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4話 裏ボスを使役する謎の商人
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知の魔神というだけあり、高い知能を誇るアストラル・ジンは日本語も簡単に習得した様で、レナと流暢に話している。
しばらく呆然としながら聞き耳を立てていたが、話しの矛先がこちらに向いた。
「ってかレナ、こっちのおばさんは?」
「も~ジン君、女の人におばさんとか言っちゃダメだよ」
「そだねゴメン! 誰この人?」
「同じ職場の小葉アキさん。ダンジョンにめっちゃ興味あるみたいで、一緒にきたんだ」
(小葉白奈なんだけど……)
だが、問題はそこではない。アストラル・ジンにおばさんと言われたことだ。自分がおばさんだという自覚はある。しかし5000年以上生きている人外におばさん扱いされる覚えはない。アキナは憤慨した。
(ってか、どうしてこんなにチャラくなってるのよ。自分は神だとか尊大な感じで話してたじゃない。人に信仰されなくなってモンスター化した魔神のくせに)
「あとレナとアキさんって言ったスかね。年間会員に登録して欲しいんだけど厳しいッスかね」
「年間登録?」
「1年間3万Gで会員登録してもらえれば買ったものとか、ゲットしたアイテムとかを個別で保管できる専用のロッカーを用意してるんッスよ」
ここでアキナは先ほどから自分が驚いてばかりだという事に気づいた。
さらに、おばさん扱いされた事への怒りも沸々と湧いてきた。
なので、仕返しに少し驚かせてやりたくなった。
『なに言ってるのジン君。こっちの世界の人がGなんて持ってる訳ないじゃない』
(向こうの言葉で話しかけてやったわ! 10年以上使ってなかったら不安だったけど……さあ、驚きなさい!)
「うわスゲー! こっちの世界の言葉分かるんッスね! パネェ!」
「マジでえ! アキさん、どうやって異世界の言葉話せるんっすか!? すげえっす!」
「グ、Gookleで調べたら出てきたの……」
軽いノリと謎の勢いに押されてしまい、すぐに使った事を後悔した。
(うう……使うんじゃなかった。でも、上手く誤魔化せたわよね。聖女だってのいうのは絶対にバレたく無いのよね)
アキナは異世界で最も多い信者数を誇る宗教の聖女だった。
聖女が召喚されたのは300年ぶりということで、信者達は自分に熱狂していた。
また、困っている人を放っておけず、助けてきたせいか、宗教の信者以外にも男女問わずファンの様な人々が種族を問わず沢山いた。
その人たちは今の自分を見たら間違いなく失望するだろう。
それがとても心苦しかった。
また、こちらの世界の人たちにも自分が、かつてこの異世界に転移したことがある聖女だと言うつもりはなかった。
(だって、そんな事言ったら痛いおばさんって思われるじゃない!)
そんなことを1人で考える中、ジン君が質問に対して答えを返してきた。
「ここで俺が両替やってんッス! 1G=1円で両替手数料として20%頂くことになってるッス」
「だからジン君、それ高すぎ! 海外旅行から帰って外国のおカネ両替した事あるけど、高くても手数料は5%位だったし!」
「ちょっと待って。日本円なんて手に入れていったいどうするの?」
アキナとレナに同時に問いかけられたジン君は、たじろきながら口を開く。
「手数料はマジでどうしようもねえんだよな。テメェも知ってるだろ? 俺、働かされてるだけなんだよ……無理矢理に」
最後に小声で吐き捨てるように言った言葉をアキナは聞き逃さなかった。
(ジン君を無理矢理働かせてる!? ダンジョン主の中でも強さは5本の指に入るはずよ)
この事をもっと詳しく聞きたかったが、ジン君は次の話をし始めた。
「日本円は、俺を働かせてるゴンザレスさんっていう人が集めてんッスよ。俺らの世界の骨董商とか異世界関係の物品を欲しがってるコレクターや学者とかに、高値で買うように話つけたみたいで」
ゴンザレス、聞いた事の無い名前だ。ジン君に言う事を聞かせられる強さを持っている様な人物ならば、アキナが名前を知っていてもおかしくないのだが……。
(私が知らない若い冒険者の子とかかしら?)
ジン君とレナはそのゴンザレスという人物の話で盛り上がりはじめた。
「あの商人、そんな名前だったんだ。何かにつけてウチ達からおカネぼったくろうとしてきて、マジムカつくんだけど」
「これ俺が言ったって言わないで欲しいんだけど、あいつこっちの世界で万券1枚を10万Gとかで骨董商とかに売りつけて、ぼろ儲けしてんだよ。ガチであくどいぜ」
「うわー最悪」
「ジン、なにか拙者の事を話しておるのか?」
「ヒッ! い、いえ、な、な、なんでもないッス」
「左様か。はよう、この者達の貨幣をGに両替せよ」
「は、はい! ただいま」
ジン君は手を振るわせながら両替を始めた。
どうやらこの赤いフードに金色の仮面を被った男が、先ほどから話にでているゴンザレスのようだ。
「申し遅れもうした。それがし商人のゴンザレスと申す者でござる。あちらに売店がござりますゆえ、両替が終わりましたら、何かお求め賜りますようお願い申し上げまする」
得体の知れないオーラを醸し出した仮面の男は深々とアキナに頭を下げた。
しばらく呆然としながら聞き耳を立てていたが、話しの矛先がこちらに向いた。
「ってかレナ、こっちのおばさんは?」
「も~ジン君、女の人におばさんとか言っちゃダメだよ」
「そだねゴメン! 誰この人?」
「同じ職場の小葉アキさん。ダンジョンにめっちゃ興味あるみたいで、一緒にきたんだ」
(小葉白奈なんだけど……)
だが、問題はそこではない。アストラル・ジンにおばさんと言われたことだ。自分がおばさんだという自覚はある。しかし5000年以上生きている人外におばさん扱いされる覚えはない。アキナは憤慨した。
(ってか、どうしてこんなにチャラくなってるのよ。自分は神だとか尊大な感じで話してたじゃない。人に信仰されなくなってモンスター化した魔神のくせに)
「あとレナとアキさんって言ったスかね。年間会員に登録して欲しいんだけど厳しいッスかね」
「年間登録?」
「1年間3万Gで会員登録してもらえれば買ったものとか、ゲットしたアイテムとかを個別で保管できる専用のロッカーを用意してるんッスよ」
ここでアキナは先ほどから自分が驚いてばかりだという事に気づいた。
さらに、おばさん扱いされた事への怒りも沸々と湧いてきた。
なので、仕返しに少し驚かせてやりたくなった。
『なに言ってるのジン君。こっちの世界の人がGなんて持ってる訳ないじゃない』
(向こうの言葉で話しかけてやったわ! 10年以上使ってなかったら不安だったけど……さあ、驚きなさい!)
「うわスゲー! こっちの世界の言葉分かるんッスね! パネェ!」
「マジでえ! アキさん、どうやって異世界の言葉話せるんっすか!? すげえっす!」
「グ、Gookleで調べたら出てきたの……」
軽いノリと謎の勢いに押されてしまい、すぐに使った事を後悔した。
(うう……使うんじゃなかった。でも、上手く誤魔化せたわよね。聖女だってのいうのは絶対にバレたく無いのよね)
アキナは異世界で最も多い信者数を誇る宗教の聖女だった。
聖女が召喚されたのは300年ぶりということで、信者達は自分に熱狂していた。
また、困っている人を放っておけず、助けてきたせいか、宗教の信者以外にも男女問わずファンの様な人々が種族を問わず沢山いた。
その人たちは今の自分を見たら間違いなく失望するだろう。
それがとても心苦しかった。
また、こちらの世界の人たちにも自分が、かつてこの異世界に転移したことがある聖女だと言うつもりはなかった。
(だって、そんな事言ったら痛いおばさんって思われるじゃない!)
そんなことを1人で考える中、ジン君が質問に対して答えを返してきた。
「ここで俺が両替やってんッス! 1G=1円で両替手数料として20%頂くことになってるッス」
「だからジン君、それ高すぎ! 海外旅行から帰って外国のおカネ両替した事あるけど、高くても手数料は5%位だったし!」
「ちょっと待って。日本円なんて手に入れていったいどうするの?」
アキナとレナに同時に問いかけられたジン君は、たじろきながら口を開く。
「手数料はマジでどうしようもねえんだよな。テメェも知ってるだろ? 俺、働かされてるだけなんだよ……無理矢理に」
最後に小声で吐き捨てるように言った言葉をアキナは聞き逃さなかった。
(ジン君を無理矢理働かせてる!? ダンジョン主の中でも強さは5本の指に入るはずよ)
この事をもっと詳しく聞きたかったが、ジン君は次の話をし始めた。
「日本円は、俺を働かせてるゴンザレスさんっていう人が集めてんッスよ。俺らの世界の骨董商とか異世界関係の物品を欲しがってるコレクターや学者とかに、高値で買うように話つけたみたいで」
ゴンザレス、聞いた事の無い名前だ。ジン君に言う事を聞かせられる強さを持っている様な人物ならば、アキナが名前を知っていてもおかしくないのだが……。
(私が知らない若い冒険者の子とかかしら?)
ジン君とレナはそのゴンザレスという人物の話で盛り上がりはじめた。
「あの商人、そんな名前だったんだ。何かにつけてウチ達からおカネぼったくろうとしてきて、マジムカつくんだけど」
「これ俺が言ったって言わないで欲しいんだけど、あいつこっちの世界で万券1枚を10万Gとかで骨董商とかに売りつけて、ぼろ儲けしてんだよ。ガチであくどいぜ」
「うわー最悪」
「ジン、なにか拙者の事を話しておるのか?」
「ヒッ! い、いえ、な、な、なんでもないッス」
「左様か。はよう、この者達の貨幣をGに両替せよ」
「は、はい! ただいま」
ジン君は手を振るわせながら両替を始めた。
どうやらこの赤いフードに金色の仮面を被った男が、先ほどから話にでているゴンザレスのようだ。
「申し遅れもうした。それがし商人のゴンザレスと申す者でござる。あちらに売店がござりますゆえ、両替が終わりましたら、何かお求め賜りますようお願い申し上げまする」
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