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第三章 学園生活の始まり
49 みんなで昼食
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僕が見ているのを気が付いたのだろう。
トリスティがジークハルトを指さした。
「ジークハルトやつ…ラスティ様の前ではかっこつけてたけど教室かえってから大変だったんだよ」
どうやらトリスティは、荒れ狂うジークハルトを必死に止め続けていたらしい。
ジークハルトも賢者の態度に思うところがあったらしいけど、僕の前では我慢していたとか。
「しかたないでしょう。いくら聖者といってもなんですか??あの態度。」
ぷんぷん怒りながらジークハルトは、サンドイッチをぽいぽい食べている。
すごい勢いだなぁと思いながら僕は一個目をゆっくりまだ咀嚼していた。
ノルンが次を構えている。
とりあえず、僕はしばらくかかるから自分が食べてとノルンに言う。
その間も、トリスティとジークハルトの疲れ切った会話が続いていた。
「言ってやるなよ……リオン様は清らかに育てられたんだ。…自由にな…。」
言いにくいが…とトリスティがため息をついた。
「それに…リオン様が、ああ、なったのはエスター王子の影響だからな。」
もっと素直だったんだとトリスティはため息をつく。
ジークハルトは、だろうなぁと深くため息をついた。
「エスター王子は、とにかくあの聖者を甘やかしているからな。」
僕は、そうなのかと思いながら首を傾げた。
でも、甘やかされているのだったら僕も負けていないだろう。
「僕も甘やかされていますが?」
トリスティがそうではないんだよと首を大きく横に振った。
ジークハルトも違うんだよと首を横に振った。
ノルンとマールは、そうですねぇと頷く。
少し考えてから、ノルンが口を開いた。
「ラスティ様が、甘やかされていないということはないです、…特に陛下が激甘ですから…でも、そこはご本人の性格の差ではないでしょうか?ラスティ様は、ご自分のことは、ご自分でという性格ですが…リオン様はご自分でできることも人にやってもらっているそうですから…。」
リオンってそんな感じだったかなぁと僕は首を傾げた。
「ん~???」
よくわからないなと僕は首をかしげる。
「エスター様が、リオン様のお世話をしているということですか?」
よくわからないと問うとトリスティは、頷く。
僕は、ますます首をかしげる。
エスターが人の世話をしている?
できるのか?と失礼なことを思う。
失礼だなと自分でも思うが、エスターは王子だ。
僕の覚えているエスターは、それこそ、自分のできることも、人にやってもらっているような…。
そんな感じだったと思う。
ジークハルトは僕の考えていることが分かったのだろう、僕の頭を撫でた。
「エスター王子も頑張っているんだよ。」
そうなのかと僕が感心しているとトリスティが首を横に振った。
「あれは…リオン様のいやがら…試練だな。」
今、嫌がらせって言った??
僕は首をかしげてトリスティを見る。
「リオン様は、自分を慕うモノに試練を与えるんだよ。」
試練と僕はトリスティの言葉をなぞるようにつぶやく。
「何故かリオン様は、相手の得手不得手を見ただけでわかるみたいでね。苦手なことを試練だとして与えることがある。エスター王子は、人の世話なんかしないだろう?あの方は教会に引き取られているし…ちょうど良かったということもあるんだろうが、リオン様の世話役を命じられたんだ。……私が貴方に会いに行ったのもその一環だ。」
苦手なことをさせて、スキルアップというやつだろうか。
モチベーションが駄々下がりしてうなくいきそうにないが。
なんとなく、今朝からのあれは僕に対しての試練なのだろうかと思った。
「あの…では…僕に対するあの態度も?」
僕の疑問にトリスティは首を横に振った。
「たぶん…違うと思う…ラスティ様の場合は、ただ、気に入られたんだ…友人になりたいというのは本当だろうが…正直…どうしたのだろうとは私も思ってしまうね…。」
あんなリオン様は見たことが無い…とトリスティは困惑しているようだった。
僕はぐったりとノルンに再びもたれかかった。
「…ラスティ様…大丈夫ですか?」
僕の覚えているリオンは、最初は、人見知りでおとなしかった。
でも、慣れたら笑顔が素敵で朗らかな子だった。
今のリオンは最初からぐいぐい来る積極性がある。
とにかく元気で明るい子だ。
勢いだけども言う。
いや…勢いをつけて突撃してきているのか?
前の生での彼が、控えめだったのは教会の教育が徹底していたから?
今は、王子のエスターの影響で人見知りがなくなった?
トリスティ曰く、エスターがリオンに逆らうとめんどくさいから好きにさせてるから。
だから…今の性格になって…本当に?
でも、違和感を感じる。
僕は、何か見落としている。
リオンに対してだ。
彼の何かに違和感を感じている。
なんだろうこの変化。
いいことか、わるいことかはわからない。
けど、僕はとても疲労感を感じていた。
ぼくは、ぐったりしながら、リオンの行動を考えていたのだった。
トリスティがジークハルトを指さした。
「ジークハルトやつ…ラスティ様の前ではかっこつけてたけど教室かえってから大変だったんだよ」
どうやらトリスティは、荒れ狂うジークハルトを必死に止め続けていたらしい。
ジークハルトも賢者の態度に思うところがあったらしいけど、僕の前では我慢していたとか。
「しかたないでしょう。いくら聖者といってもなんですか??あの態度。」
ぷんぷん怒りながらジークハルトは、サンドイッチをぽいぽい食べている。
すごい勢いだなぁと思いながら僕は一個目をゆっくりまだ咀嚼していた。
ノルンが次を構えている。
とりあえず、僕はしばらくかかるから自分が食べてとノルンに言う。
その間も、トリスティとジークハルトの疲れ切った会話が続いていた。
「言ってやるなよ……リオン様は清らかに育てられたんだ。…自由にな…。」
言いにくいが…とトリスティがため息をついた。
「それに…リオン様が、ああ、なったのはエスター王子の影響だからな。」
もっと素直だったんだとトリスティはため息をつく。
ジークハルトは、だろうなぁと深くため息をついた。
「エスター王子は、とにかくあの聖者を甘やかしているからな。」
僕は、そうなのかと思いながら首を傾げた。
でも、甘やかされているのだったら僕も負けていないだろう。
「僕も甘やかされていますが?」
トリスティがそうではないんだよと首を大きく横に振った。
ジークハルトも違うんだよと首を横に振った。
ノルンとマールは、そうですねぇと頷く。
少し考えてから、ノルンが口を開いた。
「ラスティ様が、甘やかされていないということはないです、…特に陛下が激甘ですから…でも、そこはご本人の性格の差ではないでしょうか?ラスティ様は、ご自分のことは、ご自分でという性格ですが…リオン様はご自分でできることも人にやってもらっているそうですから…。」
リオンってそんな感じだったかなぁと僕は首を傾げた。
「ん~???」
よくわからないなと僕は首をかしげる。
「エスター様が、リオン様のお世話をしているということですか?」
よくわからないと問うとトリスティは、頷く。
僕は、ますます首をかしげる。
エスターが人の世話をしている?
できるのか?と失礼なことを思う。
失礼だなと自分でも思うが、エスターは王子だ。
僕の覚えているエスターは、それこそ、自分のできることも、人にやってもらっているような…。
そんな感じだったと思う。
ジークハルトは僕の考えていることが分かったのだろう、僕の頭を撫でた。
「エスター王子も頑張っているんだよ。」
そうなのかと僕が感心しているとトリスティが首を横に振った。
「あれは…リオン様のいやがら…試練だな。」
今、嫌がらせって言った??
僕は首をかしげてトリスティを見る。
「リオン様は、自分を慕うモノに試練を与えるんだよ。」
試練と僕はトリスティの言葉をなぞるようにつぶやく。
「何故かリオン様は、相手の得手不得手を見ただけでわかるみたいでね。苦手なことを試練だとして与えることがある。エスター王子は、人の世話なんかしないだろう?あの方は教会に引き取られているし…ちょうど良かったということもあるんだろうが、リオン様の世話役を命じられたんだ。……私が貴方に会いに行ったのもその一環だ。」
苦手なことをさせて、スキルアップというやつだろうか。
モチベーションが駄々下がりしてうなくいきそうにないが。
なんとなく、今朝からのあれは僕に対しての試練なのだろうかと思った。
「あの…では…僕に対するあの態度も?」
僕の疑問にトリスティは首を横に振った。
「たぶん…違うと思う…ラスティ様の場合は、ただ、気に入られたんだ…友人になりたいというのは本当だろうが…正直…どうしたのだろうとは私も思ってしまうね…。」
あんなリオン様は見たことが無い…とトリスティは困惑しているようだった。
僕はぐったりとノルンに再びもたれかかった。
「…ラスティ様…大丈夫ですか?」
僕の覚えているリオンは、最初は、人見知りでおとなしかった。
でも、慣れたら笑顔が素敵で朗らかな子だった。
今のリオンは最初からぐいぐい来る積極性がある。
とにかく元気で明るい子だ。
勢いだけども言う。
いや…勢いをつけて突撃してきているのか?
前の生での彼が、控えめだったのは教会の教育が徹底していたから?
今は、王子のエスターの影響で人見知りがなくなった?
トリスティ曰く、エスターがリオンに逆らうとめんどくさいから好きにさせてるから。
だから…今の性格になって…本当に?
でも、違和感を感じる。
僕は、何か見落としている。
リオンに対してだ。
彼の何かに違和感を感じている。
なんだろうこの変化。
いいことか、わるいことかはわからない。
けど、僕はとても疲労感を感じていた。
ぼくは、ぐったりしながら、リオンの行動を考えていたのだった。
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