1 / 45
絆の邂逅編
プロローグ
しおりを挟む
西暦フィアリス二千六年一月二十一日
・・・我が次男にはどうやら「絆」を意味する「緋眼」の力があるらしい。だが、調べた書物によればこの「緋眼」は世界を滅ぼす力にもなりうるようだ。だが、俺の息子だ。そんな事はしないだろう。ーだから、こいつには太古エルスペリア語で「絆」の意を持つ名、『ユーガ』にしよう。
テリー・サンエット
西暦フィアリス二千五年十二月二十一日
・・・まさか蒼眼の力が我が息子に宿るとはな・・・。中々面白い。しかも意図せず元素を自分に集めるようだ。蒼眼の意味は「繋がり」らしい。・・・なら、太古エルスペリア語で「繋がり」を用いて『トビ』を息子の名としよう。
セイガ・ナイラルツ
二人は互いを見合い笑い合う。お前は光となり、俺がそれを支える影になるのだと。ある日の拙い約束を再び交わした。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・。」
西暦二千十一年、夜。雨の降る王都、ガイアを、一つの小さな影が駆け抜ける。走っている少年の後ろには、焦げ落ちた貴族邸が広がっていて、それは雨によって悲しい音を立てていて、ただ悲惨な光景が広がっていた。少年は、五歳という幼さにして家族も、友人も全て失った。それを理解するのは容易いほど、悲惨な光景を目の当たりにした。
「あっ・・・!」
少年はつまずき、雨に濡れた地面に倒れる。雨に濡れ、体から力が抜けていく。
(お、母さ・・・)
瞼が、開かない。鉛のように重くなった瞼が、だんだん下がってくる。ーその中で少年は、微かに開いた緋色の瞳から、青髪の少年の姿を見た。体がふわっと浮く感触を感じながら、少年は意識が遠のいていった。
・・・我が次男にはどうやら「絆」を意味する「緋眼」の力があるらしい。だが、調べた書物によればこの「緋眼」は世界を滅ぼす力にもなりうるようだ。だが、俺の息子だ。そんな事はしないだろう。ーだから、こいつには太古エルスペリア語で「絆」の意を持つ名、『ユーガ』にしよう。
テリー・サンエット
西暦フィアリス二千五年十二月二十一日
・・・まさか蒼眼の力が我が息子に宿るとはな・・・。中々面白い。しかも意図せず元素を自分に集めるようだ。蒼眼の意味は「繋がり」らしい。・・・なら、太古エルスペリア語で「繋がり」を用いて『トビ』を息子の名としよう。
セイガ・ナイラルツ
二人は互いを見合い笑い合う。お前は光となり、俺がそれを支える影になるのだと。ある日の拙い約束を再び交わした。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・。」
西暦二千十一年、夜。雨の降る王都、ガイアを、一つの小さな影が駆け抜ける。走っている少年の後ろには、焦げ落ちた貴族邸が広がっていて、それは雨によって悲しい音を立てていて、ただ悲惨な光景が広がっていた。少年は、五歳という幼さにして家族も、友人も全て失った。それを理解するのは容易いほど、悲惨な光景を目の当たりにした。
「あっ・・・!」
少年はつまずき、雨に濡れた地面に倒れる。雨に濡れ、体から力が抜けていく。
(お、母さ・・・)
瞼が、開かない。鉛のように重くなった瞼が、だんだん下がってくる。ーその中で少年は、微かに開いた緋色の瞳から、青髪の少年の姿を見た。体がふわっと浮く感触を感じながら、少年は意識が遠のいていった。
20
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる