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第十一章 サラの魔法道場編
第250話 初めてのAランクモンスター討伐
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魔法道場滞在二日目──今日は討伐に充てようと昨日から決めていた。討伐をさっさと終わらせてしまった方が気が楽だし、昨日みたいに他人の魔法についてあれこれ考えるのは結構疲れるから疲れが溜まらないうちに、と思ったのだ。
昨日と同じように食堂で朝食を摂り、ルカたちが練習場に向かうのと一緒に寮を出て冒険者ギルドへ向かう。
冒険者ギルドは魔法道場のすぐ近くに建っていた。歴史を感じる外観は、サラさんが道場をこの地に建てなければならなかったほどにモンスターの被害が多かった、という話を裏付けるようだ。
中はどうなっているのだろうと思いながらギルドの扉を開けてみると、予想通り古めかしい雰囲気だったのだが、それ以上に目を引く存在がそこにはいた。
「いらっしゃい」
寂れたギルドの中、ただ一人ポツンと受付に座っている老女。大きな帽子を目深に被っており顔は隠れているが、そもそもあの帽子を俺は見たことがある。
「どの依頼を受けるかい?」
「……サラさん、ですよね?」
はぁ、と小さくため息をついてから、老女──サラさんは目深にしていた帽子のつばをクイッと持ち上げる。
「そうさね……このギルドは私の道場が出来てからは、とんと冒険者が来なくなってしまってねぇ。モンスターは私や弟子が狩ってしまうから当然なんだけど、どうしても寂しくて討伐クエストに行くときはこうしてギルドの真似事をしてるのさ」
たしかにサラさんのところで対応できてしまうのなら報酬のもらえない冒険者は去っていくだろう。サラさんがここで冒険者ギルドごっこをしているのを想像すると微笑ましい気持ちになる。
「それで、どのクエストを受けるんだい?」
掲示板に貼るのはさすがに面倒だったのか、サラさんが奥から何枚かの紙を持ち出す。それぞれにモンスターとその討伐部位、報酬が書かれているが、そのうちの一枚にはでかでかと「おすすめ」と書かれている。
これは──選べってことなのかな。討伐対象はマーナ・ガルム──ウルフによく似ているが群れでの連携が上手いウルフと違い、単体が非常に強いAランク相当のモンスターだ。
「……これにします」
「そうかい──一応毛皮の素材クエストではあるけど、初めてだし素材はできたらでいいさね。それじゃ、健闘を祈るよ」
クエストの書かれた紙をトントンとまとめながら、サラさんは俺を送り出してくれた。
昨日と同じように食堂で朝食を摂り、ルカたちが練習場に向かうのと一緒に寮を出て冒険者ギルドへ向かう。
冒険者ギルドは魔法道場のすぐ近くに建っていた。歴史を感じる外観は、サラさんが道場をこの地に建てなければならなかったほどにモンスターの被害が多かった、という話を裏付けるようだ。
中はどうなっているのだろうと思いながらギルドの扉を開けてみると、予想通り古めかしい雰囲気だったのだが、それ以上に目を引く存在がそこにはいた。
「いらっしゃい」
寂れたギルドの中、ただ一人ポツンと受付に座っている老女。大きな帽子を目深に被っており顔は隠れているが、そもそもあの帽子を俺は見たことがある。
「どの依頼を受けるかい?」
「……サラさん、ですよね?」
はぁ、と小さくため息をついてから、老女──サラさんは目深にしていた帽子のつばをクイッと持ち上げる。
「そうさね……このギルドは私の道場が出来てからは、とんと冒険者が来なくなってしまってねぇ。モンスターは私や弟子が狩ってしまうから当然なんだけど、どうしても寂しくて討伐クエストに行くときはこうしてギルドの真似事をしてるのさ」
たしかにサラさんのところで対応できてしまうのなら報酬のもらえない冒険者は去っていくだろう。サラさんがここで冒険者ギルドごっこをしているのを想像すると微笑ましい気持ちになる。
「それで、どのクエストを受けるんだい?」
掲示板に貼るのはさすがに面倒だったのか、サラさんが奥から何枚かの紙を持ち出す。それぞれにモンスターとその討伐部位、報酬が書かれているが、そのうちの一枚にはでかでかと「おすすめ」と書かれている。
これは──選べってことなのかな。討伐対象はマーナ・ガルム──ウルフによく似ているが群れでの連携が上手いウルフと違い、単体が非常に強いAランク相当のモンスターだ。
「……これにします」
「そうかい──一応毛皮の素材クエストではあるけど、初めてだし素材はできたらでいいさね。それじゃ、健闘を祈るよ」
クエストの書かれた紙をトントンとまとめながら、サラさんは俺を送り出してくれた。
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