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第三話 ~早朝。全魔族を集結させるように指示を飛ばした~
しおりを挟む第三話
「……ん。朝か……」
早朝。窓から差し込む朝日を浴びて、俺は目を覚ました。
隣には裸のまますやすやと寝息を立てるレティシアの姿があった。
『寝かせるつもりは微塵も無い』
そう決めてレティシアの身体を一晩中楽しんでいた。
十回から先は覚えてない。それくらい行為に溺れていた。とも言えるな。
俺の精液には『隷属』の効果がある。
この女とは対等の関係でいたいと思っているからな、その効果が無いのはありがたいことだな。
くくく……後はまぁ、魔王の『初めて』を奪えたのは実に気分が良かったな。
「……さて。起きろレティシア。話したいことがある」
「……んぅ……エルランド……さま。……おはようございます」
俺が軽くレティシアの肩を揺すると、彼女は目を擦りながら意識を戻していった。
「俺が指定した作戦開始の時刻は正午だ。まだ時間はあるが話しておきたいこともある。これより三時間後に魔王軍の全員を集結させろ。出来るな?」
少し多めの時間を見積って、俺はレティシアにそう告げた。
だが、俺のその言葉に彼女はスっと目を細める。
そして先程までの眠そうな言葉とは一転して、しっかりとした口調で俺に言葉を返す。
「……了解しました。時間は三時間も取らせません。二時間で集めてみせましょう」
「くくく。ならば魔王の手腕を見せてもらおうか」
まぁそのくらいが妥当な時間か。そう思いながら俺はベッドから起き上がり服に袖を通していった。
それと同時に、レティシアもベッドから身体を出し、指をパチンと鳴らす。するとその音に合わせてルーシーが姿を現した。
「おはようございます。魔王様」
「おはようルーシー。今すぐ全魔族を城前の広間に集めなさい。時間は二時間です」
「了解しました。二時間も取らせません。一時間半で集めてみせましょう。ですが御二方はごゆるりと広間へ来ていただければ結構です」
ルーシーはそう言うと、俺の方へと視線を向ける。
そして少しだけ頬を赤くしながら言った。
「おはようございます。エルランド様。私が時間内で全魔族を集合させた暁には、貴方様の寵愛を受けてもよろしいですか?」
「くくく。良いだろう。お前がそれを望むならな」
「はい。ありがとうございます。では失礼します」
ルーシーはそう言うと俺たちの前から姿を消した。
さて。彼女の実力と『レティシアがどれだけ信頼されているか』を見せてもらおうか。
「それではエルランド様。ご朝食を用意します。居間へと向かいましょう」
「なるほど。魔族の食事というのは興味がある。昨日は食べることがなかったからな」
「ふふふ。人間界の食事よりも良い物を用意していると自負しております。期待してください」
「ほぅ……お前がそこまで言うのか。ならば期待させてもらおうか」
こうして俺はレティシアと共に寝室を後にし、朝食を取りに居間へと向かった。
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