49 / 233
第三章 学園生活の始まり
45 再びのあいつ
しおりを挟む
門番の騎士に見送られながら僕らは教室に向かう。
始業時間に、余裕はあるけども少し急ぎ足。
学校の敷地は広い。
幾人かの警護の騎士が歩いている。
学園ってこんなに騎士が多いのかと、ジークハルトを見ると、苦笑された。
「学園の警護が増えてるんだよ。」
マールとノルンも頷く。
トリスティは、やれやれと肩をすくめた。
「自覚してね。ラスティ様。王妃様なんだから。」
あ~僕の所為ですか。
閉じこもっていたこともあるけど、王子の時はもう少し気楽だったかなと思う。
本館とは少し離れている別館に僕たちは移動した。
別館の前にも警護の騎士が立っている。
ジークハルトは、簡単に挨拶している。
本館もだけど、別館は四階建て。
僕とマールの教室は二階の教室。
一階は、移動教室や職員室。
ジークハルトとトリスティ、ノルンの教室は三階。
学校は6年間で2年ずつで階が上がる。
学級は各学年5つ。
特別学級が一クラス、進学級がニクラス、就職級がニクラス。
本館は、進学級と就職級がある。
僕らは、特別学級。
特別学級は、毎日来れない僕のような立場の貴族が主。
その貴族の使用人も特別クラスになる。
進級と就職は、個人の目的と学力によってクラスが違うので、貴族とへ平民が混ざってる。
特別学級は警護の関係上、別棟。
教室まで、三人とも一緒に来てくれるつもりらしい。
僕には過保護なジークハルトだけならわかるけど。
トリスティまで来るとかどうしたのだろう。
僕はなんとなく嫌な予感を覚える。
それでも学園内。
危ないことなどないだろう。
だから、心配そうな三人に、マールと同じ教室だからと別にいいのにと、思った。
のだけど。
教室に入ってから皆が来てくれた理由がわかった。
生徒たちに囲まれて可愛らしく笑う聖者リオンがいたのだ。
ノーマークで考えてもいなかった。
思い込みって怖いな。
彼は、今までの生でもゲームでも、この時期は学園に通っていなかった。
学園に通ったのは、彼の場合は上級学校。
この6年の学園を卒業してから、2年間通う学校だ専門的な学校だ。
だから僕は彼がこの学園にいるとは思っていなかったのだ。
これは、まずい。
僕の死から逃れるには彼は鬼門だ。
今までは、閉じこもっていたから大丈夫だったけど。
外に出るってこういうことだ。
はぁ…考えなしの自分がダメだんだけど。
前の生とゲームの知識に頼った所為だろう。
これが強制力というモノだろうか。
とりあえず、気づかれないようにと思いながらあたりを見る。
けれど、運が悪いことにリオンと目があってしまった。
気づかれた。
彼の眼が大きく見開かれた。
内心、しまった…と思う。
一応愛想笑いと微笑んでから視線を外して、彼が今座っている席と離れた後ろの席を探す。
ノルンとトリスティから席は自由と聞いていた。
近くに座る必要はない。
君子危うきに近寄らずである。
あの時の…エスターに会いに行った時の彼の様子を考えたら。
近寄ってこないのでは。
そんな期待をしつつ、席を探す。
荷物が置いてある席は、もう先約がいる。
荷物のない席で、マールと隣になれるリオンから離れた、空いた席。
結構限定される。
ジークハルトからの注意があるから。
窓際は、狙撃があるかも。
だからダメとジークハルトに言われてた。
入り口には近い席がいいけど、端だと逃げれないかも。
だから真ん中の列の入り口側の席。
動線を考えて座るように。
ジークハルトの注意を考えて、ふむと首をかしげる。
空いている席で条件に合う席は、三人掛け。
だけど、元々特別教室は生徒の人数が少ない。
皆リオンの傍に固まっているから、後ろは空いている。
二人で使っていいでしょ。
僕なりに条件にあった席を選んで荷物を置いて座る。
ジークハルトが、大丈夫そうだなと微笑んだ。
どうやら合格だったらしい。
「昼にまた来るから。」
ジークハルトが、そう言って僕の頭を撫でた。
よくできましたということだろう。
それを合図にノルンとトリスティも僕とマールから離れようとした時だった。
「ラスティ様!」
にこにこと笑顔の彼が近づいてきたのだった。
始業時間に、余裕はあるけども少し急ぎ足。
学校の敷地は広い。
幾人かの警護の騎士が歩いている。
学園ってこんなに騎士が多いのかと、ジークハルトを見ると、苦笑された。
「学園の警護が増えてるんだよ。」
マールとノルンも頷く。
トリスティは、やれやれと肩をすくめた。
「自覚してね。ラスティ様。王妃様なんだから。」
あ~僕の所為ですか。
閉じこもっていたこともあるけど、王子の時はもう少し気楽だったかなと思う。
本館とは少し離れている別館に僕たちは移動した。
別館の前にも警護の騎士が立っている。
ジークハルトは、簡単に挨拶している。
本館もだけど、別館は四階建て。
僕とマールの教室は二階の教室。
一階は、移動教室や職員室。
ジークハルトとトリスティ、ノルンの教室は三階。
学校は6年間で2年ずつで階が上がる。
学級は各学年5つ。
特別学級が一クラス、進学級がニクラス、就職級がニクラス。
本館は、進学級と就職級がある。
僕らは、特別学級。
特別学級は、毎日来れない僕のような立場の貴族が主。
その貴族の使用人も特別クラスになる。
進級と就職は、個人の目的と学力によってクラスが違うので、貴族とへ平民が混ざってる。
特別学級は警護の関係上、別棟。
教室まで、三人とも一緒に来てくれるつもりらしい。
僕には過保護なジークハルトだけならわかるけど。
トリスティまで来るとかどうしたのだろう。
僕はなんとなく嫌な予感を覚える。
それでも学園内。
危ないことなどないだろう。
だから、心配そうな三人に、マールと同じ教室だからと別にいいのにと、思った。
のだけど。
教室に入ってから皆が来てくれた理由がわかった。
生徒たちに囲まれて可愛らしく笑う聖者リオンがいたのだ。
ノーマークで考えてもいなかった。
思い込みって怖いな。
彼は、今までの生でもゲームでも、この時期は学園に通っていなかった。
学園に通ったのは、彼の場合は上級学校。
この6年の学園を卒業してから、2年間通う学校だ専門的な学校だ。
だから僕は彼がこの学園にいるとは思っていなかったのだ。
これは、まずい。
僕の死から逃れるには彼は鬼門だ。
今までは、閉じこもっていたから大丈夫だったけど。
外に出るってこういうことだ。
はぁ…考えなしの自分がダメだんだけど。
前の生とゲームの知識に頼った所為だろう。
これが強制力というモノだろうか。
とりあえず、気づかれないようにと思いながらあたりを見る。
けれど、運が悪いことにリオンと目があってしまった。
気づかれた。
彼の眼が大きく見開かれた。
内心、しまった…と思う。
一応愛想笑いと微笑んでから視線を外して、彼が今座っている席と離れた後ろの席を探す。
ノルンとトリスティから席は自由と聞いていた。
近くに座る必要はない。
君子危うきに近寄らずである。
あの時の…エスターに会いに行った時の彼の様子を考えたら。
近寄ってこないのでは。
そんな期待をしつつ、席を探す。
荷物が置いてある席は、もう先約がいる。
荷物のない席で、マールと隣になれるリオンから離れた、空いた席。
結構限定される。
ジークハルトからの注意があるから。
窓際は、狙撃があるかも。
だからダメとジークハルトに言われてた。
入り口には近い席がいいけど、端だと逃げれないかも。
だから真ん中の列の入り口側の席。
動線を考えて座るように。
ジークハルトの注意を考えて、ふむと首をかしげる。
空いている席で条件に合う席は、三人掛け。
だけど、元々特別教室は生徒の人数が少ない。
皆リオンの傍に固まっているから、後ろは空いている。
二人で使っていいでしょ。
僕なりに条件にあった席を選んで荷物を置いて座る。
ジークハルトが、大丈夫そうだなと微笑んだ。
どうやら合格だったらしい。
「昼にまた来るから。」
ジークハルトが、そう言って僕の頭を撫でた。
よくできましたということだろう。
それを合図にノルンとトリスティも僕とマールから離れようとした時だった。
「ラスティ様!」
にこにこと笑顔の彼が近づいてきたのだった。
0
お気に入りに追加
505
あなたにおすすめの小説

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
リクエストの更新が終わったら、舞踏会編をはじめる予定ですー!
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる