103 / 233
第五章 変わる関係
93 ノーマの心配事
しおりを挟む
ジークハルトの付き添いに今日はバルハルト公が来ていた。
ジェン公とバルハルト公は交互に来るようだ。
ジークハルトは、付き添いはいいと言っていたがこういう時くらい甘えなさいという陛下の言葉に渋々という風に了承していた。
陛下にはバレていたが、僕が生まれる前の記憶があるということを聞いてもマールとロイスは変わらないなと思ってそれとなく二人に聞いてみたのだが…なんと…まったく聞こえなかったという。
どうやら、ディーが結界を作って僕とリノの話が外に漏れないようにしていたらしい。
陛下に、聞いたらそれくらいのことは命じなくてもやるよ~とのこと。
僕に危険になったら結界を解くか陛下を呼ぶかを行うという。
便利すぎないか??ディーさん。
ディーは陛下の使い魔なので、陛下には内容は伝わっている。
陛下は、特に変わらない。
私の妃は、いろいろ秘密があるねと苦笑しただけだ。
ただ、陛下が僕をじっと見てから、教えなくても知ってるという事でいいのかなぁと眉を寄せていたのは何のことだろうとは思ったけれど。
陛下は特に何も変わらない。
なんでだろうなと思う。
「愛でしょ。愛。」
くすくすと目の前でノーマは笑っている。
ディーが僕の肩に止まった。
特に秘密の話をするわけではないけれど。
一応周りに人が居ないことは確認をしてしまう。
マールとノルンは庭の掃除をしている。
陛下とバルハルト公は、ジークハルトの部屋。
ジークハルトは、体調回復のためにはやく寝ると言っていた。
ノーマは、休憩と称して僕の対面のソファに座っていた。
「……僕の執務室でサボり?ノーマ。」
ちがいまーすと言いながらノーマは、首をかしげる。
テーブルの上の書類は今日の僕のノルマだ。
そろそろ、執務も覚えようと陛下から渡された書類。
さほど重要なものはない。
僕自身が決定するわけではないので仕分けくらいのモノしかやっていないが。
軽く読んで、陛下に渡すものと文官に渡すものに分けるだけ。
とは言っても報告書。
間違わないように仕分ける。
「やっぱり、仕事がはやいわ。エスター様はじっくり読んでから仕分けてたけど…どうでもいいことも読み込んじゃうから進んでいなかったみたいだった。」
ふーんと言いながら、書類をまとめる。
「で?」
話があるからここに居るのだろうと促すと、ノーマは少し気まずげに頷いた。
「こんなこと…ラスティ様に頼むのは…違うって分かっているのだけど…」
ノーマは少し戸惑っていたが決心したように顔をあげる。
「エスター様のこと…少し気にしていてほしい。」
僕が首をかしげるとノーマは言いにくそうにしていたが、結審したように口を開いた。
「ほら…エスター様が第二王子になったでしょ?」
うんと僕は頷いた。
ジークハルトを王位継承権をもつものとするという意味で第一王子にすると陛下から少し前に聞いた。
エスターは第二王子だ。
未だに処遇は決まっていない。
本人が望んでいる神官になりたいということにはジェン公が難色を示した。
「16歳の第二王子は…危険な気がするんだ。」
僕は眉を寄せる。
「…罪を軽くしてもらおうとか…そういうことを考えているわけではないよ?ジークハルトに毒を飲ませた時…私の意思だけど…私の意思ではないような…不思議な感覚だったの。」
強制力って言うのかなとノーマは言う。
確かに今のノーマとあの時のリノは少し違う気がする。
「ラスティ様は、16歳になったら要注意だよ。」
ともかくとノーマは眉を寄せた。
「仮にだよ。思いついたようなレベルだから…違うとは思うんだけど…ジークハルト第二王子が16歳になった時に…勘違いで毒を飲まされたわけでしょ?」
ノーマは、眉を寄せた。
「一応難を逃れたとしたら…今度は…第二王子になったエスター様が危険なような気がするんだ。」
僕は眉をよせる。
「第二王子になったエスターを教会は見限ると?」
ノーマは、可能性はあるけどと…それよりリオン様だよ、とつぶやく。
「ジークハルトが、治ったという事は…陛下以上の神力を持つ者が王家にいるってことになるから…癒しの力を失っているリオン様を排除する可能性があるとしたら?」
ゲームで教会が冒険者を雇ったのはリオンの存在を邪魔だと思ったからだ。
リオンを排除するために、冒険者であったロイスを雇った。
そして、過ちでラスティは殺される。
「今度は…その役にエスターが??」
ノーマは可能性だけだよと言いながら頷く。
僕は少し考えてから、エスターの様子を見てみるよとノーマに頷く。
エスター王子が狙われることがあるだろうかという疑問はあった。
けれど…いやな予感を僕も感じていた。
ジェン公とバルハルト公は交互に来るようだ。
ジークハルトは、付き添いはいいと言っていたがこういう時くらい甘えなさいという陛下の言葉に渋々という風に了承していた。
陛下にはバレていたが、僕が生まれる前の記憶があるということを聞いてもマールとロイスは変わらないなと思ってそれとなく二人に聞いてみたのだが…なんと…まったく聞こえなかったという。
どうやら、ディーが結界を作って僕とリノの話が外に漏れないようにしていたらしい。
陛下に、聞いたらそれくらいのことは命じなくてもやるよ~とのこと。
僕に危険になったら結界を解くか陛下を呼ぶかを行うという。
便利すぎないか??ディーさん。
ディーは陛下の使い魔なので、陛下には内容は伝わっている。
陛下は、特に変わらない。
私の妃は、いろいろ秘密があるねと苦笑しただけだ。
ただ、陛下が僕をじっと見てから、教えなくても知ってるという事でいいのかなぁと眉を寄せていたのは何のことだろうとは思ったけれど。
陛下は特に何も変わらない。
なんでだろうなと思う。
「愛でしょ。愛。」
くすくすと目の前でノーマは笑っている。
ディーが僕の肩に止まった。
特に秘密の話をするわけではないけれど。
一応周りに人が居ないことは確認をしてしまう。
マールとノルンは庭の掃除をしている。
陛下とバルハルト公は、ジークハルトの部屋。
ジークハルトは、体調回復のためにはやく寝ると言っていた。
ノーマは、休憩と称して僕の対面のソファに座っていた。
「……僕の執務室でサボり?ノーマ。」
ちがいまーすと言いながらノーマは、首をかしげる。
テーブルの上の書類は今日の僕のノルマだ。
そろそろ、執務も覚えようと陛下から渡された書類。
さほど重要なものはない。
僕自身が決定するわけではないので仕分けくらいのモノしかやっていないが。
軽く読んで、陛下に渡すものと文官に渡すものに分けるだけ。
とは言っても報告書。
間違わないように仕分ける。
「やっぱり、仕事がはやいわ。エスター様はじっくり読んでから仕分けてたけど…どうでもいいことも読み込んじゃうから進んでいなかったみたいだった。」
ふーんと言いながら、書類をまとめる。
「で?」
話があるからここに居るのだろうと促すと、ノーマは少し気まずげに頷いた。
「こんなこと…ラスティ様に頼むのは…違うって分かっているのだけど…」
ノーマは少し戸惑っていたが決心したように顔をあげる。
「エスター様のこと…少し気にしていてほしい。」
僕が首をかしげるとノーマは言いにくそうにしていたが、結審したように口を開いた。
「ほら…エスター様が第二王子になったでしょ?」
うんと僕は頷いた。
ジークハルトを王位継承権をもつものとするという意味で第一王子にすると陛下から少し前に聞いた。
エスターは第二王子だ。
未だに処遇は決まっていない。
本人が望んでいる神官になりたいということにはジェン公が難色を示した。
「16歳の第二王子は…危険な気がするんだ。」
僕は眉を寄せる。
「…罪を軽くしてもらおうとか…そういうことを考えているわけではないよ?ジークハルトに毒を飲ませた時…私の意思だけど…私の意思ではないような…不思議な感覚だったの。」
強制力って言うのかなとノーマは言う。
確かに今のノーマとあの時のリノは少し違う気がする。
「ラスティ様は、16歳になったら要注意だよ。」
ともかくとノーマは眉を寄せた。
「仮にだよ。思いついたようなレベルだから…違うとは思うんだけど…ジークハルト第二王子が16歳になった時に…勘違いで毒を飲まされたわけでしょ?」
ノーマは、眉を寄せた。
「一応難を逃れたとしたら…今度は…第二王子になったエスター様が危険なような気がするんだ。」
僕は眉をよせる。
「第二王子になったエスターを教会は見限ると?」
ノーマは、可能性はあるけどと…それよりリオン様だよ、とつぶやく。
「ジークハルトが、治ったという事は…陛下以上の神力を持つ者が王家にいるってことになるから…癒しの力を失っているリオン様を排除する可能性があるとしたら?」
ゲームで教会が冒険者を雇ったのはリオンの存在を邪魔だと思ったからだ。
リオンを排除するために、冒険者であったロイスを雇った。
そして、過ちでラスティは殺される。
「今度は…その役にエスターが??」
ノーマは可能性だけだよと言いながら頷く。
僕は少し考えてから、エスターの様子を見てみるよとノーマに頷く。
エスター王子が狙われることがあるだろうかという疑問はあった。
けれど…いやな予感を僕も感じていた。
0
お気に入りに追加
506
あなたにおすすめの小説

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
リクエストの更新が終わったら、舞踏会編をはじめる予定ですー!

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる