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第十章 Aランク昇格編
第210話 Aランク昇格への挑戦 其の四
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ロンドが広げた地図とにらめっこをしていると、はみ出すくらいの食材が入ったかごを両手に提げたヘルガが帰ってくる。
「コルネくんの場所はどうなりました?」
「手紙を書いてから今日までに二日、ヘルガが行くのにもう二、三日かかるとして今までのペースから考えるとおそらくターニュだと思う」
地図の一点を指差すロンド。
「十日目から二十日目まででは、コルネくんのペースは二日に一体より少し速いくらいだ。予定ではターニュで四体倒すことになってるから、ほぼ間違いないと思う。もしいなかったら、その一つ手前かな」
「なるほど……たしかに四体いるのなら滞在期間は長くなりますからね。あとで道順を頭に入れておきます。それでは今から私がいない間の料理を作るので、ロンド様も少し手伝ってください」
* * *
翌朝、まだ夜が明けきらないうちに私は出発する。
「もし私に直接用のある人物が来たら、諜報の仕事なので断っておいてください。『買い物に出ている』や『トイレに出ている』といった一時的な理由だとその場で待たれてしまうので、体調を崩しているとか怪我をしてしまったとかで任務に行けないことを暗に伝えてるように頼みます」
「分かった」
「では、行ってまいります」
「気を付けて。コルネくんを頼んだよ」
はい、と短く返して人気のない通りに飛び出していく。こんなに長い距離を走るのは初めてだ。私は予定通りターニュに着けるだろうか。
二日の間ひたすら走り続けて、私は二日目の夜にターニュに辿り着いた。ロンド様の監視任務についてからは全盛期よりは身体能力が落ちていると思っていたが、まだまだ現役かもしれない。
街に着いた後は、とりあえず街で一番大きな宿屋に行ってみることにする。見知らぬ土地で宿屋を取るなら大きなところは間違いないので、コルネくんがこの街にいるとすればここに泊まるのが自然だ。
宿屋の扉を開け、真っ直ぐにフロントまで進むと、他の客に珍しいものを見るような顔をされる。
「お一人様のご利用ですか?」
「はい、一人で一泊お願いします」
部屋を取った後は、部屋にはすぐは入らずにフロント前でしばらく待ってみる。
この時間帯ならもしかしたらご飯を食べに外に出ようとするかもしれない。
もうすでに食べ終わって部屋に戻った可能性もあるが、待ってみるだけ待ってみようと思った。どうせ今の私には他にすることはない。
やはりもう部屋に戻ってしまったのかなと思い、そろそろ私も夕食にしようかと外に出ようとしたとき、階段からよく知っている顔が下りてくる。
「コルネくん!」
「……ヘルガ、さん?」
突然現れた私に彼は目を丸くする。
「コルネくんの場所はどうなりました?」
「手紙を書いてから今日までに二日、ヘルガが行くのにもう二、三日かかるとして今までのペースから考えるとおそらくターニュだと思う」
地図の一点を指差すロンド。
「十日目から二十日目まででは、コルネくんのペースは二日に一体より少し速いくらいだ。予定ではターニュで四体倒すことになってるから、ほぼ間違いないと思う。もしいなかったら、その一つ手前かな」
「なるほど……たしかに四体いるのなら滞在期間は長くなりますからね。あとで道順を頭に入れておきます。それでは今から私がいない間の料理を作るので、ロンド様も少し手伝ってください」
* * *
翌朝、まだ夜が明けきらないうちに私は出発する。
「もし私に直接用のある人物が来たら、諜報の仕事なので断っておいてください。『買い物に出ている』や『トイレに出ている』といった一時的な理由だとその場で待たれてしまうので、体調を崩しているとか怪我をしてしまったとかで任務に行けないことを暗に伝えてるように頼みます」
「分かった」
「では、行ってまいります」
「気を付けて。コルネくんを頼んだよ」
はい、と短く返して人気のない通りに飛び出していく。こんなに長い距離を走るのは初めてだ。私は予定通りターニュに着けるだろうか。
二日の間ひたすら走り続けて、私は二日目の夜にターニュに辿り着いた。ロンド様の監視任務についてからは全盛期よりは身体能力が落ちていると思っていたが、まだまだ現役かもしれない。
街に着いた後は、とりあえず街で一番大きな宿屋に行ってみることにする。見知らぬ土地で宿屋を取るなら大きなところは間違いないので、コルネくんがこの街にいるとすればここに泊まるのが自然だ。
宿屋の扉を開け、真っ直ぐにフロントまで進むと、他の客に珍しいものを見るような顔をされる。
「お一人様のご利用ですか?」
「はい、一人で一泊お願いします」
部屋を取った後は、部屋にはすぐは入らずにフロント前でしばらく待ってみる。
この時間帯ならもしかしたらご飯を食べに外に出ようとするかもしれない。
もうすでに食べ終わって部屋に戻った可能性もあるが、待ってみるだけ待ってみようと思った。どうせ今の私には他にすることはない。
やはりもう部屋に戻ってしまったのかなと思い、そろそろ私も夕食にしようかと外に出ようとしたとき、階段からよく知っている顔が下りてくる。
「コルネくん!」
「……ヘルガ、さん?」
突然現れた私に彼は目を丸くする。
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