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第2章
第十一話 ~悠斗くんとの二回目のデート~ ③
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第十一話 ~悠斗くんとの二回目のデート~ ③
「最近のライトノベルでのおすすめを教えて貰っても良いですか?」
オシャレなカフェで美味しいブレンドコーヒーを飲みながら、私は彼にそう話題を切り出しました。
「そうだね。個人的にはまた『両片思いラブコメ』にハマってきてるんだよね」
「ふふふ。私も好きですよ、両片思いラブコメ」
甘々ジレジレの両片思いとかを読んでいると胸がキュンキュンしますからね。
「クラスメイトのアイドルにご飯を食べさせたら懐かれたラブコメ。迷子の子供を助けたら美少女留学生とお近付きになれたラブコメ。ロシア語でデレてくる美少女とのラブコメ。この辺りが最近のオススメかな」
「ふふふ。お砂糖いっぱいな感じですね」
こんな話は朱里さんとは出来ない話でしょうからね。
悠斗くんもイキイキしながら話をしています。
「あとはそうだな……隣の部屋に引っ越してきたお嬢様にご飯を振る舞ったら懐かれるラブコメも悪くないな」
「最近多いですよね。お世話系ラブコメ」
そんな話をしながら、私と悠斗くんは楽しいひと時を過ごしました。
コーヒーも一杯おかわりをして、十時四十分位の時間を目安にしてお会計をしました。
「お支払いをお願いしても良かったんですか?」
「あはは。この位は出させて欲しいかな」
お店を出た悠斗くんは、そう言って笑っていました。
「では、ご馳走になります。ですがプラネタリウムの料金は自分で払いますからね」
「うん。何でもかんでも出すのが正しいとは思わないからね」
そして、悠斗くんと手を繋いで歩いていると、目的地のプラネタリウムの施設が見えてきました。
『プラネタリウム』
入り口で料金を支払ったあと、私と悠斗くんは施設の中に入ります。
時間は開演の十分前です。
館内を進んで指定されている座席へと向かいます。
「映画館みたいなのをイメージしてたんだけどさ、ここのプラネタリウムはソファベッドみたいなので寝ながら見れるんだ」
「へぇ、それはすごいですね!!」
悠斗くんと並んで寝ながら星を見れるのはとても心が踊ります。
「あれだね。もう他の人も待ってるみたいだから静かに移動しようか」
「はい」
悠斗くんが指さした丸いソファベッドに、私たちは寝そべりました。
「ふふふ。とても近いですね」
「ははは。君との距離がここまで近いとドキドキしてるのがばれてしまうね」
「私も悠斗くんとこうしていると胸がドキドキしてしまいます」
そうしていると、辺りの照明が落ちて行きました。
「始まるね」
「はい。楽しみです」
『大変ながらくお待たせいたしました。本日は、当館へお越しいただき、誠にありがとうございます』
ナレーターの方の声が辺りに響いています。
上映にあたっての諸注意がされていきます。
そして、それが終わると天井に春の星空が広がりました。
春の星空は、穏やかな春の気候と同じように、
暖かみのあるやさしい輝きをしているように感じます。
他の季節に比べて星の数が少なく、
大型の星座が多いことが特徴です。
それではまず、方角のご案内をします。
皆さんの正面、こちら側が南…、
みなさんの後ろ側が北…、
左側が東…、
右側が西となっています。
「……綺麗」
「あの星空よりも君の方が綺麗だよ。と言いたいところだけど、言葉を失う美しさだね」
「ふふふ。もう、悠斗くんたら……」
作り物とは思えない星空のクオリティに、私たち自然と言葉が少なくなります。
北の空にひしゃくのような7つの星があります。
これが北斗七星です。
北斗七星のここにある2つの星を線で結び…、
そのまま北へと延ばしていくと…、
北極星を見つけることができます。
「丁寧な説明ですね。これなら星の知識が無くても楽しめますね」
「そうだね。あとは北斗七星は星座でいうとおおぐま座の一部で、大きなクマの腰としっぽにあたる星なんだよね」
悠斗くんはそう言うと北斗七星を指さしました。
「あのクマ、よくみるとしっぽが長すぎると思わないかい?童話の世界では、森の木が話しているところにクマが遭遇して、びっくりして逃げようとしたら木にしっぽをつかまれたから長いしっぽになってしまった。そんな話があるんだよ」
「ふふふ。その話は初耳でしたね。春の大曲線とかは知ってましたが。そういう小話に詳しいのは流石悠斗くんですね」
私がそう言うと、悠斗くんは少しだけ恥ずかしそうに笑いながら言葉を返しました。
「ははは。実はこうした話しができるように、事前に知識を詰め込んでいたんだよね」
「ふふふ。でしたらそれは言わなくても良かったのでは?」
「知ったかぶりをするのも恥ずかしいと思ったからね。おっと次は夏の大三角だね」
悠斗くんの声で宙を見上げると有名な星空が映し出されていました。
「あれがデネブ、アルタイル、ベガ……」
「歌詞にもなってるくらいだからね」
有名なアニソンですよね。ふふふ、私も知ってます。
そして、夏が終わり、秋が来ます。
私たちはナレーターの方の丁寧な説明に耳を傾けます。
クライマックスの冬の星空が映し出されました。
この星空は12月25日の0時。ちょうどクリスマスです。
冬は一等星が多く、一年中で一番華やかな星空です。
それでは、クリスマスの夜にタイムスリップして、
冬の星空を彩る一等星たちを紹介していきます。
冬の星座の代表、それは何といってもこのオリオン座でしょう。
四つの星の中に三ツ星が綺麗に並んでるこのオリオン座は覚えやすいですね。
「悠斗くんにお願いがあります」
「なんだい、詩織」
冬の星空を眺めながら、私は彼におねだりをします。
「24日のクリスマスイブは朱里さんに譲ります。ですので25日は私にくれませんか?」
「…………うん。わかった。俺の25日は君にあげるよ」
少し思案したあと、悠斗くんは了承をしてくれました。
「ありがとうございます、悠斗くん」
「この星空が本物とどっちが綺麗か二人で確かめようか」
そんな話をしながら、私たちは身を寄せ合います。
「……キスしたいです」
「いいよ。俺もしたいと思ってた」
その言葉を皮切りに、私と悠斗くんは唇を静かに重ね合わせました。
大好きです……悠斗くん。
四季の話が終わり、ナレーターの方が続けて神話の世界を語り始めました。
それを聞きながら、私は悠斗くんとたくさん唇を重ね合わせました。
「最近のライトノベルでのおすすめを教えて貰っても良いですか?」
オシャレなカフェで美味しいブレンドコーヒーを飲みながら、私は彼にそう話題を切り出しました。
「そうだね。個人的にはまた『両片思いラブコメ』にハマってきてるんだよね」
「ふふふ。私も好きですよ、両片思いラブコメ」
甘々ジレジレの両片思いとかを読んでいると胸がキュンキュンしますからね。
「クラスメイトのアイドルにご飯を食べさせたら懐かれたラブコメ。迷子の子供を助けたら美少女留学生とお近付きになれたラブコメ。ロシア語でデレてくる美少女とのラブコメ。この辺りが最近のオススメかな」
「ふふふ。お砂糖いっぱいな感じですね」
こんな話は朱里さんとは出来ない話でしょうからね。
悠斗くんもイキイキしながら話をしています。
「あとはそうだな……隣の部屋に引っ越してきたお嬢様にご飯を振る舞ったら懐かれるラブコメも悪くないな」
「最近多いですよね。お世話系ラブコメ」
そんな話をしながら、私と悠斗くんは楽しいひと時を過ごしました。
コーヒーも一杯おかわりをして、十時四十分位の時間を目安にしてお会計をしました。
「お支払いをお願いしても良かったんですか?」
「あはは。この位は出させて欲しいかな」
お店を出た悠斗くんは、そう言って笑っていました。
「では、ご馳走になります。ですがプラネタリウムの料金は自分で払いますからね」
「うん。何でもかんでも出すのが正しいとは思わないからね」
そして、悠斗くんと手を繋いで歩いていると、目的地のプラネタリウムの施設が見えてきました。
『プラネタリウム』
入り口で料金を支払ったあと、私と悠斗くんは施設の中に入ります。
時間は開演の十分前です。
館内を進んで指定されている座席へと向かいます。
「映画館みたいなのをイメージしてたんだけどさ、ここのプラネタリウムはソファベッドみたいなので寝ながら見れるんだ」
「へぇ、それはすごいですね!!」
悠斗くんと並んで寝ながら星を見れるのはとても心が踊ります。
「あれだね。もう他の人も待ってるみたいだから静かに移動しようか」
「はい」
悠斗くんが指さした丸いソファベッドに、私たちは寝そべりました。
「ふふふ。とても近いですね」
「ははは。君との距離がここまで近いとドキドキしてるのがばれてしまうね」
「私も悠斗くんとこうしていると胸がドキドキしてしまいます」
そうしていると、辺りの照明が落ちて行きました。
「始まるね」
「はい。楽しみです」
『大変ながらくお待たせいたしました。本日は、当館へお越しいただき、誠にありがとうございます』
ナレーターの方の声が辺りに響いています。
上映にあたっての諸注意がされていきます。
そして、それが終わると天井に春の星空が広がりました。
春の星空は、穏やかな春の気候と同じように、
暖かみのあるやさしい輝きをしているように感じます。
他の季節に比べて星の数が少なく、
大型の星座が多いことが特徴です。
それではまず、方角のご案内をします。
皆さんの正面、こちら側が南…、
みなさんの後ろ側が北…、
左側が東…、
右側が西となっています。
「……綺麗」
「あの星空よりも君の方が綺麗だよ。と言いたいところだけど、言葉を失う美しさだね」
「ふふふ。もう、悠斗くんたら……」
作り物とは思えない星空のクオリティに、私たち自然と言葉が少なくなります。
北の空にひしゃくのような7つの星があります。
これが北斗七星です。
北斗七星のここにある2つの星を線で結び…、
そのまま北へと延ばしていくと…、
北極星を見つけることができます。
「丁寧な説明ですね。これなら星の知識が無くても楽しめますね」
「そうだね。あとは北斗七星は星座でいうとおおぐま座の一部で、大きなクマの腰としっぽにあたる星なんだよね」
悠斗くんはそう言うと北斗七星を指さしました。
「あのクマ、よくみるとしっぽが長すぎると思わないかい?童話の世界では、森の木が話しているところにクマが遭遇して、びっくりして逃げようとしたら木にしっぽをつかまれたから長いしっぽになってしまった。そんな話があるんだよ」
「ふふふ。その話は初耳でしたね。春の大曲線とかは知ってましたが。そういう小話に詳しいのは流石悠斗くんですね」
私がそう言うと、悠斗くんは少しだけ恥ずかしそうに笑いながら言葉を返しました。
「ははは。実はこうした話しができるように、事前に知識を詰め込んでいたんだよね」
「ふふふ。でしたらそれは言わなくても良かったのでは?」
「知ったかぶりをするのも恥ずかしいと思ったからね。おっと次は夏の大三角だね」
悠斗くんの声で宙を見上げると有名な星空が映し出されていました。
「あれがデネブ、アルタイル、ベガ……」
「歌詞にもなってるくらいだからね」
有名なアニソンですよね。ふふふ、私も知ってます。
そして、夏が終わり、秋が来ます。
私たちはナレーターの方の丁寧な説明に耳を傾けます。
クライマックスの冬の星空が映し出されました。
この星空は12月25日の0時。ちょうどクリスマスです。
冬は一等星が多く、一年中で一番華やかな星空です。
それでは、クリスマスの夜にタイムスリップして、
冬の星空を彩る一等星たちを紹介していきます。
冬の星座の代表、それは何といってもこのオリオン座でしょう。
四つの星の中に三ツ星が綺麗に並んでるこのオリオン座は覚えやすいですね。
「悠斗くんにお願いがあります」
「なんだい、詩織」
冬の星空を眺めながら、私は彼におねだりをします。
「24日のクリスマスイブは朱里さんに譲ります。ですので25日は私にくれませんか?」
「…………うん。わかった。俺の25日は君にあげるよ」
少し思案したあと、悠斗くんは了承をしてくれました。
「ありがとうございます、悠斗くん」
「この星空が本物とどっちが綺麗か二人で確かめようか」
そんな話をしながら、私たちは身を寄せ合います。
「……キスしたいです」
「いいよ。俺もしたいと思ってた」
その言葉を皮切りに、私と悠斗くんは唇を静かに重ね合わせました。
大好きです……悠斗くん。
四季の話が終わり、ナレーターの方が続けて神話の世界を語り始めました。
それを聞きながら、私は悠斗くんとたくさん唇を重ね合わせました。
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