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第一章
第4話 弟子になる
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ロンドさんの話をまとめるとこうだ。
ロンドさんはSランク冒険者になってから、後続を育てるために道場を作った。現に他のSランク冒険者二人は弟子が何人もいて、王国騎士団や王国魔法師団で活躍したり、冒険者として名を上げたりしている。それに倣ったというわけだ。
それを聞いて数十人の子どもが集まったらしいが、試しに何日間か教えてみても全員にこれといった成長が見られなかったらしい。
原因は適性の低さ。魔法剣を扱うには剣士としての才能と、魔法を使う才能の両方が求められる。
集まったのはどちらかが得意でもう片方が苦手という子どもばかりだった。普通は得意な方をとことん伸ばしていくのだから当然だ。
一応、集まった子ども全員の鑑定結果には魔法剣士が入っていたそうだが、どちらかが得意なときに入ることも多く、当てにならなかったらしい。
成長が見られないのは魔法剣士に向いていないからだとロンドさんは分かっていた。
適性もないのに魔法剣士を目指すよりは、向いている剣士や魔法使いを目指す方が子どもたちのためだと思い、レオンさんの剣士道場とサラさんの魔法道場に紹介状を書いて子どもたちをやめさせた。
そして後に大きな道場の建物だけが残り、才能を探してロンドさんは街行く子どもを片っ端から鑑定していたそうな。
しかし才能のありそうな子は結局見つからず、そこに件のチラシを持った俺が現れたというわけだ。
ジュースの瓶を開けたときに呟いていた「一本目」というのは、子どものために大量に用意したジュースも開けることなく眠っていたからだそうだ。
「で、コルネくんはここの門下生になるんですか?」
一通り説明が終わったあたりで女性が聞いてくる。しれっとジュースを5杯くらい飲んでいるの誰も言わないけど気付いてるよ。
「はい、よろしくお願いします!」
深々と頭を下げてから顔を上げるとロンドさんが泣いていた。
「つ、ついに僕にも弟子が……うぅ……」
「ほら、涙をお拭きくださいロンド様。コルネくんも若干引いていますよ」
女性がハンカチを差し出しながら言う。まあ驚いてはいるけど引いてはないよ──嘘ですちょっと引いてます。
引いてるというかイメージの中のロンドさんがガラガラと崩れていく。ロンドさんはかっこよく剣を振るって、かっこよくご飯を食べて、かっこよく寝るものだと思っていた。かっこいい寝方はもはや意味が分からないが、そのくらい自分の中で美化されていた。
まあでもみんなこんなものだよね。すごくかっこよく見える冒険者だって情けない部分があって当たり前。うんうんきっとそうなんだよ。うん……。
「申し遅れましたが、私へルガと申します。お見知りおきを」
「あ、はい。よろしくお願いします」
へルガさんは一体何者なんだろう。ただの使用人にしては強そうなんだよなぁ。
ロンドさんはSランク冒険者になってから、後続を育てるために道場を作った。現に他のSランク冒険者二人は弟子が何人もいて、王国騎士団や王国魔法師団で活躍したり、冒険者として名を上げたりしている。それに倣ったというわけだ。
それを聞いて数十人の子どもが集まったらしいが、試しに何日間か教えてみても全員にこれといった成長が見られなかったらしい。
原因は適性の低さ。魔法剣を扱うには剣士としての才能と、魔法を使う才能の両方が求められる。
集まったのはどちらかが得意でもう片方が苦手という子どもばかりだった。普通は得意な方をとことん伸ばしていくのだから当然だ。
一応、集まった子ども全員の鑑定結果には魔法剣士が入っていたそうだが、どちらかが得意なときに入ることも多く、当てにならなかったらしい。
成長が見られないのは魔法剣士に向いていないからだとロンドさんは分かっていた。
適性もないのに魔法剣士を目指すよりは、向いている剣士や魔法使いを目指す方が子どもたちのためだと思い、レオンさんの剣士道場とサラさんの魔法道場に紹介状を書いて子どもたちをやめさせた。
そして後に大きな道場の建物だけが残り、才能を探してロンドさんは街行く子どもを片っ端から鑑定していたそうな。
しかし才能のありそうな子は結局見つからず、そこに件のチラシを持った俺が現れたというわけだ。
ジュースの瓶を開けたときに呟いていた「一本目」というのは、子どものために大量に用意したジュースも開けることなく眠っていたからだそうだ。
「で、コルネくんはここの門下生になるんですか?」
一通り説明が終わったあたりで女性が聞いてくる。しれっとジュースを5杯くらい飲んでいるの誰も言わないけど気付いてるよ。
「はい、よろしくお願いします!」
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「申し遅れましたが、私へルガと申します。お見知りおきを」
「あ、はい。よろしくお願いします」
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