61 / 262
第七章 王都公認 案内人適性試験編
61.ブレビンス・ゴードン
しおりを挟む
「もちろん受けます! この試験で必ずや『王都公認の案内人』になってみせます!」
「おぉ、ナヴィ殿! そういってくれると思ってましたぞ!」
スーザンの背後には目を覚ましたブレビンスが立っていた。
「り、理事長! いつの間に……」
「君がメリットの話をしていたあたりからかな。中々口が上手くなったじゃないかスーザンちゃーん。ぶっ!」
後ろから抱き着こうとしたブレビンスの鼻をスーザンは裏拳で弾いた。
「気安く触らないでください。殴りますよ」
「それ殴る前に言う台詞だよ……鼻が……」
ブレビンスは鼻を抑えながらゆっくりと立ち上がった。
「ナヴィ・マクレガン殿。あなたならそういうと思ってましたぞ!」
「あの……ブレビンス様。一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「もちろんです。何かわからない点でも?」
「あの、どうしてこんな試験というような形で王都公認の案内人を決める必要が?」
「あぁ。確かにそうですね。スーザンちゃん。それについての説明は……?」
「これからする予定でした」
「ふっふっふ。まだまだだねスーザンちゃんも! ぶっ!」
再度スーザンの裏拳が炸裂した。
「私から説明するわ。まず『王都公認の案内人』の名がもらえるのは上級ガイド以上。そしてなる方法は主に二つ。一つは『実績から鑑みた王都からの推薦』そしてもう一つは『案内人適性試験の上位入賞』大体はこのどちらかよ」
「え、なら図々しいですけどあたしは推薦には届かなかったということでしょうか……?」
「そんなことないわ。実績も実力も十分なほどよ。いつ推薦を受けてもおかしくないわ。ただあなたはまだ若すぎる。それに評判は良くても実際に王都にはその実力はあまり知れ渡っていない。今回の試験でしっかりと実力を発揮して、自他ともに認める公認の案内人になれれば、あっさり推薦を受けて他の案内人から反感くらうよりはそっちの方が先の仕事に繋がるんじゃないかなって」
「ってこの後ろのエロ親父が言ってたわ」
「スーザンちゃん!?」
この人、そこまで考えてたのね……悪い人ではなさそうだし。
「まぁ。そういうことですよ」
「理事長何そんなに体を反らせてるのですか? 胸を張ってるつもりですか? 気持ち悪いですよ」
「し、辛辣!」
「ま、まぁそれはさておき。ナヴィ殿。この試験は二年に一回。今回は上級ガイド限定の試験になるので、たくさん準備しておいてくださいね。ここでなれなかったら、あなたの若さですとまだ推薦は厳しいです。必ず今回の試験に合格してください」
「ブレビンス様……ありがとうございます! 応援していただいてとても光栄です。頑張ります!」
「いい顔ですね。期待していますよ。ナヴィ・マクレガン殿」
「じゃあスーザンちゃんそろそろ行こうか……ってあれ? スーザンちゃん?」
「理事長! 早くしないと置いていきますよ!」
玄関にはすでに帰る支度をしていたスーザンがブレビンスを待っていた。
「じゃあナヴィ殿、エンフィー殿また一か月後王都で会いましょう。では!」
「ちょっと、ちょっと待ってよってほんとに行った!? スーザンちゃん!スーザンちゅわーん!」
スーザンを追いかけブレビンスは店を飛び出した。
「「………」」
二人の後姿を見送ったナヴィはどかっと椅子に座った。
「ふぅ何かどっと疲れたわ……」
「ね、お姉ちゃんはこれからも大変になっちゃって……とりあえずコーヒーもう一杯飲む?」
「えぇお願いしてもいいかしら」
とりあえずこれからいろいろ準備しなきゃね……。お店のため、エンフィーのためにも必ず公認の名をもらわなきゃね。
ナヴィ達の店を出たブレビンスとスーザンは次の上級ガイドの案内所を目指して歩いていた。
「さぁてこれでだいぶ面白くなってきたな。スーザンちゃん」
「えぇ、まさかナヴィさんがあそこまで意欲的に出ると言ってくれるなんて私思ってませんでしたよ」
「言っただろ。必ず出るって」
「こういう勘の良さは流石ですね理事長」
「ふむぅ……いつも言うけど勘じゃ無くて確信なんだけどなぁ」
「いや、私には同じにしか……それに振り回されるこっちの身にもなって下さいよ」
スーザンは頭を抱えた。
相変わらずこの理事長は考えてることが分からない……。けどこの理事長妙に言葉に力があるというか、信頼せざる負えない何かがあるんだよなぁ。
「これで二人目だ。交渉はさっきの王都にある案内所のケビンさんの方が難しかったからもう一人の所も頑張るよ、スーザンちゃん。で、次はどこだっけ!?」
「もう、しっかりしてください! ルーカトリ街のルナ・マリオットさんでしょ! 最近はあんまり活動してないみたいだけどどうしたのかしら……きっと断られるんじゃ」
「大丈夫さ、何があったかわからないけど、こういうきっかけを待ってるんだよ」
「また訳の分からないことを……」
「まぁまぁ。ほらそろそろ暗くなってくるし急いでいこうか」
普段は希望制で申し込みが来るのを待つだけのはずなのに、どうしてこの三人だけわざわざ直接足を運んで……。理事長あなたは一体何を。
「どうしてこの三人だけって顔してるねスーザンちゃん」
「は! え、えぇまぁ」
毎度だけどなんで私の心の声が分かるのよ。
「さっきのナヴィさんもそうだしケビンさんも、今いる公認ガイドにはない顔つきやたたずまいをしてたよ、あれはそれなりに死線を乗り越えてきた顔つきだ。とてもあの若さでできる顔じゃない。評判のいい若い上級ガイド三人がどんな子たちなのかが気になってそれを確かめたくてね」
「まったく。それは次に行くルナ・マリオットさんも同じってことでしょうか?」
「あぁ。きっとね」
ケビンさん、ナヴィさん、それにこれから会うルナさん。平均年齢三十歳以上と言われてる上級ガイドでそれを十年も前倒しした天才が同時期に三人も現れた。私もその時はまだ『ガイド』だったし。確かにすごいし興味深いけど……。
「ほら、街に着くよ。さっさと交渉しに行くよ、スーザンちゃん!」
「あ、お待ちください、理事長!」
今年の試験は何か面白いことがありそうね。
「おぉ、ナヴィ殿! そういってくれると思ってましたぞ!」
スーザンの背後には目を覚ましたブレビンスが立っていた。
「り、理事長! いつの間に……」
「君がメリットの話をしていたあたりからかな。中々口が上手くなったじゃないかスーザンちゃーん。ぶっ!」
後ろから抱き着こうとしたブレビンスの鼻をスーザンは裏拳で弾いた。
「気安く触らないでください。殴りますよ」
「それ殴る前に言う台詞だよ……鼻が……」
ブレビンスは鼻を抑えながらゆっくりと立ち上がった。
「ナヴィ・マクレガン殿。あなたならそういうと思ってましたぞ!」
「あの……ブレビンス様。一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「もちろんです。何かわからない点でも?」
「あの、どうしてこんな試験というような形で王都公認の案内人を決める必要が?」
「あぁ。確かにそうですね。スーザンちゃん。それについての説明は……?」
「これからする予定でした」
「ふっふっふ。まだまだだねスーザンちゃんも! ぶっ!」
再度スーザンの裏拳が炸裂した。
「私から説明するわ。まず『王都公認の案内人』の名がもらえるのは上級ガイド以上。そしてなる方法は主に二つ。一つは『実績から鑑みた王都からの推薦』そしてもう一つは『案内人適性試験の上位入賞』大体はこのどちらかよ」
「え、なら図々しいですけどあたしは推薦には届かなかったということでしょうか……?」
「そんなことないわ。実績も実力も十分なほどよ。いつ推薦を受けてもおかしくないわ。ただあなたはまだ若すぎる。それに評判は良くても実際に王都にはその実力はあまり知れ渡っていない。今回の試験でしっかりと実力を発揮して、自他ともに認める公認の案内人になれれば、あっさり推薦を受けて他の案内人から反感くらうよりはそっちの方が先の仕事に繋がるんじゃないかなって」
「ってこの後ろのエロ親父が言ってたわ」
「スーザンちゃん!?」
この人、そこまで考えてたのね……悪い人ではなさそうだし。
「まぁ。そういうことですよ」
「理事長何そんなに体を反らせてるのですか? 胸を張ってるつもりですか? 気持ち悪いですよ」
「し、辛辣!」
「ま、まぁそれはさておき。ナヴィ殿。この試験は二年に一回。今回は上級ガイド限定の試験になるので、たくさん準備しておいてくださいね。ここでなれなかったら、あなたの若さですとまだ推薦は厳しいです。必ず今回の試験に合格してください」
「ブレビンス様……ありがとうございます! 応援していただいてとても光栄です。頑張ります!」
「いい顔ですね。期待していますよ。ナヴィ・マクレガン殿」
「じゃあスーザンちゃんそろそろ行こうか……ってあれ? スーザンちゃん?」
「理事長! 早くしないと置いていきますよ!」
玄関にはすでに帰る支度をしていたスーザンがブレビンスを待っていた。
「じゃあナヴィ殿、エンフィー殿また一か月後王都で会いましょう。では!」
「ちょっと、ちょっと待ってよってほんとに行った!? スーザンちゃん!スーザンちゅわーん!」
スーザンを追いかけブレビンスは店を飛び出した。
「「………」」
二人の後姿を見送ったナヴィはどかっと椅子に座った。
「ふぅ何かどっと疲れたわ……」
「ね、お姉ちゃんはこれからも大変になっちゃって……とりあえずコーヒーもう一杯飲む?」
「えぇお願いしてもいいかしら」
とりあえずこれからいろいろ準備しなきゃね……。お店のため、エンフィーのためにも必ず公認の名をもらわなきゃね。
ナヴィ達の店を出たブレビンスとスーザンは次の上級ガイドの案内所を目指して歩いていた。
「さぁてこれでだいぶ面白くなってきたな。スーザンちゃん」
「えぇ、まさかナヴィさんがあそこまで意欲的に出ると言ってくれるなんて私思ってませんでしたよ」
「言っただろ。必ず出るって」
「こういう勘の良さは流石ですね理事長」
「ふむぅ……いつも言うけど勘じゃ無くて確信なんだけどなぁ」
「いや、私には同じにしか……それに振り回されるこっちの身にもなって下さいよ」
スーザンは頭を抱えた。
相変わらずこの理事長は考えてることが分からない……。けどこの理事長妙に言葉に力があるというか、信頼せざる負えない何かがあるんだよなぁ。
「これで二人目だ。交渉はさっきの王都にある案内所のケビンさんの方が難しかったからもう一人の所も頑張るよ、スーザンちゃん。で、次はどこだっけ!?」
「もう、しっかりしてください! ルーカトリ街のルナ・マリオットさんでしょ! 最近はあんまり活動してないみたいだけどどうしたのかしら……きっと断られるんじゃ」
「大丈夫さ、何があったかわからないけど、こういうきっかけを待ってるんだよ」
「また訳の分からないことを……」
「まぁまぁ。ほらそろそろ暗くなってくるし急いでいこうか」
普段は希望制で申し込みが来るのを待つだけのはずなのに、どうしてこの三人だけわざわざ直接足を運んで……。理事長あなたは一体何を。
「どうしてこの三人だけって顔してるねスーザンちゃん」
「は! え、えぇまぁ」
毎度だけどなんで私の心の声が分かるのよ。
「さっきのナヴィさんもそうだしケビンさんも、今いる公認ガイドにはない顔つきやたたずまいをしてたよ、あれはそれなりに死線を乗り越えてきた顔つきだ。とてもあの若さでできる顔じゃない。評判のいい若い上級ガイド三人がどんな子たちなのかが気になってそれを確かめたくてね」
「まったく。それは次に行くルナ・マリオットさんも同じってことでしょうか?」
「あぁ。きっとね」
ケビンさん、ナヴィさん、それにこれから会うルナさん。平均年齢三十歳以上と言われてる上級ガイドでそれを十年も前倒しした天才が同時期に三人も現れた。私もその時はまだ『ガイド』だったし。確かにすごいし興味深いけど……。
「ほら、街に着くよ。さっさと交渉しに行くよ、スーザンちゃん!」
「あ、お待ちください、理事長!」
今年の試験は何か面白いことがありそうね。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
転生幼児は夢いっぱい
meimei
ファンタジー
日本に生まれてかれこれ27年大学も出て希望の職業にもつき順風満帆なはずだった男は、
ある日親友だと思っていた男に手柄を横取りされ左遷されてしまう。左遷された所はとても忙しい部署で。ほぼ不眠不休…の生活の末、気がつくとどうやら亡くなったらしい??
らしいというのも……前世を思い出したのは
転生して5年経ってから。そう…5歳の誕生日の日にだった。
これは秘匿された出自を知らないまま、
チートしつつ異世界を楽しむ男の話である!
☆これは作者の妄想によるフィクションであり、登場するもの全てが架空の産物です。
誤字脱字には優しく軽く流していただけると嬉しいです。
☆ファンタジーカップありがとうございました!!(*^^*)
今後ともよろしくお願い致します🍀
王子様を放送します
竹 美津
ファンタジー
竜樹は32歳、家事が得意な事務職。異世界に転移してギフトの御方という地位を得て、王宮住みの自由業となった。異世界に、元の世界の色々なやり方を伝えるだけでいいんだって。皆が、参考にして、色々やってくれるよ。
異世界でもスマホが使えるのは便利。家族とも連絡とれたよ。スマホを参考に、色々な魔道具を作ってくれるって?
母が亡くなり、放置された平民側妃の子、ニリヤ王子(5歳)と出会い、貴族側妃からのイジメをやめさせる。
よし、魔道具で、TVを作ろう。そしてニリヤ王子を放送して、国民のアイドルにしちゃおう。
何だって?ニリヤ王子にオランネージュ王子とネクター王子の異母兄弟、2人もいるって?まとめて面倒みたろうじゃん。仲良く力を合わせてな!
放送事業と日常のごちゃごちゃしたふれあい。出会い。旅もする予定ですが、まだなかなかそこまで話が到達しません。
ニリヤ王子と兄弟王子、3王子でわちゃわちゃ仲良し。孤児の子供達や、獣人の国ワイルドウルフのアルディ王子、車椅子の貴族エフォール君、視力の弱い貴族のピティエ、プレイヤードなど、友達いっぱいできたよ!
教会の孤児達をテレビ電話で繋いだし、なんと転移魔法陣も!皆と会ってお話できるよ!
優しく見守る神様たちに、スマホで使えるいいねをもらいながら、竜樹は異世界で、みんなの頼れるお父さんやししょうになっていく。
小説家になろうでも投稿しています。
なろうが先行していましたが、追いつきました。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
妾の子だった転生勇者~魔力ゼロだと冷遇され悪役貴族の兄弟から虐められたので前世の知識を活かして努力していたら、回復魔術がぶっ壊れ性能になった
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
◆2024/05/31 HOTランキングで2位 ファンタジーランキング4位になりました! 第四回ファンタジーカップで21位になりました。皆様の応援のおかげです!ありがとうございます!!
『公爵の子供なのに魔力なし』
『正妻や兄弟姉妹からも虐められる出来損ない』
『公爵になれない無能』
公爵と平民の間に生まれた主人公は、魔力がゼロだからという理由で無能と呼ばれ冷遇される。
だが実は子供の中身は転生者それもこの世界を救った勇者であり、自分と母親の身を守るために、主人公は魔法と剣術を極めることに。
『魔力ゼロのハズなのになぜ魔法を!?』
『ただの剣で魔法を斬っただと!?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ……?』
『あいつを無能と呼んだ奴の目は節穴か?』
やがて周囲を畏怖させるほどの貴公子として成長していく……元勇者の物語。
工芸職人《クラフトマン》はセカンドライフを謳歌する
鈴木竜一
ファンタジー
旧題:工芸職人《クラフトマン》はセカンドライフを謳歌する~ブラック商会をクビになったので独立したら、なぜか超一流の常連さんたちが集まってきました~
【お知らせ】
このたび、本作の書籍化が正式に決定いたしました。
発売は今月(6月)下旬!
詳細は近況ボードにて!
超絶ブラックな労働環境のバーネット商会に所属する工芸職人《クラフトマン》のウィルムは、過労死寸前のところで日本の社畜リーマンだった前世の記憶がよみがえる。その直後、ウィルムは商会の代表からクビを宣告され、石や木片という簡単な素材から付与効果付きの武器やアイテムを生みだせる彼のクラフトスキルを頼りにしてくれる常連の顧客(各分野における超一流たち)のすべてをバカ息子であるラストンに引き継がせると言いだした。どうせ逆らったところで無駄だと悟ったウィルムは、退職金代わりに隠し持っていた激レアアイテムを持ちだし、常連客たちへ退職報告と引き継ぎの挨拶を済ませてから、自由気ままに生きようと隣国であるメルキス王国へと旅立つ。
ウィルムはこれまでのコネクションを駆使し、田舎にある森の中で工房を開くと、そこで畑を耕したり、家畜を飼育したり、川で釣りをしたり、時には町へ行ってクラフトスキルを使って作ったアイテムを売ったりして静かに暮らそうと計画していたのだ。
一方、ウィルムの常連客たちは突然の退職が代表の私情で行われたことと、その後の不誠実な対応、さらには後任であるラストンの無能さに激怒。大貴族、Sランク冒険者パーティーのリーダー、秘境に暮らす希少獣人族集落の長、世界的に有名な鍛冶職人――などなど、有力な顧客はすべて商会との契約を打ち切り、ウィルムをサポートするため次々と森にある彼の工房へと集結する。やがて、そこには多くの人々が移住し、最強クラスの有名人たちが集う村が完成していったのだった。
外れスキル持ちの天才錬金術師 神獣に気に入られたのでレア素材探しの旅に出かけます
蒼井美紗
ファンタジー
旧題:外れスキルだと思っていた素材変質は、レア素材を量産させる神スキルでした〜錬金術師の俺、幻の治癒薬を作り出します〜
誰もが二十歳までにスキルを発現する世界で、エリクが手に入れたのは「素材変質」というスキルだった。
スキル一覧にも載っていないレアスキルに喜んだのも束の間、それはどんな素材も劣化させてしまう外れスキルだと気づく。
そのスキルによって働いていた錬金工房をクビになり、生活費を稼ぐために仕方なく冒険者になったエリクは、街の外で採取前の素材に触れたことでスキルの真価に気づいた。
「素材変質スキル」とは、採取前の素材に触れると、その素材をより良いものに変化させるというものだったのだ。
スキルの真の力に気づいたエリクは、その力によって激レア素材も手に入れられるようになり、冒険者として、さらに錬金術師としても頭角を表していく。
また、エリクのスキルを気に入った存在が仲間になり――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる