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1 正直、かなり参ってます
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ゆっくりと窓の外から視線を移動させた小向は俺の顔と向き合う位置まで来るとぴたりと止まり、じっと俺を見つめた。
俺は返事を待つ体制を決め込みながらより一層表情を和らげて、小向の野暮ったい前髪の向こうを見つめる。アホみたいにヘラヘラ笑ったまま。さぁ言え。俺に"よろしく"って言う気だろ?
その言葉が発せられると信じて疑ってなかった。なのに、なのに。
あろう事か小向は期待に胸を躍らせる俺と目があった筈なのに、そのままぷいっと視線を反らして。すっと立ち上がると、まるで俺という存在は元からいなかった様な態度で教室の外へと歩き去ってしまった。
残ったのはやり場のない笑顔を一人浮かべたままの俺だけ。
正直、人影が僅かで助かった。こんな情けない姿の俺を目撃したのがこれから1年間一緒に過ごすクラスメイト全員だったなら、今後俺は恥ずかしすぎて今までの俺じゃなくなっていただろう。
それぐらい重大な事件だった。
今の今まで俺は挨拶を無視されたという経験をした事なくて。
それも誰とでも仲良くなれるこの俺が。笑顔とかよく『その笑顔向けられるとなんでも許せちゃう~』なんて褒められていたし、『なりの笑顔って好感持てるよな』と太鼓判も押されていたから仲良くなれる絶対の自信があった……のに。
だからか、この生まれて初めてのシカトを体験してしまった俺は、人生最大と言っても過言じゃない程ショックを受けてしまった。
時間にしてみればほんの数分、いや数秒程度の出来事。そんな僅かな時間で俺の鼻っ柱をへし折ってくれた小向 最中という人物は、良い意味でも悪い意味でも特別な存在となって俺の心に居座ってしまっていた。
塩分高すぎて欠片も甘くない男、小向。古里の次で俺の後ろの席な近くて遠い男、小向 最中。もなか。ただ一人、俺の思い通りにいかない男で、俺が最も苦手とする存在。
これが俺と小向のファーストコンタクト。
全く持って同じ名前の和菓子とは正反対だ。
まぁ、そんなこんなで俺は小向に苦手意識を持ってしまっている。
これが俺の人生に傷跡として残った経緯だとでも言っておこうか。
カリカリと握りしめたシャーペンを紙上で滑らせ、プリントの空欄を埋めていく。後ろでもまた再開された板書書き取りの音が聞こえ始めて。
(アイツの字…結構きれーだったな)
謝ったどさくさで見てしまったアイツのノート。あの歪な丸はこの先ずっと残ったままだろう。そう思うと何となく、ムズムズした気持ちになった。
「小向くんってなんか……難しいよね」
そんな時、未だひたすらに書き写しへ専念している俺の目の前に居続けていた少しおとなしめなタイプの美保ちゃんが、そっと小声で耳打ちしてくる。少し眉根を下げて俺の顔色を伺ってくる美保ちゃん。視線はチラチラと俺の後方を盗み見ていて、その先には言わずもがな、例の同級生がいらっしゃる。
(バカやろう! 聞こえちまうだろーが!!)
小声だからってバカに出来ない代物だ。
けどこんな事は口にしない。なんてったって俺はフェミニストですから。口が裂けても女の子にそんな言葉遣いはしない。今すぐに頭をひっぱたいてやりたい衝動にかられているが。
けど
「謝ってんのにシカトとかさいてーじゃね? 何様のつもりだっつーの」
隣で気を使う素振りも見せず、逆に通常より声を張っていちゃもん付ける男にはいらっときた。
だってそれを言うのはお前じゃないし、そもそも俺を擁護するのは間違ってる。ぶつかったのは俺で被害を被ったのは小向。
「今のは全面的に俺が悪いだろどうみても。変な言いがかりつけんなって」
それは悪口になるんだよ、江口。お前が何様のつもりだ。
因みにさっきから俺の隣でぎゃーぎゃー煩いコイツは江口 要平。席が隣だからか直ぐに仲良くなった、高校入って一番最初の俺の友達だ。こいつもどちらかというと人懐っこいタイプで、俺からしてみればからかい甲斐のある面白い奴。だけど短気なのは玉に瑕である。
「だってさーームカつくし。つか言いがかりってなんだよ。お前だってムカついてんだろ?」
「何でさ、俺が怒る立場じゃなくない? あーーてか待って………はい終わった!」
勝手にプリプリ怒ってる江口は結構怒ったら長引くタイプだからこのまま続けると半永久に文句を言い続ける。それでは小向が可哀想というか小向に悪いというか。だから俺は話題を変える為、ありがとー美保ちゃんっと笑顔と共にプリントを差し出して話を区切った。
その後に自分のプリントの行方もちゃんと話題変換の要素に入れて。
「ほら、受け取れ。優しい俺が役立たずのお前にありがたーい記入済みプリントを貸し出してやるよ。さっさと写しなさい」
ひらりと風圧に舞いながら江口の目前にちらつかせる1枚の紙。これは思い通り単純思考な友人の火種を消火する効果を発揮して。
「うわっきったねー字!」
受け取った俺使用のプリントを見ながら笑う江口の足りない脳みそには、もう先程の怒りなど瞬時に消え失せたようだ。
「ケチつけんなら見せねーぞーう」
「あーあー気にすんなってっ。やべー数学始まる!」
(気にすんなってお前がいうかっつーの)
間違った日本語を使いまくりながら猛スピードで写し始める友人を横目に、たかが10分の休み時間で気疲れしてしまった俺は誰かに絡む元気もなく、そのまま残りの時間を机にへばりついて過ごす事に決めた。組んだ両腕の間に顔を埋め、喧騒飛び交う中ゆっくりと瞳を閉じる。
「こーむかぁいっ!」
ふと耳に入ったのは俺がうつ伏せる間際まで教卓に凭れて黒板消しをいじりながら近くの友人との会話に花を咲かせていたクラスメイトの声。ソイツはこっちに向けて大声で叫んだ。
こっちに向けているが俺宛てではない。俺を通り過ぎて、俺の真後ろにいる無口な少年へ焦点を合わせている。
その声に反応したのか背後の彼は俯いていたであろう顔を返答代わりにソイツに向けた様な気配がして。
「小向ー書き終わったかぁ?」
「あ、んーうん」
然程棘も含まず気怠げに、どこかのんびりしたような声音はガヤガヤと騒がしくなった教室内を潜り抜けて案外綺麗に浸透した。
今日の日直と遅れた書き取りを続けていた小向の会話。それは何の変哲もない日常会話。もうすぐ始まる数学の授業の為に黒板を綺麗にしないといけない日直が消しても大丈夫か小向に確認しているだけ。
だけど俺はそんな些細な会話に、ちくりと胸を痛めた。
未だに俺は直接小向の声を向けられた事がない。前後の席であるにも関わらず。あの事件の所為なのか、小向は俺に対して言葉を発する事がないんだ。そんなに名前を間違われたのが嫌だったのか、なぁ小向。後日、本当の呼び方を知ってからその事に対して謝罪した時も何も言ってくれなかった。
席が前後なだけに他の奴らには短いなりにも"うん"や"ううん"と返事しているのをよく耳にする。
やっぱそう言うの悲しいと、俺は思うんだ。俺だけ返事を貰えないなんて。けれど無視されるのが怖くて……俺は何かない限り小向に話しかけようとはしなくなった。
求める癖に行動しない。今までの俺にはあるまじき態度だ。人付き合いの上手な俺が。
たぶんあの事件は一種のトラウマ。俺に、対人への接し方に少しの恐怖心を抱かせるようになったんだ。
顔色を伺うのは結構得意だったりする。それを見て、空気を和ませたり気分を変えさせたりするのは上手い方だった。でも、それがアイツには何故か効力発揮する兆しすら見えない。正直、参ってるのが近頃の現状だ。
「おーい席に着けー授業始めるぞ」
ガラガラっと騒騒しい音を立て、建て付けの悪い引き戸が開いたと同時に鳴り響く、授業開始の鐘の音。
俺は慌ただしく自席に着席しだすクラスメイトを後目に一人、のっそりした動作で落胆した気持ちで伏せていた顔を上げ、そっと溜め息を吐き出した。
俺は返事を待つ体制を決め込みながらより一層表情を和らげて、小向の野暮ったい前髪の向こうを見つめる。アホみたいにヘラヘラ笑ったまま。さぁ言え。俺に"よろしく"って言う気だろ?
その言葉が発せられると信じて疑ってなかった。なのに、なのに。
あろう事か小向は期待に胸を躍らせる俺と目があった筈なのに、そのままぷいっと視線を反らして。すっと立ち上がると、まるで俺という存在は元からいなかった様な態度で教室の外へと歩き去ってしまった。
残ったのはやり場のない笑顔を一人浮かべたままの俺だけ。
正直、人影が僅かで助かった。こんな情けない姿の俺を目撃したのがこれから1年間一緒に過ごすクラスメイト全員だったなら、今後俺は恥ずかしすぎて今までの俺じゃなくなっていただろう。
それぐらい重大な事件だった。
今の今まで俺は挨拶を無視されたという経験をした事なくて。
それも誰とでも仲良くなれるこの俺が。笑顔とかよく『その笑顔向けられるとなんでも許せちゃう~』なんて褒められていたし、『なりの笑顔って好感持てるよな』と太鼓判も押されていたから仲良くなれる絶対の自信があった……のに。
だからか、この生まれて初めてのシカトを体験してしまった俺は、人生最大と言っても過言じゃない程ショックを受けてしまった。
時間にしてみればほんの数分、いや数秒程度の出来事。そんな僅かな時間で俺の鼻っ柱をへし折ってくれた小向 最中という人物は、良い意味でも悪い意味でも特別な存在となって俺の心に居座ってしまっていた。
塩分高すぎて欠片も甘くない男、小向。古里の次で俺の後ろの席な近くて遠い男、小向 最中。もなか。ただ一人、俺の思い通りにいかない男で、俺が最も苦手とする存在。
これが俺と小向のファーストコンタクト。
全く持って同じ名前の和菓子とは正反対だ。
まぁ、そんなこんなで俺は小向に苦手意識を持ってしまっている。
これが俺の人生に傷跡として残った経緯だとでも言っておこうか。
カリカリと握りしめたシャーペンを紙上で滑らせ、プリントの空欄を埋めていく。後ろでもまた再開された板書書き取りの音が聞こえ始めて。
(アイツの字…結構きれーだったな)
謝ったどさくさで見てしまったアイツのノート。あの歪な丸はこの先ずっと残ったままだろう。そう思うと何となく、ムズムズした気持ちになった。
「小向くんってなんか……難しいよね」
そんな時、未だひたすらに書き写しへ専念している俺の目の前に居続けていた少しおとなしめなタイプの美保ちゃんが、そっと小声で耳打ちしてくる。少し眉根を下げて俺の顔色を伺ってくる美保ちゃん。視線はチラチラと俺の後方を盗み見ていて、その先には言わずもがな、例の同級生がいらっしゃる。
(バカやろう! 聞こえちまうだろーが!!)
小声だからってバカに出来ない代物だ。
けどこんな事は口にしない。なんてったって俺はフェミニストですから。口が裂けても女の子にそんな言葉遣いはしない。今すぐに頭をひっぱたいてやりたい衝動にかられているが。
けど
「謝ってんのにシカトとかさいてーじゃね? 何様のつもりだっつーの」
隣で気を使う素振りも見せず、逆に通常より声を張っていちゃもん付ける男にはいらっときた。
だってそれを言うのはお前じゃないし、そもそも俺を擁護するのは間違ってる。ぶつかったのは俺で被害を被ったのは小向。
「今のは全面的に俺が悪いだろどうみても。変な言いがかりつけんなって」
それは悪口になるんだよ、江口。お前が何様のつもりだ。
因みにさっきから俺の隣でぎゃーぎゃー煩いコイツは江口 要平。席が隣だからか直ぐに仲良くなった、高校入って一番最初の俺の友達だ。こいつもどちらかというと人懐っこいタイプで、俺からしてみればからかい甲斐のある面白い奴。だけど短気なのは玉に瑕である。
「だってさーームカつくし。つか言いがかりってなんだよ。お前だってムカついてんだろ?」
「何でさ、俺が怒る立場じゃなくない? あーーてか待って………はい終わった!」
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その後に自分のプリントの行方もちゃんと話題変換の要素に入れて。
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ひらりと風圧に舞いながら江口の目前にちらつかせる1枚の紙。これは思い通り単純思考な友人の火種を消火する効果を発揮して。
「うわっきったねー字!」
受け取った俺使用のプリントを見ながら笑う江口の足りない脳みそには、もう先程の怒りなど瞬時に消え失せたようだ。
「ケチつけんなら見せねーぞーう」
「あーあー気にすんなってっ。やべー数学始まる!」
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間違った日本語を使いまくりながら猛スピードで写し始める友人を横目に、たかが10分の休み時間で気疲れしてしまった俺は誰かに絡む元気もなく、そのまま残りの時間を机にへばりついて過ごす事に決めた。組んだ両腕の間に顔を埋め、喧騒飛び交う中ゆっくりと瞳を閉じる。
「こーむかぁいっ!」
ふと耳に入ったのは俺がうつ伏せる間際まで教卓に凭れて黒板消しをいじりながら近くの友人との会話に花を咲かせていたクラスメイトの声。ソイツはこっちに向けて大声で叫んだ。
こっちに向けているが俺宛てではない。俺を通り過ぎて、俺の真後ろにいる無口な少年へ焦点を合わせている。
その声に反応したのか背後の彼は俯いていたであろう顔を返答代わりにソイツに向けた様な気配がして。
「小向ー書き終わったかぁ?」
「あ、んーうん」
然程棘も含まず気怠げに、どこかのんびりしたような声音はガヤガヤと騒がしくなった教室内を潜り抜けて案外綺麗に浸透した。
今日の日直と遅れた書き取りを続けていた小向の会話。それは何の変哲もない日常会話。もうすぐ始まる数学の授業の為に黒板を綺麗にしないといけない日直が消しても大丈夫か小向に確認しているだけ。
だけど俺はそんな些細な会話に、ちくりと胸を痛めた。
未だに俺は直接小向の声を向けられた事がない。前後の席であるにも関わらず。あの事件の所為なのか、小向は俺に対して言葉を発する事がないんだ。そんなに名前を間違われたのが嫌だったのか、なぁ小向。後日、本当の呼び方を知ってからその事に対して謝罪した時も何も言ってくれなかった。
席が前後なだけに他の奴らには短いなりにも"うん"や"ううん"と返事しているのをよく耳にする。
やっぱそう言うの悲しいと、俺は思うんだ。俺だけ返事を貰えないなんて。けれど無視されるのが怖くて……俺は何かない限り小向に話しかけようとはしなくなった。
求める癖に行動しない。今までの俺にはあるまじき態度だ。人付き合いの上手な俺が。
たぶんあの事件は一種のトラウマ。俺に、対人への接し方に少しの恐怖心を抱かせるようになったんだ。
顔色を伺うのは結構得意だったりする。それを見て、空気を和ませたり気分を変えさせたりするのは上手い方だった。でも、それがアイツには何故か効力発揮する兆しすら見えない。正直、参ってるのが近頃の現状だ。
「おーい席に着けー授業始めるぞ」
ガラガラっと騒騒しい音を立て、建て付けの悪い引き戸が開いたと同時に鳴り響く、授業開始の鐘の音。
俺は慌ただしく自席に着席しだすクラスメイトを後目に一人、のっそりした動作で落胆した気持ちで伏せていた顔を上げ、そっと溜め息を吐き出した。
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