パーティを抜けた魔法剣士は憧れの冒険者に出会い、最強の冒険者へと至る

一ノ瀬一

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第十一章 サラの魔法道場編

第258話 サラの魔法道場 其の十五

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 討伐の後は、ときどき来るお弟子さんと一緒に魔法のあれこれを考えて──という日々で、比較的のんびりしていた。

 オリジナル魔法の開発に協力してほしいと言ってきたお弟子さんの中には洪水のように大量の水を出す人や、ボコボコと自在に地面を盛り上げたりへこませたりする人がおり、いろんな才能が集まっていることを改めて実感した。

 そこまで魔法に長けているのなら、もはやオリジナル魔法は必要ないのではと思えたが、やはり魔法使いにとってオリジナル魔法は重要らしい。一部の珍しい系統を使える人を除いてオリジナル魔法はアイデンティティであり、魔法使い同士での名刺代わりのようなものだとあるお弟子さんは言っていた。

 協力してほしいと言われて俺もできる限りのことをやっているつもりではあるが、正直魔法のことについてはさほど詳しくないし、自分の使えない系統になるともう点で分からない。的外れなことを言ったことも何度もあったと思う。

 しかし分からないなりに考えを伝えると、皆魔法に対する造詣が非常に深いからか、「その線もあるか……」とか「それは試したが、あれは試してなかったな……」だとか呟きだして自己完結に近いかたちで何かの糸口を掴んでいるようだった。

 自分の魔法について深い理解があっていろんなことを試しきっている人にとっては、たとえ稚拙な回答でも何か新しいアイディアのきっかけになるのかもしれない、なんてことを考えた。

 そうやって過ごす日々も悪くないと思っていたが、ついに帰る日がやってくる。
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