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第十章 Aランク昇格編
第209話 Aランク昇格への挑戦 其の三
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「今すぐにでも様子だけでも見に行きたいけど、コルネくんがいるであろう北部まで行って帰るのに全速力でも二日はかかる。そうなると書類を書くしかないけど、行き先がはっきりと決まらないから書類も書きようがない──どうすれば……」
どうすればいいか分からず頭を抱えるロンドにヘルガが言う。
「私が行きましょう。もう夕方なので出発は明日にするとして、コルネくんの現在位置の推定と買い出しをする必要があります。私がいない間、ロンド様は外に出られませんからその分の食料を──」
「──数日くらいならすでにある食糧でどうにかなる。それに少しくらいなら食べなくても大丈夫だよ、だからヘルガは早く夜にでも出発して──」
気が動転してしまっているロンドの言葉が終わらぬうちに、ヘルガはロンドの肩を両手でがしっと掴む。そして真っ直ぐにロンドの目を見て言う。
「落ち着いてください、ロンド様。ロンド様なら数日かもしれませんが、残念ながら私の脚だともっとかかります。それに、貴方は国の大事な戦力なんですよ? 食事を疎かにして体調でも崩されたらどうするんですか」
「……そう、だね。どうにかしてた」
ロンドは落ち着きを取り戻したようだった。
「それと、先ほどは『元気ではない』とは言いましたが、おそらくコルネくんは怪我をしたり、病気になったりはしてません。ほら、二通目の『怪我』や『病気』の部分は前後と同じですよね? この挑戦をするパーティにありがちなことですが、気が滅入ってしまっているんじゃないでしょうか──これも完全な推測になってしまいますが」
「よかった……じゃあ今すぐどうこうというわけではないんだね」
ホッと肩を撫で下ろすロンド。
「では準備に取りかかりましょう。私は夕方の市でどっさり食料を買い込んでくるので、その間にロンド様はコルネくんの位置を推定しておいてください」
「分かった」
目で頷き合った二人はそれぞれのなすべきことのために動き始める。
どうすればいいか分からず頭を抱えるロンドにヘルガが言う。
「私が行きましょう。もう夕方なので出発は明日にするとして、コルネくんの現在位置の推定と買い出しをする必要があります。私がいない間、ロンド様は外に出られませんからその分の食料を──」
「──数日くらいならすでにある食糧でどうにかなる。それに少しくらいなら食べなくても大丈夫だよ、だからヘルガは早く夜にでも出発して──」
気が動転してしまっているロンドの言葉が終わらぬうちに、ヘルガはロンドの肩を両手でがしっと掴む。そして真っ直ぐにロンドの目を見て言う。
「落ち着いてください、ロンド様。ロンド様なら数日かもしれませんが、残念ながら私の脚だともっとかかります。それに、貴方は国の大事な戦力なんですよ? 食事を疎かにして体調でも崩されたらどうするんですか」
「……そう、だね。どうにかしてた」
ロンドは落ち着きを取り戻したようだった。
「それと、先ほどは『元気ではない』とは言いましたが、おそらくコルネくんは怪我をしたり、病気になったりはしてません。ほら、二通目の『怪我』や『病気』の部分は前後と同じですよね? この挑戦をするパーティにありがちなことですが、気が滅入ってしまっているんじゃないでしょうか──これも完全な推測になってしまいますが」
「よかった……じゃあ今すぐどうこうというわけではないんだね」
ホッと肩を撫で下ろすロンド。
「では準備に取りかかりましょう。私は夕方の市でどっさり食料を買い込んでくるので、その間にロンド様はコルネくんの位置を推定しておいてください」
「分かった」
目で頷き合った二人はそれぞれのなすべきことのために動き始める。
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