不遇王子は、何故かラスボス達に溺愛される。

神島 すけあ

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第一章 終わりと始まり

10 これからの僕は…

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僕が悶々とそんなことを考えている間に着々と朝の準備は進んでいた。

まぁ陛下がいそいそとやってくれたのだが。

陛下にとっては、僕はやっぱり息子という感覚なのだろう。
服の着替えやら、顔を洗ったりなどの補助をしてくれた。
しっかり育てないとという使命感がいっぱいのようだ。
まぁ…中身が僕は6歳ではないので、そこまで補助はいらないのだが。

「うーん…エスターはもっと手がかかっていたみたいだけどなぁ。」

微妙に不服そうな陛下に少し申し訳ないが、3歳レベルで見てないか?くらいの補助っぷりは勘弁してください。
まぁ…あとで使用人に聞いたらエスターがダメダメだったらしいが。
陛下が僕をかまうのは、エスターがダメダメな所為。
ダメダメな息子でも陛下にとっては大事な息子だ。
エスターを教会にあずけたのが不本意だったのだろう。
僕は、そんな風にはさせたくないらしい。

いや…流石にならんだろう。

陛下は自分の支度をするか~と僕をベットに置いて顔を洗いに。
すぐそばにいるけども。
あまりひげとか生えないけどねと言いつつも一応髭剃りとかしてるみたいだ。

小鳥の声が響く広い部屋。
人の気配は遠い。

使用人はやっぱり来ない。
後から確認したら、陛下は前から自分でできることは自分でしてるらしい。

部屋の掃除とかは陛下がいない時にしてくれているらしいけども。

陛下は自分とエスターを比べてるのかも。
自分でできることはする感じの陛下と、人にやってもらうのが当たり前のエスター。
子供の教育についても自分でやりたかったのかな。
そういう意味でも、教会に預けるということには抵抗があったのかも。
でも、教会に子供をあずけるというのも良くあることだ。

紋章は子供を産んだら消える。
一生添い遂げる人ももちろんいるけど、子供を作るまでという関係も多い。

この世界の人は力にこだわるから。
強いということが、正義だ。
救いは、力の種類は問わないことだが。

腕力が、強くても知力で負けることもある。
逆もあるし、魔力が強い人も居る。
なら、どうやって勝ち負けが決まるのかというと、結局は本人次第。
勝負系だと、本人が負けたと思った時に紋章が浮かぶ。
ある意味思い込みの強いほうが勝つのか?
それ嫌だな。

実際は話し合いで決めることの方が多いし、強さと言っているのは一世代前とも言われている。

僕の場合は、大人と子供だ。
しかも、陛下はある意味この世界最強なので。
婚姻関係になった時点で決まったようなものだ。

話がそれた。
とにかく、一人で子供を育てるという人も多い。
それが可能なのは、望めば教会が子供を育ててくれるからだろう。
多くの子供は教会に預けられてしっかり教育される。
保育園とか、託児所とかそういう立場を教会がやってくれているイメージかな。
一人親が多いのを教会も憂いてはいるらしい。
けど、教会が、強いものが上という教えだから、結局どうしたいんだよという感じ。
教会の教えだから強さ至上的な考えが、浸透しちゃってるんだけども。
だって子供を預かってその教育してるんだ。

自分たちが原因では???

それでも教会も少しずつ変わっては来ているらしい。
主に辺境から。
王都が教えをいきなり変更したら混乱するからという理由らしいけど。

聖者が力を失って、冒険者として行くのがその辺境。
考え方が結構変わっている舞台が出来てるというわけだ。

聖者が~のあたりはゲームの話だけども、辺境の思考改革はこの世界の現実でも起こっている。

ぼんやりそんなことを思っていると陛下の支度も終わったようだ。


朝食は、寝室の隣の私室でとるとのこと。
隣の部屋に行くとテーブルに使用人たちが朝食を並べていた。
朝から豪華ということでもなく、結構質素。
クロワッサンっぽいパンとコーヒーのような飲み物。
あとはスープ。
僕のは、コーヒーではなくミルクだけども。

コーヒー好きだったから少し陛下がうらやましい。


陛下は、僕を膝の上に乗せたまま席に着く。

どうやら、僕はこれからは、陛下にあーんでご飯を食べさせられるらしい。
赤ちゃんじゃないぞ!!やーめーてぇ。

う…陛下のニコニコ顔に負けてあーんしました。

そんな感じで僕の新しい生は始まった。
とにもかくにも、生き残ることを目標に、僕は頑張ります。




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