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第2章 守護霊を解放せよ
第2話 坂本と平沢
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いつもより混雑した電車に乗り込み、すし詰め状態で揺られること約十分、巨大な芋虫の口から吐き出されるようにして電車を降りた。
遅刻とはまた違った生気を吸収されるような疲労を肩へとぶら下げながら三年一組の教室へ入ると、オレの顔を見るなりクラスメイトの雑談が止んだ。
「何で何で? 遅刻魔の崎山が予鈴前に来るってどういうこと?」
首を捻ったり、好奇の目を向けてくる。
後ろの怨霊男が見えたわけではないようで、オレはひとまず安堵の息を洩らした。
一体いつまで憑いてくるつもりなのか。
怨霊男は満員電車の中では天井の中吊り広告のように浮かんでいたし、今もオレの歩調に合わせ、カランコロンとのんきに下駄を鳴らしながら付かず離れずピタリと憑いてくるのだ。
つつがなく一日が終わればいい。
じわりじわりと不安が胸に広がると、一時間目の授業の課題が済んでいないことを思い出した。
「なあ、友人Aを知らないか? 宿題を写させてもらおうと思ったんだけど」
隣の友人Aの姿が見当たらず、前席の肉厚の背中をつんつんと突くと、ぽっちゃり体型の平沢知宏が頬の肉を震わせて、振り返った。
「知らない」
そう応える平沢の腕にはスナック菓子が抱えられており、その姿は笹をむさぼるパンダのようで愛嬌がある。
「宿題は自分でやるものだよ」
平沢はあっさりと返しつつ、オレに菓子袋を差し向けてくる。
ひとつまみいただくと、こちらもあっさり塩味だった。
「あ、うまい」
「だろ。期間限定のうま塩味だよ」
平沢に訊ねれば、新発売のお菓子の情報がほとんど手に入る。どこのメーカーの期間限定チョコレートが美味しいだの、どこメーカーのスナック菓子に新しい味が出ただの、うまい話とお菓子を分けてくれる。
「朝から崎山の顔が拝めるなんて殊勝だな」
再びスナック菓子に手を伸ばしたとき、聞きなれた声がした。
顔を上げれば、三年一組の風紀委員を務める坂本樹生が立っていた。
「初日の出くらい貴重だ」
坂本は一重まぶたを細める。
「今日はたまたま早起きしたんだ」
怨霊男のせいで目が覚めたとは絶対に言わない。
「そのたまたまが明日も続くように頑張れよ。同じ地元出身なのにこれまで通学路で一度も顔を合わせた試しがないって寂しい話だろ」
「遅刻常習犯のオレと風紀委員の坂本じゃあ、無理もないな」
「そこ開き直るか、普通」
坂本は風紀委員の腕章を外しながら苦笑した。
着崩すことのない学ランに、キチッと留めた詰め襟。絵に描いた模範生徒の姿が流行りのファッションのように見えてしまうのは彼が容姿端麗だからだ。
「さっきの話だけど、芦屋君は毎朝、図書館にいるよ。風紀委員の朝の挨拶運動のときに芦屋君が図書館へ向かう姿をよく見かけるんだ。勉強しているみたいだよ」
「へえ。あいつ案外、努力家なんだな」
オレが感心の声を上げると、平沢が疑問を呈するようにぽつりと言った。
「それって本当に勉強するだけかな」
「どういう意味だよ」
訝るオレの視線を受け、訳知り顔を教室の外へ向ける。図書館の方角だ。
「やっぱり教室には居づらいんじゃないのかな。みんなと馴れ合いたくないっていうか。あの人はいろいろあったじゃん。崎山君もさ、面倒なことになる前に距離を置いた方がいいんじゃない。僕、正直絡まれたくないし」
「いろいろって?」
平沢はスナック菓子をポイポイと口に放り込みながら続けた。
「やっぱり何も知らないんだね。あの人の黒い話は知らない方が平和だよ。ここだけの話、この間、教室で財布がなくなったじゃん。犯人はあの人なんじゃないのかって、みんな言ってるよ」
「平沢」
「らしくないぜ。そんな言い方」とオレが言葉を続ける前に、坂本が声を被せた。
「憶測で話すものじゃない。黒い話はさておき、芦屋君が犯人だって証拠はどこにもないだろう?」
「ごめんよ」
坂本の声音にはたしなめとわずかな非難の色が含まれている。それを敏感に感じ取った平沢は弱々しく謝ると、背中を丸めて、俯いてしまった。
ぽっちゃりした大きな背中が、一瞬にして小さくやせ細ってしまったように見えた。
友人Aが一体どうしたというのだろう。
平沢をはじめ、坂本までもが、友人Aを取り巻く黒い話について知っている様子だったが、オレは一度も噂の「う」の字も耳にしたことがなかった。
友人Aは宿題を見せてくれるし、授業で指されたときにはこっそり横からサポートしてくれる。さらに弁当を忘れたときなど気前のよくおかずを分けてくれるのだ。
時々、オレをからかってくるのが難点だが、なんだかんだで気が合うし、いいやつだ。そんなやつが、他人の財布を盗るはずがない。
何か誤解があるはずだと弁護の言葉が喉を飛び出そうとしたとき、坂本が場の雰囲気を一蹴するように話題を変えた。
「それよりも崎山、バイトしないか?」
「バイト?」
「桜並木駅前のファミレスだよ。今、オレもそこでバイトしてるんだけれど、人手が足りないから誰か紹介してくれないかって店長に頼まれててさ」
坂本から手渡された求人雑誌に目を落とす。
オレの地元桜並木駅から徒歩五分。非常に近い。もちろん自転車は不要。さらに高時給。未経験者歓迎。放課後のアルバイトだから、寝坊の心配はいらず、条件は申し分ない。
財布事情からしても、新作のゲームは山ほど欲しいし、来月には好きなロックバンドのCDが発売する。渡りに船とはこのことだ。
「やる」
間髪入れずに即答する。
「それじゃあ、面接受けてみろよ」
「おう。面接が受かったら、いろいろ教えてくれよな、坂本センパイ」
坂本が笑うと彼の生活態度のように規則正しく並んだ白い歯が覗いた。人当たりのいい笑顔に、オレも自然と口元が緩む。
文武両道で教師受けのいい優等生なのに、てらったところがないから自然と人を引きつける人気者。
坂本とは小学校、中学校と旧知の仲だから、彼の人柄はよく知っている。
ときに厳しいことも言うが、彼のリーダーシップはいつも正論だし、困っている人を見ると放っておけない質だから面倒見もよく、一クラスに一人坂本がいれば安心だと定評があるほど男女ともに頼りにされている。
坂本はしょんぼりしてしまった平沢のフォローも忘れなかった。さりげない動作で肩を叩くと、平沢にはにかんだ笑顔が戻った。
坂本からホール作業や調理場の仕事の内容を聞いているうちにホームルーム開始のチャイムが鳴った。
花に吸い寄せられるミツバチのようにクラスメイトが教室に集まり始め、その群れに加わるように友人Aがオレの隣に着くなり無駄口を叩く。
「真が遅刻しないから、今日は地球最後の日かもしんねえな」
平沢の話した「友人Aの黒い話」が頭の隅っこに引っかかっていたが、友人Aがいつものふざけた調子のお陰ですぐに消滅した。
やっぱり、「黒い話」は噂の域を出ないのだと思う。噂話は信じるな、と昔から言うではないか。
ふと蚊帳の外にいる怨霊男のことが気になり、オレはそっと振り返った。
怨霊男は相変わらず、だめ押しのホームランを打った野球チームのように余裕の表情で教室を見渡していた。
それを見てオレは確信する。怨霊男が学校まで憑いてきたおおよその答えが見つかったのだ。
「何か用?」
オレの視線に気づいた怨霊男は首を傾けた。
「あんたさ」
オレは教室の喧騒に溶けて消えそうなほどの小さな声を放つ。
「オレの命を狙っている怨霊を探しているんだろ?」
ドキドキしながら答えを待つと、怨霊男は「もちろん、その通りだよ」と何度も力強く頷いた。
「やっぱりな」
膝の上で握った拳に自然と力が入る。
オレの守護霊が生前様々な人たちの恨みを買ってしまったせいで、怨霊男以外にも崎山家を末代まで呪いたがっている怨霊たちがうじゃうじゃいるようだ。
とりわけ、怨霊男はじわじわとオレを呪い殺すことに生き甲斐を感じているから、自分以外の怨霊たちは全て邪魔な敵と見なしている節があり、事実、昨日はばあちゃんと共に命拾いをしている。
それを思い返せば、得体の知れない他の怨霊たちより、後ろに立つ痩身のサムライに多少の頼もしさと親しみを感じずにはいられない。
守護霊が憑いていないオレにとって、今、怨霊たちから命を守ってくれるのは、このサムライ、ただひとりなのだから。
「なあ、幽霊って信じるか?」
友人Aに向き直り、もののついでに訊ねてみることにした。
「いるわけねえだろ」
友人Aは鼻を鳴らした。
「だよな」
当然の反応にオレは同意したふりをして、大きく頷いた。
ホームルーム開始を知らせる鐘の音が鳴った。
まもなく時間厳守の聖子先生がカツカツとヒールを鳴らしながら教室にやってくる。
聖子先生は席に着いているオレを見てどんな顔をするのだろうか。いたずらを仕掛けたように期待が膨らむ。
だが、その期待も数分後には一気に萎むことになる。
この日、聖子先生は学校に来なかった。
遅刻とはまた違った生気を吸収されるような疲労を肩へとぶら下げながら三年一組の教室へ入ると、オレの顔を見るなりクラスメイトの雑談が止んだ。
「何で何で? 遅刻魔の崎山が予鈴前に来るってどういうこと?」
首を捻ったり、好奇の目を向けてくる。
後ろの怨霊男が見えたわけではないようで、オレはひとまず安堵の息を洩らした。
一体いつまで憑いてくるつもりなのか。
怨霊男は満員電車の中では天井の中吊り広告のように浮かんでいたし、今もオレの歩調に合わせ、カランコロンとのんきに下駄を鳴らしながら付かず離れずピタリと憑いてくるのだ。
つつがなく一日が終わればいい。
じわりじわりと不安が胸に広がると、一時間目の授業の課題が済んでいないことを思い出した。
「なあ、友人Aを知らないか? 宿題を写させてもらおうと思ったんだけど」
隣の友人Aの姿が見当たらず、前席の肉厚の背中をつんつんと突くと、ぽっちゃり体型の平沢知宏が頬の肉を震わせて、振り返った。
「知らない」
そう応える平沢の腕にはスナック菓子が抱えられており、その姿は笹をむさぼるパンダのようで愛嬌がある。
「宿題は自分でやるものだよ」
平沢はあっさりと返しつつ、オレに菓子袋を差し向けてくる。
ひとつまみいただくと、こちらもあっさり塩味だった。
「あ、うまい」
「だろ。期間限定のうま塩味だよ」
平沢に訊ねれば、新発売のお菓子の情報がほとんど手に入る。どこのメーカーの期間限定チョコレートが美味しいだの、どこメーカーのスナック菓子に新しい味が出ただの、うまい話とお菓子を分けてくれる。
「朝から崎山の顔が拝めるなんて殊勝だな」
再びスナック菓子に手を伸ばしたとき、聞きなれた声がした。
顔を上げれば、三年一組の風紀委員を務める坂本樹生が立っていた。
「初日の出くらい貴重だ」
坂本は一重まぶたを細める。
「今日はたまたま早起きしたんだ」
怨霊男のせいで目が覚めたとは絶対に言わない。
「そのたまたまが明日も続くように頑張れよ。同じ地元出身なのにこれまで通学路で一度も顔を合わせた試しがないって寂しい話だろ」
「遅刻常習犯のオレと風紀委員の坂本じゃあ、無理もないな」
「そこ開き直るか、普通」
坂本は風紀委員の腕章を外しながら苦笑した。
着崩すことのない学ランに、キチッと留めた詰め襟。絵に描いた模範生徒の姿が流行りのファッションのように見えてしまうのは彼が容姿端麗だからだ。
「さっきの話だけど、芦屋君は毎朝、図書館にいるよ。風紀委員の朝の挨拶運動のときに芦屋君が図書館へ向かう姿をよく見かけるんだ。勉強しているみたいだよ」
「へえ。あいつ案外、努力家なんだな」
オレが感心の声を上げると、平沢が疑問を呈するようにぽつりと言った。
「それって本当に勉強するだけかな」
「どういう意味だよ」
訝るオレの視線を受け、訳知り顔を教室の外へ向ける。図書館の方角だ。
「やっぱり教室には居づらいんじゃないのかな。みんなと馴れ合いたくないっていうか。あの人はいろいろあったじゃん。崎山君もさ、面倒なことになる前に距離を置いた方がいいんじゃない。僕、正直絡まれたくないし」
「いろいろって?」
平沢はスナック菓子をポイポイと口に放り込みながら続けた。
「やっぱり何も知らないんだね。あの人の黒い話は知らない方が平和だよ。ここだけの話、この間、教室で財布がなくなったじゃん。犯人はあの人なんじゃないのかって、みんな言ってるよ」
「平沢」
「らしくないぜ。そんな言い方」とオレが言葉を続ける前に、坂本が声を被せた。
「憶測で話すものじゃない。黒い話はさておき、芦屋君が犯人だって証拠はどこにもないだろう?」
「ごめんよ」
坂本の声音にはたしなめとわずかな非難の色が含まれている。それを敏感に感じ取った平沢は弱々しく謝ると、背中を丸めて、俯いてしまった。
ぽっちゃりした大きな背中が、一瞬にして小さくやせ細ってしまったように見えた。
友人Aが一体どうしたというのだろう。
平沢をはじめ、坂本までもが、友人Aを取り巻く黒い話について知っている様子だったが、オレは一度も噂の「う」の字も耳にしたことがなかった。
友人Aは宿題を見せてくれるし、授業で指されたときにはこっそり横からサポートしてくれる。さらに弁当を忘れたときなど気前のよくおかずを分けてくれるのだ。
時々、オレをからかってくるのが難点だが、なんだかんだで気が合うし、いいやつだ。そんなやつが、他人の財布を盗るはずがない。
何か誤解があるはずだと弁護の言葉が喉を飛び出そうとしたとき、坂本が場の雰囲気を一蹴するように話題を変えた。
「それよりも崎山、バイトしないか?」
「バイト?」
「桜並木駅前のファミレスだよ。今、オレもそこでバイトしてるんだけれど、人手が足りないから誰か紹介してくれないかって店長に頼まれててさ」
坂本から手渡された求人雑誌に目を落とす。
オレの地元桜並木駅から徒歩五分。非常に近い。もちろん自転車は不要。さらに高時給。未経験者歓迎。放課後のアルバイトだから、寝坊の心配はいらず、条件は申し分ない。
財布事情からしても、新作のゲームは山ほど欲しいし、来月には好きなロックバンドのCDが発売する。渡りに船とはこのことだ。
「やる」
間髪入れずに即答する。
「それじゃあ、面接受けてみろよ」
「おう。面接が受かったら、いろいろ教えてくれよな、坂本センパイ」
坂本が笑うと彼の生活態度のように規則正しく並んだ白い歯が覗いた。人当たりのいい笑顔に、オレも自然と口元が緩む。
文武両道で教師受けのいい優等生なのに、てらったところがないから自然と人を引きつける人気者。
坂本とは小学校、中学校と旧知の仲だから、彼の人柄はよく知っている。
ときに厳しいことも言うが、彼のリーダーシップはいつも正論だし、困っている人を見ると放っておけない質だから面倒見もよく、一クラスに一人坂本がいれば安心だと定評があるほど男女ともに頼りにされている。
坂本はしょんぼりしてしまった平沢のフォローも忘れなかった。さりげない動作で肩を叩くと、平沢にはにかんだ笑顔が戻った。
坂本からホール作業や調理場の仕事の内容を聞いているうちにホームルーム開始のチャイムが鳴った。
花に吸い寄せられるミツバチのようにクラスメイトが教室に集まり始め、その群れに加わるように友人Aがオレの隣に着くなり無駄口を叩く。
「真が遅刻しないから、今日は地球最後の日かもしんねえな」
平沢の話した「友人Aの黒い話」が頭の隅っこに引っかかっていたが、友人Aがいつものふざけた調子のお陰ですぐに消滅した。
やっぱり、「黒い話」は噂の域を出ないのだと思う。噂話は信じるな、と昔から言うではないか。
ふと蚊帳の外にいる怨霊男のことが気になり、オレはそっと振り返った。
怨霊男は相変わらず、だめ押しのホームランを打った野球チームのように余裕の表情で教室を見渡していた。
それを見てオレは確信する。怨霊男が学校まで憑いてきたおおよその答えが見つかったのだ。
「何か用?」
オレの視線に気づいた怨霊男は首を傾けた。
「あんたさ」
オレは教室の喧騒に溶けて消えそうなほどの小さな声を放つ。
「オレの命を狙っている怨霊を探しているんだろ?」
ドキドキしながら答えを待つと、怨霊男は「もちろん、その通りだよ」と何度も力強く頷いた。
「やっぱりな」
膝の上で握った拳に自然と力が入る。
オレの守護霊が生前様々な人たちの恨みを買ってしまったせいで、怨霊男以外にも崎山家を末代まで呪いたがっている怨霊たちがうじゃうじゃいるようだ。
とりわけ、怨霊男はじわじわとオレを呪い殺すことに生き甲斐を感じているから、自分以外の怨霊たちは全て邪魔な敵と見なしている節があり、事実、昨日はばあちゃんと共に命拾いをしている。
それを思い返せば、得体の知れない他の怨霊たちより、後ろに立つ痩身のサムライに多少の頼もしさと親しみを感じずにはいられない。
守護霊が憑いていないオレにとって、今、怨霊たちから命を守ってくれるのは、このサムライ、ただひとりなのだから。
「なあ、幽霊って信じるか?」
友人Aに向き直り、もののついでに訊ねてみることにした。
「いるわけねえだろ」
友人Aは鼻を鳴らした。
「だよな」
当然の反応にオレは同意したふりをして、大きく頷いた。
ホームルーム開始を知らせる鐘の音が鳴った。
まもなく時間厳守の聖子先生がカツカツとヒールを鳴らしながら教室にやってくる。
聖子先生は席に着いているオレを見てどんな顔をするのだろうか。いたずらを仕掛けたように期待が膨らむ。
だが、その期待も数分後には一気に萎むことになる。
この日、聖子先生は学校に来なかった。
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