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第2章 冒険者編
114話 タイガVS分隊長ウエルグ
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「ウ、ウエルグ様!どうしてここへ⁉︎」
「貴様がいつまでも進軍せず苦戦しているように見えたから足を運んだのだが、まさか本当に苦戦しているとはな」
「いえ、これは少しばかり油断してしまっただけでございます。もう少し時間をくだされば今すぐにでもあの小僧を始末して…」
「それはもうよい。それよりも貴様は全ての兵を引き連れて前線の援護に回れ。その際だ、残りの冒険者どもを片付けて一気にリボーンを落としてこい」
「し、しかし…「我に逆らう気か?ボイラム」そ、そのようなつもりは、申し訳ありません!お前たち、私に続け!」
異議を唱えようとしていたボイラムだったがウエルグの脅しによりすぐさま動ける魔族を連れて冒険者の残党の方へと向かって行った。
俺の過剰負担が軽減されるのはひじょぉ~に有り難い。けれど…流石にあの数は不味くないか?
心配になって足止めに向かおうとすると前方から放たれた火の玉が目の前を通過した。
「おっと、悪いが貴様はこの魔王軍分隊長ウエルグ様が直々に始末してやる。光栄に思うがいい」
「くそっ!」
だが、考えようによってチャンスでもある。他の冒険者たちによるとコイツが敵軍の指揮官なわけだし、さっきの魔族が反抗できず従順に従っていた辺りからも少なくともコイツの存在が相手にとって大きい事には違いない。元々俺のやるべきことはこの敵将を討ち取る事だったんだし丁度いい。こいつを早めに沈めて速攻で終わらせてやる!
冒険者たちの元に向かう後方の魔族たちをチラッと見る。
向こうの冒険者たち、そして一応王女らも少し心配だがなんとかなるだろう。あれだけ自信満々にイキまいていたんだから大丈夫な筈だ。きっと王女らが解決してくれる…多分。まあとにかくコイツをブチのめしてあいつ等の所に加勢に行く!
「〈我が豪球に包まれてその身を爆ぜろ〉メガファイアボール・6連!」
直径50センチ程の火球が連続度で射出され、大河の前方を覆う。
「くっ!」
「ほう、中々の身のこなしだな。だがこんなモノはまだ序の口にすぎんぞ」
流石にさっきの奴らとは魔法の威力が違う。しかもあのサイズで連打できるとは。流石に魔王軍の役職持ちなだけあって他の奴らよりも強い。だが俺にはこれがあーる
大河は近くで倒れている魔族の首を掴んで前に突き出した。
「おい、それ以上魔法攻撃を続けると俺の代わりにこいつが攻撃を食らい続けることになる。お前の可愛い部下の命が危険に晒されてしまってもいいのかな?」
「なっ!き、貴様!そんな外道な戦法で戦うなど冒険者として恥ずかしくないのか⁉」
さっきの奴と同じようなリアクションだな
「恥?何それ?美味しいの?」
「くっ~~‼」
「とにかくこれでお前は迂闊に魔法をぶっ放せまい」
「この小僧があぁっーー!!」
いや~よかった。こいつらが思ってたより部下想いの奴らで
「ふうぅ、ふうぅ……クックックックックッ。その性格の悪さ、人間でなければ是非魔王軍にスカウトしたのだが実に惜しいものだ」
「どっちみちお断りだ」
「こうなったら我の奥の手を使うしかあるまい」
「奥の手?」
「そうさ、貴様のような人間には勿体ない我の特別魔法を与えてやろう」
あれ?さっきも同じような台詞を聞いたような気が…
「食らうがいい!<抗いし愚者よ、我が厄災によりてその身に紅蓮の火の味を染み込ませるがいい>メガ・メギエルム!」
しまっ…!
「どうだ、私の魔法の味は。と言っても全身が焼き尽くされる激痛で私の言葉など通じていないだろう…が……な」
「………」
「なんだと、アレを受けてまだ立っていられるとは…ちっ!耐性持ちか。だが重ね掛けされたらどうだ!<抗いし愚者よ、我が厄災によりてその身に紅蓮の火の味を染み込ませるがいい>メガ・メギエルム!」
再度試すが大河の身には夏の日焼け程度の痛みしか起きなかった。
「くっ、何故だ!何故だぁ―!」
これまた同じ反応《リアクション》。よっぽど自信があったんだな。けどまあそれは置いといて、チャンスだ!
動揺する敵に畳みかけるように好機を逃さず接近した。
よし、ここだ。今までより半歩長く踏み出して、沈み込んで、そしてこのタイミング!
「くっ!<我が豪球に包まれ『バキッ』グヘッ!」
詠唱をを唱え切る前に大河の拳が相手の顔面を捉えた。見事クリーンヒットされたウエルグは転がり回りながら吹き飛ばされた。
おお、この感触。間違いなく今日一のベストパンチ!会心の一撃。だったんだが…
「おのれ!おのれ!おのれ!」
「これまでの感じだと魔法主体の中・遠距離戦タイプだとは思うけど、仮にも部隊を率いている実力者。流石に一発で沈むほど甘くないか」
「不意打ちとはいえこの俺があのよう小童に一撃をもらってしまうとは。しかも憎たらしいことに意外と威力が…こんな奴の攻撃でダメージを負ってしまうなど何たる屈辱!」
思いもよらぬダメージと人間相手、それも新人冒険者の集まるリボーンの近くで現れたレベルの冒険者相手に顔を地につけられたことがプライドに触り、烈火の如く怒りを露わにしていた。
「貴様がいつまでも進軍せず苦戦しているように見えたから足を運んだのだが、まさか本当に苦戦しているとはな」
「いえ、これは少しばかり油断してしまっただけでございます。もう少し時間をくだされば今すぐにでもあの小僧を始末して…」
「それはもうよい。それよりも貴様は全ての兵を引き連れて前線の援護に回れ。その際だ、残りの冒険者どもを片付けて一気にリボーンを落としてこい」
「し、しかし…「我に逆らう気か?ボイラム」そ、そのようなつもりは、申し訳ありません!お前たち、私に続け!」
異議を唱えようとしていたボイラムだったがウエルグの脅しによりすぐさま動ける魔族を連れて冒険者の残党の方へと向かって行った。
俺の過剰負担が軽減されるのはひじょぉ~に有り難い。けれど…流石にあの数は不味くないか?
心配になって足止めに向かおうとすると前方から放たれた火の玉が目の前を通過した。
「おっと、悪いが貴様はこの魔王軍分隊長ウエルグ様が直々に始末してやる。光栄に思うがいい」
「くそっ!」
だが、考えようによってチャンスでもある。他の冒険者たちによるとコイツが敵軍の指揮官なわけだし、さっきの魔族が反抗できず従順に従っていた辺りからも少なくともコイツの存在が相手にとって大きい事には違いない。元々俺のやるべきことはこの敵将を討ち取る事だったんだし丁度いい。こいつを早めに沈めて速攻で終わらせてやる!
冒険者たちの元に向かう後方の魔族たちをチラッと見る。
向こうの冒険者たち、そして一応王女らも少し心配だがなんとかなるだろう。あれだけ自信満々にイキまいていたんだから大丈夫な筈だ。きっと王女らが解決してくれる…多分。まあとにかくコイツをブチのめしてあいつ等の所に加勢に行く!
「〈我が豪球に包まれてその身を爆ぜろ〉メガファイアボール・6連!」
直径50センチ程の火球が連続度で射出され、大河の前方を覆う。
「くっ!」
「ほう、中々の身のこなしだな。だがこんなモノはまだ序の口にすぎんぞ」
流石にさっきの奴らとは魔法の威力が違う。しかもあのサイズで連打できるとは。流石に魔王軍の役職持ちなだけあって他の奴らよりも強い。だが俺にはこれがあーる
大河は近くで倒れている魔族の首を掴んで前に突き出した。
「おい、それ以上魔法攻撃を続けると俺の代わりにこいつが攻撃を食らい続けることになる。お前の可愛い部下の命が危険に晒されてしまってもいいのかな?」
「なっ!き、貴様!そんな外道な戦法で戦うなど冒険者として恥ずかしくないのか⁉」
さっきの奴と同じようなリアクションだな
「恥?何それ?美味しいの?」
「くっ~~‼」
「とにかくこれでお前は迂闊に魔法をぶっ放せまい」
「この小僧があぁっーー!!」
いや~よかった。こいつらが思ってたより部下想いの奴らで
「ふうぅ、ふうぅ……クックックックックッ。その性格の悪さ、人間でなければ是非魔王軍にスカウトしたのだが実に惜しいものだ」
「どっちみちお断りだ」
「こうなったら我の奥の手を使うしかあるまい」
「奥の手?」
「そうさ、貴様のような人間には勿体ない我の特別魔法を与えてやろう」
あれ?さっきも同じような台詞を聞いたような気が…
「食らうがいい!<抗いし愚者よ、我が厄災によりてその身に紅蓮の火の味を染み込ませるがいい>メガ・メギエルム!」
しまっ…!
「どうだ、私の魔法の味は。と言っても全身が焼き尽くされる激痛で私の言葉など通じていないだろう…が……な」
「………」
「なんだと、アレを受けてまだ立っていられるとは…ちっ!耐性持ちか。だが重ね掛けされたらどうだ!<抗いし愚者よ、我が厄災によりてその身に紅蓮の火の味を染み込ませるがいい>メガ・メギエルム!」
再度試すが大河の身には夏の日焼け程度の痛みしか起きなかった。
「くっ、何故だ!何故だぁ―!」
これまた同じ反応《リアクション》。よっぽど自信があったんだな。けどまあそれは置いといて、チャンスだ!
動揺する敵に畳みかけるように好機を逃さず接近した。
よし、ここだ。今までより半歩長く踏み出して、沈み込んで、そしてこのタイミング!
「くっ!<我が豪球に包まれ『バキッ』グヘッ!」
詠唱をを唱え切る前に大河の拳が相手の顔面を捉えた。見事クリーンヒットされたウエルグは転がり回りながら吹き飛ばされた。
おお、この感触。間違いなく今日一のベストパンチ!会心の一撃。だったんだが…
「おのれ!おのれ!おのれ!」
「これまでの感じだと魔法主体の中・遠距離戦タイプだとは思うけど、仮にも部隊を率いている実力者。流石に一発で沈むほど甘くないか」
「不意打ちとはいえこの俺があのよう小童に一撃をもらってしまうとは。しかも憎たらしいことに意外と威力が…こんな奴の攻撃でダメージを負ってしまうなど何たる屈辱!」
思いもよらぬダメージと人間相手、それも新人冒険者の集まるリボーンの近くで現れたレベルの冒険者相手に顔を地につけられたことがプライドに触り、烈火の如く怒りを露わにしていた。
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