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観光資源になるのかもしれない
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そんな地下活動が、お偉いさんの耳に入ったらしい。ライの所に呼び出しが来た。
「俺、これ着るんですか。」女将さんの昔の聖女活動服。お値段は考えたくない。こんなことなら最初からおとなしく騎士にとっつかまってればよかった。似合いはするが、平和と平凡が遠ざかる。
「似合ってるぞ。」ニヤニヤするライを睨みつける。こいつらはいいよな。彼女とか選り取り見取りじゃないか。男と認識されないシリルとそもそも違うじゃんか。折角男に生まれたのなら、BLを回避し、可愛い彼女と幸せな家庭なんてのもいいんじゃないかな、と思う。顔は悪くない、ただ、女の子に可愛いと言っても信じてもらえるかはわからないが。
王城。そうかいろいろ変わってても結局ここかあ、ゴールってか、出発点は。こっからBLな旅しなきゃなんないのか。しかもこんな、otokonokoな装備で。勇者と旅したほうが装備だけならだいぶマシだった。
「顔をあげよ。」若々しい声が降ってくる。
「久しいな。息災だったか?」
「はい。陛下におかれましては…」
「あー、ハイハイ。堅苦しいのはなしにしょうぜ。」
突然の砕けた口調にビビっていると
「アル、シリルがビビってんじゃねーか。ったく、猫かぶれねえ奴だな。」
「普段は頑張ってんだよ。今日くらいいいだろ。」
そっかあ、ライ、王様とため口なんだー。なんか庶民じゃないんだろうな、って思ってたけどさ。
「で。可愛い甥っ子は、美人の彼女連れてきたって?」
「いや、こいつ男だし。連れてきたのは聖女の力があるからだし。」
「怒るなよー。言ってみただけじゃん。」
「ここに呼んだのは、正式に討伐隊を組むからってことなんだけど。」
「そこまで…」
「やってることは変わんないよー。ただ、もう少しシリル君がこっち側になるだけ。」
言っちゃうと、マイナー地下アイドルに武○館オファー来た感じ。
報告しに実家に帰ると、父さん達がいた。
カチャ。
「随分愛らしくなって。」父さんは笑う。父さんはふわっとシリルを抱きしめる。やわらかい金の微笑み。森の恵みに愛された美貌。シリルの父が守ると約束したたおやかな佇まい。シリル君の環境はこっそりBL。
ちなみに話を聞いたダリルとグレンは倒れた。
数日後、出発。遅れてグレンが来た。
前世で見た巨大ロボつれてどや顔。
二日前、特注ウェディングドレス持ってきて一緒に行くとか言い出した時は即没にしたが。
「これなら、危険はない。」いや、だめだろう。どうやって運ぶんだよ。
「俺、これ着るんですか。」女将さんの昔の聖女活動服。お値段は考えたくない。こんなことなら最初からおとなしく騎士にとっつかまってればよかった。似合いはするが、平和と平凡が遠ざかる。
「似合ってるぞ。」ニヤニヤするライを睨みつける。こいつらはいいよな。彼女とか選り取り見取りじゃないか。男と認識されないシリルとそもそも違うじゃんか。折角男に生まれたのなら、BLを回避し、可愛い彼女と幸せな家庭なんてのもいいんじゃないかな、と思う。顔は悪くない、ただ、女の子に可愛いと言っても信じてもらえるかはわからないが。
王城。そうかいろいろ変わってても結局ここかあ、ゴールってか、出発点は。こっからBLな旅しなきゃなんないのか。しかもこんな、otokonokoな装備で。勇者と旅したほうが装備だけならだいぶマシだった。
「顔をあげよ。」若々しい声が降ってくる。
「久しいな。息災だったか?」
「はい。陛下におかれましては…」
「あー、ハイハイ。堅苦しいのはなしにしょうぜ。」
突然の砕けた口調にビビっていると
「アル、シリルがビビってんじゃねーか。ったく、猫かぶれねえ奴だな。」
「普段は頑張ってんだよ。今日くらいいいだろ。」
そっかあ、ライ、王様とため口なんだー。なんか庶民じゃないんだろうな、って思ってたけどさ。
「で。可愛い甥っ子は、美人の彼女連れてきたって?」
「いや、こいつ男だし。連れてきたのは聖女の力があるからだし。」
「怒るなよー。言ってみただけじゃん。」
「ここに呼んだのは、正式に討伐隊を組むからってことなんだけど。」
「そこまで…」
「やってることは変わんないよー。ただ、もう少しシリル君がこっち側になるだけ。」
言っちゃうと、マイナー地下アイドルに武○館オファー来た感じ。
報告しに実家に帰ると、父さん達がいた。
カチャ。
「随分愛らしくなって。」父さんは笑う。父さんはふわっとシリルを抱きしめる。やわらかい金の微笑み。森の恵みに愛された美貌。シリルの父が守ると約束したたおやかな佇まい。シリル君の環境はこっそりBL。
ちなみに話を聞いたダリルとグレンは倒れた。
数日後、出発。遅れてグレンが来た。
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「これなら、危険はない。」いや、だめだろう。どうやって運ぶんだよ。
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