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第十一章 サラの魔法道場編
第244話 サラの魔法道場 其の九
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翌朝起きてみると、ルカが寝ている間に魔法を使ったと騒ぎになっていた。聞いたところ、今まではなかったらしくこのタイミングでということは、俺が原因である可能性が高いんじゃないかと考えた。
もしかすると俺のいびきがうるさすぎて隣の部屋まで聞こえてしまい、睡眠状態が乱されたから──それで無意識に魔法を使った?
俺のいびきがうるさいかは分からないが、他にも俺の寝相が悪くて壁を蹴ってしまった可能性だってある。
そう思って、俺が原因かと訊くとルカは違うと言ってくれたが、裏腹に目は泳いでいた。ルカに迷惑をかけないように、今晩は口を塞ぎ、体を縛ってから寝るべきだろうか。
朝食の後、部屋で待っていると、昨日約束していた通りにエリックが迎えに来たのでそのまま後をついていく。研究といえばごちゃごちゃした部屋でやるのかと思いきや、意外にも行き先は屋外だった。
どうやら屋内では危ない魔法を扱うときはここを使うようになっているらしい。周りでは大勢のお弟子さんたちが距離を取って修行に励んでおり、方々で炎が立ち昇ったり地面がボコボコと盛り上がったりと、見ていて飽きない。
「まずはここで魔法剣を使ってほしい」
エリックに言われるままに、とりあえずは一番得意な炎がいいかと炎の魔法剣を見せる。
「すごい……夜に見たらもっと綺麗だろうな……」
エリックは初めて見るであろう魔法剣に見惚れているようだ。
「でも俺、炎は使えないんだよな……コルネ、何か違う系統の魔法剣って使える?」
それならば、と水の魔法剣に切り替える。
「こっちも綺麗だね。剣のまわりに水が浮かんでいるのがなんとも不思議というか……魔法剣って面白いな──コルネ、他にも使える系統があったら見せてよ」
これだけ反応がいいのなら見せてと言われて悪い気はしない。俺は水から雷、雷から風……と次々に魔法剣を切り替えていく。
すると、四つ目の風あたりから感嘆というよりは驚愕の表情がエリックに映る。
土と氷の魔法剣も見せてこれで全部だと言う頃にはエリックの目はまるで信じられないものを見たかのように見開かれ、口はあんぐりと開いていた。
「すごい……すごいよ! 六系統も使えるなんて魔法使いでも滅多にいないのに!」
興奮して大声でまくし立てるエリックに、各々で修行に取り組んでいた他のお弟子さんもなんだなんだと集まってくる。
エリックが事情を説明すると、他のお弟子さんに見たい見たいとせがまれたので、もう一度同じように魔法剣を切り替えていく。
一度切り替えるごとに「おお……」という歓声が上がるので悪い気は全くしないのだが、俺は研究の協力をしに来たはずがなんでこんなことになっているんだろうか……
もしかすると俺のいびきがうるさすぎて隣の部屋まで聞こえてしまい、睡眠状態が乱されたから──それで無意識に魔法を使った?
俺のいびきがうるさいかは分からないが、他にも俺の寝相が悪くて壁を蹴ってしまった可能性だってある。
そう思って、俺が原因かと訊くとルカは違うと言ってくれたが、裏腹に目は泳いでいた。ルカに迷惑をかけないように、今晩は口を塞ぎ、体を縛ってから寝るべきだろうか。
朝食の後、部屋で待っていると、昨日約束していた通りにエリックが迎えに来たのでそのまま後をついていく。研究といえばごちゃごちゃした部屋でやるのかと思いきや、意外にも行き先は屋外だった。
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エリックに言われるままに、とりあえずは一番得意な炎がいいかと炎の魔法剣を見せる。
「すごい……夜に見たらもっと綺麗だろうな……」
エリックは初めて見るであろう魔法剣に見惚れているようだ。
「でも俺、炎は使えないんだよな……コルネ、何か違う系統の魔法剣って使える?」
それならば、と水の魔法剣に切り替える。
「こっちも綺麗だね。剣のまわりに水が浮かんでいるのがなんとも不思議というか……魔法剣って面白いな──コルネ、他にも使える系統があったら見せてよ」
これだけ反応がいいのなら見せてと言われて悪い気はしない。俺は水から雷、雷から風……と次々に魔法剣を切り替えていく。
すると、四つ目の風あたりから感嘆というよりは驚愕の表情がエリックに映る。
土と氷の魔法剣も見せてこれで全部だと言う頃にはエリックの目はまるで信じられないものを見たかのように見開かれ、口はあんぐりと開いていた。
「すごい……すごいよ! 六系統も使えるなんて魔法使いでも滅多にいないのに!」
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エリックが事情を説明すると、他のお弟子さんに見たい見たいとせがまれたので、もう一度同じように魔法剣を切り替えていく。
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