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第一章 終わりと始まり
15 陛下の親友?悪友?
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陛下は、僕を見てにっこりと笑う。
「まぁ今は難しい話は、おいておいてよくないか?」
大体方針決まったしと笑う陛下にバルハルト公はため息だけ返した。
「雑だな。まぁいい。」
バルハルト公は、ジークの頭をぐりぐりと撫でた。
「とりあえず、こいつはどういう立場にする気だ?」
陛下はうーんと首を傾げた。
「お前のとこには子供多いし、養子にしてもいいが…護衛騎士として傍に置いて称号だけ王子を与えてというのはどうだ。でも、私が引退した後もめないか?王の親問題的な…。」
バルハルト公が首を傾げた。
「俺とお前がか?」
陛下は首を横に振った。
「いや、私は引退したら別に王の親の権利とかいらない。ラスティと辺境にでも行くよ。エスターには世話にはなれないだろうけど、まぁ何とかなるだろう。個人的な貯えもあるし。ジークなら結構早く私を超えて王になるだろう。体が動けば、冒険者でもするさ。若い頃は修行だって放り出されてたからなんとかなるだろう。お前とジェンだよ。どっちが父でどっちが母だでもめるだろ。」
バルハルト公は、あーと眉を寄せた。
「それはもめるが…いや…俺が父だろ。ジークのやつはあいつが産んだんだ。そこは譲らん…というかラスティ妃を辺境に連れて行かれたらジークがお前の後継者になる意味ないだろう。」
陛下は、肩をすくめた。
「言ったろ?私の死んだあとって。」
ジークハルトが頬を膨らませている。
「陛下はひどいです。俺…私は、そこまで甲斐性無しになるつもりはありません。陛下もラスティ妃もまとめて面倒が見れるような男になればいいということでしょう。」
バルハルト公は、ため息をついた。
「お前…感情が出てきたらとんでもなくかわい…違う、子供っぽいな、いや子供だからいいのか。ともかくそれだと陛下も嫁にすると聞こえるんだが。」
ジークハルトは首を傾げた。
「はい。」
陛下もこれには流石に目を丸くする。
「いやいや…流石にそれはどうかな?」
ジークハルトは僕を見た。
「だって、ラスティ様は陛下のこと大好きって思ってます。そんなラスティ様を陛下と引き離してまでとは私は思いません。陛下のことも私は好きですし、傍で守りたいです。私を陛下の後継者としてくださるなら養子ではなく父のもとで鍛えさえせて下さい。正々堂々、陛下とラスティ様を娶れるように強くなりますので。あと…エスター様を切り離すのも良くないと思います。一旦王位継承権を保留として陛下の預かりにしたらいかがでしょうか。エスター様もこれからですし、エスター様が私より王にふさわしくなることもあるかもしれません。競い合った方がより王にふさわしい者となれる気がします。」
ジークハルトは、一気にそこまで言うと顔を赤くする。
出過ぎた真似をと恥ずかしそうに下を向いた。
陛下とバルハルト公は顔を見合わせて苦笑した。
「そうするか?」
と陛下。
「そうしてくれると助かるな。」
とバルハルト公。
陛下はならそれで議会にかけると頷いた。
いいのかよそれでと思わないでもないが。
陛下、今さらっとジークに求愛されてたぞ。
脳筋な求愛だったけど。
まぁ後継者問題はあるわけだから、それが解決する方法を提示するのは重要だろう。
その解決法は、どうなのかという問題は置いておいて。
「あーでも、どうしよう。その方法だと私は後宮入りか?少しは外に出たいのに。」
陛下の言葉にバルハルト公がため息をつく。
「その時は、俺とジェンとお前でお忍びでどっかのダンジョン潜ればいいだろ。」
陛下は不満そうだったがそれで手を打つかとため息をつく。
「あーでも問題あるわ。俺受け身ってやったことない。ラスティが私より強くなったら私が受け身だし、このままだとジークのほうもそうなるよな。二人ともどっちにしろ他の奴に任せる気はないし…私が慣れてないと困るのでは?なぁ、バル。練習相手してくれないか?」
陛下がとんでもないことを言い出して僕とジークは目を丸くした。
バルハルト公はため息をつく。
「お前な…お前のそういうところがエスターが、ああなった原因だぞ!!もう少し自分を大切にしろ!!この馬鹿陛下!!そもそもお前が、軽くエスターを引き受けたからこんなことになったんだろうが。押し付けられたんだぞ!!自分の子でもない、浮気で出来た子を。」
陛下は、子供の前でと眉を寄せた。
バルハルト公も、いいのか?そんなこと大声で言って。
「二人には理解してもらわねばならん。こいつの前のパートナーはプライドだけが高くてな。あと負かした男の上に乗るのが趣味の変わった奴だった。陛下に勝てずにムカついたからと自分が連れてきていた庭師の男と子供を作ったんだ。そいつをくれてやるからとエスターを置いて実家に帰るという無茶苦茶なやつだ。ムカついたから議会で死んだことにして全権利奪ってやったがな!!」
陛下は、いやいや6歳児と8歳児に上に乗るとか言わないで~と自分の爆弾発言を棚に置いて慌てている。
うん。
ジークハルトは、真っ赤になってるし、二人ともシモイ話題はやめてあげてほしい。
彼はとっても純粋なのだから。
思考は明後日だけど。
脳筋だし。
というか…前妃生きてたのか…。
もうどこを驚いたらいいかわかんない。
「この馬鹿陛下は、懐の中に入れた奴には死ぬほど甘くなるし馬鹿になる。自分を大切にしないから貧乏くじばっかり引いてそれを解決する力があるからなお悪い。いいか、ラスティ様とジークはしっかりこの馬鹿の面倒をみてやれ。俺とジェンも面倒は見てるが四六時中一緒と言うわけにはいかんからな。」
僕とジークが頷くのをみてバルハルト公は満足げに頷いた。
そっか…陛下にはしっかり居たんだな。
こうやって心配してくれる親友が。
なんでも言い合える親友っていいなぁと思う。
あと…酒飲みてぇ…。
よく考えたらずっと16で死んでたから長い間飲んでない。
この生では、皆で飲めるといいなぁ。
「まぁ今は難しい話は、おいておいてよくないか?」
大体方針決まったしと笑う陛下にバルハルト公はため息だけ返した。
「雑だな。まぁいい。」
バルハルト公は、ジークの頭をぐりぐりと撫でた。
「とりあえず、こいつはどういう立場にする気だ?」
陛下はうーんと首を傾げた。
「お前のとこには子供多いし、養子にしてもいいが…護衛騎士として傍に置いて称号だけ王子を与えてというのはどうだ。でも、私が引退した後もめないか?王の親問題的な…。」
バルハルト公が首を傾げた。
「俺とお前がか?」
陛下は首を横に振った。
「いや、私は引退したら別に王の親の権利とかいらない。ラスティと辺境にでも行くよ。エスターには世話にはなれないだろうけど、まぁ何とかなるだろう。個人的な貯えもあるし。ジークなら結構早く私を超えて王になるだろう。体が動けば、冒険者でもするさ。若い頃は修行だって放り出されてたからなんとかなるだろう。お前とジェンだよ。どっちが父でどっちが母だでもめるだろ。」
バルハルト公は、あーと眉を寄せた。
「それはもめるが…いや…俺が父だろ。ジークのやつはあいつが産んだんだ。そこは譲らん…というかラスティ妃を辺境に連れて行かれたらジークがお前の後継者になる意味ないだろう。」
陛下は、肩をすくめた。
「言ったろ?私の死んだあとって。」
ジークハルトが頬を膨らませている。
「陛下はひどいです。俺…私は、そこまで甲斐性無しになるつもりはありません。陛下もラスティ妃もまとめて面倒が見れるような男になればいいということでしょう。」
バルハルト公は、ため息をついた。
「お前…感情が出てきたらとんでもなくかわい…違う、子供っぽいな、いや子供だからいいのか。ともかくそれだと陛下も嫁にすると聞こえるんだが。」
ジークハルトは首を傾げた。
「はい。」
陛下もこれには流石に目を丸くする。
「いやいや…流石にそれはどうかな?」
ジークハルトは僕を見た。
「だって、ラスティ様は陛下のこと大好きって思ってます。そんなラスティ様を陛下と引き離してまでとは私は思いません。陛下のことも私は好きですし、傍で守りたいです。私を陛下の後継者としてくださるなら養子ではなく父のもとで鍛えさえせて下さい。正々堂々、陛下とラスティ様を娶れるように強くなりますので。あと…エスター様を切り離すのも良くないと思います。一旦王位継承権を保留として陛下の預かりにしたらいかがでしょうか。エスター様もこれからですし、エスター様が私より王にふさわしくなることもあるかもしれません。競い合った方がより王にふさわしい者となれる気がします。」
ジークハルトは、一気にそこまで言うと顔を赤くする。
出過ぎた真似をと恥ずかしそうに下を向いた。
陛下とバルハルト公は顔を見合わせて苦笑した。
「そうするか?」
と陛下。
「そうしてくれると助かるな。」
とバルハルト公。
陛下はならそれで議会にかけると頷いた。
いいのかよそれでと思わないでもないが。
陛下、今さらっとジークに求愛されてたぞ。
脳筋な求愛だったけど。
まぁ後継者問題はあるわけだから、それが解決する方法を提示するのは重要だろう。
その解決法は、どうなのかという問題は置いておいて。
「あーでも、どうしよう。その方法だと私は後宮入りか?少しは外に出たいのに。」
陛下の言葉にバルハルト公がため息をつく。
「その時は、俺とジェンとお前でお忍びでどっかのダンジョン潜ればいいだろ。」
陛下は不満そうだったがそれで手を打つかとため息をつく。
「あーでも問題あるわ。俺受け身ってやったことない。ラスティが私より強くなったら私が受け身だし、このままだとジークのほうもそうなるよな。二人ともどっちにしろ他の奴に任せる気はないし…私が慣れてないと困るのでは?なぁ、バル。練習相手してくれないか?」
陛下がとんでもないことを言い出して僕とジークは目を丸くした。
バルハルト公はため息をつく。
「お前な…お前のそういうところがエスターが、ああなった原因だぞ!!もう少し自分を大切にしろ!!この馬鹿陛下!!そもそもお前が、軽くエスターを引き受けたからこんなことになったんだろうが。押し付けられたんだぞ!!自分の子でもない、浮気で出来た子を。」
陛下は、子供の前でと眉を寄せた。
バルハルト公も、いいのか?そんなこと大声で言って。
「二人には理解してもらわねばならん。こいつの前のパートナーはプライドだけが高くてな。あと負かした男の上に乗るのが趣味の変わった奴だった。陛下に勝てずにムカついたからと自分が連れてきていた庭師の男と子供を作ったんだ。そいつをくれてやるからとエスターを置いて実家に帰るという無茶苦茶なやつだ。ムカついたから議会で死んだことにして全権利奪ってやったがな!!」
陛下は、いやいや6歳児と8歳児に上に乗るとか言わないで~と自分の爆弾発言を棚に置いて慌てている。
うん。
ジークハルトは、真っ赤になってるし、二人ともシモイ話題はやめてあげてほしい。
彼はとっても純粋なのだから。
思考は明後日だけど。
脳筋だし。
というか…前妃生きてたのか…。
もうどこを驚いたらいいかわかんない。
「この馬鹿陛下は、懐の中に入れた奴には死ぬほど甘くなるし馬鹿になる。自分を大切にしないから貧乏くじばっかり引いてそれを解決する力があるからなお悪い。いいか、ラスティ様とジークはしっかりこの馬鹿の面倒をみてやれ。俺とジェンも面倒は見てるが四六時中一緒と言うわけにはいかんからな。」
僕とジークが頷くのをみてバルハルト公は満足げに頷いた。
そっか…陛下にはしっかり居たんだな。
こうやって心配してくれる親友が。
なんでも言い合える親友っていいなぁと思う。
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