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狂チョコ病

原駄目愚美(はらだめ グミ)

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「それにしても二人ともよく来てくれたわ、助かった~!ほんま猫の手も借りたかったくらいやもんな!でも実際猫の手を借りても何の役にもたたへんわ!」
と、一人ボケ一人ツッコミをしている。すると、面接を受けに来た子も負けじと、
「別に猫じゃなくても犬とかでもいいですよね!って犬も猫も一緒じゃい!ううん、犬と猫は別物よ!」
と、一人ボケ一人ツッコミ、一人ボケツッコミをしている。あけみは呆れてしまい、呆れている場合じゃないわ!と考えて、
「じゃあ、今から面接を始めます!」
と言った。
「そうだった!私面接に来たんですよ!」
と、今更なことを言う。そして、面接に来た子は履歴書を取り出して書き始めた。するとあけみがそれに驚いて、
「もしかして今から書くつもり!?」
と聞くと、マサシがその言葉に驚いて、
「えっ?履歴書って面接の時に書くもんじゃないの?」
とあけみにたずねる。すると、面接に来た子が、
「先に書いて来る人もいるみたいですけど、私はちゃんと面接の時に書きます!」
と張り切って言う。するとあけみが、
「先に書いてくるものよ!」
と二人に言うと二人は、
「し、知らなかった…。」
と激しく落ち込んだ。あけみは馬鹿らしくなって、
「馬鹿らしい!じゃあ私もう遅い時間だし帰るからね!」
と言うと、マサシが
「あけみ!馬鹿らしいの馬と、鹿の間にやなぁ(で)か(に)入れてみて!」
「え?馬で鹿らしい…意味のわからんこと言わせるな!」
とマサシを怒ると、面接に来た子が
「馬も鹿らしい…。」
と言う。
「あんたも乗ってる場合じゃないでしょ!はやく履歴書書いて!それから自己紹介くらいしなさいよね!」
と少しきつく言うと、
「…ごめんなさい。あ、あの、名前は原駄目愚美と言います。年齢は二十歳で、趣味はジャイアントカプリコを下から食べることです。」
マサシとあけみの二人は、それを聞いて驚いた。
「…通やな。」
マサシはポツリと言った。その言葉を聞いて原駄目愚美は、
「じゃあ田崎さんや神崎(紺野あけみ)さんもそうやって食べるんですか!?」
愚美は二人の胸に付けている名札を見てそう言うと、マサシは真剣な眼差しで、
「そうや、チョコベビーは綺麗に並べて置いて、ストローで一粒ずつ吸って食べる。」
続けてあけみが、
「それにチョコ棒は周りのチョコを食べてからスナックの所をこんがり焼いて食べるか、捨てるのよ。他にもチョコフレークはケロッグコーンフレークと思って食べるわ。これは思ったよりも甘く感じれて、得した気になるのよ。」
そしてマサシが極めつけに、
「それと、麦チョコはゴハンと混ぜて食べると、結構不味い!けど、このおかずさえあったらゴハン何倍でも食べれるくらい好きなおかずがチョコレートの中にもあってええやろうと思って食べてる。チョコに対する礼儀や。」
マサシがそう言って締めくくると、愚美は嬉しそうに、
「良かった~!私以外にもいたんですね!通の人が!」
「なかなか話のわかる子やなぁ、まぁとにかに採用にしてあげるから履歴書また今度来る時に持って来て。ところでいつから仕事出来るん?」
マサシがそう質問すると愚美は、
「明日からでも来れます!」
と元気よく答えた。
そして今度はあけみが質問する。
「じゃあ、休みはいつがいいの?」
「それでもいいです!」
「質問の答えになってないわよ。」
「それって言ってしまったところをいつでお願いします!」
「わかりにくいけどつまり、いつが休みでもいいわけね?」
「はい!」
それを聞いてマサシは少し考えて、
「それじゃあ原田目愚美さんは金曜と土曜休みで朝10時から夕方の19時まででいいかな?」
「前の台詞に同じ!」
「つまり、はい!やね。…それとあけみは日曜と月曜休みで、10時から19時で、また働いてくれへんか?」
それを聞いてあけみは少し驚いて、
「わ、私も!?…わかったわ。」
と言った。てっきり働かしてもらえないものだと思っていたあけみは、とても嬉しくなった。
「それからあと一人、部流本・明志君っていう21歳のバイトの子が今から調度一週間後の土曜から火曜水曜休みで来てくれることになってるねん。んで僕は木曜休みで常に3人でまわすようにするから。あと、月曜からコンビニみたいにチョコ以外にも色々置くつもりでいる。そうなっていくと24時間営業の方も考えていくつもりや。」
…そうして、マサシのチョコレート店はなかなか繁盛してくるのであった。
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