのか?奥の間。
正妃の場所がそれで。
まぁ…緊急事態だけれども。
何か…怒られたり問題になったりしませんか?
「でもっ必要なことですから。」
僕の言葉に陛下はありがとうと笑って頷いた。
それから陛下は、やれやれと肩を軽くたたきながら僕を見た。
そうそうと少し言いにくそうにっ陛下は言った。
「明日…教会へ様子を見に行こうと思っているのだけど…ラスティはどうするかなと思ってね。」
もちろん行きます。
僕はそう言いながら何度も頷く。
陛下はそうか~と少し眉を寄せた。
「リオンが気になる?」
僕はそうですねと頷く。
「トリスティ様の様子も気になっているのですが、陛下は今日会うって…」
頷いた陛下は、頷いて少し考えていたが隠しても仕方ないかと口を開いた。
「まぁ…なんとか間に合ったという感じだったかな。私からブレスレットを受け取って…夢からさめたような顔をしていたよ。まぁ…実際夢を見ているような感覚だったかもしれないけれど。」
陛下は、ゆったりと僕を見て微笑んだ。
「おそらく…数日で彼らは打てる手を全て打ってきている…要は…リオンだろうし…今のリオンでは彼らに逆らう術はないだろうね。下手をしたら…目覚めているかもしれない。」
僕は、どういうことですかと首をかしげる。
陛下は、そうだねと頷く。
「教会に封じられて…天に帰りたがっている子供だよ。彼がリオンを導いて試練を超えてくれればいいのだけれど。そろそろ…いい加減わかってくれないものだろうかと思ってね。こちらから…しかけてみようかなとおもっているんだ。ラスティにも協力してほしい。」
僕が何をですかと問うと陛下は肩をすくめた。
「御伽噺だよ。四番目の子ども。天に帰る資格を失ったと思い込んでいる泣いている子供だ。ラスティの中にいるのであろう、五番目の子どもから帰る権利を奪おうと何度も君を殺してきた哀れな子供。」
陛下は、そういうと苦笑する。
「御伽噺だと…馬鹿には出来なくなってきたね…。ここで君を守りたいからと言って守ることもできるけれど…それでも危険は忍び寄ってくるし…なによりラスティが納得しないだろう?」
僕の言葉に僕は頷く。
「僕一人なら…それでよかったかもしれないですが…僕はみんなを守りたいです。」
だかた陛下を手伝いたいです。
陛下はうんと頷く。
「少し…怖い目に合うかもしれないよ?」
覚悟の上だと僕は陛下を見る。
そっかと陛下は頷いた。
「そうだね…がんばろうね。ラスティ。」
陛下の言葉に僕はへらりと笑う。
「はい!頑張ります。」
層へんじをしたが…具体的に何を頑張るのかはちょっとわかってない僕だった。
いや…運んでくれた。
というのも…子供の体力なのか…力を使ったせいか…かなり眠かった。
うとうととフラフラする僕を陛下が抱き上げて連れてきてくれたのだ。
「眠いだろうけど…もう少し頑張れる?」
話があるという陛下に頷く。
陛下は少しだけ待っていてと寝室を出た
眠くてフラフラしつつ陛下を待つ。
すぐに陛下は帰ってきた。
「ちょっとね…無理しそうだから三人は眠ってもらってきた。見回りをすると言って寝そうにないと思ったんだ。」
確かにそうだ。
僅かに陛下から魔力を感じる。
本の少し甘く感じる魔力の残り香。
だいぶん上達のか。
魔力の種類が少しだけ区別がつくようになってきた。
この甘い香りは…なんだろう。
花の香。
少し、いや…結構眠い。
どうやら、眠りの魔法を使ったようだ。
なんでもありだな…陛下。
三人に眠りの魔法をかけて朝までぐっすり眠らせてきたと陛下は笑った。
陛下の出来ないことって何だろう。
ちょっと苦手なこと探したくなるな…。
なんだか悔しい。
ちょっとした嫉妬だ。
何でもできる陛下。
ちょっとくらい甘えてもいいのに。
甘えてくれたらいいのに。
いや…一応『俺』も男だし…ちょっと悔しいわけで。
と心の奥底で前世のいい大人の『俺』がちょこっとくやしがっている。
僕の感覚は…ただひたすらに尊敬なのだけれど。
でも少しわかる。
大好きだから守られてばかりより守りたい。
出来れば、対等になりたい。
陛下にふさわしい人になりたい。
そう思う。
でも…弱みを探している時点で性格歪みが出てるかもしれない。
いや…もう少し前向きに考えれるようにならないとな。
「何を百面相してるの?可愛いけど。眠い??」
陛下が心配そうにのぞき込んでくる。
「その…バルハルト公が大変だなと。」
ロイスは、ジークハルトの部屋にバルハルト公が持ってきた騎士団の簡易のベットで眠らせるという。
バルハルト公が今夜は二人の様子を見るとのこと。
「まぁ…あいつ子供好きだから、意外に楽しんでいると思うよ。それよりごめんね。ラスティの離宮がこんな状態になって。」
確かにそうだろう。
いいのか?奥の間。
正妃の場所がそれで。
まぁ…緊急事態だけれども。
何か…怒られたり問題になったりしませんか?
「でもっ必要なことですから。」
僕の言葉に陛下はありがとうと笑って頷いた。
それから陛下は、やれやれと肩を軽くたたきながら僕を見た。
そうそうと少し言いにくそうにっ陛下は言った。
「明日…教会へ様子を見に行こうと思っているのだけど…ラスティはどうするかなと思ってね。」
もちろん行きます。
僕はそう言いながら何度も頷く。
陛下はそうか~と少し眉を寄せた。
「リオンが気になる?」
僕はそうですねと頷く。
「トリスティ様の様子も気になっているのですが、陛下は今日会うって…」
頷いた陛下は、頷いて少し考えていたが隠しても仕方ないかと口を開いた。
「まぁ…なんとか間に合ったという感じだったかな。私からブレスレットを受け取って…夢からさめたような顔をしていたよ。まぁ…実際夢を見ているような感覚だったかもしれないけれど。」
陛下は、ゆったりと僕を見て微笑んだ。
「おそらく…数日で彼らは打てる手を全て打ってきている…要は…リオンだろうし…今のリオンでは彼らに逆らう術はないだろうね。下手をしたら…目覚めているかもしれない。」
僕は、どういうことですかと首をかしげる。
陛下は、そうだねと頷く。
「教会に封じられて…天に帰りたがっている子供だよ。彼がリオンを導いて試練を超えてくれればいいのだけれど。そろそろ…いい加減わかってくれないものだろうかと思ってね。こちらから…しかけてみようかなとおもっているんだ。ラスティにも協力してほしい。」
僕が何をですかと問うと陛下は肩をすくめた。
「御伽噺だよ。四番目の子ども。天に帰る資格を失ったと思い込んでいる泣いている子供だ。ラスティの中にいるのであろう、五番目の子どもから帰る権利を奪おうと何度も君を殺してきた哀れな子供。」
陛下は、そういうと苦笑する。
「御伽噺だと…馬鹿には出来なくなってきたね…。ここで君を守りたいからと言って守ることもできるけれど…それでも危険は忍び寄ってくるし…なによりラスティが納得しないだろう?」
僕の言葉に僕は頷く。
「僕一人なら…それでよかったかもしれないですが…僕はみんなを守りたいです。」
だかた陛下を手伝いたいです。
陛下はうんと頷く。
「少し…怖い目に合うかもしれないよ?」
覚悟の上だと僕は陛下を見る。
そっかと陛下は頷いた。
「そうだね…がんばろうね。ラスティ。」
陛下の言葉に僕はへらりと笑う。
「はい!頑張ります。」
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