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第七章 里帰りと収穫祭編
第126話 収穫祭に向けて
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とりあえず演出とはどんなものかを師匠に分かってもらうために、いつも稽古をしている道場の裏で、孤児院でやった三種類の魔法剣を使ったパフォーマンスを見せる。
夜に見せたかったので、ご飯を食べてからすぐの運動になるが、そこまで激しく動くわけではないから、大丈夫だろう。
あのときとは違って観客は師匠一人なのだが、やはり緊張するな。
「──と、こんな感じです」
「す、す──」
「……す?」
「すごおおおおおおおおおおい! ねえコルネくん今の何? 最初は光がふわふわ~ってして、そこから雷の魔法剣でぴかぴか~ってして、最後に大振りな動きの炎の魔法剣がぱちぱち~ってして──上手く言葉で言い表せないけど、すごかった!」
そうまくしたてる師匠は想像以上に興奮していた。まるで好奇心旺盛な子どものごとくキラキラと輝く目で俺を見つめてくる。
「それと最初のアレはやっぱり光の魔法剣? 出来るようになったんだね!」
「いや、あれはあそこまでしか光らせられないので、出来るようには……」
「そっか──でも、綺麗だった。淡くて儚い光は、演出には持ってこいだね」
まだ全く使えるレベルではないと思っていた光の魔法剣を、師匠に褒められて嬉しくなる。
「演出って物語を作るってことなのかな。今のは幼体が蛹を経て成体になるみたいだった」
そう意識して作ったわけではないが、言われてみればこの構成は羽化によく似ているかもしれない。
「これを僕もやるってことだよね──出来るかな。収穫祭までそんなに時間はないけど……」
「大丈夫ですよ。俺に出来たってことは師匠にも出来ます。明日から毎日のメニューの後に練習しましょう」
不安げな表情をする師匠。暗闇に光る剣だけを目で追ってしまい分かりづらいが、実際はほとんどが型稽古をもとにしているから、絡繰りに気付けば師匠なら楽勝だろう。
孤児院では時間もなかったし、一人だったから出来ることは少なかったが、今回はそれなりにまだ時間があるし、師匠もいる。
俺が孤児院でやったものをただ二人でやるというのではつまらないだろうし、構成自体はそのままにするとしても、動きは変えなければならない。
しかし、動きを決める前に試してみたいことがあるのだ。孤児院のときは人がいなかったから出来なかったが、街中を探せばきっと出来る人がいるはずだ。
「師匠に頼みたいことがあるんですけど──」
「コルネくんが頼みごとをするなんて……! 初めてじゃないかい? 何でも言ってごらん」
こぶしで自らの胸を叩く師匠は、やる気に満ち溢れている。
「実は────」
夜に見せたかったので、ご飯を食べてからすぐの運動になるが、そこまで激しく動くわけではないから、大丈夫だろう。
あのときとは違って観客は師匠一人なのだが、やはり緊張するな。
「──と、こんな感じです」
「す、す──」
「……す?」
「すごおおおおおおおおおおい! ねえコルネくん今の何? 最初は光がふわふわ~ってして、そこから雷の魔法剣でぴかぴか~ってして、最後に大振りな動きの炎の魔法剣がぱちぱち~ってして──上手く言葉で言い表せないけど、すごかった!」
そうまくしたてる師匠は想像以上に興奮していた。まるで好奇心旺盛な子どものごとくキラキラと輝く目で俺を見つめてくる。
「それと最初のアレはやっぱり光の魔法剣? 出来るようになったんだね!」
「いや、あれはあそこまでしか光らせられないので、出来るようには……」
「そっか──でも、綺麗だった。淡くて儚い光は、演出には持ってこいだね」
まだ全く使えるレベルではないと思っていた光の魔法剣を、師匠に褒められて嬉しくなる。
「演出って物語を作るってことなのかな。今のは幼体が蛹を経て成体になるみたいだった」
そう意識して作ったわけではないが、言われてみればこの構成は羽化によく似ているかもしれない。
「これを僕もやるってことだよね──出来るかな。収穫祭までそんなに時間はないけど……」
「大丈夫ですよ。俺に出来たってことは師匠にも出来ます。明日から毎日のメニューの後に練習しましょう」
不安げな表情をする師匠。暗闇に光る剣だけを目で追ってしまい分かりづらいが、実際はほとんどが型稽古をもとにしているから、絡繰りに気付けば師匠なら楽勝だろう。
孤児院では時間もなかったし、一人だったから出来ることは少なかったが、今回はそれなりにまだ時間があるし、師匠もいる。
俺が孤児院でやったものをただ二人でやるというのではつまらないだろうし、構成自体はそのままにするとしても、動きは変えなければならない。
しかし、動きを決める前に試してみたいことがあるのだ。孤児院のときは人がいなかったから出来なかったが、街中を探せばきっと出来る人がいるはずだ。
「師匠に頼みたいことがあるんですけど──」
「コルネくんが頼みごとをするなんて……! 初めてじゃないかい? 何でも言ってごらん」
こぶしで自らの胸を叩く師匠は、やる気に満ち溢れている。
「実は────」
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