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第三章 学園生活の始まり
47 リオンの質問
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リオンは好奇心が強い。
それを思い知ったのは、休憩時間だ。
授業の間にある10分の休憩。
午前中に授業は4時間ある。
50分授業、10分休憩。
授業中はまだよかった。
流石に静かだったからだ。
けど、休みになったとたんにリオンは質問攻めにしてくる。
今日の授業は移動教室はない。
今更席を変えるわけにもいかない。
一応は、お手洗いとか言って逃げようとしたけど…まぁ…僕も~ってついてこられただけだった。
「ねぇねぇ、陛下ってラスティ様に夢中ってほんと?幼児趣味なの?」
とか。
「いままで監禁されてたって本当?」
とか…。
最初は、なんだかひどいことばかり聞かれていた気がする。
もちろん僕は、きちんと答えはするけど。
リオンの聞くことは町の噂だという。
陛下は、幼児趣味ではない…と思う。
後宮は、今確かに成人前の子供ばかりだけども。
監禁とかの噂も僕が閉じこもっていたからだし。
引退したら冒険者になど言っていたのも実はちょくちょく街に陛下は出ていたという。
そんな陛下が、僕を娶ってから陛下は街に降りなくなった。
その変化を面白おかしく噂しているという。
リオンの街の噂というのを聞いていると情けなくなる程、陛下に迷惑をかけている。
国を治める立場の人の変な噂って致命傷な時もあるでしょ。
陛下も知っている噂ばかりだ。
元々は小さな国の継承権もない王子だった人だ。
その時代から町の人と触れ合いは多かった。
僕を娶るまでは普通に街に出ていたから。
陛下を知っている人の冗談だろうと陛下自身が笑っていたことだ。
娯楽の少ない世界だ。
噂を鵜吞みにするのは子供くらいなもの。
皆、わかっていて噂して楽しむ。
都市伝説的な扱い。
前世の世界程、噂で陛下の地位が揺らぐ可能性はないだろう。
ただ、噂になるほどの変化だったのかと思う。
僕が表に出ないし、陛下は自由な時間は後宮に居ることがほとんどだ。
エスターのことがあるのだとは思う。
他の者に教育を任せた結果、エスターは教会に預けることになった。
それは、今もだ。
エスターは教会預かりのまま。
「そっか…ラスティ様は別に不自由してたり嫌なことされてたわけでもないんだ。」
噂をリオンは本当だと思っていたらしい。
意外にリオンはそういう噂を集めている感じだった。
聖者って教会の奥にいるような感じなのだけど。
「陛下が、ラスティ様に悪いことしてるのだったら僕が引き取ろうと思ったのに。」
リオンが何か変なことを言っている。
どうも調子が狂う。
それはマールも同じようで、眉を寄せて黙っていた。
ともかく、リオンはいろいろ聞いてきた。
噂の真相の次は僕のこと。
好きな食べ物は?
趣味は何?
どんな本を読むの?
何をして過ごしているの?
たわいもないことだ。
僕は、とりあえずそれに応えつつ彼の様子を見る。
楽し気に笑っているリオンを中々突き放せない。
本気で友達になりたいのだというのは伝わるけども。
当たり障りのない返事をして僕は彼をかわすことに精一杯だ。
リオンの存在は鬼門だと僕はなんとか離れようとする。
けれどリオンはぐいぐいと近づこうとしてくる。
彼だってわかっているだろう。
僕と彼は、立場的に仲良くするのはおかしいことだと。
けど、彼はそれを無視している。
分かっているだろうにそんなことは知らないという風に。
どこか…必死に。
何かを探っているように。
彼は質問を繰り返す。
違和感。
そう違和感しか感じない。
このリオンは何かおかしい。
まともなのだろうか。
どこか何かがおかしい。
普通だとは思うけれど。
彼の眼があまりに真剣だからだろうか。
いや…おかしいのではなく…知っている?
もしかしたら繰り返しのこの世界を知っているのではないか。
その打開策を探している?
何故か、そう感じられた。
もう少し、彼の話をきちんと聞いた方がいいのかもしれない。
僕の思い込みだろうけども。
万が一を考える。
もう少し様子を見よう。
僕はそう思った。
疲れるけども。
なんだか、前世の同僚を思い出す。
僕を疲労困憊させて、間接的に死ぬ原因を作った子だ。
悪い子ではなかった。
けども、疲れる子だった。
何故彼を思い出したかはわからないが。
流石に学校のお休みに遊びに行こうは断ったけども。
一つ…彼の質問で気になった質問はあった。
「ねぇ…今…ラスティ様は幸せ?」
それを思い知ったのは、休憩時間だ。
授業の間にある10分の休憩。
午前中に授業は4時間ある。
50分授業、10分休憩。
授業中はまだよかった。
流石に静かだったからだ。
けど、休みになったとたんにリオンは質問攻めにしてくる。
今日の授業は移動教室はない。
今更席を変えるわけにもいかない。
一応は、お手洗いとか言って逃げようとしたけど…まぁ…僕も~ってついてこられただけだった。
「ねぇねぇ、陛下ってラスティ様に夢中ってほんと?幼児趣味なの?」
とか。
「いままで監禁されてたって本当?」
とか…。
最初は、なんだかひどいことばかり聞かれていた気がする。
もちろん僕は、きちんと答えはするけど。
リオンの聞くことは町の噂だという。
陛下は、幼児趣味ではない…と思う。
後宮は、今確かに成人前の子供ばかりだけども。
監禁とかの噂も僕が閉じこもっていたからだし。
引退したら冒険者になど言っていたのも実はちょくちょく街に陛下は出ていたという。
そんな陛下が、僕を娶ってから陛下は街に降りなくなった。
その変化を面白おかしく噂しているという。
リオンの街の噂というのを聞いていると情けなくなる程、陛下に迷惑をかけている。
国を治める立場の人の変な噂って致命傷な時もあるでしょ。
陛下も知っている噂ばかりだ。
元々は小さな国の継承権もない王子だった人だ。
その時代から町の人と触れ合いは多かった。
僕を娶るまでは普通に街に出ていたから。
陛下を知っている人の冗談だろうと陛下自身が笑っていたことだ。
娯楽の少ない世界だ。
噂を鵜吞みにするのは子供くらいなもの。
皆、わかっていて噂して楽しむ。
都市伝説的な扱い。
前世の世界程、噂で陛下の地位が揺らぐ可能性はないだろう。
ただ、噂になるほどの変化だったのかと思う。
僕が表に出ないし、陛下は自由な時間は後宮に居ることがほとんどだ。
エスターのことがあるのだとは思う。
他の者に教育を任せた結果、エスターは教会に預けることになった。
それは、今もだ。
エスターは教会預かりのまま。
「そっか…ラスティ様は別に不自由してたり嫌なことされてたわけでもないんだ。」
噂をリオンは本当だと思っていたらしい。
意外にリオンはそういう噂を集めている感じだった。
聖者って教会の奥にいるような感じなのだけど。
「陛下が、ラスティ様に悪いことしてるのだったら僕が引き取ろうと思ったのに。」
リオンが何か変なことを言っている。
どうも調子が狂う。
それはマールも同じようで、眉を寄せて黙っていた。
ともかく、リオンはいろいろ聞いてきた。
噂の真相の次は僕のこと。
好きな食べ物は?
趣味は何?
どんな本を読むの?
何をして過ごしているの?
たわいもないことだ。
僕は、とりあえずそれに応えつつ彼の様子を見る。
楽し気に笑っているリオンを中々突き放せない。
本気で友達になりたいのだというのは伝わるけども。
当たり障りのない返事をして僕は彼をかわすことに精一杯だ。
リオンの存在は鬼門だと僕はなんとか離れようとする。
けれどリオンはぐいぐいと近づこうとしてくる。
彼だってわかっているだろう。
僕と彼は、立場的に仲良くするのはおかしいことだと。
けど、彼はそれを無視している。
分かっているだろうにそんなことは知らないという風に。
どこか…必死に。
何かを探っているように。
彼は質問を繰り返す。
違和感。
そう違和感しか感じない。
このリオンは何かおかしい。
まともなのだろうか。
どこか何かがおかしい。
普通だとは思うけれど。
彼の眼があまりに真剣だからだろうか。
いや…おかしいのではなく…知っている?
もしかしたら繰り返しのこの世界を知っているのではないか。
その打開策を探している?
何故か、そう感じられた。
もう少し、彼の話をきちんと聞いた方がいいのかもしれない。
僕の思い込みだろうけども。
万が一を考える。
もう少し様子を見よう。
僕はそう思った。
疲れるけども。
なんだか、前世の同僚を思い出す。
僕を疲労困憊させて、間接的に死ぬ原因を作った子だ。
悪い子ではなかった。
けども、疲れる子だった。
何故彼を思い出したかはわからないが。
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