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第八章 新しいメニューと緊急クエスト編
第162話 オーガ討伐を終えて 其の三
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冒険者ギルドで保管されている肉は精肉店に並ぶ何切れかに分けられたものとは違う。いくら小さいモンスターでも二頭ほどあれば全員の食事を賄えるはず──普段ギルドで肉を買うことなどないから、その認識が欠落していた。
村の人たちのところまで戻ると、冒険者と協力して料理を始めていた。冒険者たちがナイフで肉塊を薄く切っていき、それを村人たちがフライパンで次々に焼いていく。
手の空いた冒険者は風の魔法で換気をして肉から出る煙を窓から逃したり、野菜を刻んだりしていた。
戻ってきた僕たちもそれに加わり、あっという間に焼いた大量の肉と少しのサラダなどの料理が出来上がった。
積みあがったステーキを取り分けてから、冒険者も村人もみんなでワイワイと食べる。焼いたウルフの肉は想像よりも淡泊な味がして、食べやすかった。
コルネくんが他の冒険者と話しているのを見ながら肉を嚙み締めていると、見覚えのある冒険者がやってくる。
「まさかロンド様と思わなかったものでして。その節は馴れ馴れしく声をかけてしまいすみませんでした」
コルネくんの様子を見に行った僕が、危うく冒険者ギルドに突き出されるところだったときに出会った彼だ。
「そんなこと気にしなくていいよ。むしろ知らてなくて助かったというべきか。それに見ず知らずの冒険者同士でもタメで話すだろ? 冒険者ってそういうもんだし。なんだったら今からタメでも──」
「そ、それは畏れ多いです」
「そっか……」
おそれおおい……そんな風に思われているのか。Sランクという名はついたけど、僕は昔も今も変わらず冒険者なのにな。
「なんでギルドの外であんな怪しい行動をしてたんですか?」
「コルネくんが討伐クエストは久しぶりって言ってたから心配でこっそりついていったんだ。あの日、ヴィレアに来てたことはコルネくんはもちろん、いろいろ問題になるから他の冒険者にも内緒だよ?」
いろんな声が飛び交っていて聞こえないとは思うが、万が一コルネくんの耳に入らないように、少しボリュームを抑えて話す。
「コルネくん──ってあのロンド様の弟子のですか。ギルド内でも達成率はダントツで高くてほぼ百パーセントに近いらしいですし、心配する必要はないと思いますけどね」
「しっかりやってるんだね、コルネくん……」
他の人からコルネくんが普段どうなのかを聞くのは初めてで、涙が出そうになるのをこらえる。
「──それに弟子が心配でこっそり後をつけるのはちょっと、なんというか……過保護というか……」
目を逸らしながら冒険者は衝撃の発言をする。こっそり後をつけるくらいは──べつに過保護じゃないよね?
村の人たちのところまで戻ると、冒険者と協力して料理を始めていた。冒険者たちがナイフで肉塊を薄く切っていき、それを村人たちがフライパンで次々に焼いていく。
手の空いた冒険者は風の魔法で換気をして肉から出る煙を窓から逃したり、野菜を刻んだりしていた。
戻ってきた僕たちもそれに加わり、あっという間に焼いた大量の肉と少しのサラダなどの料理が出来上がった。
積みあがったステーキを取り分けてから、冒険者も村人もみんなでワイワイと食べる。焼いたウルフの肉は想像よりも淡泊な味がして、食べやすかった。
コルネくんが他の冒険者と話しているのを見ながら肉を嚙み締めていると、見覚えのある冒険者がやってくる。
「まさかロンド様と思わなかったものでして。その節は馴れ馴れしく声をかけてしまいすみませんでした」
コルネくんの様子を見に行った僕が、危うく冒険者ギルドに突き出されるところだったときに出会った彼だ。
「そんなこと気にしなくていいよ。むしろ知らてなくて助かったというべきか。それに見ず知らずの冒険者同士でもタメで話すだろ? 冒険者ってそういうもんだし。なんだったら今からタメでも──」
「そ、それは畏れ多いです」
「そっか……」
おそれおおい……そんな風に思われているのか。Sランクという名はついたけど、僕は昔も今も変わらず冒険者なのにな。
「なんでギルドの外であんな怪しい行動をしてたんですか?」
「コルネくんが討伐クエストは久しぶりって言ってたから心配でこっそりついていったんだ。あの日、ヴィレアに来てたことはコルネくんはもちろん、いろいろ問題になるから他の冒険者にも内緒だよ?」
いろんな声が飛び交っていて聞こえないとは思うが、万が一コルネくんの耳に入らないように、少しボリュームを抑えて話す。
「コルネくん──ってあのロンド様の弟子のですか。ギルド内でも達成率はダントツで高くてほぼ百パーセントに近いらしいですし、心配する必要はないと思いますけどね」
「しっかりやってるんだね、コルネくん……」
他の人からコルネくんが普段どうなのかを聞くのは初めてで、涙が出そうになるのをこらえる。
「──それに弟子が心配でこっそり後をつけるのはちょっと、なんというか……過保護というか……」
目を逸らしながら冒険者は衝撃の発言をする。こっそり後をつけるくらいは──べつに過保護じゃないよね?
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