4 / 233
第一章 終わりと始まり
04 何かが違う目覚め
しおりを挟む
闇の中を漂っていた僕の意識がいつの間にか光の中に居る。
ふわふわと暖かいまどろみの空間。
そこから、ゆっくりと意識が浮上する。
いつもの感覚。
目を覚ます。
僕にとっての現実に戻る瞬間。
そこには、いつもだったら、子供部屋の天井。
でも、今回は綺麗な男性が眠っていた。
この国の国王、ディオス・クローバー・フォレストローズだ。
びっくりして眠気が飛んだ。
寝起きの悪い僕は、ふとんの中のうとうとしているのが好きなのだけど。
今回ばかりは、うとうとなんて出来ない。
慌てて飛び起きた。
陛下がうーんと唸ったけど起きない。
ほっとしつつ、何が起こっている?と首をかしげる。
あの感覚から僕は一度死んだのは確か。
たぶん、いつもと同じ。
そう、いつも。
僕は死んで、また、一定の年齢に戻って生を繰り返す。
でも、何回も繰り返したけど、今までこんな目覚めだったことはない。
目覚めるのが遅かったのかと思い出してみたけれど。
今までの生でも、陛下が添い寝をしてくれていることなどなかった。
いっしょに寝るのが嫌とか言う理由ではないと思う。
可愛がってくれてはいたから、気を使って…だとは思う。
陛下は夜は遅いし朝は早い。
幼児の添い寝とかしたら僕の睡眠妨害になるってメイドさんに怒られていた。
なので、何だろう、何故だろうとぼんやりと部屋を見る。
静かな室内。
陛下が眠っているだけ。
他は誰もいない。
すぅすぅと規則正しい寝息。
しっかり寝ているみたいだ。
なんとか状況を知ろうと、とりあえず、自分を確認。
手を目の前に持ってくる。
自身の手は幼児のもの。
やはり子供に戻っている。
きょろきょろと周りをみるとベットの傍に鏡があった。
陛下を起こさないように、移動して鏡の傍に移動する。
ベットの傍の鏡を覗き込んだ。
月明かりに照らされた自分の姿。
想像通りの姿がそこにあった。
見慣れた幼児の姿。
この姿にまた戻ってきてしまった。
内心、がっかりとする。
大体6歳くらいの第二王子の自分に戻っていた。
いつものことだ。
国王に引き取られた時期に戻る。
繰り返しの人生のスタートライン。
繰り返しの人生。
僕は「第二王子 ラスティ」の人生を繰り返している。
ラスティの前の人生も覚えている。
普通のサラリーマンだ。
普通の家庭の普通の男だった。
高校の時に、親父が会社の倒産で無職になってバイト三昧だった。
大学は諦めて専門学校に行って、就職した。
親父の再就職も俺が就職するころに何とかなった。
家が大丈夫になったから、ようやく自分の時間が持てるようになった。
とはいえ、毎日残業してへとへとになって家に帰る生活。
家に帰ったら…妹がBLゲームをやっている日々。
あ…異常かもしんない。
前世の俺の家。
僕は就職を期に、実家から出てマンションで一人暮らしを始めた。
映画を見るのが趣味で、防音の部屋と大きな画面のTVだけはこだわった。
そんなに、いい給料でもなかったけど。
バイトの時からチマチマ貯めてたのとローンも組んで、1LDK。
ローンの所為で贅沢も出来ない。
節約しつつ休日は借りた映画をまったり見るのが楽しみ。
休日は妹が来ないから映画三昧だった。
そういえば、前世で死んだときには少しローンが残ってたな…
あれどうなったかな?
平日は妹が襲撃してきてゲームをやってたら必然的に僕もそれを見ていた。
両親がいると落ち着いてゲームできないからって。
兄の前でR18のBLゲームやるかね?
仕事で疲れて、家に帰ったら、あんあん男の声で喘がれてたら疲れ倍増するって。
せめて、もうちょっとカワイイ声だったらなぁ…。
主人公の聖者の声。
ちょっと媚びてる感じが、あんまり好きじゃなかった。
どっちかというと、ラスティの声の方が可愛かったなぁ。
あ…そういえば声…。
今は僕の声あれなのか…。
自分の声って確か自分が聞こえている声と他の人が聞こえる声って違うんだよな。
録音して聞く方法がないからわかんないなぁ。
いや、そうではないだろう僕。
防音だったからって遠慮なく音を流しまくってたからなあいつ。
おかげで、家に帰って扉を開けるときは携帯で連絡して音を小さくさせてた。
流石に、防音でも、扉開けたら音漏れるからな。
ご近所さんに迷惑だろうが。
困った妹だよ。
本当に。。。
そう言いつつも…実は、結構楽しかった。
ゲームの内容はともかく。
やっぱり兄としては妹は可愛かったし、懐いてくれるのはうれしかった。
…友たち感覚で兄として尊敬はさせてなかったが。
それに、妹とあーでもない、こーでもないとゲームの攻略をするのは楽しかった。
内容は、ともかくとして。
能力とかいろいろな数値の増減とか考えるのが楽しかった。
ステータスの数値とか、好感度とかの数値を選択肢とか訓練とかで操作するゲームだったからなぁ。
ともかく、前世の妹のおかげでこの男ばかりの世界も戸惑いが少なかったのかな。
まさか、だからといってそのゲームの世界だか、似た世界に生まれ変わるとは思わなかったけど。
その妹が必死にやってたそのBLゲームでの「ラスティ」という子はモブの第二王子。
世界崩壊の始まりの子。
メインストーリーで必ず死ぬ。
聖者が嘘をついて力を失うというきっかけのために。
その子に自分がなるとか、悪夢だろ?
ふわふわと暖かいまどろみの空間。
そこから、ゆっくりと意識が浮上する。
いつもの感覚。
目を覚ます。
僕にとっての現実に戻る瞬間。
そこには、いつもだったら、子供部屋の天井。
でも、今回は綺麗な男性が眠っていた。
この国の国王、ディオス・クローバー・フォレストローズだ。
びっくりして眠気が飛んだ。
寝起きの悪い僕は、ふとんの中のうとうとしているのが好きなのだけど。
今回ばかりは、うとうとなんて出来ない。
慌てて飛び起きた。
陛下がうーんと唸ったけど起きない。
ほっとしつつ、何が起こっている?と首をかしげる。
あの感覚から僕は一度死んだのは確か。
たぶん、いつもと同じ。
そう、いつも。
僕は死んで、また、一定の年齢に戻って生を繰り返す。
でも、何回も繰り返したけど、今までこんな目覚めだったことはない。
目覚めるのが遅かったのかと思い出してみたけれど。
今までの生でも、陛下が添い寝をしてくれていることなどなかった。
いっしょに寝るのが嫌とか言う理由ではないと思う。
可愛がってくれてはいたから、気を使って…だとは思う。
陛下は夜は遅いし朝は早い。
幼児の添い寝とかしたら僕の睡眠妨害になるってメイドさんに怒られていた。
なので、何だろう、何故だろうとぼんやりと部屋を見る。
静かな室内。
陛下が眠っているだけ。
他は誰もいない。
すぅすぅと規則正しい寝息。
しっかり寝ているみたいだ。
なんとか状況を知ろうと、とりあえず、自分を確認。
手を目の前に持ってくる。
自身の手は幼児のもの。
やはり子供に戻っている。
きょろきょろと周りをみるとベットの傍に鏡があった。
陛下を起こさないように、移動して鏡の傍に移動する。
ベットの傍の鏡を覗き込んだ。
月明かりに照らされた自分の姿。
想像通りの姿がそこにあった。
見慣れた幼児の姿。
この姿にまた戻ってきてしまった。
内心、がっかりとする。
大体6歳くらいの第二王子の自分に戻っていた。
いつものことだ。
国王に引き取られた時期に戻る。
繰り返しの人生のスタートライン。
繰り返しの人生。
僕は「第二王子 ラスティ」の人生を繰り返している。
ラスティの前の人生も覚えている。
普通のサラリーマンだ。
普通の家庭の普通の男だった。
高校の時に、親父が会社の倒産で無職になってバイト三昧だった。
大学は諦めて専門学校に行って、就職した。
親父の再就職も俺が就職するころに何とかなった。
家が大丈夫になったから、ようやく自分の時間が持てるようになった。
とはいえ、毎日残業してへとへとになって家に帰る生活。
家に帰ったら…妹がBLゲームをやっている日々。
あ…異常かもしんない。
前世の俺の家。
僕は就職を期に、実家から出てマンションで一人暮らしを始めた。
映画を見るのが趣味で、防音の部屋と大きな画面のTVだけはこだわった。
そんなに、いい給料でもなかったけど。
バイトの時からチマチマ貯めてたのとローンも組んで、1LDK。
ローンの所為で贅沢も出来ない。
節約しつつ休日は借りた映画をまったり見るのが楽しみ。
休日は妹が来ないから映画三昧だった。
そういえば、前世で死んだときには少しローンが残ってたな…
あれどうなったかな?
平日は妹が襲撃してきてゲームをやってたら必然的に僕もそれを見ていた。
両親がいると落ち着いてゲームできないからって。
兄の前でR18のBLゲームやるかね?
仕事で疲れて、家に帰ったら、あんあん男の声で喘がれてたら疲れ倍増するって。
せめて、もうちょっとカワイイ声だったらなぁ…。
主人公の聖者の声。
ちょっと媚びてる感じが、あんまり好きじゃなかった。
どっちかというと、ラスティの声の方が可愛かったなぁ。
あ…そういえば声…。
今は僕の声あれなのか…。
自分の声って確か自分が聞こえている声と他の人が聞こえる声って違うんだよな。
録音して聞く方法がないからわかんないなぁ。
いや、そうではないだろう僕。
防音だったからって遠慮なく音を流しまくってたからなあいつ。
おかげで、家に帰って扉を開けるときは携帯で連絡して音を小さくさせてた。
流石に、防音でも、扉開けたら音漏れるからな。
ご近所さんに迷惑だろうが。
困った妹だよ。
本当に。。。
そう言いつつも…実は、結構楽しかった。
ゲームの内容はともかく。
やっぱり兄としては妹は可愛かったし、懐いてくれるのはうれしかった。
…友たち感覚で兄として尊敬はさせてなかったが。
それに、妹とあーでもない、こーでもないとゲームの攻略をするのは楽しかった。
内容は、ともかくとして。
能力とかいろいろな数値の増減とか考えるのが楽しかった。
ステータスの数値とか、好感度とかの数値を選択肢とか訓練とかで操作するゲームだったからなぁ。
ともかく、前世の妹のおかげでこの男ばかりの世界も戸惑いが少なかったのかな。
まさか、だからといってそのゲームの世界だか、似た世界に生まれ変わるとは思わなかったけど。
その妹が必死にやってたそのBLゲームでの「ラスティ」という子はモブの第二王子。
世界崩壊の始まりの子。
メインストーリーで必ず死ぬ。
聖者が嘘をついて力を失うというきっかけのために。
その子に自分がなるとか、悪夢だろ?
0
お気に入りに追加
506
あなたにおすすめの小説

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
リクエストの更新が終わったら、舞踏会編をはじめる予定ですー!

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる