cross of connect

ユーガ

文字の大きさ
上 下
37 / 45
絆の邂逅編

第三十六話 『生きる』という事

しおりを挟む
「こ、これは・・・!」
 エアボードから降り、シレーフォを目の当たりにしたユーガは思わず言葉を失った。そこには、大量の魔物にシレーフォの人々が襲われる光景が広がっていて、どこか以前メレドルが魔物に襲われた時のような印象を抱かせた。その横でルインもまた目を見張りながらシレーフォを一瞥した。
「どうやら元素障壁フィアガドスのおかげで被害は軽減できているようですが・・・このままではかなりまずいですね。元素障壁フィアガドスが破壊され、大量に魔物が入り込んできてもおかしくありませんよ」
「ここは皆で分かれた方がいいんじゃないかな?」
「ええ、それがいいでしょう」
 ルインはリフィアの言葉に頷いて、一度シレーフォから視線を逸らして今度は仲間達を一瞥した。
「皆さん、ここは三グループになって分かれ、魔物を一掃しましょう。・・・さてユーガ、あなたは誰と行きたいですか?」
 いきなり話題を振られて、ユーガは少し狼狽えたがすぐに顔を引き締めて、うーん、と俯いた。
「・・・俺はトビと行くよ」
「・・・目の届かねぇところにいられるよりかはマシか」
「・・・なんか嫌味が聞こえたけど、とりあえずよろしくな、トビ!」
「俺の足を引っ張るなよ、ユーガ」
 ユーガはトビの言葉に頷いて、他の皆は?と仲間達に視線を戻してそう尋ねた。
「なら」とネロが声をあげてシノに視線を向ける。「俺はシノと行くよ」
「・・・命令を確認。了解しました」
「ん、さんきゅ。あと魔法師は三人いるから、そこでも分けた方がいいだろうし」
 ネロの言葉にルインは同意したように頷いて、では、と残ったミナとリフィア二人に視線を向けた。
「私達は三人組、というわけですね。よろしくお願いしますよ」
「はい、お任せください!」
「こちらこそよろしく~!」
「ルインさん達は三人いるため入り口付近の防衛及び魔物の撃破、私達は街中の防衛及び魔物の撃破を行いましょう。ユーガさんとトビさんはシレーフォ城へと向かい、ログシオン陛下並びにシレーフォ城内部の魔物の一掃に当たってください」
 シノの的確な指示にユーガとネロは目を丸くしたが、あまりにも完璧すぎるシノの言葉にユーガ達は頷いた。
「わかった。じゃあ俺達はとにかく城へ向かえばいいんだな・・・」
「そうだ。・・・到着するより早くにやられるなよ」
「ああ、もちろんだ!」
 ユーガは大きく息を吸い込んで深呼吸をし、剣を手に持ってシレーフォの正門を潜り、王城へ向かって全速力でトビと共にシレーフォの街中を駆け抜けた。他の仲間達を見るとそれぞれ先程のシノの指示通りの場所にいて、気をつけてくれよ、と小声で呟いた。ーすると、それを聞きつけたトビが視線をユーガに向けてくる。
「俺達には俺達のやる事がある。集中しろ、ユーガ」
 冷徹とも取れる言葉だが、それでも少し浮いていた感情を元に戻してくれたトビに対して、ユーガは頷いてちらりと視線をシレーフォ城へと向けた。
「・・・ああ、ありがとう」
 ユーガはもう一度剣をしっかりとその手に握り、もう目前に見えてきたシレーフォ城をその目で確認すると小さく息を吐き、よし、とトビの方へ視線を向ける。
「行こう!」
 僅かにトビは頷き、ユーガ達はシレーフォ城の門の周りにいた魔物を一掃してから、今は閉まっている城の門を開ける取手に手をかけた。

 ~ネロサイド~
「こっちはあらかた終わったか・・・?」
「そのようです」
 ネロとシノは街中の魔物を一掃し、軽く息を吐いて武器から手を離して、そっか、とネロは視線をシノに向けつつ、安堵したような表情をシノへ向けた。ーしかし、シノはそれでもやはりというべきか無表情でネロに冷たい視線を送った。
「ネロさん。ルインさん方と合流する事が得策かと思われますが」
「ん?ああ、そうだな。合流するか」
 シノのその言葉にネロは頷いて、ルイン達のいる入り口付近へシノを伴って向かった。
「・・・ネロさん」
 ーと、不意にシノに後ろから声をかけられ、ネロは振り向いてシノを見ると、彼女は立ち止まってどこか口籠もるような素振りを見せていてネロは、どうした、と聞きつつもシノがそういった素振りを見せる事は少ないため、珍しいな、と思った。
「・・・初めてお会いした時、ミヨジネア兵士から私を庇っていただいた際のお礼をしっかりと言ってない事を思い出しました。・・・その節はありがとうございました」
「は、ははは!何かと思えば・・・んな事かよ!」
 突如笑い出したネロに、シノは心底不思議そうに小首を傾げた。ネロはひとしきり笑った後、目元に浮かんだ涙を人差し指で拭ってからシノに視線を戻した。
「んな事いーんだよ。それにあの時は、俺がやりたくてやったんだし」
「・・・言葉の理解不能。どういう事ですか・・・?」
「・・・成長してくユーガが眩しくてな」
 ネロの先程のような雰囲気はネロのその呟きに隠れ、シノは口をつぐんでネロの話を黙って聞いた。
「俺は幼馴染として、今までユーガとあくまで対等でいたくてな・・・。ただ、だんだんと隣にいた筈のユーガは遠くに行っちまった。ま・・・俺も変わりたかったんだよ、要はさ・・・。ただユーガの隣を歩くだけじゃなく、俺にしかできない事をしたかったのさ」
 幼馴染としてずっと共にいたユーガが遠く離れて行ってしまう恐怖は、あの時のネロの中には心の奥深くに根付いていた物だった。ユーガの隣に追いつくため、というその理由だけにシノを助けたというわけではないが、それでもーやはりユーガが遠くへ行ってしまうのは怖かった。
「・・・・・・」
「って、こんな話興味ないよな・・・すまん。さ、早くルイン達のところに行こうぜ!あいつら、大変かもしれねーし!」
 ネロはそう言ったきりシノの方を振り返る事なく、シレーフォの正門へと足を踏み出した。その背中に、隠しても隠しきれない孤独が隠されているような気がしたシノは少し考えるようなそぶりを見せた後、小さく息を吐いてネロの背中を追った。その道中でもネロとシノは会話をする事なく、辺りに魔物がいないかどうかの確認をしながら正門前へ向かう。
「ネロ!シノ!無事でしたか!」
 正門前まで到着すると、どうやらルイン達も魔物を一掃したようでこちらを見るなり破顔して笑顔を向けてきた。そっちこそ、とネロは言って安堵したような声でルインの肩を組んだ。
「お前らも無事だったんだな、良かったよ」
「ええ、私達も今あなた方の手伝いに行こうと思っていたところだったんです・・・。ご無事で何よりです」
「・・・って事は、あとはユーガ達だけか・・・どうする?俺達も城に向かうか?」
 ネロがそう尋ねると後ろからシノに、いえ、と首を振られ、ネロは視線をシノに向けた。
「再びこちらで魔物が現れた際、私達がお城へ向かってしまうとこちらの守りが甘くなります」
「そうですね」とミナもまたシノの言葉に同意したように頷いた。「・・・ユーガさん達を信じて任せましょう」
 正直なところ今すぐに駆けつけたい気持ちはあるが、ネロはそれを抑え込んでシノとミナの言葉に頷いた。ー信じる事が、今のネロにできる事なのだ。
「・・・頼むぜ、ユーガ・・・トビ・・・」
 ネロは遠くに見えるシレーフォ城を視界に捉えて、そう呟いた。

 ~ユーガサイド~
「双焔破!」
 ユーガは焔を纏わせた剣で素早い回転斬りを行う技で場内の魔物の一部を蹴散らしたが、まだまだその姿は絶える事はない。
「くそ、これじゃキリがない・・・!」
「・・・一旦陛下の所へ行くぞ、ユーガ」
「・・・わかったけど・・・どう切り抜ける?」
「俺が魔法で扉までの道を切り開く。その瞬間に走るぞ」
「わかった!」
「力よ爆散せよ・・・穿て」
 トビが魔法の詠唱に入ったのを確認して、ユーガはトビに迫ってくる魔物を一掃し、トビの魔法が完成すると同時にトビの横へ並んだ。
「フォースブラスト」
 トビの魔法は、謁見の間までの道にいた魔物達を蹴散らして消滅させ、ユーガとトビは全く同じタイミングで謁見の間までの通路を駆け抜け、謁見の間をノックすらせずに開けて入ると同時にユーガが即座に扉を閉め、それ以上魔物がこの場に入り込んでこないようにした。トビもそれを見届けて玉座へ視線を向けてーユーガ達は驚愕した。
「あなたは・・・」
「・・・てめぇ・・・どうしてここに・・・!」
 ユーガとトビの視線の先にいる『彼』は玉座へ座るログシオンの階下でわざとらしい動作で頭を下げ、肩越しにユーガ達を振り向き、悪魔のような笑みをその顔に浮かべた。
「・・・貴様らか」
「ヤハルォーツ・・・!」
 ユーガとトビは声を揃えてそれぞれ武器を手に取り、ひとまずログシオンが無事であった事に安堵した。
「・・・陛下、今度はこいつに何を・・・?」
「・・・それが、以前頼まれた時と同じ事を口にしておる・・・それに承諾しなければ、この都市を滅ぼすと・・・」
「・・・へぇ」
 トビはヤハルォーツに冷たい視線を向けて、ヤハルォーツに銃を突きつける。
「・・・やはり殺しておくべきだったな。ヤハルォーツ・・・魔物共を使ってシレーフォを滅ぼすつもりだったんだろうが、邪魔な魔物ゴミ共はもうネロ達が片付けてくれただろうな。」
「ふ・・・フフフ・・・」
 ーと、不意にヤハルォーツは銃を突きつけられているにもかかわらず笑い出し、ユーガとトビは怪訝そうにヤハルォーツを見つめた。
「・・・片付けた、だと・・・?・・・そうか、これはいい・・・傑作だ、ははははは!」
「・・・何が、おかしいんだ・・・!」
 ユーガは剣を引き抜きかけのところで手を止め、ヤハルォーツに鋭い視線でそう聞くと、ヤハルォーツはユーガに視線を向け、ああ、と何かを思い出したように指を突きつけた。
「・・・貴公と会うのは久しぶりではあるな・・・では再開を記念して、こいつをプレゼントしてやろうではないかっ!」
 ヤハルォーツが不意に両手を空に上げると、どこからともなく魔物が音もなく現れ、ユーガとトビは武器を手に持ってその魔物を見た。それは狼のような顔を持ってはいるが二足歩行で歩いており、全身は黒い体毛に覆われている。
「・・・契約は破綻ですぞ、陛下・・・滅ぼすとまではいかずとも、民の命が奪われる恐怖を・・・味わっていただきましょうか」
「・・・てめぇ!待て!」
 いつの間にかヤハルォーツは謁見の間の扉を開けてさらに城内にいた魔物を引き入れ、トビはヤハルォーツに向かって怒りを込めて叫んだ。しかしその声にヤハルォーツは足を止める事なく扉の向こうへ消え、ユーガとトビはそれを追いかけようとしたが魔物に道を阻まれてしまい、二人は唇を噛んで、くそ、と呟いた。
「トビ」
「・・・わかってる。一旦こいつらを蹴散らしてからあいつを追うぞ。それに、さっきのあいつの口調からすると・・・もしかしたらシレーフォの街中にも魔物を蔓延らせてるかもしれねぇ。・・・そっちはネロ達に任せて、今はこっちだ」
「ああ、わかった!俺は前に出るから、トビは後ろで陛下を守ってくれ!」
「わかってる・・・俺に命令するな」
「・・・へへ、頼むぜ!トビ!」
 命令するな、と憎まれ口を叩きながらもユーガの言葉に素直に従い、自分を守っているトビを見て、ログシオンはトビもユーガも、二人が変わったという事を認めざるを得なかった。
「烈牙、墜斬翔!」
 ユーガは烈牙斬を放ってから横薙ぎに剣を振り、魔物達を薙ぎ払ってから高く跳躍して剣を振り下ろす奥義で魔物を怯ませた。その隙を見て、トビは銃でユーガが怯ませた魔物一匹一匹には銃弾を撃ち込み、それ以外の魔物は魔法を放ってかなりの数を殲滅させた。
「流石だな、トビ!」
「無駄口叩く暇があったら手動かせ」
 ユーガはトビのその言葉に笑顔で頷き、着実に減ってきている魔物達へ視線を向けてユーガは魔物達の群れの中心へ向かって走り出し、その最中に固有能力スキル、『緋眼』を解放させてから、ユーガの中にいるイフリートに向かって、叫んだ。
「イフリート!俺に力を貸してくれ!」
(・・・心得た)
「でやぁぁぁぁぁっ!」
 ユーガは武器を思いきり振りかぶり、地面に向かって振り下ろして地面から火柱を立たせる技ー瞬烈火を放って、その力の強大さに驚いた。
「うわっ⁉︎」
 ユーガのその技は以前よりも火柱が大きくなっており、威力も明らかに増幅されている。恐らくこれが、イフリートの力を借りる、という事なのだろう。その威力の前にユーガの周囲にいた魔物達は消し飛ばされ、元素フィーアとなって消滅した。
「・・・まさか、彼は・・・『精霊』の力を・・・」
「・・・陛下、『精霊』の事を知ってるんですか?」
「噂程度でだが・・・まさか誠であったとは・・・」
 トビはログシオンの言葉を聞きながら魔物を蹴散らし続けるユーガを見て、ふん、と軽く鼻を鳴らした。
「・・・それでも、まだまだ俺の足元にも及びませんけど?」
「その割には、かなり彼の事を信用しているようではないのか?」
「・・・魔物がある程度片付いてきたので、俺達は外へ向かいます。ヤハルォーツの言葉を・・・放っておくわけにはいきません」
 トビはログシオンのその言葉を無視して一通り謁見の間の魔物を一掃し終えて一息つくユーガの隣へ立ち、おら、とユーガの背中をかなりの力を込めて叩き、ユーガに視線を向けた。
「ヤハルォーツを追うぞ。まだ間に合うかもしれねぇ」
「・・・いてて・・・ああ、わかった」
 そうしてユーガとトビは謁見の間から出ようとしてートビは足を止めて振り返り、ログシオンへ視線を向けた。
「何か危険があればすぐに隠れてください。いいですね」
 トビの有無を言わせないその強い口調にログシオンは笑みを浮かべて頷き、ふっ、と鼻を鳴らして玉座から降り、トビの前まで歩いてトビの肩に手を置いた。
「お主も気をつけるのだぞ。わかったな?」
「・・・・・・」
「お前は冷たい態度を取っていたが・・・それでもお主の心には、確かな優しさがあった。わしはそれを知っているからこそ、お主の無事を祈ろう」
「・・・行くぞ、ユーガ」
 トビは俯いて少し目を伏せたが、それは一瞬の間だけでログシオンから離れ、扉を開けたままトビの方を見ているユーガに首で、行くぞ、と促して、そのまま彼等の姿は扉の向こうへと消えていった。

「ネロ、シノ!大丈夫か!」
 ユーガとトビがシレーフォ城の外へ駆け出ると、そこには魔物が蔓延るシレーフォの街並みが広がっている中にネロとシノ達を見つけ、ユーガとトビは二人の元へと走った。すると、ネロは破顔してユーガ達に視線を向けて笑みを浮かべ、無事だったんだな、とユーガの肩を叩いた。ユーガはそれに頷いて、辺りに他の仲間達がいない事に気付いた。
「ネロも無事でよかったけど・・・他の皆は?」
「色んなとこに散らばって魔物を倒してくれてるが・・・このままじゃ被害者が出たっておかしくないぞ」
「ネロ、この魔物達はヤハルォーツが召喚したものなんだが・・・奴の姿を見てねぇか?」
 トビがそう尋ねると、ネロは自分に襲いかかってきていた魔物を斬ってその場に伏させて、いや、と首を振ってシノの方へ視線を向けた。
「俺は見てねーな・・・シノ、見たか?」
「いいえ」
 シノも魔物を殴り倒しながら首を振ってネロに視線だけを向けた。そっか、とユーガが俯いた瞬間、ユーガに魔物が迫ってきていて、ユーガは剣を構えるのは間に合わず、思わず目を瞑りー目の前の暗闇の中で、どさり、という音が立ち、ユーガがゆっくりと目を開けると、シノが魔物を蹴りを加えて蹴り倒していて、ユーガの目の前で魔物は姿勢を崩して倒れていた。
「ユーガ、トビ。それなら、まだこの近くにヤハルォーツはいるって事だな?なら、ヤハルォーツを追え!奴にはそろそろ大人しくしてもらいたいからな!」
「ネロ・・・⁉︎けど、ここの守りは・・・」
「行ってください」ユーガの言葉を遮ったシノの言葉に、ユーガはシノに視線を向けた。「ヤハルォーツさんの野望・・・ヤハルォーツさんの思惑が全て思いのままに描かれる世界とやらを完成させるわけにはいきません」
 大丈夫、とネロとシノは頷いてユーガ達を見て街中の方を指差し、ルイン達のいる場所を教えてくれた。
「・・・ユーガ」
「・・・わかった。ネロ、シノ!気をつけて!」
「お前らもな・・・無茶すんなよ!」
「・・・ご無事をお祈りします」
 ユーガ達は頷き合ってネロとシノがユーガ達を庇う形で立ち、ユーガとトビはネロ達が教えてくれた、ルインがいるという方向へ向かって走り、その視線の先にルイン達が魔物と戦っているのを発見して、無事でよかった、と安堵した。
「ルイン!ミナ!リフィア!良かった、無事だったんだな‼︎」
「ユーガ!トビ!あなたこそ!」
「ユーガさん、トビさん!そちらこそ、ご無事で何よりです!」
 ルインとミナがユーガ達に駆け寄って口々に心配の声を口にするが、リフィアは不安そうにユーガ達に視線を向けて、頬を掻いた。
「・・・この魔物、ヤハルォーツの仕業だね?二人とも」
「知ってたのか⁉︎」
「アタシは『魔族』だよ?そのくらいの元素フィーアの乱れはわかるよ」
「・・・ルイン。てめぇは気付いてたのか?」
 トビの問いかけに、ルインはゆるゆると首を振って、いえ、と答えた。
「私はそこまで正確な元素フィーアを感知できませんから・・・。元素フィーア乱れは感知してはいましたが、ヤハルォーツの仕業だったとは・・・ね」
「そっか・・・。それで、俺達はヤハルォーツを追いかけてるんだけど・・・見てないか?」
 ユーガがそう尋ねると、ルインとミナは首を横に振ったがリフィアは、ちょっと待ってね、とユーガ達に断りを入れて地面に手を置いて片膝立ちになり、何かを感じ取るように目を閉じた。
「・・・あっちの方向にかなりの速さで走ってる人はいる。それが・・・ヤハルォーツなんだとすれば・・・」
 リフィアが指差した方向にはまだかなりの量の魔物がいて、リフィアはそちらの方向を見て表情を引き締めた。
「ま、追いかける以前の問題があるからね・・・。まぁ、ここはアタシ達が切り拓くからユーガ君とトビ君、キミ達にヤハルォーツは任せちゃおうかなぁ」
「それが良いでしょうね」とルインはリフィアの言葉に同意し、いつでも魔法を唱えられる体制でユーガ達を背中越しに見た。「ユーガ、トビ。ヤハルォーツをお願いしてもよろしいでしょうか」
「い、いいけど・・・」
「ユーガ、そんな心配そうな顔をしなくても大丈夫ですよ。ご心配はなさらず」
「ルインさん、リフィアさん、何とかここのまっすぐの道を切り拓きましょう」
 ミナの言葉にルインとリフィアは頷いて、ヤハルォーツがいると思われる、その方向の魔物を一掃した。ユーガは、ありがとう、とルイン達に言ってトビと共にヤハルォーツを追いかけた。その途中、ユーガは街中を走りながら仲間達の事を思い、小さく呟いた。
「・・・皆・・・無事でいてくれよ・・・」
「あいつらなら大丈夫だろ。滅多な事じゃ死なねぇ奴らだ」
「・・・そうだな。皆なら、きっと・・・」
「・・・それより・・・ヤハルォーツの魔物を呼び出す能力か?・・・ありゃ、どうにかしねぇとジリ貧になっちまうな」
「・・・ちょっと気になったんだけどさ、あれって・・・ヤハルォーツの固有能力スキルなのかな・・・?」
 ユーガのその疑問に、トビは腕を組んで考え込み、どうだかな、と呟いた。
「・・・可能性はある。・・・が、今はそいつを確かめる方法はない」
「・・・つべこべ言わず、ヤハルォーツを追いかけようって事だな」
「そういう事だ。行くぞ」
「ああ!」
 ユーガとトビは街の中を、ヤハルォーツの姿を探して駆け巡った。ーその時。
「⁉︎」
「・・・ユーガ」
「ああ・・・!悲鳴・・・⁉︎」
 ユーガ達の耳には確かにそれが届き、その方向へ視線を向けた。
「・・・もしかして、ヤハルォーツか・・・⁉︎」
「・・・行くか?」
「ああ。困ってる人がいるのに、放っておけない!」
「しゃーねぇな・・・」
 ユーガはそう言いながらその悲鳴が聞こえてきた方向へと駆け出し、トビは頭をがしがしと掻いてユーガの後を追った。ー何だかんだでトビが色々と助けてくれている事にユーガは喜びを覚えたが、今はそれを口には出さず、微かな笑みを浮かべるだけに留めておいた。

 ユーガ達が走って行った先、悲鳴が聞こえた場所に辿り着いたユーガ達はその先の光景に目を疑った。そこは街の広場のような場所となっていて、そこにはー恐らくシレーフォの住人だと思われる女性に手に持っていた短剣を突き刺し、絶命した女性をちかくにいた魔物に向かって投げた。
「ヤハルォーツ!」
「・・・来たのか」
「何して・・・⁉︎」
 ユーガはそこまで言って口をつぐんで、ヤハルォーツの辺りを見渡した。そこには何人もの人達が倒れていて、魔物達が涎を垂らして今にも口に入れようとしていた。
「・・・ヤハルォーツ・・・お前がここの人達を・・・殺したのか⁉︎」
「おや?ログシオン陛下のところで言ったでしょう?民の命を奪われる恐怖を味わっていただく、とね」
 さも当然のように告げたヤハルォーツの言葉に、ユーガはかっとなって腕を振って怒鳴った。
「ふざけんな!そんな理由で殺されるシレーフォの皆の思いを考えろ!」
「何を言うか。むしろ私に殺されて光栄に思うがいい。次の世界の神となる私に殺される・・・これほどの名誉な事はなかろう」
「何だと⁉︎誰かに殺されて名誉な事なんてあるわけがない!」
「貴様らも今ここで殺しておこうではないか。そうくれば、貴様らも私に殺されるありがたみがわかる事であろう」
 ヤハルォーツのその発言にユーガは完全に逆上して剣に手をかけてそれを引き抜きかけたが、トビに右肩を掴まれてそれは叶わなかった。
「落ち着け。あの野郎がクズだって事は前々からわかってた事だ」
「けど!何の罪もない人達に、こいつは手をかけたんだぞ!」
「だから・・・言ってるだろ、落ち着けってな。てめぇがここでブチギレたところで、結末は変わらねぇ。・・・俺達がここで、こいつを殺すって事はな。だからてめぇは深呼吸でもしとけよ。怒りに任せて行動しても意味ねぇ」
「・・・くそっ・・・、・・・わかった・・・」
ユーガはトビに言われた通りに一度小さく深呼吸をし、ヤハルォーツを睨んで落ち着いた体でゆっくり剣を引き抜いた。
「・・・俺はあんたを・・・絶対に許さない!」
「おい」とトビがホルダーから銃を引き抜き、ヤハルォーツに向けて切れ長な瞳で睨みつけた。「てめぇのその足元で転がってる奴らは俺の知り合いでな。誰かのおかげさんで死んじまった。だから、てめぇは殺しておかねぇとなんかイラつくんだ」
そのトビの言葉にユーガの胸にはさらに怒りが渦巻いたがそれを何とか抑え込み、ユーガは剣をしっかりと握りしめると、ヤハルォーツはユーガ達を見てさらにその顔に笑みを深めた。
「私に殺される事を光栄に思いながら・・・地獄へ落ちるがいい!」
ヤハルォーツはユーガ達にそう告げると握っていた短剣を向けて、先程謁見の間でそうしたように再び魔物を召喚すると、その魔物はユーガ達に襲いかかってきた。
「新世界の神に殺される事に感謝しろ!」
「感謝だぁ?笑わせんなよ。てめぇが感謝されるようなタチかよ」
「貴様らは私に殺されてから、私に感謝するだろうな?貴様らは地獄で私に感謝を述べながら、世界が新しく生まれ変わるのを見ているといい」
ヤハルォーツはそう言いながらユーガに向かって短剣で襲いかかってきたが、ユーガはそれをいなしてヤハルォーツの短剣とユーガの剣が交じり合った直後に思い切り力を込めて、ヤハルォーツを吹き飛ばした。その隙を見逃さずにユーガはヤハルォーツを追いかけて連撃を入れようとしたが、横から現れた魔物によってそれは叶わずにユーガは急ブレーキをかけて魔物を見た。先程謁見の間でヤハルォーツが出した魔物と同じ魔物が現れたので、焦る事はないがヤハルォーツにとどめをさせなかった事にユーガは歯噛みし、くそ、と呟いてトビの横へ飛んだ。
「あの魔物がいる限り、あの野郎に一撃喰らわせるのはキツいだろうな」
「・・・じゃあ、まずはあいつを何とかしないとって事か・・・」
「そういう事・・・ユーガ、避けろ」
トビは話を途中で遮ってユーガの肩を押して横に飛び、ユーガは右へ、トビは左へと転がると、数秒前までユーガ達が立っていたところへ球体で紫色の何かが通り過ぎていき、ユーガはその地面を見て戦慄した。それはヤハルォーツが放った魔法であり、それが通ったと思われるルートにはヤハルォーツが立っていた場所からユーガ達の立っていた場所までの地面が抉られたように凹んでいて、その場所には空気以外の何も残っていないようにユーガには思えた。
「ほう、かわしたか・・・我が魔法、ダークスフィアは固有能力スキル、『断切』によってブラックホールの如くその場の物質を削り取る事が・・・」
「・・・あーあー、うるせーんだよクズのおっさん。誰も聞いてねーし求めてねーっつーの」
トビのその言葉はヤハルォーツの堪忍袋の尾を完全に切ったようで、ヤハルォーツはトビに目を細めて見下すような視線を向けた。
「・・・貴様・・・」
「・・・ああ、そうそう。最後に一つだけてめぇに言っとかなきゃならねぇ事がある」
「・・・何?」
「・・・自分勝手な夢を語るのは良いが・・・余裕ぶっこかない方が身の為だぜ」
そのトビの言葉の直後、ヤハルォーツの前に立っていた魔物の姿が一瞬にして元素フィーアへと返っていって、ヤハルォーツは何が起こったかわからなかった。
「・・・『そいつ』は・・・舐めてかかるとこえーからな」
その魔物の返っていった元素フィーアの後ろから、『緋眼』を解放させた少年がーユーガが剣で魔物を斬り倒して、ヤハルォーツに向かって来るのが見えて、ヤハルォーツは咄嗟に短剣で防御した。
「双牙閃空‼︎」
ユーガは右回りに剣を両手で握りしめてヤハルォーツに向かって横薙ぎに振ってヤハルォーツを怯ませ、さらにその反動を活かして怯んだために少し離れてしまったヤハルォーツに向かって一気に距離を詰めて今度は剣を下から上へ掬い上げた。
「ぬぅ・・・⁉︎」
「大地よ隆起せよ・・・受けよ、無慈悲なる大地の双牙」
さらに、ユーガの耳にはトビの詠唱が聞こえてきて、トビの方へちらりと視線を向けてユーガはその場から離れた。
「グランドクェイク」
その魔法はヤハルォーツが落ちた地面そのものを揺るがし、さらに無数に槍のように尖った岩を隆起させてヤハルォーツを襲った。
「うぉぉぉぉぉっ⁉︎」
ユーガとトビの連撃を受けてヤハルォーツは膝を付いて肩で息を吐き、トビは銃をヤハルォーツの頭に押し当てた。
「・・・言っただろ?てめぇが死ぬ事に変わりはねぇんだよ」
トビのその大地の底から響いてきたように恐ろしく冷たい言葉に、ヤハルォーツだけでなくユーガも身震いした。
「や、やめろ・・・!私が死ねば、新世界の神は・・・⁉︎」
「新世界なんて作らせねぇ。それにこの世界に神もいらねぇ。・・・残念だが、もうてめぇは終わりだ」
「ま、待て!欲しい物は何でもやる!金か⁉︎名誉か⁉︎それを私なら無尽蔵に与えてやれる!」
「・・・もうてめぇには言葉も出ねぇよ」
トビから出た冷徹なその言葉がユーガの耳に響くと同時に乾いた銃声音がユーガの耳に届き、ユーガは思わず眼を瞑って顔を逸らした。どさり、とヤハルォーツの体は倒れ、トビはその体に背を向けて街の広場の中心に倒れている人達に視線を向けて、ほんの僅かに顔を上に上げて眼を細めた。
「・・・新世界・・・ねぇ」
「・・・ヤハルォーツ・・・」
「ヤハルォーツを殺した事によって救われた命もある。・・・助からなかったのは、運がねぇ奴等だけだったんだ」
「・・・そんな言い方・・・」
「ユーガ、教えてやるよ。・・・時には『そんな言い方』が必要な時だってあるんだよ。そうじゃなけりゃ、どうやってヤハルォーツが殺した奴等を見出してやれる?」
「・・・それは・・・」
「『もっと早く来れたら』、『あの時ヤハルォーツを殺してれば』、とでも言うつもりか?そんなもんはただのたらればだ。・・・そいつは死んでいった奴等にとっては冒涜でしかねぇんだよ」
恐らくーそうと思わなければ、ユーガだけでなくトビ自身も受け入れられないのだろう、とユーガは思った。彼が生まれ育った故郷の人々が死んでいき、それを助けられなかったのだから。ーだから。
「・・・トビ、皆のところに戻ろう」
「・・・あ?」
「俺達はまだ生きてる。ヤハルォーツに殺されちまった人達の思いも背負ってさ・・・前に歩こう」
「・・・・・・」
「多分それが・・・『生きる』って事なんだと思う。それに、やっぱりヤハルォーツのやり方には俺は納得できないから・・・それが間違ってた事を証明するためにも、俺達は前に進もう」
「・・・ああ」
トビは頷いて視線を戻し、先に歩き出したユーガを追いかけようとしてーもう一度視線を倒れている人々へ向けて、小さく口を開いた。
「・・・あばよ。あんたらといた時間・・・悪くなかった」
幼き頃、何もわからなかった自分は冷たくあしらったにも関わらず、色々な事を教えてくれ、トビに寄り添おうとしてくれていた。幼き頃のトビにとっては邪魔だと思っていたがー今考えれば、そんな事はないのだろう。きっとそれがなければ自分は絶望し、自ら命を絶っていただろう。
「・・・あんたらは大人しく天国で眠ってな・・・。あんたらが心配した『孤独』に陥る事は・・・もう無いらしいからな」
トビはそこまで言って、柄じゃねぇ、と思いながらも前髪で隠れていた右眼を見せるように髪を掻き上げる。
「・・・あんたらは人柄を良くしろとかどーだこーだ言ってた割には、俺にも・・・どうやら『仲間』は出来たらしい。ざまーみろ」
僅かにその口元に笑みを浮かべてそう皮肉を告げ、トビは視線を背けてユーガの後を追った。もう彼等と会う事も話す事もできないからこそ、彼等の思いを背負って前を向いて歩くー、ユーガの言葉を反芻して、トビはコートのポケットに手を突っ込んだ。
「・・・馬鹿のくせに、たまには正論言うじゃねぇかよ・・・。あー、うぜぇな・・・」
しかし、それでもユーガに対する嫌悪感などは全く無く、トビはユーガに追いついてその横に並んだ。
「・・・次はメレドル近くの遺跡・・・だっけ?」
ユーガのその言葉にトビは頷いて、コートの中に突っ込んだままいつの間にか握りしめていた手を少し緩めた。
「・・・ああ。そのついでにレイにも会うがな」
「レイ・・・大丈夫かな?また無理してないといいけど・・・」
「一応言っとくが、あいつは敵だからな」
「敵だとしても、何か事情がある時もあるかもだろ?だから、前に助けてくれたじゃんか」
「・・・その楽観視する性格・・・羨ましいぜ」
トビは呆れながらも心の中で少しだけそう思い、ふん、と鼻を鳴らしてコートのポケットから手を出して腕を組んだ。そうか?とユーガは尋ねたが、トビはそれ以上答える事なくルイン達がいた入り口へ向かって行き、ユーガもそれを追いかけようとしてー心の中にイフリートの声が響いてきた。
(・・・ユーガよ)
(イフリート?どうしたんだ?・・・あ、そういえばさっきヤハルォーツと戦ってる時も静かだったよな?)
(・・・貴様は我がそんなにぎゃーぎゃー騒ぐ性格だとでも思ってるのか?お前ではあるまいし、我はそんな事はせん)
(そ、そっか・・・それで?どうした?)
(・・・先程、我が何も言わなかった時についてだ。我は黙っていたのではなく・・・出られなかったのだ)
イフリートのその言葉にユーガは驚きに声が出そうになり、恐らくトビには気付かれただろうがそれは気にせずにイフリートとの会話に集中した。
(どういう事だ⁉︎)
(わからぬ。お前の体から出ようとした時、我は何者かに押さえ付けられているように何も動けなかったのだ)
(・・・後で色々調べてみるよ。ありがとう、イフリート)
ユーガがそう礼を告げるとそれ以降イフリートの声は途切れ、ユーガは意識を戻して少し離れてしまっているトビの横へと走って共に歩いて、仲間達との合流を目指してもう一度歩き出した。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

突然シーカーになったので冒険します〜駆け出し探索者の成長物語〜

平山和人
ファンタジー
スマートフォンやSNSが当たり前の現代社会に、ある日突然「ダンジョン」と呼ばれる異空間が出現してから30年が経過していた。 26歳のコンビニアルバイト、新城直人はある朝、目の前に「ステータス画面」が浮かび上がる。直人は、ダンジョンを攻略できる特殊能力者「探索者(シーカー)」に覚醒したのだ。 最寄り駅前に出現している小規模ダンジョンまで、愛用の自転車で向かう大地。初心者向けとは言え、実際の戦闘は命懸け。スマホアプリで探索者仲間とダンジョン情報を共有しながら、慎重に探索を進めていく。 レベルアップを重ね、新しいスキルを習得し、倒したモンスターから得た魔石を換金することで、少しずつではあるが確実に成長していく。やがて大地は、探索者として独り立ちしていくための第一歩を踏み出すのだった。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...