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最終章
第277話 報告
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王都の中心に位置する王宮の玉座の間にて、国王は臣下からの報告を聞いていた。
「Sランク冒険者のお三方のいらっしゃる街で巨大なモンスターが突如出現し、街を破壊した模様です」
「それで、被害は」
「現時点で確認されているのはレオン様のところでは死者二十四名、建物の全壊十七棟、半壊五十三棟、ロンド様のところでは死者四十七名、全壊五棟、半壊十九棟、サラ様のところでは被害なしということです」
報告を最後まで聞き、国王は眉毛をピクリと動かす。
「被害なしとはどういうことだ。モンスターが街を破壊したのではなかったのか」
「はい、サラ様のところでもモンスターは出現したのですが、被害が出る前にたまたま居合わせた一人の少女に倒されたと聞いております。なんでも炎に呑まれるようにしてモンスターは一瞬で燃え尽きてしまい、骨だけが残ったとか」
突如として官僚たちがざわつきだす。その場に居合わせたとはいえ、他のSランク冒険者が駆けつけるまでに街を破壊しつくしたようなモンスターをたった一人で倒した──それも被害はゼロ。
Sランク冒険者の実力に匹敵するのでは──そんな声が随所から漏れる。
「静粛に。報告は以上か」
「いえ、まだあります。ロンド様の方も実際にモンスターを倒したのは弟子でAランクパーティのコルネのようです。ロンド様は朝方に王宮からの使者を名乗る者に冒険者会議のために連れ出されたようで」
「なるほど。偽の使者か」
考える素振りを少し見せた後、王は「続きを」と短く言葉を発する。
「連れ出されたロンド様は途中で偽物だと気付かれ、走ってラムハまで向かわれたそうです。ですが満身創痍のまま闘われ、負傷されたそうです──」
「──ロンドは無事なのか?」
「命に別状はないそうです」
肩を撫で下ろす国王。ひと息ついた後、またゆっくりと話し始める。
「実行犯の方はどうなっている?」
「それが──サラ様のところでは例の少女が確保しておりますが、他の二ヶ所ではまだ捉えられておりません」
「逃げ惑う人々に紛れて逃げたか、はたまた瓦礫に押し潰されてしまったか……報告は以上か?」
「はっ、左様にございます」
報告に来た家臣が玉座の間から出ていくと、再び官僚たちはざわつきはじめ、国王は一人玉座に座ってこめかみを押さえていた。
「Sランク冒険者のお三方のいらっしゃる街で巨大なモンスターが突如出現し、街を破壊した模様です」
「それで、被害は」
「現時点で確認されているのはレオン様のところでは死者二十四名、建物の全壊十七棟、半壊五十三棟、ロンド様のところでは死者四十七名、全壊五棟、半壊十九棟、サラ様のところでは被害なしということです」
報告を最後まで聞き、国王は眉毛をピクリと動かす。
「被害なしとはどういうことだ。モンスターが街を破壊したのではなかったのか」
「はい、サラ様のところでもモンスターは出現したのですが、被害が出る前にたまたま居合わせた一人の少女に倒されたと聞いております。なんでも炎に呑まれるようにしてモンスターは一瞬で燃え尽きてしまい、骨だけが残ったとか」
突如として官僚たちがざわつきだす。その場に居合わせたとはいえ、他のSランク冒険者が駆けつけるまでに街を破壊しつくしたようなモンスターをたった一人で倒した──それも被害はゼロ。
Sランク冒険者の実力に匹敵するのでは──そんな声が随所から漏れる。
「静粛に。報告は以上か」
「いえ、まだあります。ロンド様の方も実際にモンスターを倒したのは弟子でAランクパーティのコルネのようです。ロンド様は朝方に王宮からの使者を名乗る者に冒険者会議のために連れ出されたようで」
「なるほど。偽の使者か」
考える素振りを少し見せた後、王は「続きを」と短く言葉を発する。
「連れ出されたロンド様は途中で偽物だと気付かれ、走ってラムハまで向かわれたそうです。ですが満身創痍のまま闘われ、負傷されたそうです──」
「──ロンドは無事なのか?」
「命に別状はないそうです」
肩を撫で下ろす国王。ひと息ついた後、またゆっくりと話し始める。
「実行犯の方はどうなっている?」
「それが──サラ様のところでは例の少女が確保しておりますが、他の二ヶ所ではまだ捉えられておりません」
「逃げ惑う人々に紛れて逃げたか、はたまた瓦礫に押し潰されてしまったか……報告は以上か?」
「はっ、左様にございます」
報告に来た家臣が玉座の間から出ていくと、再び官僚たちはざわつきはじめ、国王は一人玉座に座ってこめかみを押さえていた。
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