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第八章 新しいメニューと緊急クエスト編
第152話 練習用の剣
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久しぶりのクエストに行った日は、修行が終わると疲れて倒れるように寝てしまったが、それもだんだん慣れてきて、また以前のように一日おきにヴィレアに行くようになった。
修行で上がった基礎体力や筋力のせいで、意図せずに必要な素材を傷つけてしまうこともほとんどなくなった。
他に変わったことといえば、ギルドにいる冒険者とよく話すようになったことか。前から出会えば挨拶をするくらいの相手が何人かいたが、今では半分以上の冒険者と知り合いになっている。
ある日のことだった。前日に討伐クエストに行ったから、今日は修行だけ──そう考えながら道場の裏に向かうと師匠が待っていた。
「そろそろいいんじゃないかな」
微笑みながら師匠が渡してきたのは、いつぞやの練習用の剣だった。たしかに最初はきつかったメニューもそこまでではなくなったし、筋力も上がっている。
何より師匠がそう言うということは、今の俺なら出来ると思っているのだろう。
改めて剣を構えてみると、記憶の中の重さと違うように感じる。もっと重たくなかっただろうか。
これなら──剣を振り下ろしてから、途中で止めてみる。かなり腕の力が要ったが、剣先が前を向いたところで剣が止まった。
「と、まった……」
以前は全く制御できなかった剣を止められた。本当に止められたことが嘘みたいで、ワンテンポ遅れて歓喜の感情がじわじわと湧き上がってくる。
「やった……! やったね、コルネくん! ひと月前は地面を突き刺してたのにすごい成長だよ! よかったぁ……」
「はい……ひと月で出来るようになるとは思ってなかったので、嬉しいです」
上がりに上がったテンションのまま、練習用の剣をブンブンと勢いよく振り下ろし、本来のメニュー通り三十回の素振りをする。
そしてそのままいつものメニューを終えて、充足感を湛えたままご飯を食べ、眠りにつく。朝のことを思い出したのであろう師匠が、夕食中ににへらと笑うのを見て、俺もつられて笑ってしまう──この流れを見ていたヘルガさんは五回目あたりからちょっと引いていたな。
翌日、俺はバキバキの筋肉痛に襲われて、討伐クエストに行けなかった。
修行で上がった基礎体力や筋力のせいで、意図せずに必要な素材を傷つけてしまうこともほとんどなくなった。
他に変わったことといえば、ギルドにいる冒険者とよく話すようになったことか。前から出会えば挨拶をするくらいの相手が何人かいたが、今では半分以上の冒険者と知り合いになっている。
ある日のことだった。前日に討伐クエストに行ったから、今日は修行だけ──そう考えながら道場の裏に向かうと師匠が待っていた。
「そろそろいいんじゃないかな」
微笑みながら師匠が渡してきたのは、いつぞやの練習用の剣だった。たしかに最初はきつかったメニューもそこまでではなくなったし、筋力も上がっている。
何より師匠がそう言うということは、今の俺なら出来ると思っているのだろう。
改めて剣を構えてみると、記憶の中の重さと違うように感じる。もっと重たくなかっただろうか。
これなら──剣を振り下ろしてから、途中で止めてみる。かなり腕の力が要ったが、剣先が前を向いたところで剣が止まった。
「と、まった……」
以前は全く制御できなかった剣を止められた。本当に止められたことが嘘みたいで、ワンテンポ遅れて歓喜の感情がじわじわと湧き上がってくる。
「やった……! やったね、コルネくん! ひと月前は地面を突き刺してたのにすごい成長だよ! よかったぁ……」
「はい……ひと月で出来るようになるとは思ってなかったので、嬉しいです」
上がりに上がったテンションのまま、練習用の剣をブンブンと勢いよく振り下ろし、本来のメニュー通り三十回の素振りをする。
そしてそのままいつものメニューを終えて、充足感を湛えたままご飯を食べ、眠りにつく。朝のことを思い出したのであろう師匠が、夕食中ににへらと笑うのを見て、俺もつられて笑ってしまう──この流れを見ていたヘルガさんは五回目あたりからちょっと引いていたな。
翌日、俺はバキバキの筋肉痛に襲われて、討伐クエストに行けなかった。
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