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第四章 波乱の学園生活
73 世界崩壊と宿題
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バルハルト公と陛下が入ってきたのでジェン公が僕に神話の話をしたことを二人に言った。
陛下は少し、困ったように眉を下げた。
「いい大人が、御伽噺を信じていると思っているかもなんだけど…馬鹿に出来ないものなんだよ。」
バルハルト公は僕のプルプル魔石を見て大きくため息をついた。
「ラスティは、魔力を持ってるのではなかったのか?」
陛下は、頭をかく。
「たぶん、ラスティは、無意識に余剰分を魔力変換をしているのだと思う。だから、魔力を持っていると錯覚していたんだ。この子は、神力しかもっていない…最初は、三番目の力の可能性もあると思っていたんだけど…念のためと妻の立場にしたんだ。でも…これで、四番目と五番目が揃ったことになるな…。」
バルハルト公とジェン公がため息をつく。
「あのな?お前が三番目と同じだって自覚あるのか?」
ジェン公ががっくりと肩を落とす。
「世界崩壊の序曲だというのに呑気なんだからディオは…。」
僕は、残ったプルプルの魔石をみる。
このプルプル魔石が、世界崩壊の序曲と言われても。
陛下はそんな僕に気が付いたのか、苦笑する。
「ラスティ、大丈夫。宿題は出来るように、何とかするから少し待って。」
世界崩壊とジェン公は言っていたが宿題のためなのか?と僕は思った。
バルハルト公が陛下に拳骨をいれる。
ごちんといい音がした。
「世界と宿題のどっちが大切なんだ。」
陛下は少し考えてきっぱりと言った。
かんがえるまでもないと思うのだが。
「今は宿題だ。世界崩壊には時間がまだあるだろう。宿題は明日だ。」
予想外の陛下の言葉に僕は目を丸くする。
バルハルト公とジェン公が肩を落とす。
「本当に、馬鹿なんだから…」
バルハルト公は、とりあえずと僕に陛下が固めた魔石を握らせた。
「宿題をこなすためにラスティは、この山になった魔石にこれから教える魔法陣を練りこむんだ。」
神力を減らすために使えという事らしい。
陛下をさっさと正気に戻すには、僕に宿題をさせるほうが速いと思ったのだろう。
いや…宿題はあとでいいけども。
バルハルト公は、ジェン公が開発したという自己回復の魔法陣と回復の魔法陣、解毒の魔法陣と解呪の魔法陣をさらさらと紙に書いてくれた。
バルハルト公の書いてくれた魔法陣の書かれた紙を魔石の下に引く。
色はついているけど透明だから、透けて魔法陣は見える。
自分の神力を細くして書いてある魔法陣をトレースするように魔石に刻んでいく。
最初はうまく行かなくて失敗作が量産られた。
魔法陣はガタガタだけど、何とか一つ出来る。
次、とジェン公が別の魔法陣をセットしてくれた。陛下は出来上がった魔石に何かしている。
「陛下?」
陛下は、うんと頷く。
「せっかくだから完成させようと…。」
定着という最後の仕上げをしてくれているらしい。
バルハルト公は僕の失敗作をちょいちょいいじっている。
修正して使えるようにしているのだという。
修正したものが陛下の前に積みあがっていく。
「お前ら…話し合いするのではなかったの?」
そう言いながらジェン公は、魔法陣を魔石にセットしては僕に魔法陣の手ほどきをしてくれる。
いや…全員僕の宿題より世界の崩壊の危機のほうが大切なのでは?
ジェン公は時々僕に鑑定を使っているようで、神力と魔力量を見てくれていた。
どうやら、神力を今溜まっている魔力量より下げるつもりらしい。
魔力自体は僕には無くて、魔力を溜める器だけある。
それに余剰分の神力が魔力に変換されて流れ込んで、魔力ありと認識されているとのこと。
変換されている魔力は、神力戻ることがないので一回神力を空にして魔力のみの状態にする。
そうしたら、宿題の魔石が作れるのではという。
宿題一つに大掛かりなことになっているのだが。
心配そうにマールと帰ってきたノルンが時々お茶をいれかえつつ覗いていく。
何が起っているかはわかっていないようだが、陛下と騎士団長と魔術師長が揃っているのだ。
大変な事態になった。
宿題一つに。
作った魔石の殆どに魔法陣を書いたところで僕の神力は0になったらしい。
がすぐに回復向かっているらしくジェン公は一晩寝たら元通りだなとため息をついた。
とりあえず、再度チャレンジすると素石は簡単に出来た。
ジェン公は、神力の無い状態で魔力を使う練習を何度もして魔力を使うという事を体に覚えさせるしかないと魔力が使えるようになる方法を僕に指導してくれた。
攻撃魔法や、防御魔法など出力の大きい魔法は、訓練しなくても勢いでいけるだろうが、こういう細かい作業が切り替えのコントロールが難しいだろうとのこと。
勉強になるが…世界の崩壊の危機はどうするんだろう。
ジェン公が真面目に、僕に指導している横で陛下とバルハルト公はもくもくと魔石を製造している。
「おい、そろそろいいかげんにしろ…。」
もうちょっとという陛下とバルハルト公にジェン公は、あいつらこういう細かい作業好きだからなぁっとつぶやく。
ジェン公は、激務の二人のストレス解消だなと苦笑してしばらく待つことにしたらしい。
僕も宿題は出来たので、明日の準備をして二人の様子をうかがう。
「ラスティだしにして遊んでんじゃあねぇよ!!」
一時間ほど待ってからジェン公は切れたのだった。
陛下は少し、困ったように眉を下げた。
「いい大人が、御伽噺を信じていると思っているかもなんだけど…馬鹿に出来ないものなんだよ。」
バルハルト公は僕のプルプル魔石を見て大きくため息をついた。
「ラスティは、魔力を持ってるのではなかったのか?」
陛下は、頭をかく。
「たぶん、ラスティは、無意識に余剰分を魔力変換をしているのだと思う。だから、魔力を持っていると錯覚していたんだ。この子は、神力しかもっていない…最初は、三番目の力の可能性もあると思っていたんだけど…念のためと妻の立場にしたんだ。でも…これで、四番目と五番目が揃ったことになるな…。」
バルハルト公とジェン公がため息をつく。
「あのな?お前が三番目と同じだって自覚あるのか?」
ジェン公ががっくりと肩を落とす。
「世界崩壊の序曲だというのに呑気なんだからディオは…。」
僕は、残ったプルプルの魔石をみる。
このプルプル魔石が、世界崩壊の序曲と言われても。
陛下はそんな僕に気が付いたのか、苦笑する。
「ラスティ、大丈夫。宿題は出来るように、何とかするから少し待って。」
世界崩壊とジェン公は言っていたが宿題のためなのか?と僕は思った。
バルハルト公が陛下に拳骨をいれる。
ごちんといい音がした。
「世界と宿題のどっちが大切なんだ。」
陛下は少し考えてきっぱりと言った。
かんがえるまでもないと思うのだが。
「今は宿題だ。世界崩壊には時間がまだあるだろう。宿題は明日だ。」
予想外の陛下の言葉に僕は目を丸くする。
バルハルト公とジェン公が肩を落とす。
「本当に、馬鹿なんだから…」
バルハルト公は、とりあえずと僕に陛下が固めた魔石を握らせた。
「宿題をこなすためにラスティは、この山になった魔石にこれから教える魔法陣を練りこむんだ。」
神力を減らすために使えという事らしい。
陛下をさっさと正気に戻すには、僕に宿題をさせるほうが速いと思ったのだろう。
いや…宿題はあとでいいけども。
バルハルト公は、ジェン公が開発したという自己回復の魔法陣と回復の魔法陣、解毒の魔法陣と解呪の魔法陣をさらさらと紙に書いてくれた。
バルハルト公の書いてくれた魔法陣の書かれた紙を魔石の下に引く。
色はついているけど透明だから、透けて魔法陣は見える。
自分の神力を細くして書いてある魔法陣をトレースするように魔石に刻んでいく。
最初はうまく行かなくて失敗作が量産られた。
魔法陣はガタガタだけど、何とか一つ出来る。
次、とジェン公が別の魔法陣をセットしてくれた。陛下は出来上がった魔石に何かしている。
「陛下?」
陛下は、うんと頷く。
「せっかくだから完成させようと…。」
定着という最後の仕上げをしてくれているらしい。
バルハルト公は僕の失敗作をちょいちょいいじっている。
修正して使えるようにしているのだという。
修正したものが陛下の前に積みあがっていく。
「お前ら…話し合いするのではなかったの?」
そう言いながらジェン公は、魔法陣を魔石にセットしては僕に魔法陣の手ほどきをしてくれる。
いや…全員僕の宿題より世界の崩壊の危機のほうが大切なのでは?
ジェン公は時々僕に鑑定を使っているようで、神力と魔力量を見てくれていた。
どうやら、神力を今溜まっている魔力量より下げるつもりらしい。
魔力自体は僕には無くて、魔力を溜める器だけある。
それに余剰分の神力が魔力に変換されて流れ込んで、魔力ありと認識されているとのこと。
変換されている魔力は、神力戻ることがないので一回神力を空にして魔力のみの状態にする。
そうしたら、宿題の魔石が作れるのではという。
宿題一つに大掛かりなことになっているのだが。
心配そうにマールと帰ってきたノルンが時々お茶をいれかえつつ覗いていく。
何が起っているかはわかっていないようだが、陛下と騎士団長と魔術師長が揃っているのだ。
大変な事態になった。
宿題一つに。
作った魔石の殆どに魔法陣を書いたところで僕の神力は0になったらしい。
がすぐに回復向かっているらしくジェン公は一晩寝たら元通りだなとため息をついた。
とりあえず、再度チャレンジすると素石は簡単に出来た。
ジェン公は、神力の無い状態で魔力を使う練習を何度もして魔力を使うという事を体に覚えさせるしかないと魔力が使えるようになる方法を僕に指導してくれた。
攻撃魔法や、防御魔法など出力の大きい魔法は、訓練しなくても勢いでいけるだろうが、こういう細かい作業が切り替えのコントロールが難しいだろうとのこと。
勉強になるが…世界の崩壊の危機はどうするんだろう。
ジェン公が真面目に、僕に指導している横で陛下とバルハルト公はもくもくと魔石を製造している。
「おい、そろそろいいかげんにしろ…。」
もうちょっとという陛下とバルハルト公にジェン公は、あいつらこういう細かい作業好きだからなぁっとつぶやく。
ジェン公は、激務の二人のストレス解消だなと苦笑してしばらく待つことにしたらしい。
僕も宿題は出来たので、明日の準備をして二人の様子をうかがう。
「ラスティだしにして遊んでんじゃあねぇよ!!」
一時間ほど待ってからジェン公は切れたのだった。
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