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最終章
第268話 対バジリスク 其の二
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「まずはわしだけが行って様子をみる。それで大丈夫そうなら慎重に、連携を切らさぬように少しずつ削るんじゃ」
「「「「「はい!」」」」」
そう言って弟子たちと一緒にわしもバジリスクの方へ向かっていく。首をもたげているために直接首を狙うことはできないので、まずは支えている胴体から狙う。
「……おっと」
しかしバジリスクも黙ってやられるはずもなく、近づいてきたわしらを尾で薙ぎ払おうとする。身長ほどの太さがある尾に当たれば、ふっとばされて少なくとも闘えなくはなるじゃろうが──
「遅い」
体が巨大化しているからか、動きはそれほど速くない。普通のバジリスクよりは素早い気がするが、それでも山で出るAランク相当のモンスターに比べれば遅い方だ。
わしは尾を躱し、そのまま胴体を斬りつける。
「シャアアアアアアアアアア」
傷から血が噴き出すと同時に頭上からバジリスクの声が降り注ぎ、大きな口がわしを狙ってくる。
「──ハァッ!」
一直線に近づいてくるそれも避け、今度は頭にも一撃を叩きこむ。致命傷にはならなかったようだが、相当効いているようでバジリスクはのたうち回っている。
建物すら破壊する攻撃に当たってしまうとひとたまりもないため、バジリスクから距離をとり戦闘に参加するタイミングを見計らっていた弟子たちのもとに下がるが……
「どんどん崩れていきますね……」
かろうじて立っていた家々にバジリスクの胴体や頭がぶつかり、跡形もなくガラガラと崩れる。降ってきた瓦礫がバジリスクに当たると、さらに暴れる勢いが増し、どんどん建物が壊されていく。
勢いが衰えるまで待つべきではあるのだが、それまで黙って建物が壊されるのを見ているだけというのはやるせない。
「お師匠様」
「だめじゃ、瓦礫に潰されて死ぬぞ」
「ですが……!」
「わしが合図するまで出てはならん」
やるせないが、今はそうするしかないのじゃ。激しく動いておるうちは、出ていっても攻撃を避けるのにせいいっぱいになってしまう。
周りの建物が全て壊れたあたりで、バジリスクの動きが鈍る。
「今じゃ!」
弟子たちに合図をし、わしは倒れているバジリスクの頭めがけて剣を振り下ろそうとする。それにバジリスクも気付いたのか、カッと目を見開いて尻尾でわしのいるところを横薙ぎにしようとするが──
「ハッ!」
一緒に出てきた弟子たちがそれをいなす。
「これで終わりじゃ」
バジリスクの首を斬ると深い傷ができ、そこから大量の血が噴き出す。手ごたえはあった。この出血量ではもう死んだじゃろう。
ここからが大変だ。道場にいるように言った弟子も呼び寄せて救助活動をしなければ。
「今から救助活動に移る。一人だけ道場へ他の者を呼びに行って、他は全員で瓦礫に埋まっておる人を助けるんじゃ」
まったくどこの誰があのモンスターを連れてきたんじゃ。バジリスクなど近くの山にはおらんはずなのに……いや、考えるのは後じゃ。今は救助に集中せねば。
「「「「「はい!」」」」」
そう言って弟子たちと一緒にわしもバジリスクの方へ向かっていく。首をもたげているために直接首を狙うことはできないので、まずは支えている胴体から狙う。
「……おっと」
しかしバジリスクも黙ってやられるはずもなく、近づいてきたわしらを尾で薙ぎ払おうとする。身長ほどの太さがある尾に当たれば、ふっとばされて少なくとも闘えなくはなるじゃろうが──
「遅い」
体が巨大化しているからか、動きはそれほど速くない。普通のバジリスクよりは素早い気がするが、それでも山で出るAランク相当のモンスターに比べれば遅い方だ。
わしは尾を躱し、そのまま胴体を斬りつける。
「シャアアアアアアアアアア」
傷から血が噴き出すと同時に頭上からバジリスクの声が降り注ぎ、大きな口がわしを狙ってくる。
「──ハァッ!」
一直線に近づいてくるそれも避け、今度は頭にも一撃を叩きこむ。致命傷にはならなかったようだが、相当効いているようでバジリスクはのたうち回っている。
建物すら破壊する攻撃に当たってしまうとひとたまりもないため、バジリスクから距離をとり戦闘に参加するタイミングを見計らっていた弟子たちのもとに下がるが……
「どんどん崩れていきますね……」
かろうじて立っていた家々にバジリスクの胴体や頭がぶつかり、跡形もなくガラガラと崩れる。降ってきた瓦礫がバジリスクに当たると、さらに暴れる勢いが増し、どんどん建物が壊されていく。
勢いが衰えるまで待つべきではあるのだが、それまで黙って建物が壊されるのを見ているだけというのはやるせない。
「お師匠様」
「だめじゃ、瓦礫に潰されて死ぬぞ」
「ですが……!」
「わしが合図するまで出てはならん」
やるせないが、今はそうするしかないのじゃ。激しく動いておるうちは、出ていっても攻撃を避けるのにせいいっぱいになってしまう。
周りの建物が全て壊れたあたりで、バジリスクの動きが鈍る。
「今じゃ!」
弟子たちに合図をし、わしは倒れているバジリスクの頭めがけて剣を振り下ろそうとする。それにバジリスクも気付いたのか、カッと目を見開いて尻尾でわしのいるところを横薙ぎにしようとするが──
「ハッ!」
一緒に出てきた弟子たちがそれをいなす。
「これで終わりじゃ」
バジリスクの首を斬ると深い傷ができ、そこから大量の血が噴き出す。手ごたえはあった。この出血量ではもう死んだじゃろう。
ここからが大変だ。道場にいるように言った弟子も呼び寄せて救助活動をしなければ。
「今から救助活動に移る。一人だけ道場へ他の者を呼びに行って、他は全員で瓦礫に埋まっておる人を助けるんじゃ」
まったくどこの誰があのモンスターを連れてきたんじゃ。バジリスクなど近くの山にはおらんはずなのに……いや、考えるのは後じゃ。今は救助に集中せねば。
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