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第四章 波乱の学園生活
72 王族の神話
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「えーと?」
でも聖者はリオンでは?僕の表情をみてジェン公はふむと眉を寄せた。
「信じてないみたいなんだが…」
陛下は、それはそうだろうと頷く。
「金の瞳を持つ者は、聖者とは対極とされているんだ。教会の教えは。ラスティには一応おしえていることだし、聖者リオンとは友人関係だから、自分が聖者と言われても混乱するだけだ。」
仕方ないなと、陛下は少し考えてから立ち上がった。
「バルが来たな。」
ジェン公が、ああと頷くと陛下は部屋を出ていく。
バルハルト公を迎えに行ったのだ。
本日二度目である。
「なんで、いくら可愛いからと言って有無を言わさず嫁にしたかようやくわかったよ。あいつは、きちんと手順を踏むやつだとは思っていたし…流石に幼児には手は出さない奴だとは思っていたからなぁ。」
ジェン公はうんうんとどこかほっとしたように頷いた。
「まぁ…そういうことならば…あいつの嫁が一番ラスティには安全だし…たぶん、長生きできる。」
僕が首をかしげているとジェン公は、にっこりと人懐っこい笑顔を見せた。
「ラスティ、さっき私が言ったことを覚えているね。君が聖者だ。これは事実だけど、教会の聖者ではない。」
僕が首をかしげるとジェン公は、そうだなぁと少し考える。
「リオンは教会の聖者だ。君は…そうだね…いうなれば…王族側の聖者ということかな。」
ジェン公はそういうとふぅとため息をつく。
どう説明したものかなと、つぶやくと少し彼は考えている。
「教会の教えでも言われているだろう。神の次に出てくる人は2人、金の瞳の王と癒しの聖者だ。でもだよ?一人で子供は作れないよね?つまりは、金の瞳の王と癒しの聖者は、番だったというわけだ。」
僕は、それはそうだなと思う。
あくまで神話だろうし、事実そうならこの世界のものは皆兄弟。
一人で産んでたらそれば分裂とかクローンだろう。
ならこの世の中は、金の瞳の王族のみだ。
癒しの聖者は清く正しく一人だろう。
理屈的には、番だという方がしっくりするか。
「ここからは教えには無いことで直系の王族の伝承になるんだけど、最初の二人は神の庭に住んでいた。そこでまずは番として子供を生み出すんだ。二人の最初の子供は金の髪と強い魔力を持っていた。金の瞳の王と瓜二つ。聖者の要素はなかったわけだ。二番目に生まれた子は、強い癒しの力を持っていた。こちらも聖者に瓜二つ。この二人は王と賢者のスペアとして生まれたとされている。三番目の子は、金の髪で強力な魔力と少しばかりの癒しの力を持っていた。王と聖者は喜んだ。三番目の子は彼らの力を併せ持った子供だったからね。四人目の子供は、賢者の外見をもって強力な魔力を持っていた。五人目の子供は、金の瞳で強力な癒しの力を持っていた。」
そこでジェン公は、僕を見て少し考えていた。
「ううーん……」
色々考えているようだったが、意を決したように口を開く。
「金の瞳の王は、そこで癒しの聖者と相談したんだ。このままだと、兄弟で結婚させないとならない。同じ血の子しか生まれない世界はすぐになくなってしまうだろうと。そこで二人は神様に祈った。神様は二人の願いと受けて、生命の土と命の水を二人に与えた。金の瞳の王が土をこねて、聖者が水を与えるとそこから命が生まれた。一番目の子と二番目の子が、人々を王と聖者の代わりに導き、他の子供達も協力して世界は順調に育ち始めた。一番目の子の補助に三番目の子と五番目の子が補助をしていて、二番目の子には、四番目の子が補助についていた。」
そこでジェン公は、また考えて僕を見た。
「しばらくして、二番目の子が言ったんだ。一番目は二人の兄弟に手伝っていてもらって自分は一人の兄弟なのは不公平だと。ならばと強い癒しの力を持つ五番目の子どもが、二番目の補助についたんだけど…五番目の子どもは、四番目の子どもに殺されてしまうんだ。四番目の子どもは、二番目の子どもが大好きで、二番目が五番目を可愛がるのが許せなかったと言われているけどね…。四番目に罰を与えて死を与えようとした一番目と三番目に二番目は許してやってほしいと懇願した。四番目は、試練を与えられて外の世界へ向かった。二番目の子は、毎日泣きながら亡くした五番目のために祈り、四番目の無事を祈っていたんだけど…。」
四番目はまたやらかしてしまうんだよと、ジェン公は言う。
「外の世界で四番目は試練を放棄して遊び歩いていた。それを心配して様子を見に来た三番目に知られてしまう。怒るよね…三番目は。一番目と二番目の元に帰った三番目は四番目が遊び歩いていたことを報告すると一番目は激怒するけど二番目は、四番目を庇って三番目を嘘つき扱いしたんだ。結局一番目と三番目と二番目は喧嘩別れして、二番目は一番目と三番目に二度と合わないと決別して、外に出た。それから、四番目のところに行って…真実を知る。」
ジェン公はため息をついた。
「真実を知っても、二番目はもう戻れないから外の世界で人々と共に生き、教会という神への祈りの場を作ったんだ。外の世界に行ってから彼は寿命と命の限界を当たられて人々に見守られてなくなってしまう。四番目は試練を持っていたから死ぬこともなく、やはり遊び歩いていた。見かねた三番目も外に出ることにしたんだ。三番目は、外に出て王国を作り、パートナーを作って次代を作った。二番目のつくった教会に四番目を封じてから、次代に王国を譲って寿命まで世界を見守ることにしたんだ。そして気が付いた。二番目と五番目の魂を持つ者がこの世界に繰り返し生まれていることを。四番目を封じていたけれど、それは体だけで彼も繰り返し生まれ変わっていることを。三番目は最後の力を使って、二番目の魂を自分の権利を譲って神の庭に戻した。三番目も繰り返し生まれる、この世界で生きる者となった。」
ジェン公は、御伽噺だけど、王族はこの話が全くの嘘だとは思っていないのだと苦笑する。
「御伽噺のように、五番目の力をなぞる力を持つ王族は、殺されやすい。教会に関係する何かにね。だから一つでも五番目の立場にならないように、崩さねばならない。たぶん…君は、五番目の立場に近い…だから、あいつは…ディオは、ラスティを嫁にしたんだよ。立場を崩すために。」
ジェン公はそういうと、まいったなぁとため息をついた。
でも聖者はリオンでは?僕の表情をみてジェン公はふむと眉を寄せた。
「信じてないみたいなんだが…」
陛下は、それはそうだろうと頷く。
「金の瞳を持つ者は、聖者とは対極とされているんだ。教会の教えは。ラスティには一応おしえていることだし、聖者リオンとは友人関係だから、自分が聖者と言われても混乱するだけだ。」
仕方ないなと、陛下は少し考えてから立ち上がった。
「バルが来たな。」
ジェン公が、ああと頷くと陛下は部屋を出ていく。
バルハルト公を迎えに行ったのだ。
本日二度目である。
「なんで、いくら可愛いからと言って有無を言わさず嫁にしたかようやくわかったよ。あいつは、きちんと手順を踏むやつだとは思っていたし…流石に幼児には手は出さない奴だとは思っていたからなぁ。」
ジェン公はうんうんとどこかほっとしたように頷いた。
「まぁ…そういうことならば…あいつの嫁が一番ラスティには安全だし…たぶん、長生きできる。」
僕が首をかしげているとジェン公は、にっこりと人懐っこい笑顔を見せた。
「ラスティ、さっき私が言ったことを覚えているね。君が聖者だ。これは事実だけど、教会の聖者ではない。」
僕が首をかしげるとジェン公は、そうだなぁと少し考える。
「リオンは教会の聖者だ。君は…そうだね…いうなれば…王族側の聖者ということかな。」
ジェン公はそういうとふぅとため息をつく。
どう説明したものかなと、つぶやくと少し彼は考えている。
「教会の教えでも言われているだろう。神の次に出てくる人は2人、金の瞳の王と癒しの聖者だ。でもだよ?一人で子供は作れないよね?つまりは、金の瞳の王と癒しの聖者は、番だったというわけだ。」
僕は、それはそうだなと思う。
あくまで神話だろうし、事実そうならこの世界のものは皆兄弟。
一人で産んでたらそれば分裂とかクローンだろう。
ならこの世の中は、金の瞳の王族のみだ。
癒しの聖者は清く正しく一人だろう。
理屈的には、番だという方がしっくりするか。
「ここからは教えには無いことで直系の王族の伝承になるんだけど、最初の二人は神の庭に住んでいた。そこでまずは番として子供を生み出すんだ。二人の最初の子供は金の髪と強い魔力を持っていた。金の瞳の王と瓜二つ。聖者の要素はなかったわけだ。二番目に生まれた子は、強い癒しの力を持っていた。こちらも聖者に瓜二つ。この二人は王と賢者のスペアとして生まれたとされている。三番目の子は、金の髪で強力な魔力と少しばかりの癒しの力を持っていた。王と聖者は喜んだ。三番目の子は彼らの力を併せ持った子供だったからね。四人目の子供は、賢者の外見をもって強力な魔力を持っていた。五人目の子供は、金の瞳で強力な癒しの力を持っていた。」
そこでジェン公は、僕を見て少し考えていた。
「ううーん……」
色々考えているようだったが、意を決したように口を開く。
「金の瞳の王は、そこで癒しの聖者と相談したんだ。このままだと、兄弟で結婚させないとならない。同じ血の子しか生まれない世界はすぐになくなってしまうだろうと。そこで二人は神様に祈った。神様は二人の願いと受けて、生命の土と命の水を二人に与えた。金の瞳の王が土をこねて、聖者が水を与えるとそこから命が生まれた。一番目の子と二番目の子が、人々を王と聖者の代わりに導き、他の子供達も協力して世界は順調に育ち始めた。一番目の子の補助に三番目の子と五番目の子が補助をしていて、二番目の子には、四番目の子が補助についていた。」
そこでジェン公は、また考えて僕を見た。
「しばらくして、二番目の子が言ったんだ。一番目は二人の兄弟に手伝っていてもらって自分は一人の兄弟なのは不公平だと。ならばと強い癒しの力を持つ五番目の子どもが、二番目の補助についたんだけど…五番目の子どもは、四番目の子どもに殺されてしまうんだ。四番目の子どもは、二番目の子どもが大好きで、二番目が五番目を可愛がるのが許せなかったと言われているけどね…。四番目に罰を与えて死を与えようとした一番目と三番目に二番目は許してやってほしいと懇願した。四番目は、試練を与えられて外の世界へ向かった。二番目の子は、毎日泣きながら亡くした五番目のために祈り、四番目の無事を祈っていたんだけど…。」
四番目はまたやらかしてしまうんだよと、ジェン公は言う。
「外の世界で四番目は試練を放棄して遊び歩いていた。それを心配して様子を見に来た三番目に知られてしまう。怒るよね…三番目は。一番目と二番目の元に帰った三番目は四番目が遊び歩いていたことを報告すると一番目は激怒するけど二番目は、四番目を庇って三番目を嘘つき扱いしたんだ。結局一番目と三番目と二番目は喧嘩別れして、二番目は一番目と三番目に二度と合わないと決別して、外に出た。それから、四番目のところに行って…真実を知る。」
ジェン公はため息をついた。
「真実を知っても、二番目はもう戻れないから外の世界で人々と共に生き、教会という神への祈りの場を作ったんだ。外の世界に行ってから彼は寿命と命の限界を当たられて人々に見守られてなくなってしまう。四番目は試練を持っていたから死ぬこともなく、やはり遊び歩いていた。見かねた三番目も外に出ることにしたんだ。三番目は、外に出て王国を作り、パートナーを作って次代を作った。二番目のつくった教会に四番目を封じてから、次代に王国を譲って寿命まで世界を見守ることにしたんだ。そして気が付いた。二番目と五番目の魂を持つ者がこの世界に繰り返し生まれていることを。四番目を封じていたけれど、それは体だけで彼も繰り返し生まれ変わっていることを。三番目は最後の力を使って、二番目の魂を自分の権利を譲って神の庭に戻した。三番目も繰り返し生まれる、この世界で生きる者となった。」
ジェン公は、御伽噺だけど、王族はこの話が全くの嘘だとは思っていないのだと苦笑する。
「御伽噺のように、五番目の力をなぞる力を持つ王族は、殺されやすい。教会に関係する何かにね。だから一つでも五番目の立場にならないように、崩さねばならない。たぶん…君は、五番目の立場に近い…だから、あいつは…ディオは、ラスティを嫁にしたんだよ。立場を崩すために。」
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