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第五章 変わる関係
94 夫婦喧嘩?
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寝室で本を読んでいると陛下が入ってきた。
微妙な顔をしているのはなんでだろうと首をかしげる。
陛下は、少し眉を寄せていたが、僕を見てため息をついた。
「…ラスティ…その…エスターのことだけど…」
僕は首をかしげる。
「君が何かする必要はないからね?」
僕はますます首を傾げた。
「その…言ったと思うけど…ディーの前で話したことは私に伝わるよ?」
僕は頷く。
「だから…ノーマが君にエスターを気にかけるように言っていたけど…君は何もしなくていいから。」
僕は、首を傾げた。
「…ラスティ…」
陛下が困っているが、それは僕は聞く気はない。
「エスター王子に何かあったらどうするつもりですか?」
陛下は、僕の手を取ると顔を覗き込んでくる。
く…顔がいいなこの陛下。
「もちろん、放置はしないよ。でも君が何かすることはない。」
陛下の言葉に僕は、眉を寄せる。
「頼まれたのは、僕ですから。大丈夫です。」
陛下は、首を横に振る。
「そんなにエスターが気になるの?」
僕は、頷く。
「ジークや私より?」
うん?と僕は首を傾げた。
「ラスティは…エスターのほうがいい?」
何が??と僕は首をかしげる。
「遊びではないよ?ジークハルトがどうなったか知っているだろう?命がけになる…そこまでして…エスターを守りたいの?そんなに…エスターのことが好きなの?」
あれれと僕は首をかしげる。
「…陛下…」
じっと僕を見つめる陛下に僕は首をかしげる。
首をかしげる僕を見て陛下は、眉を寄せて少し考えていた。
「…ラスティは…今の年齢より精神年齢は上だと思っても問題ないんだよね?」
僕は、首をかしげて少し考える。
稀人と陛下は言ってた昔の記憶があるので14よりは上だろう。
上だと思いたい。
「たぶん?」
陛下は、うーんと首をかしげる。
「…ラスティ…なんで私が怒っているか分かっている?」
僕は、少し考えて頷く。
「えっと…王妃が危ないことをしようとしているから?」
陛下は、再び考え込んだ。
「…それだけ?」
そう陛下に言われて頷く。
他にあるのだろうか。
おかしなことをいう陛下だなぁと思っていると陛下は頭を抱えた。
陛下の言葉を思い返して、首を傾げた。
「エスター様を助けたらダメなんですか?」
陛下はそうではないよと首を横に振る。
「いや…そんなことはないよ。ただ…ラスティが動くことはないと思うんだ。」
僕は首をかしげる。
誰かに頼むようにということなのだろうか。
でも…何か違うと僕の中の何かが引っかかっている。
ラスティが何とかしないとならないことなのだと。
「陛下…僕は…陛下やジークハルトや皆とずっと一緒に居たいと思ってます…そのためには…陛下は前に王家に伝わるおとぎ話をしてくれましたね。僕が本当に陛下達の言う者なら…超えるべき試練というのがあるのですよね。それなら…たぶんこのことが僕の試練なのかなって思っているだけです。だから…僕が動かないとって思うのです。」
だから、陛下のお願いでもダメですと僕は陛下をまっすぐに見る。
陛下は、はぁ…とため息をついた。
「ジークハルトも傍に居ないよ?私だってすぐに駆け付けれるとは限らない…それでも?」
はいと僕は頷く。
陛下は、ため息をついて頷いた。
危険だと感じたらすぐに逃げること。
そう、約束してほしいと言われてそれは頷く。
「それは…それとしてです。」
うやむやにしていたけど実は一つ気にかかっていたことがある。
陛下が、首をかしげる。
「ディーで内緒話を聞いてしまうのはどうかと思うんです。」
陛下が一瞬黙る。
少し考えてため息をついた。
「…いまさら言う?」
僕は頷く。
前世では犯罪です。
この世界では知らないが。
「ディーは私の使い魔だし…。」
僕は頬を膨らませる。
「陛下は僕を信じていないんですか?」
陛下は、うっと唸ってから眉を寄せた。
「信じてないことはないけど…心配だし。」
むぅと口を尖らすと陛下は、はぁっとため息をついた。
「ねぇ、ラスティ…君を守るために閉じ込めたっていいんだよ?私はそれを行おうと思えば…行える。それでも自由を与えている分…信じていると思ってくれないかい?」
そう言ってにやりと笑う陛下が、ちょっとラスボスっぽくて、かっこいいなんて思ってませんからね!!!
僕は頬を膨らませる。
「陛下…一体どうしたんですか?」
陛下は、首を横に振った。
「私だって少しくらい混乱するよ…生まれる前の記憶があったってラスティはラスティだ…それはきちんと理解している…そんなことでラスティを嫌いになったりしないし…けどね…一応保護者としては…いや…夫としては複雑なんだ。ゆっくり育ててるつもりだったのに…誰かのモノだった記憶があるってことだろう?我ながら…こんなに独占欲が強いと思わなかったんだ。」
それなのに…エスターエスターって…と陛下は少しだけ赤くなってそんなことを言う。
「…誰かのもの……」
陛下は首をかしげる。
「どうしたの?」
僕が思い出したのは…結局陛下とジークハルトの顔で…その前の人生ではそういう付き合いが無いという寂しい記憶しか思い出せない。
そもそも…高校の時はバイト三昧で、会社員に入ってからは妹が待ってるから家に直帰だ。
中学とかは勉強に明け暮れてたし…その前の小学生の時に何かあったわけでもない。
そういえば…噂では俺のこと好きだって言った子に妹が勝負仕掛けてたとかなんとか。
あ…なんか…悲しくなってきた…。
「陛下の…ばかぁー!!!!」
空しくなるくらい何もなかった以前の生を思い出して僕は情けなくて泣き出していた。
微妙な顔をしているのはなんでだろうと首をかしげる。
陛下は、少し眉を寄せていたが、僕を見てため息をついた。
「…ラスティ…その…エスターのことだけど…」
僕は首をかしげる。
「君が何かする必要はないからね?」
僕はますます首を傾げた。
「その…言ったと思うけど…ディーの前で話したことは私に伝わるよ?」
僕は頷く。
「だから…ノーマが君にエスターを気にかけるように言っていたけど…君は何もしなくていいから。」
僕は、首を傾げた。
「…ラスティ…」
陛下が困っているが、それは僕は聞く気はない。
「エスター王子に何かあったらどうするつもりですか?」
陛下は、僕の手を取ると顔を覗き込んでくる。
く…顔がいいなこの陛下。
「もちろん、放置はしないよ。でも君が何かすることはない。」
陛下の言葉に僕は、眉を寄せる。
「頼まれたのは、僕ですから。大丈夫です。」
陛下は、首を横に振る。
「そんなにエスターが気になるの?」
僕は、頷く。
「ジークや私より?」
うん?と僕は首を傾げた。
「ラスティは…エスターのほうがいい?」
何が??と僕は首をかしげる。
「遊びではないよ?ジークハルトがどうなったか知っているだろう?命がけになる…そこまでして…エスターを守りたいの?そんなに…エスターのことが好きなの?」
あれれと僕は首をかしげる。
「…陛下…」
じっと僕を見つめる陛下に僕は首をかしげる。
首をかしげる僕を見て陛下は、眉を寄せて少し考えていた。
「…ラスティは…今の年齢より精神年齢は上だと思っても問題ないんだよね?」
僕は、首をかしげて少し考える。
稀人と陛下は言ってた昔の記憶があるので14よりは上だろう。
上だと思いたい。
「たぶん?」
陛下は、うーんと首をかしげる。
「…ラスティ…なんで私が怒っているか分かっている?」
僕は、少し考えて頷く。
「えっと…王妃が危ないことをしようとしているから?」
陛下は、再び考え込んだ。
「…それだけ?」
そう陛下に言われて頷く。
他にあるのだろうか。
おかしなことをいう陛下だなぁと思っていると陛下は頭を抱えた。
陛下の言葉を思い返して、首を傾げた。
「エスター様を助けたらダメなんですか?」
陛下はそうではないよと首を横に振る。
「いや…そんなことはないよ。ただ…ラスティが動くことはないと思うんだ。」
僕は首をかしげる。
誰かに頼むようにということなのだろうか。
でも…何か違うと僕の中の何かが引っかかっている。
ラスティが何とかしないとならないことなのだと。
「陛下…僕は…陛下やジークハルトや皆とずっと一緒に居たいと思ってます…そのためには…陛下は前に王家に伝わるおとぎ話をしてくれましたね。僕が本当に陛下達の言う者なら…超えるべき試練というのがあるのですよね。それなら…たぶんこのことが僕の試練なのかなって思っているだけです。だから…僕が動かないとって思うのです。」
だから、陛下のお願いでもダメですと僕は陛下をまっすぐに見る。
陛下は、はぁ…とため息をついた。
「ジークハルトも傍に居ないよ?私だってすぐに駆け付けれるとは限らない…それでも?」
はいと僕は頷く。
陛下は、ため息をついて頷いた。
危険だと感じたらすぐに逃げること。
そう、約束してほしいと言われてそれは頷く。
「それは…それとしてです。」
うやむやにしていたけど実は一つ気にかかっていたことがある。
陛下が、首をかしげる。
「ディーで内緒話を聞いてしまうのはどうかと思うんです。」
陛下が一瞬黙る。
少し考えてため息をついた。
「…いまさら言う?」
僕は頷く。
前世では犯罪です。
この世界では知らないが。
「ディーは私の使い魔だし…。」
僕は頬を膨らませる。
「陛下は僕を信じていないんですか?」
陛下は、うっと唸ってから眉を寄せた。
「信じてないことはないけど…心配だし。」
むぅと口を尖らすと陛下は、はぁっとため息をついた。
「ねぇ、ラスティ…君を守るために閉じ込めたっていいんだよ?私はそれを行おうと思えば…行える。それでも自由を与えている分…信じていると思ってくれないかい?」
そう言ってにやりと笑う陛下が、ちょっとラスボスっぽくて、かっこいいなんて思ってませんからね!!!
僕は頬を膨らませる。
「陛下…一体どうしたんですか?」
陛下は、首を横に振った。
「私だって少しくらい混乱するよ…生まれる前の記憶があったってラスティはラスティだ…それはきちんと理解している…そんなことでラスティを嫌いになったりしないし…けどね…一応保護者としては…いや…夫としては複雑なんだ。ゆっくり育ててるつもりだったのに…誰かのモノだった記憶があるってことだろう?我ながら…こんなに独占欲が強いと思わなかったんだ。」
それなのに…エスターエスターって…と陛下は少しだけ赤くなってそんなことを言う。
「…誰かのもの……」
陛下は首をかしげる。
「どうしたの?」
僕が思い出したのは…結局陛下とジークハルトの顔で…その前の人生ではそういう付き合いが無いという寂しい記憶しか思い出せない。
そもそも…高校の時はバイト三昧で、会社員に入ってからは妹が待ってるから家に直帰だ。
中学とかは勉強に明け暮れてたし…その前の小学生の時に何かあったわけでもない。
そういえば…噂では俺のこと好きだって言った子に妹が勝負仕掛けてたとかなんとか。
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