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第九章 ルミーヴィアへの旅編
第189話 初めての修行 其の二(レネ視点)
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「八百! あとちょっと頑張んな!」
記念すべきマリーの初修行は今のところは上手くいっているようだ。身体的には一切疲れるはずはないが、一回一回集中しなければならないから精神的にはかなりきついはずだ。
特に今までなんとなく魔法を使っていたマリーにとっては、意識を向けるだけでもかなり集中力を持っていかれるはずだが、よく頑張っている。
(──にしても、あれはちょっと驚いたな……)
一瞬だけ目線を魔法をかける部位から外し、マリーの顔に移すとやはりさっきと変わっていなかった。
マリーは必死の形相で回復魔法を使い続けている。それ自体は至極当然のことだ。負荷をかければきつくなるものだし、それが顔に現れるのも極々自然なことではある。
ただ、ほんの少し──ほんの少しだけ怖すぎると思うのだ。
大きく見開かれた目に眉間に寄せられた皺。可愛らしく控えめに覗いていた八重歯は今では剥き出しになった牙のようだ。
その様子はまるでオーガそのもので、普段のマリーからは想像もつかないほどかけ離れている。
うちのパーティメンバーも最初に見たときは信じられないといった表情をしていたが、間違っても本人には言ってはいけないと無言で頷き合った。うら若き乙女がこの事実を知れば傷付くに違いない。
今日はたまたまギルドの隅でやっていて、マリーが壁の方を向いているという奇跡で誰も気付いていないようだが──これからは気を付けなければ。
それでも結局いつかはバレてしまうから、先に手は打っておくとして──アタシはちゃんと師匠としてやっていけるんだろうか。まだ初日だというのにガラにもなく不安になってしまった。
記念すべきマリーの初修行は今のところは上手くいっているようだ。身体的には一切疲れるはずはないが、一回一回集中しなければならないから精神的にはかなりきついはずだ。
特に今までなんとなく魔法を使っていたマリーにとっては、意識を向けるだけでもかなり集中力を持っていかれるはずだが、よく頑張っている。
(──にしても、あれはちょっと驚いたな……)
一瞬だけ目線を魔法をかける部位から外し、マリーの顔に移すとやはりさっきと変わっていなかった。
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ただ、ほんの少し──ほんの少しだけ怖すぎると思うのだ。
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それでも結局いつかはバレてしまうから、先に手は打っておくとして──アタシはちゃんと師匠としてやっていけるんだろうか。まだ初日だというのにガラにもなく不安になってしまった。
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