2 / 5
2話
しおりを挟む
「ウィリアム殿下、近頃魔物の動きが活発化しております、現在調査中ですが、いかがいたしましょうか。」
「アドルフ、調査結果がでたらすぐに知らせてくれ。」
「御意。」
側近のアドルフが執務室から出て行った。
アドルフが置いて行った婚約者候補の絵姿を横にどけ、執務机に両肘をつき、先日起こったことに思いをはせる。
魔物が町に出没したと知らせを受けた時、私は一人で調査のため町にでていた。
騎士という肩書だけでもてるのだが、この容姿のせいで女性からのアプローチが多く、煩わしいとさえ思ってしまう。まだ恋愛というものをしたことがない。
先日16歳になったばかりだ。
王太子であるため18歳で成人の儀が行われるにあたり、まわりも婚約者候補を押し付けてくる。
それを今のところはうまくかわしているが、まったく迷惑な話だ。
「きゃああ、でたああ」
と悲鳴が聞こえてきた。
思わずその方向へ駆け出したところ、少女を見つけた。
その少女は美少女といっていいくらいの、容姿をしていたがそんなことにかまっている暇はなかった。
「早く子供はここから立ち去れ、殺されたいのか!」
焦っていたため、怒ったように言ってしまった。
少女は振り返り「申し訳ございません。」と言って立ち去ろうとしたところ、魔物が少女に襲いかかろうとしていた。
「あぶないっ」と少女をかばい、剣で魔物に切りかかった。
私はこの国一番の魔法騎士で、騎士団の団長の任についている。
そうこうしていると、魔物が仲間を呼び2体になった。
一人では少女が危ないと思ったところ、少女が「こちらの魔物は私が対処します!」と言って、もう一体の魔物の相手をしだした。
私は驚愕した。あんな可憐な美少女が魔物を退治?
思わず固まったが、今はそれどころではない。
早くこの魔物を倒して少女に加勢しなくてはと必死だった。
ようやく魔物を倒して少女の方を見ると、パンチ、キックを繰り出しているではないか。
見たことのない構えで、どこからそんな力がでているのか不思議で加勢するのも忘れ、少女の戦いに見入っていた。
少女が魔物を倒してこちらを向いたが、私の驚愕している顔におびえたのか、あとずさりあわててその場から走り去っていった。
少女が何者か知りたかったため「あ、待ちたまえ、君」と声をかけ、おいかけたが、見失ってしまった。
彼女は消えてしまったが、なんだか胸があつく今まで経験したことのない感覚だった。
それ以来、ずっと彼女のことが頭から離れない。
絶対見つけてみせる。もう一度会いたい・・・
「アドルフ、調査結果がでたらすぐに知らせてくれ。」
「御意。」
側近のアドルフが執務室から出て行った。
アドルフが置いて行った婚約者候補の絵姿を横にどけ、執務机に両肘をつき、先日起こったことに思いをはせる。
魔物が町に出没したと知らせを受けた時、私は一人で調査のため町にでていた。
騎士という肩書だけでもてるのだが、この容姿のせいで女性からのアプローチが多く、煩わしいとさえ思ってしまう。まだ恋愛というものをしたことがない。
先日16歳になったばかりだ。
王太子であるため18歳で成人の儀が行われるにあたり、まわりも婚約者候補を押し付けてくる。
それを今のところはうまくかわしているが、まったく迷惑な話だ。
「きゃああ、でたああ」
と悲鳴が聞こえてきた。
思わずその方向へ駆け出したところ、少女を見つけた。
その少女は美少女といっていいくらいの、容姿をしていたがそんなことにかまっている暇はなかった。
「早く子供はここから立ち去れ、殺されたいのか!」
焦っていたため、怒ったように言ってしまった。
少女は振り返り「申し訳ございません。」と言って立ち去ろうとしたところ、魔物が少女に襲いかかろうとしていた。
「あぶないっ」と少女をかばい、剣で魔物に切りかかった。
私はこの国一番の魔法騎士で、騎士団の団長の任についている。
そうこうしていると、魔物が仲間を呼び2体になった。
一人では少女が危ないと思ったところ、少女が「こちらの魔物は私が対処します!」と言って、もう一体の魔物の相手をしだした。
私は驚愕した。あんな可憐な美少女が魔物を退治?
思わず固まったが、今はそれどころではない。
早くこの魔物を倒して少女に加勢しなくてはと必死だった。
ようやく魔物を倒して少女の方を見ると、パンチ、キックを繰り出しているではないか。
見たことのない構えで、どこからそんな力がでているのか不思議で加勢するのも忘れ、少女の戦いに見入っていた。
少女が魔物を倒してこちらを向いたが、私の驚愕している顔におびえたのか、あとずさりあわててその場から走り去っていった。
少女が何者か知りたかったため「あ、待ちたまえ、君」と声をかけ、おいかけたが、見失ってしまった。
彼女は消えてしまったが、なんだか胸があつく今まで経験したことのない感覚だった。
それ以来、ずっと彼女のことが頭から離れない。
絶対見つけてみせる。もう一度会いたい・・・
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
こんにちは、女嫌いの旦那様!……あれ?
夕立悠理
恋愛
リミカ・ブラウンは前世の記憶があること以外は、いたって普通の伯爵令嬢だ。そんな彼女はある日、超がつくほど女嫌いで有名なチェスター・ロペス公爵と結婚することになる。
しかし、女嫌いのはずのチェスターはリミカのことを溺愛し──!?
※小説家になろう様にも掲載しています
※主人公が肉食系かも?
【完結】転生令嬢はハッピーエンドを目指します!
かまり
恋愛
〜転生令嬢 2 〜 連載中です!
「私、絶対幸せになる!」
不幸な気持ちで死を迎えた少女ティアは
精霊界へいざなわれ、誰に、何度、転生しても良いと案内人に教えられると
ティアは、自分を愛してくれなかった家族に転生してその意味を知り、
最後に、あの不幸だったティアを幸せにしてあげたいと願って、もう一度ティアの姿へ転生する。
そんなティアを見つけた公子は、自分が幸せにすると強く思うが、その公子には大きな秘密があって…
いろんな事件に巻き込まれながら、愛し愛される喜びを知っていく。そんな幸せな物語。
ちょっと悲しいこともあるけれど、ハッピーエンドを目指してがんばります!
〜転生令嬢 2〜
「転生令嬢は宰相になってハッピーエンドを目指します!」では、
この物語の登場人物の別の物語が現在始動中!
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
婚姻初日、「好きになることはない」と宣言された公爵家の姫は、英雄騎士の夫を翻弄する~夫は家庭内で私を見つめていますが~
扇 レンナ
恋愛
公爵令嬢のローゼリーンは1年前の戦にて、英雄となった騎士バーグフリートの元に嫁ぐこととなる。それは、彼が褒賞としてローゼリーンを望んだからだ。
公爵令嬢である以上に国王の姪っ子という立場を持つローゼリーンは、母譲りの美貌から『宝石姫』と呼ばれている。
はっきりと言って、全く釣り合わない結婚だ。それでも、王家の血を引く者として、ローゼリーンはバーグフリートの元に嫁ぐことに。
しかし、婚姻初日。晩餐の際に彼が告げたのは、予想もしていない言葉だった。
拗らせストーカータイプの英雄騎士(26)×『宝石姫』と名高い公爵令嬢(21)のすれ違いラブコメ。
▼掲載先→アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ
ヤンデレお兄様から、逃げられません!
夕立悠理
恋愛
──あなたも、私を愛していなかったくせに。
エルシーは、10歳のとき、木から落ちて前世の記憶を思い出した。どうやら、今世のエルシーは家族に全く愛されていないらしい。
それならそれで、魔法も剣もあるのだし、好きに生きよう。それなのに、エルシーが記憶を取り戻してから、義兄のクロードの様子がおかしい……?
ヤンデレな兄×少しだけ活発な妹
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる