最強勇者無双 ~異世界召喚された俺が勇者だ~

くろげブタ

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37.ゴブリン獣の森

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 100/7/13(水)16:00 クランハウス近郊の森


 今日の探索を終えてクランハウスへ帰る。
 その道すがらで、とうとう見つけた。

 ゴブリン獣。やはりこの森に生息しているのか。

 遭遇したゴブリン獣は8匹。
 雑魚っぽい奴が6匹。
 魔法っぽい奴が1匹。
 強いっぽい奴が1匹。

 警戒するかのように、隊列を成して進むゴブリン獣。
 周囲の樹々に遮られ、俺たちには気づいていない。

「サマヨちゃん。フォーメーションAで行く」

 俺は手近な樹に取りつき、枝の上へと登り身を潜めた。
 その姿を見たサマヨちゃんが、草むらへと身を潜める。

「アル?」

 フォーメーションAって何? と言いたいのだろう。
 リュックサックから取りだしたアルちゃんが、葉っぱをかしげていた。
 今決めたのだから、分からないのも無理はない。

 草木をかき分け間近に迫るゴブリン獣。
 それでも、樹上の俺には気づいていない。

 サル獣の件で経験したことがある。
 周囲を警戒したとしても、樹上までは気が周らないものだと。
 そして、草むらで横たわるサマヨちゃんは、ただの白骨死体。
 気配も生気もないのでは、気づくはずもない。

 無警戒で樹の下を通り過ぎようとするゴブリン獣。
 今だ! 習うより慣れろだ。行くぞ。

(アルちゃん。先行して敵の魔法使いを頼む)

 樹の上から抱えるアルちゃんを投げつける。

 ドスッ

 魔法っぽい奴の身体に当たり、その胸を陥没させるアルちゃん。

「アッギャアアアアアアアアアアアアアアッッッ!」

 同時に、絶叫で取り巻きのゴブリンを気絶させていた。
 だが、強いっぽいゴブリン獣は耳を抑えるだけで気絶していない。
 引っくり返ったアルちゃんを狙い、武器を手にしていた。

 ドカッ

 草むらを飛び出したサマヨちゃんが、強ゴブリン獣へと殴りかかる。
 武器を持つ腕を叩き折られ、苦悶に顔を歪める強ゴブ獣。
 その脳天へと。

 ズバーッ

 樹上から飛び降りる勢いを利用して、俺は剣を振り下ろした。

 フォーメーションA。
 先行したアルちゃんが敵を気絶、混乱させる。
 追撃したサマヨちゃんが残った敵の注意を引く。
 最後に真打である俺が登場、敵を殲滅する。
 3人で戦う基本的な陣形だ。

 2人の場合は、サマヨちゃんが先行して囮になる。
 人数が変わろうが、基本は同じだ。

 気絶した雑魚ゴブ獣をサマヨちゃんが片付ける間に、俺は倒れたままのアルちゃんを助け起こした。

「アルちゃん大丈夫か?」

「アグッ……アグッ……」

 強ゴブ獣に狙われたのが怖かったのか、アルちゃんは俺の胸に飛びついていた。
 その身体を、頭の葉っぱを、労わるように優しく撫でつける。

「もう大丈夫だよ。敵は俺が倒した」

 ピンチを助けて貰ったからだろう。
 アルちゃんの眼差しから、尊敬と熱い感情を感じる。
 やれやれ。仲間の危機を救うのは当然だというのに。

 そうこうする間に、サマヨちゃんは最後の1匹を片付けていた。
 勇者にかかればゴブリン獣の8匹程度、物の数ではない。

 しかし、分隊のリーダーと思われる強ゴブ獣。
 これまでにもゴブリン獣とは遭遇していたが、見るのは初めてだ。
 しかも、あまり見かけない魔法ゴブ獣をも含む8匹の分隊。
 隊列を成して森の中を巡回しているように見受けられた。

 それだけ、この森はゴブリン獣にとって大事だということか?
 確かに薬草、上薬草が獲れるほか、食料になる木の実や果物なども豊富にある。

 この森は、ゴブリン獣たちの領域。ゴブリン獣の森というわけか。

 そのすぐ近くに人間が住居を築いたとなれば、狙われるのも当然といえる。
 例えるなら、街のすぐ近くにゴブリン獣が砦を築いたようなものだ。

 クランハウスに俺たちが住んでいると知れば、すぐにでもゴブリン獣の大群が押し寄せるだろう。
 倒したゴブリン獣の死体。
 見つからないよう、処理した方が良さそうだ。
 かといって、燃やすにも森の中では延焼しないよう手間が掛かる。

 どうする……アイツを試してみるか?
 道すがら稀に出くわすイモ虫獣。
 死体漁り専門のモンスター。

 運んだゴブリン獣の死体を、イモ虫獣の前へと放り投げる。
 イモ虫獣は、嬉々としてゴブリン獣の死体を捕食していた。

 コイツは使えるな。
 人間の味を覚えた熊は、以降も人間を襲うようになると聞く。
 毎回ゴブリン獣を与えて味を覚えさせれば、ゴブリン獣を襲うようになるかもしれない。
 さすがに無理があるか? まあ、駄目でも別に構わない。
 死体の処理さえしてくれれば、それで十分だ。

 イモ虫獣が食事を終えた後には、武器、防具といった金属質の物だけが残されていた。
 捨て置いて、ゴブリンに見つかるのはマズイ。
 かといって、質が悪く持ち帰るほどでもない。
 廃品業者に下取りしてもらいたい物ばかりだ。

 下取りか……
 スマホのショップ。
 画面をタッチするだけで、どこでもアイテムを販売してくれる。
 ショップと呼ぶからには、買い取りも出来るのではないか?

 俺はスマホからショップをタッチする。
 だが、アイテム購入は表示されるが、アイテム買い取りは表示されない。
 なら、これでどうだ?
 ショップ画面を開いたまま、手に持つゴブリンの剣をスマホへと近づける。

<<ゴブリンの剣を500ゴールドで買い取ります。よろしいですか?>>

 YES!
 これで邪魔なアイテムを全てゴールドに変換することができる。
 ショップのアイテム売価は相場の倍額。
 おそらく買い取り価格も相場の半額なのだろう。
 それでも、いつでもどこでも即座に買い取りしてくれる。十分ありがたい。

 地面に落ちているゴブリン装備を換金しながら、ふと思いついたことがある。
 街中のお店で同じことをやれば完全犯罪が可能だと。
 アイテムを収納できる魔法バッグでも同様の行為は可能だが、魔法バッグの存在は知られているのに対して、スマホの存在は知られていない。
 仮に行為を見とがめられても、証拠が何も無いわけだ。

 このスマホは、つくづくチートアイテムだ。
 持つのが俺のような善人だから良いものの、悪人が手にすればどうなる?
 異世界に転移した人間、プレイヤーは全部で66名。
 すでに何人かは死んでいるが、今もスマホを所持している者はいる。

 その中に悪人がいなければ良いのだが。

 善行をなす分には嫉妬程度で済むだろうが、悪行をなせば人々は不思議に思うと同時に原因を探るだろう。
 現地人の前でスマホを使って見せた者もいるだろう。

 下手すれば魔女狩りならぬ、スマホを持つプレイヤー狩りになりかねない。
 俺は崇められ称えられる勇者であって、蔑まれ迫害される悪魔ではない。
 他のプレイヤーも、俺同様の自制心を持って行動してもらいたいものだ。


 100/7/13(水)17:00 クランハウス


 ゴブリン獣の森の探索を切り上げた俺たちはクランハウスへと帰り着く。
 すでに時刻は夕方。

 周囲の柵は、半分ほど修理が終わっていた。
 グリさんの小屋はというと、こちらは建物の骨組みまで完成している。
 仕事が早いな。
 魔法のある世界。便利魔法で作業効率がアップしているのだろう。

 もっとも小屋といっても木を切り倒して組み合わせただけ。
 外板は張られておらず風は素通りで内装も全く手つかず。
 それでも、屋根だけは出来ているので雨は防げそうだ。

「おつかれさまです。森で獲ったものですが、良かったらみなさんでどうぞ」

 帰り支度を始めていた職人たちへ、シカ獣の肉を手渡した。
 職人には差し入れをするのが礼儀。お土産に持ち帰っていただくとしよう。

「あら。ユウシャさん気が利きますね」

 お姉さんだ。まだ居たのか。
 こんな所で油を売っていて良いのだろうか?
 ギルドマスター。暇なのか?

「そんなわけありません。今までギルドに居ましたが、様子を見に来たところです」

 そうなのか。だが、丁度良い。

「ユウシャさんお帰りぃー」

 そう言って俺に飛びつくカモナー。
 随分馴れ馴れしくなったな。
 カモナーには、リュックから取りだしたアルちゃんをプレゼントだ。

「ただいま。アルちゃんだいぶ頑張ってくれたぞ」

「おお! さすがアルちゃん。よしよし」

 受け取ったアルちゃんを抱えて撫でるカモナー。
 アルちゃんは俺のリュックから出されるのを名残惜しそうにしていたが、今はカモナーの腕に抱かれてご満悦のようだ。

 おのれ。やはり本来の主人の方が良いのだろうか。
 もっと肥料を与えて、もっと俺に懐かせてやる。

「んーレベルは……おお! レベル12もあるよぉ」

 ずいぶん上がったな。
 ハチ獣を大量に倒したのが大きいのだろう。
 俺のレベルは19。
 サマヨちゃんのレベルは25に上がっている。


【ステータス】

 名前:ゲイム・オタク
 種族:人間
 称号:勇者
 職業:勇者
 レベル:19(4 UP)
 HP:595(186 UP)
 MP:36 (16 UP)
 攻撃:47 (17 UP)
 防御:50 (18 UP)
 敏捷:47 (17 UP)
 魔攻:36 (16 UP)
 魔防:41 (16 UP)

 ポイント:0
 最強スキル:【勇者☆☆(UP)】
 武器スキル:【骨2・片手剣1・両手斧1・盾1】
 強化スキル:【体力1・魅力1・植物1】
 他スキル :【身かわし1】【投擲1(NEW)】【植物知識1】


 【勇者】スキルの☆が増えている。熟練度が上がったわけだ。
 そのおかげか、ステータスの伸びが大分良くなっている。
 そして、【投擲1】の習得。
 これまでサマヨちゃんとナオンさんの骨、アルちゃんを投げてきた成果がようやく現れた。


 レアリティ:レジェンド
 名前:サマヨちゃん
 種族:暗黒アンデッドスケルトン・魔王
 称号:神聖魔王
 職業:暗黒バレエダンサー・魔王

 レベル:25 (3  UP)
 HP:561 (139 UP)
 MP:33  (9  UP)
 攻撃:74  (17 UP)
 防御:69  (16 UP)
 敏捷:136 (33 UP)
 魔攻:33  (9  UP)
 魔防:73  (17 UP)

 種族スキル:【不死】【自動再生2】【痛覚無効】
【空腹無効】【状態異常無効】【不眠不休】【神聖耐性上昇大】

 主力スキル:【魔王】
 武器スキル:【棍棒1】
 他スキル :【暗黒2】【魅了ダンス】【献身】


 【魔王】になったためか、サマヨちゃんのステータスも伸びが良い。
 そして、敏捷がやけくそ気味に上がっている。
 実際の戦闘になれば、勇者スキル、魔王スキルで更に強化されるのだ。
 ファーの街でナンバー1というチェーンさん。今なら勝てるんじゃないか?


 レアリティ:レア
 名前:アルちゃん
 種族:マンドラゴラ
 称号:サンドバッグ大根
 職業:絶叫娘

 レベル:12 (12  UP)
 HP:158 (118 UP)
 MP:68  (58  UP)
 攻撃:15  (12 UP)
 防御:51  (48 UP)
 敏捷:14  (12 UP)
 魔攻:52  (48 UP)
 魔防:52  (48 UP)

 種族スキル:【絶叫】【滋養強壮1】【自動再生1】
 他スキル :【打撃耐性1(NEW)】【栄養吸収1(NEW)】


 カモナーにアルちゃんのステータスを見せてもらう。
 【打撃耐性1】が付いているな。
 ……殴ったり投げたり蹴ったりした影響だろう。

 【栄養吸収1】……栄養を吸収。自身のHP・MPに変換する。
 特別な栄養を与えることで、最大HP・MPの上限が上昇する。

 いろいろ肥料を上げたからな……
 どちらも、カモナーには黙っておいたほうが良さそうだ。

「あれぇ? アルちゃん? 称号のサンドバッグ大根ってなあに?」

 そこに気づいたか。

 称号:サンドバッグ大根
 殴り叩かれ蹴られても耐える者。
 HP・防御・魔防に上昇補正。

 職業:絶叫娘
 LV上限60。
 絶叫大好き。【絶叫】スキル効果に上昇補正。

「アルッ アルルー」

 アルちゃんは必至に何かを訴えているが、俺が黙っていれば大丈夫。
 植物の言葉など誰にも分からない。

「お姉さん。これから街に帰るんですよね? お願いがあるのですが」

「なにかしら?」

「今晩1晩で結構ですので、カモナーを泊めてやってもらえませんか?」

 クランハウスの柵は、まだ半分しか修復が終わっていない。
 クランハウスで初めての夜。モンスターの動向がどうなるのか分からない。
 カモナーの身の安全のためにも、お姉さんを頼ることにする。

「僕もクランハウスで戦うんだよぉ。ユウシャさんは僕が守る!」

 いや、無理だから。

「カモナー。これを頼む」

 今日の狩りで得た魔石をカモナーに手渡す。

「すまないがギルドに納品してきてくれないか。それと明日で構わないので牛を1頭、購入してきて欲しい。良く乳が出そうで強そうな牛を頼む。カモナーにしか頼めない大事な任務だ。頼めないだろうか?」

「分かったよぉ。僕が最高の牛を選ぶんだよぉ」

 これで邪魔者は消えた。
 カモナーがいたのでは、何かあった時に足を引っ張られかねない。

「ユウシャさんにしては良い提案ですね。カモナーちゃん街へ帰りましょう」

 お姉さんはギルドマスターで強いそうなので、任せておけば大丈夫だ。
 それに、御供がもう1匹いる。

「アルちゃん。カモナーを頼むぞ」

「アルッ!」

 カモナー、アルちゃん、お姉さん。そして職人の方々は街への帰路についた。
 クランハウスに残るのは、俺とサマヨちゃん。そしてグリさんだけだ。

「それじゃ家に入ろう」

 すでに陽は傾き時刻は夜になろうとしている。
 遠く森の中からは、オオカミ獣だろう遠吠えが聞こえていた。

 クランハウスでの初夜。果たしてどうなるのか楽しみだ。
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